英国紳士ファッションコーディネート【おしゃれな着こなし】
いつの時代も、世界中の男性のスタイルのお手本としてメンズファッションをリードする英国紳士達。その代表的な街はサヴィルロウ。スタイルをマスターすれば、あなたもお洒落な大人な男性に。今回は英国紳士達のフォーマルスタイルを、スーツやコートの着こなしを中心にご紹介していきます。イギリス流の服装をぜひマスターしてみてください。
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アイキャッチ画像出典:www.rockmywedding.co.uk
英国紳士スタイルとは
サヴィル ロウとメンズファッション
ブリティッシュファッションと聞くと、オーダーメイドのスーツ・革靴・帽子などクラシックなアイテムを頭に思い浮かべる人も多いと思います。また、通称トラッドととして知られている伝統的で洗練されたスタイルがブリティッシュファッションの特徴です。イギリスに行くと街中でファッション雑誌のスナップ特集で目にしたことのある、たくさんのお洒落な人を目にすることができます。王室の方々が着ているようなきっちりとした服を一般市民の人々も普段から取り入れており、イギリス風のスマートな着こなしは参考にするべきポイントがたくさんあります。
英国紳士スタイルを語る上で欠かせないのがSavile Row (サヴィル ロウ)の存在です。ロンドンの中心部に位置する高級紳士服の仕立屋が連なる通りの名称であり、日本語の背広の語源となったと言われています。まずは、世界中の男性の憧れであるサヴィル ロウとメンズファッションの歴史をご紹介します。
サヴィル ロウの歴史
ロンドン有数の高級エリアとして知られるメイフェア地区に位置するサヴィル ロウ。美術館が併設されている事で有名な国立の美術学校である、ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツが近くにあり、美意識が高くファッションへのこだわりが強い人が集まる地域です。王室御用達のお店が軒を連ね、ヨーロッパ調の建物がなんとも美しい。
サヴィル ロウは約1731年から1735年に建設されたと言われており、それ以来何百年もの間、世界のメンズファッションの中心として人々に影響を与えてきました。著名な顧客としてウィンストン・チャーチル元首相やチャールズ皇太子など、ブリティッシュファッションを代表する人々に愛されています。
チャールズ皇太子。母はエリザベス女王・前妻はダイアナ妃です。イギリスらしい上品なスーツスタイルはお手本にすべきファッションアイコンです。完璧にフィットしてるスーツを見れば、一目でわかるビスポークスーツと分かります。グレーのスリーピーススーツに白襟のパープルのシャツはお洒落の一言。ゴールドの懐中時計とゴールドのゴツめのピンキーリングが大人の色気を醸し出し、ワイシャツ・ネクタイと同系色の紫のポケットチーフがアクセントになっています。
出典:gqjapan.jp
元英国首相のウィンストン・チャーチルはイギリスメンズファッションのお手本です。スリーピースツーツにハットとステッキを合わせてクラシックにまとめたスタイルはこれぞ英国紳士といったかっこよさ。チャールズ皇太子もハットを取り入れたコーディネートをしていましたが、チャーチルも頻繁にハットを愛用していました。英国紳士にとってハットはマストアイテムのようです。
ビスポークテーラー
サヴィル ロウが世界に名を知らしめている理由はBespoke(ビスポーク)にあります。ビスポークとは要望に合わせテーラーがスーツを仕立てるということであり、注文を受けたスーツはハンドメイドで作られ、完璧に顧客のサイズにフィットすると言われています。サヴィル ロウメイドのスーツは、実際に着た人にしかわからない最高の仕上がりになっています。
ビスポークとは「注文の~」という意味。 ”bespeake”あるいは”been spoken for”から派生したと言われており、顧客がテーラーと「話をしながら」注文を受けていくことからそう呼ばれるようになったと言われている。話をしつつ服を仕立てていくことに由来していると言われています。
サヴィル ロウの紳士服が称賛される理由として、縫製方法が挙げられます。熟練のテーラー達の寸法と洋裁の技術が英国紳士達のスタイルを支えています。
一人分のパターンを起こすのに20以上もの寸法が行われ、熟練された職人でも100時間程の裁縫時間を要します。平均して3回程の仮縫いが必要となり、完成まで4から12週間かかると言われています。デザイン・寸法・生地・仕立て細部に至るまで話し合い、英国紳士達のこだわりを実現させるセヴィル ロウの職人達。一流のお店でビスポークのスーツをオーダーする、それが英国紳士のたしなみです。
