信念を持って仕事をしたいビジネスマンにおすすめしたい、一途な人物が登場する日本文学10選

社会人として働いていく時間が増えていくと、いつの間にか仕事には慣れてくるでしょう。
しかし、ふと気付いけば「自分は何の為にこの仕事をしているんだ?」という疑問を抱いてしまうこともあります。
そんな時には確固たる信念を持ち、仕事や生き甲斐を遂行する登場人物が出てくる小説を読んでみましょう。

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小説の登場人物のように確固たる信念を持ち仕事ができたら

「信念」という言葉を辞書で引いてみると

しんねん【信念】

( 名 ) スル

固く信じて疑わない心。行動の基礎となる態度。 「 -をまげない」 「 -の人」

神仏を固く信ずること。信仰。 「民の-する所を公然誹譏ひきするものは/新聞雑誌 56」

出典:kotobank.jp

と出てきますが、仕事をしているとどうしても心が揺らいでしまう瞬間もありますよね。
こんな事を社内の誰かに相談するわけにはいかないし……。なんていう風に悩む前に、小説に出てくる人物たちが、どのような信念を持って目的を遂行しているのかを調べ、仕事に反映させてみると突破口に繋がるかもしれませんよ。

暗幕のゲルニカ / 原田マハ

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誰もが知っているであろうピカソの名画「ゲルニカ」を巡り、人々の信念がぶつかり合いながら物語が進行していきます。1937年、ピカソはなぜ「ゲルニカ」という大作を書き上げられたのか、どんな信念があったのか。2001年、ニューヨーク近代美術館(MoMA)のキュレーターである瑤子をとある悲劇が襲い、そこからどのような信念を持ち立ち上がっていくのか、時系列が入れ替わりながら紐解かれていく二つの物語の終着点は、誰しもが納得するはずです。

「ピカソと反戦」というテーマを掲げた展覧会のため、スペインに「ゲルニカ」貸し出しの交渉をする瑤子は仕事人として美しくすらあります。

特にビジネスマンなら、ゲルニカ展示のために奮闘する瑤子の姿に、胸を打たれることは間違いありません。

影法師 / 百田尚樹

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「永遠の0」を始め、多数のベストセラーを執筆してきた著者初の時代小説です。

江戸時代、文武両道で将来を期待されていたかつての親友彦四郎が、考えられないような事件を起こして藩を追放された理由とは……。を主軸に主人公である彰蔵が、回想を織り交ぜつつも真相を探っていきます。

自らが所属するコミュニティの為に命を賭ける男たちの姿は、時代は違えど組織に所属している人たちの姿と重なるところもあります。

時代設定は江戸時代なので、ビジネスとは何の関係もない話かと思われるかもしれませんが、この小説は一人の男としての生き様がリアルに描かれているので、きっと現代のビジネスマンの心にも響くはずです。

ミッキーマウスの憂鬱 / 松岡圭祐

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子どもから大人まで大人気なディズニーランドでアルバイトをする後藤。そこで出会う多くの人たちと、ミッキーマウスの葛藤が軽やかな文体で描かれており、非常に読みやすい作品になっています。

オープンからたくさんの人たちを魅了し続けるディズニーランドの裏側では、こんな事が起こっているのか!と知りながらも、仕事として誇りを持っているキャストたちの姿は新鮮な驚きを与えてくれます。

特に花形であるミッキーマウス役の登場人物が、本当に人生を賭けて役に臨んでいる姿は憧れすら抱いてしまうでしょう。

正社員と準社員の対立等も描かれているので、自分の会社で同じようなことが起こってしまった時には、解決策を本書から探るのもいいかもしれませんよ。

蜜蜂と遠雷 / 恩田陸

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第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞受賞と世間的な注目も高い本書なので、名前を聞いたことがある人も多いかもしれません。

ピアノコンクールの予選から本選が終わるまでの物語なのですが、4人のピアニストたちそれぞれに葛藤があり、信念があり、成就させるための努力は惜しまない姿は、自分もこんな風に生きてみたい!と読者に思わせることは間違いないでしょう。

職場では、恵まれた立場にいる他人を羨んでしまうこともあるかもしれませんが、見えないところで努力を重ねているのだろう。と考えると張り合いも出てきますよね。

コンクールでの描写は思わず手に汗を握ってしまう程の緊迫感があるので、まるで自分もその場で観客になったかのように錯覚してしまいます。
クラシックの知識がなくても充分楽しむことができるので、是非とも一度手にとってみてください。

ラン / 森絵都

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突然の交通事故で家族を亡くしてしまった少女環、ある日ロードバイクで疾走していると不思議な場所に辿り着き、そこでは亡き家族たちと再会することができた。しかし、会えば会うほど違和感が強くなり……。

