2022/12/19

新たな季節!春に見たくなる邦画おすすめ15選

春といえば出会いと別れの季節。新たな生活を始める人も多いかと思います。同じく出会いや別れを通して成長する主人公たちに勇気をもらえるかも。季節を感じる美しい映像や主人公たちに元気をもらい、不安な気持ちを解消して心が軽くなる邦画作品を15作集めてみました。

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アイキャッチ画像出典:blog.livedoor.jp

1.四月物語(1998年 67分)

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あらすじ・見どころ

大学入学を機に北海道の旭川市から東京へやってきた卯月(松たか子)。卯月が通う大学には東京出身者が多く、なぜこの大学を選んだのか聞かれても、これといって返すことができず言い淀んでしまいます。サークルに誘ってくれたり率先して話しかけてくれる同級生や、少し変わった隣の部屋のお姉さんなど、慣れないことばかりの新しい生活が始まります。

桜が眩く、新生活の気持ちを思い出す日常を描いた作品

「Love Letter」「スワロウテイル」の岩井俊二監督が松たか子を主演に、上京したての大学生の日常をあたたかく描きます。自然光が美しく瑞々しい映像であり、20年以上前の映画ですが、ひざ下丈のシャツワンピースに白いスニーカー、黒いリュックを背負う女子大学生が今見てもお洒落で可愛らしく感じます。冒頭、駅で家族に見送られるシーンがあるのですが、父、母、兄、姉役を実際に女優・松たか子のご家族である俳優・松本幸四郎たちが演じているのが物凄く贅沢で貴重なシーンとなっています。

2.舟を編む(2013年 133分)

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あらすじ・見どころ

出版社・玄武書房では辞書作りに人生を捧げてきた編集者の荒木公平(小林薫)が定年を迎えようとしていました。まるで職人のような荒木の仕事ぶりに監修として一緒に辞書作りを行ってきた松本朋佑教授(加藤剛)は引きとめようとしますが、荒木は妻の介護のためと言って聞きません。そこで社内から辞書作りに適した社員を探すことになり、営業部の馬締光也(松田龍平)に白羽の矢が立ちます。言語学部の院を卒業し、人付き合いは苦手だけれど真面目で忍耐強い馬締による辞書作りがはじまります。

三浦しをん原作、辞書作りの裏側が垣間見れる

直木賞受賞作家の三浦しをんによる同名原作は2012年に本屋大賞を受賞し、アニメや漫画化と様々な形でメディア展開されています。2013年、日本映画製作者連盟によりアメリカの第86回アカデミー賞外国語映画部門日本代表作品に選出され、ノミネートには至りませんでしたが石井裕也監督は当時30歳という史上最年少で日本代表選出作となりました。日本アカデミー賞においても、最優秀作品賞をはじめ、監督賞、主演男優賞など6部門において最優秀賞に輝き、主演の松田龍平をはじめ、宮崎あおいやオダギリジョーらも国内の数々の賞を受賞しました。普段何気なく使っている日本語を説明するために何ヶ月も悩む様子はコミカルでいて爽やかに感じます。この映画を見ると、日本語を大切に使おうという気持ちになりますよ。

3.ソラニン(2010年 126分)

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あらすじ・見どころ

OL2年目の芽衣子(宮崎あおい)は大学生のころから付き合っている種田(高良健吾)と同棲をしています。種田は音楽の夢をあきらめきれずアルバイトにもなかなかやる気が出ず、そんな彼に引っ張られるかのように芽衣子も会社を辞めてしまいます。不透明な未来に対する焦りと、それに目を瞑るかのような2人の行為。同じく大学時代からの友人・加藤(近藤洋一、)ビリー(桐谷健太)、アイちゃん(伊藤歩)らにときに厳しくときに優しい言葉をもらいながら日々を過ごしていました。種田は芽衣子からのある一言で「ソラニン」という曲を作り、レコード会社に持ち込もうとしますが、その道中で事故に遭い帰らぬ人となってしまいます。残された芽衣子は、朧げな意識のまま種田の形見であるギターを手にします。

