おすすめスーツ生地ブランド15選【最高級からコスパのいいブランドまで】
スーツといえばビジネスマンのステータスを表すものであり、戦闘服でもあるので一番こだわりを持って選びたいですよね。実は、スーツ選びの中で最も注目すべきは生地ブランドということはご存知ですか?販売しているメーカーも大切ではありますが、高級感や表情を決めるのは生地のブランドです。今回はそんな生地ブランドを紹介していきます。
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アイキャッチ画像出典:www.jbsuits.com
スーツの生地を知ろう
出典:www.oshi.pk
スーツを選ぶとき、みなさんは何を基準にしていますか?
色や柄、フィット感や着心地という外見的な要素や機能面から、値段やブランドといった基準まで人によって様々だと思います。
しかし、本当に上質なスーツを選ぶときは、色や柄はもちろん生地というのは外せない指針となるので、今回はそんな生地についての解説をした後に、おすすめの生地ブランドを紹介していきます。
スーツブランドではなく生地ブランドで選んでもOK
スーツの販売ブランドは多数あったとしても、使われている生地は同じことはよくあるので、お気に入りの生地ブランドがある男性は、生地のブランドを見てスーツを選んでも構いません。
もちろん、ブランドによってスーツのシルエットや縫製が変わってくるので、着心地が全く同じになることはありませんが、同じような肌触りになることもあります。
高級スーツにブランドネームが2つついていることがあるのはこのためで、生地を提供しているブランドと最終的に製品として売り出しているブランドの2つのネームがつけられるのです。
生地の選び方
1. 素材
スーツの生地を見るときに一番に注目するべきポイントが素材です。
最近では機能性を重視したポリエステル混紡のスーツが数多く販売されていますが、高級感のあるスーツを作りたいのであれば、基本はウール100%のものを選ぶのが良いでしょう。
ポリエステルが入っている生地は、ウォッシャブルなど機能的な面もありますが、固くゴワゴワした手触りになり、毛羽立ちやすくなるので、スーツがあまり長持ちしません。
季節感を取り入れのであれば、ウール×リネンやウール×カシミアなどの自然素材との混紡を選ぶと表情が豊かになるのでおすすめです。
2. 品質
タグをみるとSUPER100's(スーパー100)やSUPER120's(スーパー120)のような表記がありますが、これがウール素材の品質を表しています。
この数字は1kgのウールのから取れる糸の距離を示しており、SUPER100'sは1kgで100kmの長さが取れる糸という意味です。
そして、スーパーの数字が大きいほど細い糸を使用した高級な素材ということになり、光沢感が生まれますが、逆に耐久性が低くシワになりやすいというデメリットもあります。
SUPER120~150くらいが高品質かつ最適な水準なので、この値を1つの基準として覚えておいてください。
生産国による生地の特徴
イタリア
スーツ生地で1番の人気を誇るといわれているイタリア製の生地は、肌触りが柔らかく滑らかで、色柄が鮮やかなのが1番の特徴です。
イタリアは気候の特性上、晴れて湿気が少ない日が多いので、乾燥している気候で生地のへたりが遅いので薄くて柔らかい生地が好まれるとされています。
また、一般的にイタリアの生地は単糸といい、1本の糸で生地が織られている場合が多く、他の国の生地に比べて柔らかくなります。
それに加え、デザイナーが生地作りの行程から関与している場合が多いため、色とりどりの鮮やかな生地が多くなっています。
イギリス
出典:tabizine.jp
対してイギリスの生地は、ハリとコシがあり耐久性が高く、クラシックな色柄が好まれるというのが1番の特徴です。
イギリスは気温が低く、また湿気も多かったので、しっかりした地厚な生地でないとすぐよれてしまうという点からも、肉厚な生地が好まれるようになりました。
また、スーツ発祥の地であるという点や、保守的である国民性からクラシカルで伝統的な色柄の生地が多くみられます。
2本の糸を撚り合わせる双糸を使用しているので、シワになりづらくパリッとした構築的なスーツを作り上げることができるのです。
イタリアのスーツ生地ブランド
Ermenegildo Zegna (エルメネジルド ゼニア)
おそらく、スーツにこだわっている男性であれば、知らない人はいないであろう程有名なのがゼニアの生地で、高級紳士服の約3割がゼニアと言われるほど世界的に高い評価を受けている老舗ブランドです。
