アメ車メーカーを特徴とおすすめ人気車種・シリーズとともに紹介
自動車産業の創成期以降、世界のメーカーを牽引したアメリカ車。憧れの象徴ともいえるフルサイズモデルやスーパースポーツには根強い人気があり、先進の電気自動車もリリースされています。アメリカの自動車メーカーとおすすめするモデルをご紹介しましょう。
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アイキャッチ画像出典:www.cadillacjapan.com
自由を求めて走るアメリカの自動車
出典:pixabay.com
フォード・ゼネラルモーターズ・クライスラーのビッグ3を筆頭に、世界の自動車産業をリードしたアメリカの自動車。1950年代に絶頂期を迎えましたが、1970年代のオイルショック以降は大型で大排気量のアメリカ車は苦境に立たされ、日本車やドイツなどの欧州車にそのシェアを明け渡していきました。その後1990年代に入ってアメリカ市場の好況と共にSUVやミニバンの需要が好調となり再びシェアを回復。しかし相変わらずコンパクトカーの開発には消極的で、かつてのような栄華を取り戻すには至っていません。
一方でアメリカを象徴するようなフルサイズモデルやスーパースポーツには根強いファンがおり、人気モデルは日本国内でもデリバリーが行われています。大型ボディで小回りが利かなく高燃費だったイメージを覆す洗練されたモデルもリリースされており、アメリカ車も次世代に移行しているといえるでしょう。
国内で正規販売されている代表的なアメリカの自動車メーカーとおすすめするモデルをご紹介しましょう。
キャデラック
1902年に設立されアメリカンラグジュアリーカーを象徴するキャデラック。1909年からはゼネラルモーターズ傘下となり、同グループの高級ブランドとして幅広く知られています。
各国の要人や王侯貴族をはじめ富裕層にも好まれるキャデラック。歴代の合衆国大統領に大統領専用車として使用されており、現在でもビーストの愛称で呼ばれる「キャデラック・プレジデンシャル・リムジン」が公式行事で使われています。1950年代には絶頂期を迎え、巨大なテールフィンや派手なクロームメッキで飾られたモデルはアメリカ文化の象徴に。オートマチックトランスミッションやパワーステアリングなど先進の技術を投入し、著名人やスターにも愛用されました。
1970年代のオイルショック以降に行われたダウンサイジングなどの紆余曲折を経て、2000年代にはブランドを再構築。現在ではセダン・クーペ・クロスオ―バーSUV・フルサイズSUVをラインナップ、ハイパフォーマンスな「V」シリーズも用意しており国内にも多くのモデルが導入されています。
CTS
日本国内では3モデルのセダンが導入されており、ご紹介するのはミドルレンジの「CTS」。先進性と洗練さが際立つラグジュアリーセダンで、伸びやかでシャープな面構成のエクステリアはエッジの効いたシルエットが磨き抜かれたエレガンスを現します。超高張力鋼を多用した高剛性ボディや、アルミ製のサスペンションなどを採用することで軽量化と理想的な前後重量配分を実現。高効率でコンパクトな直噴ターボエンジンはクロスステップの8速ATと組み合わされ、4輪を駆動することで優れたドライビングパフォーマンスを発揮します。
アメリカンラグジュアリーの伝統を継承するインテリアは、レザー・ウッド・カーボンなど上質なマテリアルを駆使してより洗練されたスタイルに進化。手技で仕立てられるセミアニリンレザーシートなど、卓越したクラフトマンシップによって仕上げられ先進の機能を併せ持ちます。ナビゲーションやコネクティビティも充実しており、オーディオはBOSE製のプレミアムサウンドシステムを採用。先進の運転支援システムやセーフティデバイスも搭載した新時代のキャデラックです。
【スペック例】
モデル:プレミアム
ボディサイズ:全長4970×全幅1840×全高1465(mm)
エンジン:2.0L-L型4気筒 276PS
トランスミッション:8速AT
駆動方式:4輪駆動
