古い映画音楽が新鮮！フランス人の巨匠の映画音楽が心に深く響く

芸術の都パリが生み出す優れた芸術家

フランスという国は、古くから芸術に関して「どんな表現も自由」というような、芸術家に関して世界一寛容な国といえます。1800年代は特に、ショパンやリストなどの外国の音楽家がパリを拠点に幅広く活躍しています。

美術でも同様で、すばらしい芸術であればどのような自由な表現でも大きく手を広げて歓迎する、という文化により巨匠芸術家を輩出することができたのでしょう。それは、現代になり映画音楽という世界においても同じです。フランスを代表する映画音楽家のふたり、フランシス・レイとミッシェル・ルグランをご紹介します。

白い恋人たち　フランシス・レイ作曲　

フランシス・レイは1932年フランス生まれの作曲家です。映画音楽は、クロード・ルルーシュ監督の映画音楽をよく担当しています。主なものでは、男と女、パリのめぐり遭い、愛と哀しみのボレロなどヒットした映画は数多くあります。「白い恋人たち」は1968年制作の映画音楽で、第10回冬季オリンピックの記録映画の音楽として作られたテーマ曲です。記録映画とはいえ、スポーツ関係の映画としてはおしゃれな恋愛映画のような雰囲気の曲で、たちまち大ヒットとなりました。フランシス・レイの代表曲といってもよいでしょう。　

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ある愛の詩　フランシス・レイ作曲

同じくフランスを代表する映画音楽の作曲家であるフランシス・レイによる映画「ある愛の詩(うた)」です。1970年作の映画で、感動のストーリーと共に映画音楽も大ヒットしました。アカデミー賞作曲賞を受賞しました。悲劇的な愛を見事に表現した名曲です。ストーリーは、富豪の家庭に生まれ秀才でハーバード大学に通う青年(主人公)が、イタリア系移民の娘(優秀な女子大生)と知り合い恋に落ちます。

しかし、身分の違いから両親の猛反対に合いますがふたりは恋愛を続行します。大学を卒業し、駆け落ちのように結婚して法律家の道を歩み始めるのですが、そんな中、彼女が白血病にかかり…。映画の中の言葉が名言で話題になりました。「愛とは決して後悔しないこと」というセリフは、この映画のもっとも感動的なシーンの中で青年が父親に話す言葉です。不朽の名作といえます。　

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華麗なる賭け　ミッシェル・ルグラン作曲

ミッシェル・ルグランは、1932年フランス生まれで、父親が指揮者で母親が歌手という恵まれた家庭に育っています。音楽は本格的にパリ音楽院で学んだあと作曲活動に入り、映画のシェルブールの雨傘などの曲で知られるようになりました。フランスを代表する作曲家のひとりで、映画音楽やCM曲など数多く作曲しています。ヒットは多く、この1968年制作の映画「華麗なる賭け」の挿入歌「風のささやき」もそのひとつです。

1度聴くと忘れられないトッカータ風のメロディと英語がカッコよくマッチし、印象深い名曲です。アカデミー賞主題歌賞を受賞しています。この映画のストーリーは、大富豪で実業家である主人公が銀行強盗を企てますが、警察とのスリル満点の駆け引きが見物です。保険調査員の女性とのロマンスを含めることで、恋愛映画の要素も入れた粋な映画に仕上がっています。主演は、当時のトップスターのひとりであるスティーブ・マックイーンです。娯楽映画としてお勧めです。　

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ロシュフォールの恋人たち　ミッシェル・ルグラン作曲

1967年制作のミュージカル映画です。明るく軽快なジャズのリズムに乗って、踊りや歌が楽しい映画です。映画の中の曲は、昨今のテレビのCMなどで利用されていたのでお聴きになったこともあるかもしれません。ルグランはジャズピアニストとしても知られていますので、この映画音楽は本領発揮したといえるでしょう。ご興味ある方は映画をどうぞご覧ください。

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おもいでの夏　　　ミッシェル・ルグラン作曲

「おもいでの夏」は、1971年制作のアメリカ映画で、アカデミー賞作曲賞、脚本賞など計4つの賞を受賞しました。1942年の戦争中のナンタケット島での夏のできごとを描いた映画です。アメリカの小さな島に疎開してきた少年は、ひと夏の間に大人の女性と忘れられない恋をします。

思春期の少年の淡い初恋と、戦争で亡くなる女性の夫という、若く光り輝く命と悲惨な死の対比が巧みな演出で描かれています。大西洋の青い海と空と太陽のきらめき、はかない青春のひと夏を音楽で見事に表現し、公開後すぐに大ヒットとなりました。

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なつかしい古い映画と音楽

いかがでしたでしょうか。フランス人の映画音楽家と聞いただけで、素晴しい曲を想像してしまいます。ご紹介しましたふたりの音楽家は、フランスを代表する人たちです。アカデミー賞作曲賞を受賞した音楽は、いずれも1度聴くと忘れられない印象的なものばかりです。年月が経ち、作曲時から40年という時間の流れを感じさせない新鮮さがあると感じます。

また、1度昔に聴いていた人はこの音楽から映画を思い出し、なつかしく昔の過ぎ去った大切な時間を振り返るのではないでしょうか。優れた映画音楽には、そういったそれぞれの人生に寄り添うような力があるように思います。どうぞ新作映画だけではなく、昔の映画にもなつかしさを見つけてみてください。