1910年にイタリアのアルプスに位置するトリヴェロの地で、毛織物工場を設立したのがブランドの始まりで、世界で最も美しいファブリックを作るという夢を持って生地を生産していました。
オーストラリアやニュージーランドから最高級の天然繊維を買い付けており、当時圧倒的といわれていた英国生地を上回る人気を集めるようになりました。
単純にゼニアの生地といっても、レーベルが複数あり「トラベラー」「トロフェオ」「クールエフェクト」などそれぞれ違った特徴を持つので自分に合った生地を選ぶことができ、中でもトラベラーは耐久に優れており人気が高い生地です。
出典:www.zds.cc
COOL EFFECT (クール エフェクト)
出典:www.zds.cc
TRAVELLER (トラベラー)
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Loro Piana (ロロ ピアーナ)
出典:cripe.gr
ゼニアと双璧をなす、イタリアの生地ブランドの1つがロロピアーナで、ゼニアと比べるとさらに繊細な生地というイメージがある生地ブランドです。
毎年オーストラリアで取れる羊毛の中でも、SUPER100's以上の原毛の4割を買い付ける、イタリア高級生地の代名詞的な存在で、最高級カシミアと最高級ウールは最高品質といえるでしょう。
ロロピアーナの生地の風合いはとても柔らかく、男性的な生地というよりも女性的な生地に近いともいわれるほ上品な印象です。
こちらもゼニアに負けず劣らず幅広い生地ラインがあり、「ジーランダー」「タスマニアン」「トラベルプロ」「フォーシーズンズ」「ロイヤルウォッシュ」など、目的に応じたスーツを選ぶことができます。
TASMANIAN (タスマニアン)
ZELANDER (ジランダ―)
VITALE BARBERIS CANONICO (ヴィターレ バルべリス カノニコ)
ヴィターレバルべリスカノニコ(通称:カノニコ)といえば、350年以上の歴史を持つ、イタリアの老舗生地メーカーの1つです。
生地の生産から輸入まで一貫して行っているため、コストパフォーマンスにも優れたテキスタイルメーカーで、バーバリーやアルマーニといった世界中で有名なアパレルブランドにも生地をおろしており、一流ブランドに認められた高い品質を誇ります。
滑らかな肌触りで光沢があり、イタリアらしく発色が良いので、生地として使用されているスーツは艶のある、上品な表情になること間違いなしです。
名だたるブランドほど有名でなく、値段自体も、他の生地ブランドほど高くないですが、高品質なテキスタイルを提供しているブランドです。
SUPER 110'S
SUPER 130'S
REDA (レダ)
1865年にイタリアのビエラ地区に工場を設立したのがブランドの始まりで、原毛の仕入れから生地の生産までを一貫して行っているため、高品質な生地を比較的安く提供しているブランドです。
自社で羊牧場を所有しているのに加え、シドニーにある自社経営の会社を通じて原毛の仕入れを行っているので、安定して常に良質な原料を入手でき、それをオートメーション設備で織りあげ、最終加工まで行う自社一貫紡のスタイルで、高品質を維持しています。
防シワ機能と撥水機能を兼ね備えた、出張時にも役立つ「レダアクティブ」や、ドルフィン加工により高温と圧力で生地に光沢を生み出している「シルキーエフェクト」など、高機能な生地を数多く取り揃えているため、シーンによって使い分けることができます。
REDA ACTIVE (レダ アクティブ)
出典:buyee.jp
Silky Effect (シルキー エフェクト)
CERRUTI (チェルッティ)
こちらのブランドも、イタリアのビエラ地区で1881年に創業した老舗生地メーカーの1つで、当初は綿工場として誕生しました。
チェルッティ生地の最も特徴的なポイントは、その光沢感です。
イタリア製の生地は、基本的に艶やかな光沢をもつ生地が多くなっていますが、チェルッティの生地は、普段は控えめな高級感を放ちつつも、光を浴びると鮮やかな光沢が出るのが魅力的なポイントです。
伝統技術と最新設備を組み合わせているというこだわりを持っていることで、他のメーカーに比べて太い原毛から細い糸を作ることが出来ます。
横方向のストレッチが入っており、機能的な「アイトラベル」や、オールシーズンの全気候に対応している「スーパーイッシーモ」など、生地のラインナップも豊富です。
ITravel (アイトラベル)
NOBILITY (ノビリティ)
DRAGO (ドラゴ)
出典:mytailor.ru