車両本体価格:7,106,400円~
エスカレード
フラッグシップモデルはフルサイズSUVの「エスカレード」で、ご紹介するのは上級グレードの「プラチナム」。アメリカンドリームのシンボルといえるスタイルを表現するモデルで、迫力のあるフロントマスクや彫刻的なエクステリアは圧倒的な存在感を放ちます。フルサイズのボディを軽々と加速させるハイパワーエンジンを搭載し、セレクタブル4WDは様々な走行シーンで駆動力を切り替えることが可能。圧倒的な走行性能と共に磁性流体減衰力制御システムを持つサスペンションが、安定したハンドリングと卓越した乗り心地を実現しています。
インテリアは匠のクラフトマンシップで仕上げられ、ファーストクラスをイメージさせるラグジュアリーな空間。セミアニリンレザーや本木目など厳選されたマテリアルを惜しみなく使用し、ディティールまでこだわり抜いて仕立てられています。3重のドアシールをはじめ多彩な遮音対策を施すことによって最高水準の静粛性を実現。リアシートエンターテイメントシステムやBOSE製プレミアムサラウンドシステムなど装備も充実しており、最大で2666Lにも及ぶ広大なラゲッジスペースも確保しています。全てに贅を尽くしたキャデラックの最高傑作が「エスカレード」です。
【スペック例】
モデル:プラチナム
ボディサイズ:全5195×全幅2065×全高1910(mm)
エンジン:6.2L-V型8気筒 426PS
トランスミッション:8速AT
駆動方式:2/4輪駆動
車両本体価格:13,608,000円~
シボレー
創業者・ルイ・シボレーの名を冠し、1911年に設立されたシボレー。ボウタイ(蝶ネクタイ)のエンブレムで広く知られており、1918年からGMグループに参加し世界各国でグローバルに展開しています。
1927年には日本ゼネラルモーターズが設立され大阪に工場を建設、製造された1号車はシボレーでした。1953年には初代「コルベット」が、1967年には初代「カマロ」がデビューしており現在でも同社の人気を牽引。1970年代からは低燃費な小型車も開発しており、日本のトヨタやスズキ、ドイツのオペルなどと連携していました。
現在ではコンパクトカーやセダンに加えてSUVやピックアップトラックなど多彩なラインナップ。日本国内ではハイパフォーマンスな「カマロ」「コルベット」と、7人乗りSUV「キャプティバ」がリリースされています。
カマロ
1967年に初代モデルがデビューして若者の憧れとなり、一世を風靡した「カマロ」。現行モデルで6代目となり初代モデルをオマージュしたレトロモダンなデザインで、往時のアメリカンマッスルを彷彿とさせるスタイルを表現しています。クーペとコンバーチブルがあり、ご紹介するのはクーペ「LT RS」で、初めて2.0Lの直列4気筒ターボエンジンを搭載するグレード。走行シーンに合わせて各種セッティングを制御できるドライバーモードセレクターを備え、ブレンボ製のブレーキシステムが強力な制動力を発揮します。
先代モデルより90kgの軽量化と28%の剛性アップを実現しており、軽量・コンパクトなエンジンと相まって軽快で意のままの走りを実現。独創的なデザインを採用したインテリアは高揚感を盛り上げ、包み込まれるようなコックピット感のある設えです。先進のインフォテインメントとコネクティビティを備え、カラーヘッドアップディスプレイが視線移動の少ないインフォメーションを提供。伝統を継承しながら、進化したアメリカンスポーツクーペです。
【スペック例】
モデル:LT RS
ボディサイズ:全長4780×全幅1900×全高1340(mm)
エンジン:2.0L-L型4気筒 275PS
トランスミッション:8速AT
駆動方式:後輪駆動
車両本体価格:5,162,400円~
コルベット
