ヴァシュロン・コンスタンタンのおすすめモデルを徹底解説
ヴァシュロンコンスタンタンは、オーデマピゲ(Audemars Piguet)、パテックフィリップ(PATEK PHILIPPE)に並ぶ世界三大高級時計の一つ。その特徴は派手すぎない、シンプルでアンティークなデザイン。世代を受け継がれて愛され続ける王道とも言えるデザイン性です。歴史からモデルまで、詳しく解説していきます。
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アイキャッチ画像出典:gqjapan.jp
ヴァシュロン・コンスタンタンとは?
ヴァシュロンコンスタンタンは、オーデマピゲ(Audemars Piguet)、パテックフィリップ(PATEK PHILIPPE)に並ぶ世界三大高級時計の一つです。1755年から続いているスイスの老舗ブランドで、その歴史は250年にもわたります。その特徴は派手すぎない、シンプルでアンティークなデザイン。世代を受け継がれて愛され続ける王道とも言えるデザイン性が特徴です。メンズ、レディースを問わず愛され続けている、ブランドの醍醐味について徹底的に解説していきましょう。
ヴァシュロンコンスタンタンの歴史
ヴァシュロンコンスタンタンは1755年に、ジャン=マルク・ヴァシュロンによって創業されました。時計産業が盛り上がり始めていたジュネーブにて開かれた時計工房に始まります。継続的に時計を製造してきたメーカーとしては最古と言われています。現在のシンボルマークである「マルタ十字」は1880年に商標登録されたものであり、時計に使用されている部品の形が「マルタ十字」の形絵をしていたことに由来します。創業から200年経った1955年には厚さ1.64mmという世界で最薄の機械式ムーブメントを発表。1977年に現在の社名であるヴァシュロンコンスタンタンとなりました。
ヴァシュロンコンスタンタンの特徴
ロゴマーク『マルタ十字』
ヴァシュロンコンスタンタンのロゴマークである『マルタ十字』は1880年に商標登録されました。時計に使用されていた部品のデザインが『マルタ十字』に似ていたことからこのロゴが採用されました。マルタ十字とは、キリスト教の騎士修道会である聖ヨハネ騎士団の象徴とされています。マルタ十字は4つのV形をした紋章がその底部で結合した形をしており、突き出た8つの角をもっています。
ヴァシュロン・コンスタンタンの技術
突出した「エングレービング」技術
ヴァシュロン・コンスタンタンは古くから伝わるエングレービング技術により、伝統工芸を並外れて多彩に表現しています。エングレービングとは、主に版画などで使われる技術で、銅板に線を彫り、その溝にインクを埋め、それを掘ることで模様を作る技術のこと。鮮明な線が特徴です。ヴァシュロンコンスタンタンの熟練の彫刻師は、対象物を精密に掘っていくことで、立体モチーフを構成する各要素を徐々に明らかにしていきます。1/10ミリ単位の線を刻むことでそれぞれのモデルに独自の個性を表現していきます。
新しい表現を追求していく「ギヨシェ」装飾
「ギヨシェ」と呼ばれるこの装飾方法は16世紀に誕生し、18世紀に時計の装飾方法として使われ始めます。近年では、このギヨシェ装飾で使われる機械がなかなか作られなくなってきており、かなり希少な技術ということができます。ヴォシュロンコンスタンタンには、このギヨシェ装飾の職人が揃っており、片手で装飾の施される商品を動かすクランクを回転させながら、片手で金属に細く規則的な線を施していきます。こうすることで幾何学的なモチーフを次々と作り出していきます。
4000年の歴史を持つ「エナメル」技法
出典:piazo.jp
エナメル技法は、東洋の職人によって生み出されました。17世紀に時計が出現すると、時計を飾るのにグラン・フー・エナメル技法によるペインティング方法により装飾をするようになります。エナメル職人は、筆を使うことで、文字盤状にペインティングを施し、有名な絵画を描いたり、オリジナルの絵を描いたりしていきます。ヴァシュロン・コンスタンタンでは、細いゴールドの板で図柄や風景の輪郭線を作り、そこにエナメルを施すクロワゾネや、くぼみを作り、その中にエナメルを流し込むシャンルベといった他のエナメル技法も使われています。
宝石を見極める「ジェムセッター職人」
ヴァシュロン・コンスタンタンは、当初、豪華な服装にマッチするような本格的アクセサリーとしての側面が強いものでした。そのため、その豪華な装飾がかなり大事。そこで、ヴァシュロンコンスタンタンには硬さや光の反射具合といった宝石を見極める熟練のジェム・シェッター職人が細心の注意を払って宝石を選んでいます。時計の性能に合わせて選ぶ宝石にも制約がついてしまうので、最適な宝石を選ぶのにも技術が必要です。
ヴァシュロンコンスタンタンの定番モデル
パトリモニー