浅尾いにお原作!20代の甘くない恋愛青春映画

浅尾いにお原作の同名漫画は全2巻でありながら90万部を売り上げ、漫画のアカデミー賞と呼ばれるアメリカのアイズナー賞候補に選ばれました。原作の世界観を忠実に再現した今作、タイトルの由来は、原作者が当時交際していた彼女の「アジカンの新しいアルバム、ソラニンって言うんだって」という一言がきっかけであり、実際に原作内で歌詞のみであった楽曲ソラニンにASIAN KUNG-FU GENERATIONがメロディをつけて主題歌となりました。歌は苦手という宮崎あおいが、今作のために歌もギターも猛特訓し、劇中で見事な歌声を披露していますので是非チェックしてみてください。

4.青い春(2002年 83分)

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あらすじ・見どころ

男子校である朝日高等学校の新3年生の九條(松田龍平)、青木(新井浩文)らは屋上に登りベランダ・ゲームと呼ぶ伝説の度胸試しをしていました。柵の外に出て手を叩く回数を競うそのゲームで8回の新記録を打ち出し勝利した九條。勝利したということは学校のトップに君臨するということ。しかし、当の本人はまるで興味がなくいつも通り静かに過ごします。

松田龍平主演!クサさを感じさせない青春映画

「ピンポン」や「鉄コン筋クリート」で知られる漫画家・松本大洋の短編集『青い春』を原作に豊田利晃監督が実写化しました。松本大洋といえば、泥臭い男の生き様や美学を独自の視点で描き、様々な名言を生み出しています。今作も男子高校生らを主人公に男の世界を描き、バンド・THEE MICHELLE GUN ELEPHANTが彩ります。松田龍平演じる九條が格好良いなんて言ってちゃ甘いです。脇を固める高岡蒼佑、塚本高史、瑛太、忍成修吾らが演じる男子高校生たちは腹のなかに野望を抱えている男ばかり。今の学生はあまり憧れないかもしれませんが、最高に格好良い永遠の青春を感じます。メイキングで松田龍平が「青春ものだけど、臭いを感じさせない青春」と言っていましたがまさにその通りの名作です。

5.博士の愛した数式(2006年 117分)

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あらすじ・見どころ

家政婦として私(深津絵里)は80分しか記憶の持たない元数学者の博士(寺尾聡)の家に派遣されることとなりました。数学をこよなく愛し、その他には興味を示さない変わり者の博士に私は戸惑います。しかし、ある日私に10歳の息子(齋藤隆成)がいることを知った博士は、幼い子がひとりで母の帰りを待っていることに「それはいけない」と感じ、次から息子も連れてくるよう私に言いました。驚く私でしたが、翌日息子を連れて行くと博士は息子にルートと名付け可愛がってくれます。こうして私と博士、そして私の息子ルートの奇妙な3人の絆が生まれます。

まるで家族のような人間関係を丁寧に描いたヒューマンドラマ

原作は第1回本屋大賞を受賞し、発売2ヶ月で100万部を突破した小説家・小川洋子の代表作です。「明日への遺言」「蜩ノ記」などヒューマンドラマを得意とする小泉堯史監督が深津絵里を主演に映画化しました。画面に現れる桜が印象的な作品です。家政婦と雇い主と、そして家政婦の息子といった特殊な関係を取り扱って人を愛することの大切さ、そしてその関係が繊細であり継続することの難しさが表現されています。

6.秒速5センチメートル(2007年 63分)

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あらすじ・見どころ

東京の小学生の遠野貴樹(水橋研二)と篠原明里(近藤好美)は、恋のようで言い切ることのできない「他人にはわからない特別な想い」を抱きあっていましたが、小学校の卒業と同時に明里は栃木に転校し離れ離れになってしまいます。中学生になり半年が過ぎた頃、貴樹に明里から手紙が届きました。これをきっかけにふたりは文通をはじめ、また心を通わせていきます。しかし、しばらくして今度は貴樹が鹿児島に転校することになりました。13歳にとって栃木と鹿児島は絶望的に遠い場所。転校する前にもう一度会いたい、そう願い貴樹は大雪の降るなか、明里に会いに行くことにします。距離と時間に翻弄される少年と少女の淡く切ない物語。