1953年にオープン2シーターのスポーツカーとしてデビューし、現行モデルは7代目となるC7型の「コルベット」。アメリカンマッスルを象徴する1台でクーペとコンバーチブルを用意しており、ご紹介するのは「Z06 クーペ」です。レースからフィードバックされた技術によって、高いエアロダイナミクス性を発揮する軽量・高剛性なアルミフレーム構造ボディを採用。超絶なパフォーマンスを発揮するスーパーチャージドエンジンを搭載し、最適なシフトチェンジを可能にするアクティブレブマッチング機能を備えた7速MTを用意します。
トランスアクスルやドライサンプなどレーシングマシンのような構造に、「Z06」専用のマグネティックライドコントロールサスペンションを装備し優れたハンドリング性を発揮。レースカーのコックピットを思合わせるインテリアには上質なレザーで仕立てられたバケットシートがセットされ、限界領域でも的確にドライバーをサポートします。インフォテイメントやBOSE製のオーディオなどグランドツアラ―に必要なアイテムも装備。サーキットスペックを持つスーパースポーツです。
【スペック例】
モデル:Z06 クーペ
ボディサイズ:全長4515×全幅1970×全高1230(mm)
エンジン:6.2L-V型8気筒 659PS
トランスミッション:7速MT
駆動方式:後輪駆動
車両本体価格:14,679,900円~
ジープ
1941年にアメリカ陸軍の軍用車両として登場した小型の四輪駆動車をルーツとするジープ。ジープの名称は開発に携わったウィリス・オーバーランド社が戦後に商標登録をしたと伝わっており、現在はフィアット・クライスラー・オートモービルに属しています。
軍用車両として高く評価され、戦後は作業車両として民生用に転換。1950年代以降は現代におけるSUV的な使われ方をするようになり、ステーションワゴンやコンバーチブルなど様々な派生車を生み出しました。日本でも三菱自動車がノックダウン生産を行っており、40年以上続いたロングライフモデル。1970年代にはフルタイム4WDシステムを導入しその後オンロード性能も向上、よりスタイリッシュなモデルが次々とリリースされました。
現在では「レネゲード」から「グランドチェロキー」まで5モデルをラインナップ、日本国内でも同様の5モデルがデリバリーされています。
ラングラー
ジープのDNAを受け継ぐ本格的なクロスカントリー4×4の「ラングラー」。2ドアと4ドアのモデルを揃えており、ご紹介するのは4ドアの「UNLIMITED SAHARA」です。高い剛性と耐久性を誇るラダーフレームをベースとしたボディ構造や、コイルリジットサスペンションがオフロードでの卓越した走破性を発揮。コマンドトラック4×4システムや電子制御スロットルコントロールが、雪・岩・砂・泥などオフロードでのスムーズなドライビングをアシストします。
頼もしさを現すジープらしいアイコニックなエクステリアで、手軽にオープンドライブが楽しめる3ピースモジュラーハードトップを採用。インテリアはオフロードでも直観的な操作ができるレイアウトで、対候性に優れた表面仕上げが施されています。そしてフロアに排水栓を備えることで、汚れたら水洗いできることもポイント。可倒式リヤシートを備える大容量のカーゴルームや収納スペースも確保し、”どこへでも行ける。なんでもできる。”がコンセプトの本格SUVです。
【スペック例】
モデル:UNLIMITED SAHARA
ボディサイズ:全長4705×全幅1880×全高1845(mm)
エンジン:3.6L-V型6気筒 284PS
トランスミッション:5速AT
駆動方式:2/4輪駆動
車両本体価格:4,672,000円~
グランドチェロキー
フラッグシップモデルは「グランドチェロキー」で、V6エンジン3グレードに加えて、ハイパワーな「SRT8」と700PSオーバーの超弩級SUV「トラックホーク」を用意。ご紹介するのはラグジュアリーな装備が充実した「SUMMIT」で、V6エンジンを搭載するグレードです。専用デザインのフロントマスクを持ち、SUVの力強さに洗練さとラグジュアリーを融合したエクステリアが存在感を表現。充実した4×4システムがオフロードでの優れた走行性能を実現し、エアサスペンションが高いハンドリング性と走破性を発揮します。