スリーピース・スーツ
スリーピース・スーツ、または三揃えスーツとも呼ばれるイギリス発祥のスタイル。同じ生地からジャケット・パンツ・ベスト(ウェストコート)を裁縫した背広の種類のことを指します。
ポケット・襟・フラワーホールなど様々なデザインが楽しむことができ、サイズ感はジャストサイズより一個下を選ぶと英国紳士風に。
生地とサイズの選び方
どのようなスーツを選べばかっこいい大人な英国紳士になれるのか。それは生地選びにあります。繊維の細さでスーツの良し悪しは決まり、細ければ細いほど上質で高級なスーツとしてみなされます。
まずは自分の手で生地を触って、その手触りや光沢、重量感など自分の好みのスーツをオーダーできるのもビスポークの特徴です。
Made in Englandの生地
イギリスのスーツメーカーの特徴として、スーツがシワになりにくい事が挙げられ、イギリスブランドのスーツは耐久性に優れており、タフな男の仕事を支えています。
触り心地や重量感はやや重くしっかりとしたスーツが多いが、光沢があり高級感溢れるデザインが多く見られます。
英国紳士はサイズ感にこだわる
英国製のスーツは細身のデザインが多く、英国紳士を目指すのであればジャストサイズより少々タイト目なものを選ぶと、イギリス風のできる男に。身体のラインを見せる事でより男らしくセクシーな印象を与えます。近年、タイトなスーツを着ているビジネスマンを日本でも見かけますがが、自分自身にあったを着こなしができれば、仕事ができそうに見えスマートでお洒落な印象です。
英国デザイン
英国紳士を語るのに外せない男、デビッド・ベッカム(David Beckham)
深いグリーンのベロアのジャケットがセクシー。
足首を見せ、素足に革靴を履くことでよりセクシーな印象に。
タイトなスリーピーススーツがなんとも英国紳士らしい。
イギリス人俳優のエド・ウェストウィック(Ed Westwick)
クラシックなチェスターコートから、遊び心のあるシャツとネクタイを覗かせるテクニックでおしゃれに。
イギリス人モデルのデヴィッド・ギャンディ(David Gandy)
ダブルのチェック柄のジャケットに同じ生地の細身のパンツ。あえて真っ白なTシャツをインナーに合わせて。黒縁メガネがアクセントに。
サヴィル・ロウでも異彩を放つ高級スーツブランド
Hardy Amies (ハーディー・エイミス)
Hardy Amies (ハーディー・エイミス)は1945年に創業の王道トラッドスタイルが特徴。エリザベス2世のドレスを仕立てていた事で知られ、現在でもセヴィル ロウで存在感のあるブランドです。
ブリティッシュスタイル特有のスリムなフィットが特徴で、ジーンズやチノパンなどカジュアルなボトムスと合わせても洗練されたスタイルに。
Gieves&Hawkes (ギーブス&ホークス)
ギーブス&ホークスもセヴィル ロウを代表する有名テーラーブランド。200年以上もの間王室御用達の印であるロイヤルワラントを維持している老舗ブランドです。
ストレートなシルエットが特徴で、様々な体型の人に合うスーツ。値段は最低でも£1000かかる。英国紳士でも憧れのブランドとして君臨。
Abraham Moon (アブラハム・ムーン)
全ての工程を本国イギリスで行っている、完全Made in Englandのブランド、アブラハム・ムーン(Abraham Moon)。英国羊毛が有名で、その手触りと着心地は抜群。イギリスらしいツイードのデザインや裏地のバリエーションの豊富さが英国紳士のお洒落心を今も昔もくすぐっている。
アブラハム・ムーンの英国羊毛と製造方法へのこだわりがまとめられた動画を見れば、職人のスーツ作りへの情熱が伝わると思います。
英国紳士の着こなし
出典:beam.land
ブリティッシュファッションとは英国紳士達のファッションへの情熱とこだわりがたくさん詰まったスタイルです。彼らのシンプルかつスマートな風貌はサイズ感や素材など、細部まで手を抜かずに自分の好きなスタイル、そして自分が一番かっこよく見えるスタイルを知り尽くしている英国紳士だからこそできることですよね。この記事を参考に、お洒落な英国紳士の様にスーツを着こなしてみてはいかがでしょうか。
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この記事のライター
経営学を学びながら、シャツ屋でアルバイトをしています。スーツ・シャツ・ネクタイ・革靴などに興味をもって、フォーマルブランドからカジュアルブランドまで、日々多くのものに触れながらセンス磨き中。