新海誠が描く桜は必見!とある少年少女を長期にわたり描いた人気作

大ヒット作「君の名は。」の新海誠監督が桜を主題に描いた人気作品であり、単館上映でありながらも半年に及ぶロングランを記録しました。秒速5センチメートルとは桜の花びらが舞い落ちる速度のこと。3部構成で作られた今作は、ひとつひとつの纏まりもさる事ながら全体の構成が巧みに隣り合っています。桜の描写とともに山崎まさよしの担当する主題歌が流れるラストシーンは美しく、現代日本を舞台に主人公・貴樹と明里の小中学生、高校生、成人後、それぞれの等身大を描いた今作を観ると、ノスタルジックな感情になることでしょう。

7.今度は愛妻家(2010年 131分)

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あらすじ・見どころ

かつて人気カメラマンだったものの今では仕事もせずにだらけた生活を送る俊介(豊川悦司)と、そんな俊介の尻をひっぱたく妻のさくら(薬師丸ひろ子)。さくらはとうとう愛想をつかして出て行ったものの、何かあるたびに俊介の前に帰ってきます。突拍子もなく現れるさくらと、2人で行った最後の沖縄旅行を思い出す俊介にはある秘密がありました。

喧嘩の絶えない夫婦を描いた切ない成長物語

「GO」「世界の中心で、愛をさけぶ」など数多くのヒット作を手がけてきた行定勲監督による、ある中年夫婦を描いたハートフルドラマ。薬師丸ひろ子演じる妻・さくらの画面の中にいきなり現れてはちょこまか動き回る姿はとても可愛らしく、普段はミステリアスな印象のある豊川悦司も今作ではどこにでもいそうな中年ダメ男がハマっています。ダメダメながらもお互いこの人しかいないといった素敵な夫婦関係を切なく描いています。井上陽水による主題歌もまた作品を盛り上げて演出してくれます。

8.陽だまりの彼女(2013年 129分)

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あらすじ・見どころ

営業マン2年目の浩介(松本潤)はある日訪ねた取引先で、中学校の同級生の真緒(上野樹里)と10年ぶりに再会します。いじめられっ子であった真緒は魅力的な女性へと成長しており心奪われる浩介。真緒を狙っている真緒の上司・新藤(玉山鉄二)との雰囲気になかなかアプローチできませんが、時間を作りなんとか仲を近づける浩介。やがて2人は互いに意識して付き合うようになります。しかし真緒には誰も知らない秘密がありました。

どこか儚げでいて天真爛漫なヒロインを上野樹里が熱演!男性にも見て欲しい恋愛映画

嵐の松本潤を主演に、ヒロイン役に上野樹里、そして主人公の弟役としてブレイク前の菅田将暉も出演しています。恋愛映画ながら好きや愛しているといった直接的な台詞はなく、三木孝浩監督はインタビューにおいて「素直になれなかった中学時代のささくれ感と、その想いを引っ張り続けている浩介が描きたかった」「そういう想いは男子独特だと思うのでより男性に観てほしい」と話しています。役によって印象の変わる上野樹里ですが、今作ではまるで小動物のように愛くるしい女性を演じています。江ノ島や湘南を舞台にしていますので、鑑賞後は天気の良い日に江ノ島まで足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

9.岸辺の旅(2015年 128分)

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あらすじ・見どころ

瑞希(深津絵里)は3年前に夫の優介(浅野忠信)が失踪してから、ピアノ教師として人と関わることでなんとか生きていました。いつものように家でひとり静かにしていると優介がふらっと帰ってきます。3年前と口調も態度も何も変わらない彼に安心する瑞希、そして優介は瑞希を旅に誘います。それは、この空白の3年間をたどる2人の旅。行く先々で瑞希は夫の知らない一面に驚きつつも改めて彼への愛を再認識していきますが、なぜ優介が失踪したのか、徐々に明らかになっていきます。

夫婦の愛を静かに描いたロードムービー

深津絵里と浅野忠信をW主演に「CURE」「アカルイミライ」などで世界的に人気な黒沢清監督によっって湯本香樹実の小説を映画化されました。本作はカンヌ国際映画祭のある視点部門に出品され、監督賞を受賞します。フルオーケストラによる音楽とちょっとホラーチックでもある演出によって、1組の夫婦の変わった時間の変化を通して、生と影のようにまとわりつく死が描かれています。黒澤監督の作品は色味が抑えられており物憂げな印象を受けますが、だからこそ一瞬映る光が眩く美しく描かれます。


