ケトルベルターキッシュ(トルコ式)ゲットアップのやり方をわかりやすく解説
ややマイナーな種目ながら全身的な効果が高いケトルベルターキッシュ(トルコ式)ゲットアップの詳しいやり方を解説します。
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アイキャッチ画像出典:www.nj.com
ケトルベルターキッシュ(トルコ式)ゲットアップが効果のある筋肉
腹筋軍
ケトルベルターキッシュ(トルコ式)ゲットアップの前半部分、つまり、仰向けに寝た状態から片手をついて上半身を起こす動作では、特に腹筋群に強い負荷がかかります。
さらに分解して解説すると、上半身を起こす動作の前半では腹部前面の腹直筋に、後半では腹部外側の腹斜筋に効果があります。
上腕三頭筋
上半身を起こしたポジションから、頭上にケトルベルを差し上げたまま立ち上がる動作の中で、上腕三頭筋に負荷がかかります。
ケトルベルを差し上げたほうの腕の上腕三頭筋にはアイソメトリック収縮(等尺性収縮)が、もう片方の腕の上腕三頭筋には身体を押し上げるためにコンセントリック収縮が加わります。
大腿四頭筋
立ち上がる動作のなかで、太もも前側の大腿四頭筋にも効果があります。
ケトルベルターキッシュ(トルコ式)ゲットアップのやり方
1. まず、仰向けになりケトルベルを胸の上に置いて構えます。
2. 大切なポイントとしてケトルベルを保持した側の足は、やや外向けに開いて外に置きます。この足の置き位置がバランスをとるために非常に重要です。
3. ケトルベルを保持していないほうの手は、外向きに置いた足と対角線になるように伸ばして構えます。これも、バランスをとる上でとても大切です。
4. ケトルベルを全身を使って押し上げながら、ケトルベルを保持していないほうの足を大きく斜め後方に抜き、立ち上がる準備をします。
5. 肩ひざをついて、真っ直ぐにケトルベルを真上に差し上げたポジションを作ります。
6. そこから、脚力を使って立ち上がります。
7. 立ち上がるのと逆の動作で床に仰向けになった位置まで戻ります。
ケトルベルトレーニングの特徴とメリット
ケトルベルトレーニングの最大の特徴は、同様に片手で扱うダンベルとは違い、ウエイトの重心とグリップ位置が異なることです。これにより、ケトルベルの保持にはバランシング能力が要求され、また、バランスをとりながら動作を行うことで体幹インナーマッスルに効果があります。
筆者のジムにおいても、スポーツ競技により有効な実践的な筋肉を鍛えたい格闘技系の選手はケトルベルトレーニングを行っています。
なお、筆者の運営するジムで主に行っているケトルベルトレーニングの種目は下記の記事内で紹介しているような種目です。
▼実際に行っているケトルベルトレーニング
安全のためにエイトストラップを
ケトルベルトレーニングでもっとも気をつけたいのが、手からケトルベルが離れてしまう「グリップアウト」です。グリップアウトを起こすと、ケトルベルが落下または前方・後方に飛んでしまい非常に危険です。
グリップアウトを起こしてもケトルベルが落下することがないよう、エイトストラップの使用を強く推奨します。
ケトルベルトレーニングの負荷回数設定
筋トレで鍛える筋肉=骨格筋には三種類の筋繊維があり、それは、以下のようになります。
○遅筋(持久筋・SO筋・赤筋)
持久的な運動および筋収縮の主体となる筋繊維の種類が遅筋です。収縮する速度が遅く(Slow)、酸素(Oxygen)をエネルギーにして収縮することからSO筋と呼ばれています。筋トレにおいては、20回以上の反復回数で限界がくるような低負荷・高回数でトレーニングします。
○速筋(短瞬発筋・FG筋・白筋)
10秒以内の瞬発的・爆発的な筋収縮の主体となるのが、速筋のなかでも短瞬発筋と呼称される筋繊維です。この筋繊維は、収縮速度が非常に速く(Fast)、筋細胞内のグリコーゲン(Glycogen)をエネルギー源として収縮するのでFG筋とも呼ばれます。筋トレにおいては、10回以下の反復回数で限界がくるような高負荷・低回数でトレーニングします。
○速筋(長瞬発筋・FO筋・ピンク筋)
やや持久的な1分ほどの筋収縮の主体となるのが、もう一つの速筋である長瞬発筋と呼ばれる筋繊維です。収縮速度が比較的速く(Fast)、呼吸による酸素(Oxygen)をエネルギー源とするためFO筋とも呼ばれています。筋トレにおいては12~15回の反復回数で限界がくるような中負荷・中回数でトレーニングします。
ケトルベルトレーニングにおすすめのグッズ
出典:glfit.net
ケトルベルトレーニングで装着したいのが、腰椎を保護するとともに腹圧を高めて瞬発力パフォーマンスを向上させるトレーニングベルトです。なかでも、写真のようなナイロン製ベルトは激しいケトルベルトレーニングの動作のなかでも身体にフィットしますので、革製のトレーニングベルトよりもおすすめです。
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この記事のライター
アームレスリング元日本代表/ジムトレーナー/生物学博物館学芸員/一般社団法人JAWA日本アームレスリング連盟常任理事