スミスマシンデッドリフト|背中に効果的なジム筋トレのやり方と重量回数設定を解説
スミスマシンデッドリフトは、フリーウエイトのバーベルデッドリフトに近い感覚でトレーニングでき、さらにウエイトのグラつきをレールが支えてくれるので、バーベルよりも高負荷で背中の筋肉・背筋群を鍛えることのできるジム筋トレです。そのやり方を動画をまじえて解説するとともに、トレーニング目的別に最適な重量回数設定もご紹介します。
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アイキャッチ画像出典:www.dreamstime.com
スミスマシンデッドリフトが効果のある筋肉
広背筋・僧帽筋を中心に脊柱起立筋にも効果的
スミスマシンデッドリフトは僧帽筋と広背筋を中心とした表層の背筋群に効果があるだけでなく、二次的に脊柱沿いのインナーマッスルである長背筋群(最長筋・多裂筋・脊柱起立筋など)にも効果的です。また、肘関節を屈伸するわけではありませんが、伸張性収縮(エキセントリック収縮)の負荷により上腕二頭筋にも効果があります。
スミスマシンデッドリフトは背筋群のトレーニング種目の中でも最も高負荷で背筋を鍛えることのできる種目の一つですが、誤ったフォームで行うと腰椎損傷のリスクもある種目ですので、正しいフォームで行うようにしてください。
広背筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止
読みかた:こうはいきん
英語名称:latissimus dorsi muscle
部位詳細:上部|下部
起始:下位第6胸椎~第5腰椎の棘突起・肩甲骨下角第9~12肋骨|正中仙骨稜・腸骨稜後方
停止:上腕骨小結節稜
僧帽筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止
読みかた:そうぼうきん
英語名称:trapezius muscle
部位詳細:上部|中部|下部
起始:後頭骨上項線・外後頭隆起・頚椎棘突起|第7頚椎・第1~3胸椎棘突起|第4~12胸椎棘突起
停止:肩甲棘・肩峰
スミスマシンの使い方は?
デッドリフト系種目の基本姿勢
デッドリフト系種目では腰椎損傷を防ぐために、必ず下記の正しいフォームで行ってください。
■デッドリフト系種目の基本フォーム
1. 胸を張る
2. 背中を反らせる
3. お尻を突き出す
4. 顎を上げる
5. 膝はつま先より後ろ
また、無理な重量に挑戦せず、ご自身の筋力・技術に見合った十分に安全な重量設定でトレーニングを行ってください。
スミスマシンヨーロピアンデッドリフトの動画とやり方
こちらがスミスマシンデッドリフトの模範的な動画です。デッドリフトには、足を閉じ膝の外側でグリップをする「ヨーロピアンデッドリフト(ヨーローパ式)」と、足を開き膝の内側でグリップをする「スモウデッドリフト(日本式)」がありますが、スミスマシンでのデッドリフトは最高重量の挙上が目的でなく、あくまでも背筋群のトレーニングなので背筋の動員率の高いヨーロピアンスタイルで行うのが普通です。
また、バーベルでのデッドリフトはシャフトのグラつきを抑える目的で、左右の手をオーバーとアンダーの一つずつでグリップする「オルタネイトグリップ」で行うのが普通ですが、スミスマシンの場合はグラつきをマシンのレールが支えてくれるので両手ともオーバーグリップで行うのが普通です。
ダイエットとしてのスミスマシンスモウデッドリフト
スモウスミスマシンデッドリフトは下半身を多く使う挙上方法なので、軽い重量での全身運動としてのダイエットトレーニングには非常に効果の高いトレーニング方法です。また、レールがシャフトを支えてくれるのでデッドリフトに不慣れな女性や初心者でも比較的簡単に動作ができます。
慣れてきたらバーベルデッドリフトにも挑戦
スミスマシンでのデッドリフトに慣れてきたら、ぜひ挑戦したいのが「筋トレBIG3」の一つにも数えられるバーベルデッドリフトです。下記の記事は、元日本代表選手による非常に詳しい解説記事です。
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スミスマシンデッドリフトの目的別の重量回数設定
筋トレで鍛える筋肉=骨格筋には三種類の筋繊維があり、それは、以下のようになります。
○遅筋(持久筋・SO筋・赤筋)
持久的な運動および筋収縮の主体となる筋繊維の種類が遅筋です。収縮する速度が遅く(Slow)、酸素(Oxygen)をエネルギーにして収縮することからSO筋と呼ばれています。筋トレにおいては、20回以上の反復回数で限界がくるような低負荷・高回数でトレーニングします。
○速筋(短瞬発筋・FG筋・白筋)
10秒以内の瞬発的・爆発的な筋収縮の主体となるのが、速筋のなかでも短瞬発筋と呼称される筋繊維です。この筋繊維は、収縮速度が非常に速く(Fast)、筋細胞内のグリコーゲン(Glycogen)をエネルギー源として収縮するのでFG筋とも呼ばれます。筋トレにおいては、10回以下の反復回数で限界がくるような高負荷・低回数でトレーニングします。
○速筋(長瞬発筋・FO筋・ピンク筋)
やや持久的な1分ほどの筋収縮の主体となるのが、もう一つの速筋である長瞬発筋と呼ばれる筋繊維です。収縮速度が比較的速く(Fast)、呼吸による酸素(Oxygen)をエネルギー源とするためFO筋とも呼ばれています。筋トレにおいては12~15回の反復回数で限界がくるような中負荷・中回数でトレーニングします。
つまり、ダイエット目的で身体を引き締めたい場合は20回、細マッチョトレーニングなどで適度に筋肥大したい場合は15回、本格的に筋肉を増やすトレーニングでは10回で反復限界がくる重さの設定でトレーニングを行ってください。
スミスマシンデッドリフトにおすすめの筋トレグッズ
トレーニングベルトは腰を締め付けて筋力をサポートすることにより「腰を保護する」働きがあるほか、腹圧を高めることによって「最大筋力を向上させる」作用があります。
自宅での筋トレでも、とくに追い込んだ効果的なトレーニングを行い方には必須のアイテムです。
なかでも、写真のようなナイロン製のタイプは簡単に洗濯できて清潔な上、丸めるととてもコンパクトになりますので、公営ジムなどに出かけるときにも便利です。
背中の筋トレで多いケースが「背筋力よりも先に握力がなくなってしまい、十分に追い込めない」というものです。
筋トレは101%で追い込んではじめて大きな効果がでます。写真おパワーグリップやリストストラップなどの握力補助グッズを使用して、確実に背中の筋肉を追い込むことをおすすめします。
なお、筋トレにおすすめの実際に筆者のジムでも使用しているグッズ類につきましては、下記の記事にまとめてありますので、是非ご参照ください。
▼筋トレ効果を高める器具グッズ類を見る
参照記事
参考にした公的サイト
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この記事のライター
アームレスリング元日本代表/ジムトレーナー/生物学博物館学芸員/一般社団法人JAWA日本アームレスリング連盟常任理事