今だからこそ使いこなすのがカッコいい。男前フィルムカメラ10選
デジカメで「フルサイズ」という言葉を聞いたことはありますか? このフルサイズという言葉、一般的な35ミリフィルムカメラと同等サイズの撮像素子を使用しているということ。デジカメのフルサイズ機はまだまだ高価で敷居が高いですが、フィルムカメラなら標準装備なんです。そんなフィルムカメラを使って、写真の原点を体験してみませんか。
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今だからこそ、フィルムカメラを使ってみませんか?
デジタルカメラが当たり前の今、20代の方はフィルムカメラという存在を知ってはいても、さわった経験はあまりないのではないでしょうか? 今やプロカメラマンはほぼデジタルカメラを使用するようになり、有名なフィルムも次々と生産終了を発表。悲しいことですがフィルムカメラが使えなくなるその時は、いつかは来ることになるのでしょう。
しかし、だからこそ今、フィルムカメラを始めてみることをオススメします。フィルムカメラの魅力は、なんといっても空気感がある写り。フィルムによって色の出方が違うので、好みのフィルムを探すのも楽しいものです。カメラによっては、撮るまでのプロセスも簡単とは言えませんが、その分好きな写真が撮れたときの喜びは格別! 写真の基礎を勉強することもできます。宮崎あおいさん、菅田将暉さんなど、独特のセンスに定評がある芸能人たちもフィルムカメラ好きを公言していますし、中古カメラの値段も落ち着き、手に入れやすくなっています。あなたもフィルムカメラの世界をのぞいてみませんか?
1.王道中の王道、Nikon FM2
出典:mir.com.my
35ミリのフィルム(一般的なフィルム)を使用するマニュアルフォーカス一眼レフカメラ。一時期は写真学校の学生の定番だったこともあり、写真の基礎を勉強をしたい、手間が多くても自分で撮るプロセスを楽しみたいという人向け。電池を入れると露出計が作動しますが、電池がなくてもシャッターを切ることができます。
中古価格は2017年5月現在、ボディのみで3万円ほど。後継機のNEW FM2、FM3Aになると4〜5万円ほどです。中古は不安という方には、新品で手に入れることができるFM10というモデルもあります。自分でフォーカスを合わせ、シャッターを切るというプロセスを楽しんでください。
2.巨匠、森山大道が愛好したことで知られるリコーのGRシリーズ
デジタルカメラとして現在も人気が高いリコーGR。一度はその名を耳にしたこともあるのではないでしょうか? しかしその前身は同名のフィルムコンパクトカメラシリーズだったのです。コンパクトカメラとは、レンズとボディ一体型のカメラということ。レンズは交換できませんが、その分コンパクトで持ち歩きに向いています。スナップを得意とした森山大道氏が好んで使用していたことでも知られ、電源を入れてからすぐに撮影ができるように考えられた構造やレンズの描写力が絶賛されました。
初代のGR、機能充実を計ったGR1s、一般ユーザー向けのGR10、超広角レンズを搭載したGR21、フィルムシリーズ最後の1台GR1vの計5種類があります。中古市場では2〜4万円ほどで取引されているようです。
Ricoh GR1s 作例
3.ハーフ判で2倍撮れ、思い通りの作画ができる伝説のカメラOlympus penF-T
こちらはハーフ判といって、通常の35ミリのフィルムの1コマを2分割して撮影できるカメラです。ということは、36枚撮りのフィルムで72枚撮れるので、フィルムが高価な時代に爆発的な人気を博しました。このハーフカメラを一眼レフで世界で初めて実現したのがこちらの機種です。35ミリフィルムを使う一眼レフの中で、ここまでコンパクトなカメラは他にありません。コンパクトなカメラがいいけれど、撮るプロセスも楽しみたいという方にオススメです。
また構造的に、ファインダー画面は縦位置が標準となるのが特徴で、これも面白いところです。すっきりとしたスタイリッシュなフォルムも人気で、長らく中古市場での値段も高騰していましたが、近頃やっと落ち着いて来た模様。レンズつきで3万5000円ほどで取引されています。
4.スタイリッシュな外観に釘づけ! Canon Dial 35
こちらも35ミリフィルムを使用するハーフ判のカメラ。このユニークなデザインが多くの人を魅了してきました。中央のレンズの周辺にある、まるで昔の電話のように見える部分は露出計なんです。そして左下に見える黒のグリップ。こちらは中にゼンマイが入っており、巻き上げておくとシャッターを押したあとにフィルムを自動的に巻き上げてくれます。
ハーフ判ですが、グリップを持って構えると画面は横位置になるのもこのカメラの特徴です。撮影方法もあまり難しくないので、身構えずに写真を撮りたい、人と違うデザインが好きという方にオススメです。中古で1万円ほどで入手できます。
5.難しいことは考えたくないならこちら。トイカメラの王様、Lomo lc-a
トイカメラという存在を知っていますか?おもちゃのようなカメラ、というのが語源ですが、独特の写りに熱烈なファンも多いんです。そのキングオブトイカメラがこちらのカメラ。トイカメラなのでレンズのクオリティが低く、そのために生まれる周辺光量落ちや、強いコントラストなどが、計算できない写りを生み出します。