10.阪急電車 片道15分の奇跡(2011年 120分)

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あらすじ・見どころ

始点から終点まで片道15分、兵庫県にあるローカル線、阪急今津線の車両内。そこには一際目立つ白いドレスを着て神妙な面持ちの女性(中谷美紀)がいました。同じ電車に居合わせた萩原(宮本信子)と孫の亜美(芦田愛菜)は思わず声をかけます。また別の日、乱暴な彼氏と、彼氏の行動に戸惑いながらも一緒にいる彼女(戸田恵梨香)は、足を怪我して彼氏に置いていかれます。そんな彼女を見て萩原はまた声をかけるのでした。

地方のローカル線を舞台にした心温まる群像劇

「図書館戦争」「フリーター、家を買う。」などで知られる小説家・有川浩の同名原作を映画化した本作は、実際に兵庫、大阪、京都を通っている阪急電車を舞台にしており、鈴木亮平、戸田恵梨香、相武紗季、芦田愛菜、谷村美月ら3府県出身の人気俳優らが数多く出演しています。小規模な劇場公開でしたが舞台周辺を中心に人気を呼んだヒット作です。だれもが人には相談できない悩みを抱えているもの。偶然出会った人の優しさに心温まります。

11.櫻の園(1990年 96分)

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あらすじ・見どころ

ある女子高校では創立記念日にチェーホフの桜の園を上演するのが伝統でした。そして、創立記念日の日の朝、いつもより早めに登校した2年の城丸香織(宮澤美保)はいきなりパーマをかけてきた部長の志水由布子(中島ひろ子)を見て驚きます。また、前日に部員の杉山紀子(つみきみほ)がタバコを吸って補導されたという噂が広がり、顧問を始め演劇部にもしかしたら上演できないのではと不穏な空気が漂います。

女子校を舞台に描いた、少女たちの等身大の姿

漫画家・吉田秋生の原作を元に中原俊が監督を務め、女子高を舞台に多感な年頃である少女たちの繊細さを群像劇として描きます。20名以上の部員を全員オーディションで選出し、当初は注目されなかったもののキネマ旬報ベスト・ワン受賞などを受賞し高い評価を得ました。また2008年に福田沙紀を主演に杏、武井咲、大島優子らによって同じ女子高を舞台にリ・イメージされもう一度映画化されました。派手さはないものの爽やかで儚い少女たちの青春を覗き見ているような感覚になります。

12.ハチミツとクローバー(2006年 116分)

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あらすじ・見どころ

通称・浜美と呼ばれる美術大学に通う竹本(櫻井翔)はある日、研究室の集まりで見かけた新入生の花本はぐみ(蒼井優)に一目惚れします。はぐみは学生でありながらすでに美術の世界から注目されている天才少女でした。その頃、放浪癖のある8年生にして非凡の天才である森田(伊勢谷友介)が帰国し、はぐみと仲良くなります。自分には入り込めない世界に心掻き乱される竹本、そして同じく浜美に通う陶芸科の山田(関めぐみ)は建築学科の真山(加瀬亮)に恋をしていますが、真山には好きな人がいました。

全員が片思い。恋に将来に悩む大学生の青春

「3月のライオン」などで知られる漫画家・羽海野チカの人気同名漫画を原作に実写化した青春映画です。非常に人気のある作品で映画だけでなくアニメ、ドラマ、そして台湾でもドラマ化されました。登場人物みなが片思いの切ない青春映画として、恋だけでなく将来や自身の才能など若者ならではの悩みをポップに描いています。校舎のあちこちに作品やオブジェが置いてあって非日常的で美術大学って面白そうですね。スガシカオ作詞作曲の嵐による主題歌「アオゾラペダル」が作品を彩ります。

13.ただ、君を愛してる(2006年 116分)

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あらすじ・見どころ

大学生になった誠人(玉木宏)は小さい頃から病気によっていつもくさい匂いがする塗り薬を使用していました。そのことがコンプレックスであり、人とうまく距離がつかめずなかなか友人ができません。登校途中、誠人は静流(宮崎あおい)という少女に出会います。成長を阻害する病気のため幼い容姿の静流ですが誠人と同じ大学生。しかし自身の病気に負けることなく堂々としている静流と誠人は共通の趣味である写真を機に仲良くなっていきました。