ラグジュアリーな設えのインテリアは、上質なレザーシートやデュアルゾーンエアコンなどを備えた快適空間。ハーマン/カードン製のサウンドシステムを備え、マルチビュークラスターディスプレイがナビをはじめとした情報をメータークラスターに表示します。多彩なシートアレンジで広大なラゲッジスペースを確保しており、パワーリフトゲートはワンタッチでオープン。アメリカ大陸を駆け抜けるプレミアムSUVです。
【スペック例】
モデル:SUMMIT
ボディサイズ:全長4880×全幅1945×全高1805(mm)
エンジン:3.6L-V型6気筒 280PS
トランスミッション:8速AT
駆動方式:4輪駆動
車両本体価格:6,750,000円~
テスラ
2003年に創業し電気自動車をはじめソーラーパネルやバッテリーなど発電・蓄電製品を製造販売するテスラ。社名は交流誘導電動機を考案した物理学者の二コラ・テスラに由来しており、イーロン・マスクがCEOを務めています。
2008年には初めての量産車「ロードスター」のデリバリーを開始、多くの著名人が購入したことでも注目を集めました。その後もセダンタイプやSUVタイプ、リーズナブルなモデルなど次々と電気自動車をリリース。住宅用バッテリーの「パワーウォール」や、ソーラーパネルと屋根材を一体化した「ソーラールーフ」など様々な製品を展開しています。
モデルS
ご紹介するのは4ドアセダンタイプの「モデルS」。シャープなラインを描く近未来的なエクステリアで、クーペのような流麗なシルエットに大型のテールゲートを備えます。
フロントとリヤに2つのモーターが効率的に4輪を駆動。最上級グレードの「P100D」はリヤに高性能モーターを搭載しており、僅か2.7秒で0-100kmを加速し最高速は250kmに達します。100kWhのバッテリーを搭載し、最大航続距離は613kmを実現。鉄製のレールで補強したアルミ製ピラーが乗員を保護し、衝突時には主電源を自動的に遮断します。インテリアに備えた17incのタッチスクリーンで、ナビや空調など様々な操作が可能。ゼロエミッションを目指して登場した近未来的な電気自動車です。
【スペック例】
モデル:P100D
ボディサイズ:全長4979×全幅1950×全高-(mm)
駆動方式:4輪駆動
車両本体価格:17,590,000円~
モデルX
クロスオーバーSUVタイプの「モデルX」。スタイリッシュなフォルムのエクステリアで、リヤにファルコンウィングと呼ばれるガルウィングドアを採用することで乗降性を向上させています。
エントリーグレードは75kWhのバッテリーを搭載する「75D」で、最大航続距離は417kmを実現。モーターならではの優れた加速力を発揮、0-100kmを5.2秒で加速し最高速は210kmに達します。2列シート5人乗り仕様をベースに、3列シート6人乗りと7人乗り仕様をオプションで用意。シートアレンジが多彩で、自転車やロングボードなど大きな物や様々な荷物の積載に対応します。エアロダイナミクス性にも優れ、広いパノラミックウィンドシールドが開放的なドライブを実現した次世代のSUVです。
【スペック例】
モデル:75D
ボディサイズ:全長5037×全幅2070×全高-(mm)
駆動方式:4輪駆動
車両本体価格:10,410,000円~
新たな時代に向けて進化するアメリカの自動車
アメリカのカルチャーを象徴した時代や、成功者の証であった時代を経て新たな時代へ向かうアメリカの自動車。ラグジュアリーなモデルやスーパースポーツなど多彩にラインナップするアメリカの自動車をご紹介しました。
※ 掲載内容は執筆時点、スペック・価格等は参考で変更になる場合があります。
※ 燃費・航続距離・最高速度などはテスト値等も含む参考値です。
※ 画像とグレードは一致しない場合があります。
※ 一部日本仕様と異なる場合があります。
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この記事のライター
信州の曲者が集まるCLUB Autistaに所属する道楽者。車と酒と湯を愛し、ひと時を執筆に捧げる。