小室哲哉だけじゃない!90年代Jポップの陰の支配者織田哲郎とビーイング
ZARD、WANDS、相川七瀬、KinKi Kidsのヒット曲を生み出したビーイングとその設立者の一人である織田哲郎について解説します。
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TUBE、B'z、ZARD、倉木麻衣、GARNET CROW、小松未歩、大黒摩季、WANDS、DEENなどの90年代J-POPシーンを席巻したアーティストを世に送り出してきたレコード会社として有名な株式会社ビーイングですが、このビーイングを長戸大幸とともに設立したのが、織田哲郎です。
織田哲郎は、90年代に同じくヒット曲を量産した小室哲哉ほど有名ではありませんが、その実力は小室哲哉と並ぶかそれ以上のものを持っています。小室哲哉がキーボードやシンセサイザーを活かしたデジタルな雰囲気の楽曲を生み出していたのに対して、織田哲郎はどちらかというとアコースティックギターを出発点とした、歌謡曲の流れを汲むウェットで情緒的、そしてメロディアスな楽曲を生み出すのが得意であったといえます。
織田哲郎が作曲したものでとりわけ有名なものとして、ZARDの「負けないで」や「揺れる想い」があります。
ZARD ALBUM COLLECTION MEDOLEY
また、中山美穂&WANDSの「世界中の誰よりきっと」、DEENの「このまま君だけを奪い去りたい」なども織田哲郎が手がけたものですが、いずれも日本人の耳に心地よく入ってくる素直なメロディーが特徴ですね。
世界中の誰よりきっと|中山美穂&WANDS
このまま君だけを奪い去りたい|DEEN
意外なところでは、ちびまる子ちゃんの主題歌で、最近ではE-GIRLSによってカバーされたB.B.クイーンズの「おどるポンポコリン」の作曲者でもあります。鉄板バラードのみならず、このようなコミカルでキャッチーな曲まで作曲できるとは驚きです。ただ、「おどるポンポコリン」も、じっくりメロディーだけを追うと、実に織田哲郎的であることが分かります。
おどるポンポコリン|E-girls
相川七瀬のヒット曲「夢見る少女じゃいられない」も、実は織田哲郎による楽曲です。「恋心」や「Sweet Emotion」も織田哲郎の作曲です。情緒的な曲だけでなく、ロック系もお手の物だということが分かります。なお、こちらの動画のライブには世界的メタルバンドのメガデスのギタリストであるマーティー・フリードマンが参加しています。
夢見る少女じゃいられない|相川七瀬
その他にも、T-BOLANの「サヨナラから始めよう」やMANISHの「声にならないほどに愛しい」など、90年代の懐メロの過半は織田哲郎が手がけたものなのではないかと錯覚を起こすほどに、その存在感は圧倒的です。
普段は、作曲者を意識することはほとんどありませんが、こういう切り口で懐メロを楽しむのも面白いかもしれません。異なるアーティストの曲でも、作曲者が同じだとやはり共通する空気感やバックボーンに気づくはずです。
最後に、ポカリスエットのCMソングにもなった、織田哲郎が自分自身で歌い上げた名曲「いつまでも変わらぬ愛を」を紹介します。
いつまでも変わらぬ愛を|織田哲郎
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