ローマ時代からの伝統!イタリアの温泉テルメでリラックスする休日
温泉に浸かってほっこり、というのは日本独自の文化だと思いがちですが、イタリアにもテルメと呼ばれる温泉があります。屋外で自由に入れるものから高級なものまで、様々なタイプのテルメを紹介します。
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ローマ時代からの歴史を誇るイタリアの温泉テルメ
漫画に映画と大人気になった「テルマエ・ロマエ」。今から約1900年前のローマ帝国で公共浴場を作る技師が現代日本にタイムスリップして、温泉や銭湯の文化をローマ帝国の浴場に生かすというユニークなストーリーでした。当時の公共浴場は風呂の機能だけではなく、サウナがあったりジムでトレーニングしたり、議論を交わしたりと市民の社交の場でした。
どの街にも欠かせない重要な施設で、遠くはパリなどにもローマ時代の浴場跡が残るほどです。そんな風呂好きのローマ人たちの中でも人気だったのが温泉です。映画の中でもハドリアヌス皇帝が温泉保養地の開発を主人公に命じます。戦争が多かったローマ人にとって、負傷した兵士たちの療養の意味でも大きな役割があったのです。
北から南まで 火山大国だからこそ楽しめるイタリアのテルメ
出典:pixabay.com
長靴の形をしたイタリア半島は日本と同じように火山国です。そのため北から南まで温泉の名所を見つけることができます。冬にゆっくり浸かるイメージがある日本の温泉と異なり、イタリアでは暖かい季節に楽しむのが特徴です。というのが温度がそれほど高くなく、屋外プールのようになっており水着を着用して入るからです。のんびりと過ごすという観点では同じですが、日本人から見るとリゾートのような楽しみ方。十分浸かった後は優雅にプールサイドで日に当たるという人を多く見かけます。
自由に入っていいの?たくさんの人で賑わう屋外の入浴自由なテルメ
イタリアのテルメで特徴的なのが入浴自由な屋外のテルメがあることです。前述のプールはしっかり管理された施設で入場料を払って利用します。しかし、それ以外にも公園のようになっているところがあり、流れてくる温泉に自由に入ることができるのです。夏になると家族連れでいっぱい。場所によっては24時間入れるので、人が少ない朝早くや夜に行くこともできます。ただし着替えのための施設はないので、濡れてもいい格好をしていくか、車で着替える用意をしておきましょう。
高級ホテルで最高のスパを経験する リラックスと療養のテルメ
歴史的にリラクゼーションと療養の目的で利用されたテルメ。現在でも治癒目的でヨーロッパやアメリカなどからイタリアのテルメに訪れる人たちがたくさんいます。長期滞在をする彼らのために、最高の技術が取り入れられています。エステ目的のマッサージや泥パックはもちろん、温泉プールの中でのエクササイズなど様々なプログラムが用意されています。そして忘れたくないのが温泉の飲用です。時間帯や分量など、医師の指示に従って飲むことによって肉体の健康はもちろん、精神的にも作用すると考えられています。
観光や食事そしてゴルフも楽しめる オールマイティーなリゾート
フィレンツェやヴェネツィアなど観光地から遠くない場所にもあるテルメ。ヨーロッパからの観光客が伝統的に利用したので、現在でも電車に乗って1時間程度でいくことができます。大きな観光地に出ることも簡単。そして高級ホテルで最高の食事をいただくことができるのも魅力の一つです。郊外に位置しているので、ゴルフや乗馬、そしてハイキングなど一味違ったイタリア旅行を楽しめるのもテルメならでは。慌ただしい旅行ではなく、ゆっくりとした旅行を楽しみたい方にオススメです。
An hot spring where water flows at 37°C, thermal pools, a luxury resort, a luxury spa, the 1 Michelin Star restaurant and a superb 18-hole golf course.
まずは日帰りから始めてもOK 一味違うイタリア旅行を経験できるテルメ
優雅に温泉に浸かってイタリアンとゴルフ三昧、と思っても実際にはスケジュールとの調整が必要だと思います。片道1時間程度なので、日帰りでも十分に温泉に浸かって食事をして街中のホテルに戻ることも可能です。歴史と美術の観光だけでない、一味違うイタリア旅行を経験しにテルメまで足を伸ばしてみませんか?
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この記事のライター
イタリア政府公認観光ガイド。本場イタリアからグルメ、ワイン、そしてイタリア男のカッコイイ生き様をお届けします。大手外資系企業で勤務中のある日「トスカーナの風に吹かれたい!」と思いつき、キャリアを捨ててイタリアに移住。フィレンツェ公認観光ガイドとして、大好きなルネサンス発祥の地フィレンツェで、現代にも通じる芸術、歴史、ライフスタイルを紹介しています。Twitterでほぼ毎日イタリアの「生」の情報を提供中。