パブで感じる英国の歴史!ロンドンのトラディショナルパブ厳選5店

ロンドンといえばパブ!でもパブはお酒を飲むだけの場所ではありません。イギリス人の生活に根付いたパブがもつ歴史と文化にじっくり思いを馳せながらビールを飲むことこそがパブの醍醐味なのです。

sallySally
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英国の歴史はパブにあり

出典:www.veltra.com

ロンドンには実に至る所にパブがあります。パブは、夜にお酒を飲む場所としてではなく、社交場として昔から人が集まる場所で家に帰るような感覚であるほど生活に根付いたものです。イギリス人の友人が、「パブは行くとこなんじゃなくて戻る場所なんだ」と言うのを聞いてパブの存在の大きさを感じたこともあります。ただ、一口にパブといえどもあまりにも多くの、そして様々な種類のパブがあり迷ってしまうのも事実です。
そこで今回は、ロンドンの中でも特に古い歴史をもったストーリーのあるトラディショナルパブを紹介します。伝統的なパブでビール片手にそれぞれの歴史に思いを馳せれば、「The 英国紳士」気分を味わえること間違いなしです。

Cittie of Yorke (シティ・オブ・ヨーク)

出典:www.flickr.com

所狭しと並ぶ建物にごく一般的なパブの外観で佇むシティー・オブ・ヨーク。でも中に入ったら息をのむほどの重厚な内装が飛び込んできます。現在の建物は改築を経たものですが、パブ自体は1430年からありその歴史の長さに驚愕します。

シティー・オブ・ヨークはかつて「コーヒーハウス」で、女人禁制で中流階級の紳士達が集まってコーヒーや紅茶を飲んでいました。店内の雰囲気は昔ながらの趣を残しており、まるでタイムスリップをしたかのよう。カウンターの向かいに一つ一つ区切られた個室風のテーブル席があり、昔は弁護士達がここで密会をしていたというのもうなずけるこだわり抜いた内装です。

天井が非常に高く教会のようで、ビールを飲みながらどことなく神聖な気分になれるのも紳士達を惹き付けてやまない理由です。

住所: 22 High Holborn, London WC1V 6BN イギリス
電話: +44 20 7242 7670

The Old Bank of England (ジ・オールド・バンク・オブ・イングランド)

出典:www.oldbankofengland.co.uk

紳士なるもの、オールド・バンク・オブ・イングランドに行かずしてパブを語るべからず。まさにスーツに似合うパブです。

ヴィクトリア時代の元イングランド銀行がパブに生まれ変わったこの建物は、ヴィクトリアン建築の豪奢な外観と絢爛豪華な内装で、ただただ圧倒されます。当時、金塊が保管されていた地下はいま、お酒の保管場所になっているのです。日本でいえば、日銀跡を居酒屋にしてしまうようなものですが、それができてしまうイギリスはかなりかっこいいです。

近くに高等裁判所があり、法曹界のお客さんが多いためか店内には荘厳な雰囲気が漂っています。(もちろん、カジュアルな服装で入っても問題ありませんのでご心配なく。)是非試してほしいのが、二階から階下を眺めながらのんびりと優雅にビールを飲むこと。重厚な内装に包まれて、気分は大富豪の紳士気分です。

住所: 194 Fleet St, London EC4A 2LT イギリス
電話:+44 20 7430 2255

Ye Olde Cheshire Cheese (ジ・オールド・チェシャー・チーズ)

出典:www.flickr.com

ジ・オールド・チェシャー・チーズはロンドン最古のパブのうちの一つです。なんと創業1538年!その後、1666年ロンドン大火により一度焼失しましたが、再建され今に至ります。

数多くの新聞社や出版社が並んでいたフリート通りに位置し、文豪チャールズ・ディケンズやコナン・ドイルも通っていたことでも有名です。ビルの谷間にひっそりと佇む小さなこのパブに一歩入ると、かつて文豪達が交わしていた激論がいまにも聞こえてきそうな雰囲気が漂っています。

店内はいくつもの小部屋に分かれていて迷路のようで、それも人気の要素の一つです。
混み合った店内で立ち飲みしながら地元の人とかつての文豪たちの物語を共有してみてはいかがでしょうか。

住所: 145 Fleet St, London EC4A 2BU イギリス
電話: +44 20 7353 6170

 The George Inn (ザ・ジョージ・イン)

出典:commons.wikimedia.org

ジョージ・インは、観光地で有名なロンドンブリッジやバラマーケットの近くにあります。前述のイー・オールド・チェシャー・チーズと同様、ロンドン大火により被害を受けましたが翌年の1676年に再建され、なんと築300年以上です。ジョージ・インは歴史的遺産としてナショナル・トラスト(The National Trust)という民間のチャリティー組織によって保護・管理されている昔の馬車宿です。

そもそもパブは、交通が未発達であった時代に、旅行者のために食事とお酒を提供した宿屋が起源と言われていますが、その後、駅馬車の中継地点として発展したため、このジョージ・インはまさに当時の歴史を映し出したパブといえます。旅人たちがこの宿で、旅の疲れを癒しながらお酒を飲みながら情報交換したり、お互いの思い出話をしていたんだと思うとなんだかグッときますね。

現在ビールを飲めるテラス席はかつて馬車が乗りつけられる中庭で芝居が上演されていた場所でもあり、今でも夏にはシェークスピア劇が上演されています。建物の内装は当時の雰囲気を残しているので歴史を存分に感じることができます。昔ながらの天井の低い店内で、評判のフィッシュアンドチップスを食べながら、かつての旅人たちをなぞってみるのもジョージ・インならではの粋な過ごし方です。

住所:77 Borough High Street | Southwark, London SE1 1NH, England
電話:+44 (0)20 7407 2056

The Mayflower (ザ・メイフラワー)

出典:www.mayflowerpub.co.uk

「メイフラワー」この言葉に聞き覚えがある人は多いはず。16世紀、イギリスではイギリス国教会を信じない人々は弾圧されていたのですが、この迫害から逃れるため、17世紀に英国国教会からの分離を求めて清教徒たちが初めてアメリカに渡りました。その時の船の名前がメイフラワー号です。そしてメイフラワー号が出発したが現在のメイフラワーパブの地なのです。(ただ、出発後に、サウスハンプトン、プリマスに寄って乗組員を増員したり、食料を積んだため、一般的にはメイフラワー号はプリマスを出発としています。)

パブのバルコニーからテムズ河を眺めて、当時のことに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。メイフラワー号の乗組員達が希望を胸にして新天地を目指すことを決意したことを思うと、なんだか勇気が湧いてきます。料理の料理がとても多いので、たっぷり食べてエネルギー補給したあと、テムズ河を散歩するのがおすすめです。

住所: 117 Rotherhithe St, London SE16 4NF イギリス
電話: +44 20 7237 4088

歴史と文化をかみしめながらパブで過ごすことが英国紳士的たしなみ方

それぞれのパブにぞれぞれの歴史があります。伝統を重んじるイギリスだからこそ、建物を古いまま残し、当時の内装や雰囲気も守りたいという思いは世代を超えて継承されているのです。

ロンドンに住む人々には、皆自分が通いつめるお気に入りのパブがあるといいますが、トラディショナルパブをあなたのお気に入りに入れて通いつめれば、ローカルの紳士たちと時間を共有できるだけでなく、彼らの紳士としてのスピリットも吸収することができるのではないのでしょうか?

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