タイトルからも想像できる通り、この小説は「走る」ことがメインになっています。
慣れない環境の中で必死に走り続けるその姿は、特に転職活動を経験したビジネスマンの心を打つはずです。
仲間たちと出会い、環がどんどん成長していく姿には、社会に出てから成長してきた自身の姿を重ねてしまうかもしれません。

出会いと別れを経験してきた社会人の方や、大事な人たちと死別をしてきた方たちならば、今を生きることの大事さを再認識できる小説でしょう。

舟を編む / 三浦しをん

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2012年本屋大賞受賞、実写映画化、アニメ化もされた辞書作りに奮闘する人たちを描いた小説です。

現在ではネット上で何でも調べられる時代になっているので、辞書を持っている人も少なくなっているかとは思いますが、変化を続けていく日本語の辞書を作るという作業が想像しているよりずっと大変なもので驚きます。
どんな仕事でも楽なものは存在しないと言われていますが、自分だったら辞書作りは無理だな……。なんていうことも思ってしまうかもしれません。

ただ、本書に出てくる人物たちは皆、辞書作りに全身全霊を捧げ、信念を持って携わっているので一途に仕事をする姿には憧れを抱いてしまうでしょう。
こんな風に仕事ができたら、毎日充実するだろうな。と思わせてくれる内容になっているので、行き詰まっている人は、一度読んでみると仕事に対する考え方が変わるかもしれませんよ。

ハケンアニメ! / 辻村深月

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タイトルから分かるようにアニメ作りの話しなのですが、普段何気なく見ているアニメがどうやって作られるか知ることができます。

制作会社のプロデューサー、監督、アニメーターといった様々な人たちの苦悩や葛藤を乗り越えて放映されているのだと思うと、これからアニメを見る目が変わるかもしれません。

本当に面白いモノを作りたい!という信念を持って、多くの人たちがプロジェクトとして動き、放映された後でネット上の評判を確かめるシーンは、自分も制作に携わったかのような気持ちになりますよ。

仕事にやり甲斐を見つけられないと悩んでいる人は、まず本書を読んで働く意味を考え直してみるのもいいかもしれません。

旅のラゴス / 筒井康隆

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仕事をしていく中で、人生の意味をふと考えてしまう瞬間もあるでしょう。そんな時には本書を読んで旅人に思いを馳せてみるのもいいかもしれませんよ。

文明が滅んだ後の世界でひたすら旅を続けるラゴスは仕事で成功をした後に放浪の旅に出ます。多くの男性にとって憧れのライフスタイルだとも言えるはずです。
ただなんとなく旅をしているわけではなく、目的を失うことなく旅するラゴスの姿は、一途さのお手本だとも言えるでしょう。

なかなか波瀾万丈な旅にはなってくるのですが、その度に機転を利かせて乗り越え、成長を続けていくので、日々の暮らしの中でも「気付き」を大切にしていれば、仕事でも役に立つかも……。と教えてくれます。

クライマーズ・ハイ / 横山秀夫

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かつて実際に起こった日航ジャンボ機墜落事故を題材にしており、新聞記者が主人公なので仕事小説としても興味深く読めます。

未曾有の大事故に関わることになったマスメディアはどのように反応するのか、そこに信念はあるのか。と思いながらも様々な葛藤や、直面した現実に対して逃げずに向き合うことの大事さを知ることができるでしょう。
組織に所属している以上は、どうしても上司の命令に従わなければいけない。けれども、心が納得できない。という状況も多々あるかもしれませんが、本書の主人公のひたむきさを見習っていきたいと強く思うはずです。

マズメディア関係の仕事をしている人にこそ、是非とも読んで欲しい本です。

ホワイトアウト / 真保裕一

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ダム作業員として、ダムを守るのが仕事だという信念を持った富樫が、孤独な戦いをテロリストたちに挑んでいくところは仕事人として尊敬の域に値するでしょう。
完璧超人かのように活躍をするシーンが目立ちますが、その辺りはフィクションとして流してください。

もしも自分が同じ立場に置かれたら、こんな風に決断できるだろうか……。と考えると自信を無くしてしまう人が殆どかもしれませんが、仕事をする上で譲れないものだけは、大事に守っていこう。と本書を読めば思えるはずです。

悩んだ時の参考資料として読書がオススメ

こんな時、どうすればいいのか分からない……。と悩んでいる時は、ひとまず小説の登場人物たちの行動を参考にしてみるのもいいかもしれません。
ビジネス小説だけに限定してしまうと、逆に視野が狭くなってしまう可能性もあるので、色々なジャンルの中から探ってみて、その中から面白い思考や、一途な行動を見習ってみるのもいいかもしれませんよ。

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文章を書いて生活しています。趣味は読書、映画、テレビドラマ鑑賞、バンド演奏等々。感銘を受けた本や映画、音楽等をご紹介していきたいと思います。

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