ケトルベルデッドスナッチのやり方|全身に爆発的効果のトレーニング
ケトルベルデッドスナッチは通常のケトルベルスナッチに比べ、反動を使わないことから、より背筋群を中心に集中的な負荷がかかるトレーニング方法です。そのやり方について解説します。
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アイキャッチ画像出典:www.stack.com
ケトルベルデッドスナッチが効果のある筋肉部位
僧帽筋
ケトルベルデッドスナッチの初働の引き上げ動作のなかで、僧帽筋に強い負荷がかかります。
広背筋
ケトルベルを引き上げ始めてから、肩の高さまで引き上げる動作では広背筋に強い負荷がかかります。
大腿四頭筋
ケトルベルデッドスナッチは肩より上の差し挙げ動作でひざの屈伸を使いますが、この時に太もも前側の筋肉である大腿四頭筋に負荷がかかります。
ハムストリングス
ケトルベルデッドスナッチの初動姿勢では、太もも裏側のハムストリングスにエキセントリック収縮が加わります。
三角筋・上腕三頭筋・上腕二頭筋
このほかにも、肩から上にケトルベルを差し挙げる動作で三角筋と上腕三頭筋、ケトルベルを引き上げる動作で上腕二頭筋にも負荷が加わります。
このようにケトルベルスナッチは、ほぼ全身の筋肉に効果がある種目です。
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ケトルベルデッドスナッチのやり方
ケトルベルスナッチとケトルベルデッドスナッチの最大の違いは、前者が後方にケトルベルをスイングして勢いをつけるのに対し、後者はケトルベルを床に置きスイングを使わないことです。
このため、自身の筋力だけで動作を行う必要があり、とても負荷の高いトレーニングです。
■ケトルベルデッドスナッチの正しいやり方
1. ケトルベルを床で構え、膝の屈伸運動を利用して勢いをつける
2. ケトルベルが肩の高さを越えたら、ケトルベルのグリップを回す
3. そのまま一気に頭上に差し挙げる
ケトルベルスナッチを上手に行うポイントは、膝の屈伸運動で勢いをつけ、タイミングよく一気に頭上までケトルベルを差し上げることです。筋力以外にテクニックも必要になりますので、コツを掴むまでは軽めの重量で動作練習を行うことをおすすめします。
ケトルベルトレーニングの特徴とメリット
ケトルベルトレーニングの最大の特徴は、同様に片手で扱うダンベルとは違い、ウエイトの重心とグリップ位置が異なることです。これにより、ケトルベルの保持にはバランシング能力が要求され、また、バランスをとりながら動作を行うことで体幹インナーマッスルに効果があります。
筆者のジムにおいても、スポーツ競技により有効な実践的な筋肉を鍛えたい格闘技系の選手はケトルベルトレーニングを行っています。
なお、筆者の運営するジムで主に行っているケトルベルトレーニングの種目は下記の記事内で紹介しているような種目です。
▼実際に行っているケトルベルトレーニング
安全のためにエイトストラップを
ケトルベルトレーニングでもっとも気をつけたいのが、手からケトルベルが離れてしまう「グリップアウト」です。グリップアウトを起こすと、ケトルベルが落下または前方・後方に飛んでしまい非常に危険です。
グリップアウトを起こしてもケトルベルが落下することがないよう、エイトストラップの使用を強く推奨します。
ケトルベルデッドスナッチの負荷回数設定
筋トレで鍛える筋肉=骨格筋には三種類の筋繊維があり、それは、以下のようになります。
○遅筋(持久筋・SO筋・赤筋)
持久的な運動および筋収縮の主体となる筋繊維の種類が遅筋です。収縮する速度が遅く(Slow)、酸素(Oxygen)をエネルギーにして収縮することからSO筋と呼ばれています。筋トレにおいては、20回以上の反復回数で限界がくるような低負荷・高回数でトレーニングします。
○速筋(短瞬発筋・FG筋・白筋)
10秒以内の瞬発的・爆発的な筋収縮の主体となるのが、速筋のなかでも短瞬発筋と呼称される筋繊維です。この筋繊維は、収縮速度が非常に速く(Fast)、筋細胞内のグリコーゲン(Glycogen)をエネルギー源として収縮するのでFG筋とも呼ばれます。筋トレにおいては、10回以下の反復回数で限界がくるような高負荷・低回数でトレーニングします。
○速筋(長瞬発筋・FO筋・ピンク筋)
やや持久的な1分ほどの筋収縮の主体となるのが、もう一つの速筋である長瞬発筋と呼ばれる筋繊維です。収縮速度が比較的速く(Fast)、呼吸による酸素(Oxygen)をエネルギー源とするためFO筋とも呼ばれています。筋トレにおいては12~15回の反復回数で限界がくるような中負荷・中回数でトレーニングします。
ケトルベルトレーニングにおすすめのグッズ
出典:glfit.net
ケトルベルトレーニングで装着したいのが、腰椎を保護するとともに腹圧を高めて瞬発力パフォーマンスを向上させるトレーニングベルトです。なかでも、写真のようなナイロン製ベルトは激しいケトルベルトレーニングの動作のなかでも身体にフィットしますので、革製のトレーニングベルトよりもおすすめです。
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この記事のライター
アームレスリング元日本代表/ジムトレーナー/生物学博物館学芸員/一般社団法人JAWA日本アームレスリング連盟常任理事