パトリモニーは、1950年代のヴァシュロンコンスタンタンのモデルに着想を得て作られた、無駄のない純粋な美しさを追求したモデルです。最も王道であり、人気のモデルとなっています。完璧な円と調和のとれたプロポーションが特徴です。2004年に登場しました。インデックスにあるくさび形は、ロゴマークでもあるマルタ十字をモチーフにしています。オーソドックスなデザインながら最高峰の気品を備えた技術力がヴァシュロンコンスタンタンの魅力ともいえるでしょう。
トラディショナル
トラディショナルは、ヴァシュロンコンスタンタンの技術を集結させたモデル。極めてシンプルなものからコンプリケーションモデルまで、世代を超えた技術を感じることのできるタイムピースです。
オーヴァーシーズ
オーヴァシーズは、他のモデルに比べて、スポーティで機能的なモデルです。2004年に新しく改変され、オーバーシーズは、防水機能と、耐磁性構造をより強化にしました。デザイン性はよりモダンになり、ストーリーのある線形のデザインが強力な個性を醸し出します。ヴァシュロンコンスタンタンのモデルにしては、カジュアル感の強いモデルですので、コンビモデルが存在しません。比較的安い値段で手に入れることができるのも魅力です。
上の画像は2016年1月に発表されたモデルです。新型自動巻クロノグラフ搭載の「オーヴァーシーズ・クロノグラフ」です。デザインはシンプルに基本的な表示機能に絞られています。旅をする人にふさわしいような、耐磁性や防水性を備えており、実用的な腕時計となっています。
1972
1972の最大の特徴はそのアシンメトリーなデザイン。この1972には、2パターンのデザインが用意され、「ジュエリー」スタイルと「ダンディー」スタイルの2種類があります。稀有なデザインにも関わらず、その技術には全く劣りはなく、変わらずヴァシュロンコンタンタンのタグジュアリーな技術性を持ち合わせています。個性的なデザイン性と変わらぬ高度な技術を求める方にはぴったりと言えるモデルでしょう。
ヒストリーク
ヴァシュロン・コンスタンタンが2015年に発表した新モデル『ハーモニー』の最大の特徴はベゼルにあります。丸みを帯びた四角形のベゼルは1928年に発表したパルスメーター付きモノプッシャー・クロノグラフを再解釈してデザイン。伝統を忠実に守りながらも、7年間に及ぶ研究開発を通して完成した最先端技術のモノプレッシャー・クロノグラフを搭載しています。、スプリットセコンド機能付きモデルは、厚さ5.20ミリの極薄自動巻きムーブメントを搭載し、その薄さで世界記録を更新しました。
マルタ
ケース部分の形が、一般的な丸型ではなく、トノー型となっている「マルタ」。しなやかで滑らかなカーブを描く曲線が美しいケースです。トノー型の時計はクラシックかつアンティークな印象を抱かせます。ドレスウォッチにはぴったりですね。ヴァシュロンコンスタンタンの数あるモデルの中でもトノー型のケースをもつ「マルタ」は珍しいルックスです。ヴァシュロンコンスタンタンの技術力がユニークなデザイン性に集約された腕時計になっています。
上のモデルは昨年の4月に新販売となった、新作ウォッチ「マルタ・トゥールビヨン」。「マルタ」コレクションらしく、トノー型のデザインに個性が現れています。ちなみにトゥールビヨンとは、複雑機構の一種で、内部の一部の構造を回転させることによって、姿勢差によるズレが出ないようにした時計のこと。簡単に言えば「全然時間の狂わない時計」のことです。
ケ・ド・リル
「ケ・ド・リル」は自分で時計をカスタマイズできることに最大の特徴があります。なんと400種類もの時計が自分でカスタマイズできるとか。高級腕時計上級者の方には心をくすぐられるモデルですね。「ケ・ド・リル」の名前はローヌ川の中洲に位置するケ・ド・リルという地名に由来します。この地には18世紀、「キャビノチェ」と呼ばれる芸術や哲学などのあらゆる知識を備えた時計職人が集まった地であると言われています。ヴァシュロン・コンスタンタンは当時このような職人を多く抱えていました。
上のモデルは昨年の5月に「ケ・ド・リル」コレクションから発表された、ステンレススティールのブルーのダイヤルモデル。トノー型のケースバンドにクッション型のケース本体になっていて、ブルーにオパーリン仕上げを組み合わせた文字盤は、多層構造が特徴的です。文字盤は立体的な構造になっていて、3つの異なる文字盤が組み合わされています。
最高級を手元に
いかがでしたでしょうか。今回は世界三大時計の一つである、ヴァシュロン・コンスタンタンについて解説をしていきました。ヴァシュロン・コンスタンタンは知れば知るほど味のあるブランドであり、最高級であることを知ることのできる最高級ラグジュアリーウォッチブランドです。ぜひ、この記事を参考に、ヴァシュロン・コンスタンタンをより深く知っていただければ、と思います。
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この記事のライター
クラシック音楽と文学と少々のお酒をこよなく愛する20代。現在は筋トレにハマりはじめている。慶應義塾大学在学中。