イタリア最大の生地産地ビエラ地区を代表する生地メーカーの1つであるドラゴ社は、自社で糸の紡績から生地の生産までを一貫して行っている、世界的に見ても珍しいメーカーです。
オーストラリア原産のメリノ種の羊毛の、細い最良の部分を厳選して使用しているため、高い品質と、オリジナリティあふれる色柄が特徴的です。
さらに、SUPER130's以上の非常に細いファブリックを得意としているブランドで、その世界シェアは70%ともいわれており、スーツ用生地としては最も高番手のSUPER210'sを開発したことでも注目を集めています。
高番手の糸を使用しているため、生地には光沢感があり、しなやかで表情豊かな生地はイタリアやイギリスを始め、世界の著名なファブリックメーカーに提供しています。
出典:biardini.com
VANTAGE (バンテージ)
Blue Feel (ブルー フィール)
ANGELICO (アンジェリコ)
出典:twitter.com
有名生地メーカーが集まるビエラ地区で、1950年に誕生した比較的新しい生地メーカーで、創業以来少しずつ拡大してきたため今後もさらに発展していく可能性があるメーカーです。
自社で染色も行っているだけあり、イタリア生地らしい綺麗な色合いとなっている一方で、イギリス生地のようなハリやコシのある生地という特徴も兼ね備えているため、タフに着まわせて丈夫な生地が多くなっています。
生地に関しては安定した供給力を持っており、その中でもリネン素材は世界的に人気のある高品質素材の1つになっています。
そのため、光沢感は他の同等の生地と比べると控えめな印象になるので、華やかな場よりもビジネスマンの日々の仕事などで使うのがおすすめです。
SUPER120's
linen100%
イギリスのスーツ生地ブランド
HOLLAND & SHERRY (ホーランド&シェリー)
1836年にイギリスのロンドン、ポンドストリートで誕生した生地ブランドで、現在では世界50か国に直営の現地法人を構えており、多彩なコレクションを提供しています。
ヨーロッパのごく一部の有名ブランドを除き、オーダーアイテム専用服地として展開しており、高級服地としてのブランドイメージを損なわないために大量販売を行っていません。
イギリスらしいしっかりした生地感が特徴的ですが、若干のドレープもあり、完成したスーツに伝統的な古き良きイギリスらしさをもたらしてくれます。
現在では一般的になっている、パンチ見本を用いた生地の紹介方法は、ホーランド&シェリーが始めたものであり、そのサービスにおいても世界一を自負しているブランドです。
English Mohairs (イングリッシュ モヘア)
City Suits (シティー スーツ)
DORMEUIL (ドメール)
1842年にフランス人ジュール・ドーメルがイギリスの繊維をフランス内で販売しだしたことから始まったブランドで、イギリスのしっかりした生地とフランスらしい優雅なデザインを融合させた生地が有名で、人気を集めています。
170年を越える歴史を持つブランドにも関わらず、現在でもファミリービジネスの形態を維持しており、現在は5代目のDominic Dormeuilが会長です。
ドメールが開発する高級服地は数多くのブランドで採用されており、シャネルやイヴ・サンローランなどのラグジュアリーブランドも使用しています。
その中でも、AMADEUSシリーズは主力商品であり、既製服用服地として、提供しています。
AMADEUS365 (アマデウス365)
MYSTIC (ミスティック)
JOHN FOSTER (ジョン フォスター)
出典:twitter.com
イギリスのウェストヨークシャー州で1819年に創業した老舗生地メーカーの1つで、ロンドンバンコク博覧会においてモヘア生地で1等、糸で金メダルを獲得した世界的に認められており、特にモヘア生地と細番手の生地が人気を集めています。
イタリアの生地よりもコシがあり丈夫で、イギリスの生地の中ではしなやかで、マットな質感になっているのが特徴的で、耐久性に優れており、コストパフォーマンスが高い生地がラインナップされています。
イギリス生地らしいクラシックな色味や、無地やチェック、ストライプなどの外せない生地が豊富にそろっているブランドです。
出典:cocoasso.com
SUPER130's
Wool100% 235g
Savile Clifford (サヴィル クリフォード)
古くから毛織物の産地として有名だった、イギリスのハダースフィールドで誕生したブランドで、イギリスらしい伝統と革新的なデザインを兼ね備えています。
イタリア生地に見られるようなツヤや滑らかさは控えめで、ハリやコシが強いにも拘わらず、重くなくストレッチが入った生地が特徴的なので、現代的かつイギリスらしいスーツに仕上がることでしょう。