被写体との距離をレバーで合わせてシャッターを押すだけと、撮るプロセスも簡単なので、あまり難しいことは考えずにフィルム写真らしさを楽しみたい方にオススメです。こちらは新品で買うことができ、値段は29300円。安くはないですが、値段以上の驚きがある、ぜひ一度は手に取っていただきたいカメラです。
ロモグラフィーの代名詞・LC-A+カメラのスタンダードモデルはこちら!Minitar-1ガラスレンズ、ゾーンフォーカスを搭載した35mmオート露出カメラ。
6.憧れという言葉が似合いすぎるカメラ、M型ライカ。
ライカというブランド、一度は聞いたことがあるでしょう。代表的なMシリーズはレンジファインダーと呼ばれるカメラです。非常に高価なのに、ピント合わせはオートではないし、ほとんどの機種が70cm以上寄ることができないなど、決して使いやすいカメラではありません。
それなのにカメラマン、芸能人など多くの熱狂的なファンがいるのは、それらの欠点をおぎなって余りある魅力があるということでしょう。ドイツでの丁寧なもの作り、ボディの堅牢性、レンズの構造の緻密さなどに定評があり、大切に扱えば非常に長く使えることも高評価を受けています。一眼レフに比べてコンパクトなレンジファインダーは、スナップに愛用する人が多いようです。中古市場では、ボディのみで10〜20万円ほどから購入できます。
Leica M3 作例
7.宇宙飛行士が使用したことでも知られるHasselblad500シリーズ
ここからは、ブローニー判または120フィルムと呼ばれる中判フィルムを使用するカメラを紹介していきます。フィルムが大きくなる分、写りは美しく精緻なものになります。このハッセルブラッド、ウエストレベルと呼ばれる中判カメラで正方形の写真を撮ることができます。上からのぞきこむスタイルなので、被写体を緊張させることがなく、ポートレートにも最適。
1960年代に宇宙飛行士がハッセルブラッド500Cを月に持っていき写真を撮ったというエピソードからも、その頑丈さと作りの確かさがわかると思います。電池は不要で露出計もありませんが、今はスマートフォンの露出計アプリがありますし、コンパクトデジカメを露出計代わりにすることもできるので問題ないでしょう。シャッターを切った瞬間のバコン!という気持ちいい感触をぜひ感じてみてください。こちらは中古市場でも人気が高く、レンズつきで10万円ぐらいから購入できます。
8.戦車のような無骨な外観が特徴の二眼レフカメラ、Mamiya C330
こちらも中判フィルムを使用し、上からのぞく二眼レフカメラです。見てください、このいかつい外観! 男前ですよね。蛇腹を繰り出してピントを合わせる方式で、そのためマクロ撮影も得意。蛇腹を伸ばすとさらに大きくなります。マクロ撮影や平面性確保のためフィルムを直線的に送る必要があり、そのためカメラ本体が大きく重くなっています。体力に自信がある方にオススメしたい機種ですね。
メイドインジャパンの二眼レフとしては貴重なもので、写りも素晴らしいです。中古市場では3〜4万円ほどで購入できるので、中判カメラとしてはお買い得といえます。
9.二眼レフの王様といえばこちら、Rolleiflex
1920年代にドイツで誕生した、二眼レフの元祖ともいえるカメラ、ローライフレックス。中判カメラのわりにはコンパクトで、レンズシャッターなのでシャッター音が小さいのも特徴です。カールツァイス社製のレンズの写りには定評があり、また使われているレンズの種類によってさまざまなモデルがあります。人気が高いのはボケが美しいと言われるプラナーですが、いろいろな意見があるので気になる方はぜひ各モデルの作例を見比べてみてください。
モデルによってかなりの差がありますが、中古では5万円〜20万円ほどの間で取引されています。ちょっと予算オーバーだな、と思う方には、廉価&軽量判のローライコードというカメラもあります。
10.アラーキーも愛用したPlaubel Makina
出典:nikomat.org
蛇腹でレンズ部分を開閉するという、一風変わったレンジファインダーカメラ。こちらはブローニーフィルムを使う6×7というフォーマットなので、正方形ではなく長方形の写真が撮れるカメラ。6×6の正方形で撮影すると1本のフィルムは12枚撮りですが、6×7だと10枚撮ることができる計算になります。
こちらのカメラ、蛇腹で開閉できるゆえ、たたんだときはかなり薄くなるので持ち運びに便利。また、6×7フォーマットと描写力に優れたレンズがもたらす写りの美しさは有名です。上級者向けではありますが、ひとクセあるカメラを使いこなしてみたい方にはぜひオススメしたい機種です。中古市場では20万円ほどで取引されています。
『写真私情主義』荒木 経惟
プラウベルマキナで写真家・荒木経惟氏が撮影した日常の写真をまとめた写真集。全5万カットから201点を厳選して収録。
「自分だけの世界」を持っている人はカッコいい
いかがだったでしょうか? 筆者はデジタルカメラももちろん使いますが、フィルムカメラで撮影して、仕上がりを待っている時間のドキドキはやはりデジカメでは味わえないもの。女子は自分が知らない世界を知っている男性って、カッコいい! と思うもの。これが結婚した後に高価なカメラやレンズを次々買われたりすると、話はまた違うんですけどね…(笑)。まだまだフィルムカメラ、アツいですよ。
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この記事のライター
旅好き、カメラ好き、二児の母です。現在香港在住。