まるでファンタジーのような、心が洗われる美しい純愛映画

大ヒット作「いま、会いにゆきます」の原作者・市川拓司が原作を手がけた純愛映画です。興行成績は伸びませんでしたが作品完成度は高く、今なお泣ける恋愛映画ランキングで上位に食い込む隠れた名作です。玉木宏を主演に宮崎あおいがヒロインを務め、黒木メイサ、小出恵介、青木崇高らが脇を固めます。いたってシンプルなストーリーですが、幻想的な映像と宮崎あおい演じる静流の可憐でありながら元気溌剌まるで少年のような可愛さは必見です。

14.かぐや姫の物語(2013年 137分)

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あらすじ・見どころ

昔々、山里に竹を取って暮らす翁(地井武男)と嫗(宮本信子)がいました。ある日、翁はいつものように山へ竹を取りに行くと光り輝く竹の中から小さな女の子(朝倉あき)を見つけます。家へ持って帰ると、女の子はその日のうちに人間の赤子へと成長しました。翁と嫗は大切に育て、すぐに成長した少女は近くに住む子供たちと仲良くなります。その後、光る竹から豪華な衣をまた見つけた翁は、女の子を姫として立派に育てよとの天からのお告げだと考え、一家で都に移り住むことになりました。都で教育を受けた女の子はかぐや姫と名付けられ、成人すると都で評判の姫と縁談が殺到します。

誰もが知るかぐや姫の物語。果たして「彼女の犯した罪と罰」とは

スタジオジブリ制作、2018年に亡くなられた高畑勲監督にとって最後の監督作品となり、竹取の翁の声を担当した俳優の地井武男にとっても遺作となりました。プロデューサー鈴木敏夫が付けたキャッチコピーは「姫の犯した罪と罰」。高畑監督は1999年の「ホーホケキョ となりの山田くん」以来14年ぶりの監督作品となりますが、それもそのはず、今作はアニメ映画として破格とも言われる8年の歳月と50億円を超える制作費が投じて制作されます。まるで筆による手書きかのようなアニメーションは、主線と色の塗りを分けて作り、人物と背景が近いタッチで描かれ一枚絵が動いているかのような特殊な制作過程で作られました。そんな本作を公開当時、映画館で見ることができたことを誇りに思っています。できれば大画面で、じっくりと堪能して欲しい作品です。

15.花とアリス(2004年 135分)

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あらすじ・見どころ

幼なじみのハナこと荒井花(鈴木杏)とアリスこと有栖川徹子(蒼井優)。自分の世界に引きこもりがちなハナは自由奔放なアリスに振り回されっぱなし。ふたりは同じ高校に入学するのですが、ハナには憧れの先輩ができます。ハナはなんとかして先輩の気を引こうとしますが、気がつくとアリスを巻き込んで三角関係になってしましました。ハナの恋の行方は、そしてふたりの友情はどうなるのでしょう。

蒼井優と鈴木杏のW主演!可憐でいて危なっかしい女子高生の友情

女の子の友情を描いた透明感溢れる瑞々しい青春です。あどけなさたっぷりで自由奔放なのに、ふとしたときに大人の表情を見せる少女たちをうまく表現しています。ラストの蒼井優がバレエを踊るシーンは蒼井優自身、幼少からバレエを習っており、彼女の持つ透明感とまだあどけなさの残る無邪気な魅力が詰まった美しいシーンです。岩井俊二監督の得意とする瑞々しい映像表現が主演2人の雰囲気と相まって非常に綺麗な作品となっています。2015年には同じ岩井俊二監督によって、ハナとアリスの中学生時代を描いたアニメ映画も作られました。声優には実写映画のキャストを起用していますので、気に入った方はそちらも併せておすすめですよ。

最後に

見ていて心安らぐ、美しい映像表現の作品が多くあります。恋愛や友達との人間関係を通して成長していく主人公に勇気付けられ、清々しい気持ちになれます。言い表すことのできない不安を持っている人も、映画を見て元気をもらいましょう。

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