最新設備を取り入れるとともに、優れたデザイナーを採用することで、英国の伝統を守りながらも、現代的で美しい生地を作り出しています。
現在はスキャバルの傘下となったことで、ブリティッシュトラディショナルな生地だけでなく、ナノテクノロジーなどハイテク技術を駆使した生地も開発しています。
NATURAL STORETCH AND NANO FINISH (ナチュラルストレッチ アンド ナノフィニッシュ)
SUPER100's
Harrisons of Edinburgh (ハリソンズ オブ エジンバラ)
ハリソンズオブエジンバラは名門服地卸商として名が知られており、現在でもイギリス最大の家族経営卸商として、生地を生産しています。
イギリスらしく生地はしっかり打ち込まれており、しなやかでエレガントな風合いながらもアイロンプレスで型が付けしやすく、仕立て映えしやすいことから、多くのアパレルメーカーやラグジュアリーブランドから愛用されています。
イタリア生地に比べるとしっかりと織られており、耐久性があることからシワになりにくく、復元力も高いので、日々のお手入れが楽になります。
親子二世代着ることができるとも賞賛される生地は、ブリティッシュトラディショナルを色濃く反映しています。
Frontier (フロンティア)
Mystique (ミスティーク)
EMPIRE MILLS (エンパイア ミルズ)
エンパイアミルズは1915年に誕生した同族経営ミルで、ヨークシャーの大都市リーズの近郊ブラムレーを拠点とし、主にイギリス国内向けにコストパフォーマンスが高いスーツ生地を生産してきました。
ビジネススケールにおいても、イタリアの大手生地メーカーと肩を並べるほどで、品質管理と生産規模はともに群を抜いています。
仕上げの行程のみ、高級生地の仕上げも行っている外部の工場委託しているため、しっかりとした生地感に加え、しなやかな表情が特徴的です。
オリンピック代表やサッカーのイングランド代表のスーツ生地も請け負っており、多方向からクオリティーの高さによる信頼を得ています。
SUPER100's
SUPER110's
LASSIERE MILLS (ラッシャー ミルズ)
高級服地の産地として知られている、ハダースフィールドで1949年に誕生した比較的新しいブランドで、イギリスらしい伝統的な打ち込みの効いたハリコシがあり仕立て映えする生地に、イタリアのトレンドを融合した高級生地メーカーとして世界から注目を集めています。
SUPER100's~SUPER180'sの生地が中心となっており、その他にもカシミアやシルクなどのラグジュアリー素材を使用したコレクションが強みです。
ゴルフ4大タイトルの1つであるマスターズのグリーンジャケットを提供しているメーカーである事でも有名で、ブランドの信頼度を裏付けています。
Vitalux (ヴィタルクス)
Everlasting (エバーラスティング)
+α 日本のスーツ生地ブランド
御幸毛織
出典:twitter.com
1905年に名古屋で織物と染色の工場開設によって創業した老舗生地メーカーで、日本の紳士服業界では最高級ブランドとして君臨しています。
創業以来、原料から服地までの全工程を自社完全一貫生産でこだわっており、1980年にはオーストラリアのニューサウスウェルズ州に、自社牧場であるミユキ牧場を設けました。
日本のメーカーだけありその工程にかける丁寧さは、とにかく品質を追求しじっくりと仕上げ、光沢、手触り、ハリやコシ全てを併せ持つ、イタリアやイギリスにはない独特な生地となっています。
鮮やかな色柄というよりは、落ちついた色柄の生地が多く、ある程度の年齢で貫禄と地位があって初めて似合うような生地が特徴的です。
ナポレナ
ミユキテックス
最適な生地を選んでスーツを仕立てよう
いかがでしたか?
生地を知ることで、よりこだわりを持ってスーツを仕立てることができるので、国別やブランド別のポイントはしっかり押さえたいですね。
使うシーンやシチュエーションによって、スーツの生地を使い分けて印象を変えることができれば本当におしゃれな男性になることができますよ。
最高級の生地でお気に入りのスーツを仕立ててみてください。
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この記事のライター
経営学を学びながら、シャツ屋でアルバイトをしています。スーツ・シャツ・ネクタイ・革靴などに興味をもって、フォーマルブランドからカジュアルブランドまで、日々多くのものに触れながらセンス磨き中。