ビジネス図書レビュー『ゲーム・チェンジャーの競争戦略』
私は仕事がらビジネス本は本屋さんでとりあえず目を通して、少しでもピンときたら迷わず買うようにしています。(ただ、スキル系は買いますが、精神論/自己啓発系は買いません。)
今週読んだビジネス新刊についてレビューしたいと思います。
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ゲーム・チェンジャーの競争戦略 ―ルール、相手、土俵を変える
2015年1月24日に日本経済新聞社から発行されたビジネス本
成熟しきった社会において、競合と異なる戦略を採用することで大きな事業拡大を遂げる企業があります。こうした企業をゲームチェンジャーと呼び、「秩序破壊型」「市場創造型」「ビジネス創造型」「プロセス改革型」の4つに分類して分析しています。
秩序破壊型
既存の製品を新しい儲けの仕組みで提供する企業のこと。
(具体例)
筐体ゲームに対するスマホゲーム、スーパーに対するコストコなど
市場創造型
既存の儲けの仕組みに新しい製品を提供する企業
(具体例)
矯正ではなく健康目的のJINSメガネなど
ビジネス創造型
全く新しい製品と儲けの仕組みを構築する企業
(具体例)
価格.com、カーシェアリングなど
プロセス改革型
既存製品と既存の儲けの仕組みの中でプロセスを改革する企業
(具体例)
アマゾン、セブンイレブンのコーヒー、おれのレストラン
知っておきたいポイント3点
この本ではこうした類型ごとに攻め方および守り方を詳述していますが、私的に知っておくべき考え方は以下の③点
事業連鎖で考える
儲けの仕組み、という切り口が出てくるのですが、
新しい儲けの仕組みを考えるためには「自社内の価値連鎖」ではなく「業界の事業連鎖」で考えるということ。
(具体例)
デジカメ、スマホなど
プロセス改革は価値連鎖
プロセスを改革する場合には既存の儲けの仕組みですから価値連鎖の仕組みで考えることが大事です。
顧客への提供価値の視点から連鎖をいじってみる
上記の2つの連鎖を考えたら、それを顧客への提供価値を高める、という視点からいじってみる。いじり方は省略したり、強化したり、集約したりといった方法が考えられます。
この連鎖をいじるというのは、なにかを考えるときに実は自然とやっていることなのですが、改めて定型化され、具体例とともに説明されると非常に納得感があります。
読むべき対象
この本は幅広な方を対象としていると思いますが、中でも新規事業展開を考えている必要がある方、他社からこういった動きが見える会社の方にはオススメです。
(デメリット)
早稲田大学の大学院のゼミがもとであり、生徒が執筆にかかわっています。
ですので、その担当者ごと、すなわち章ごとに若干できが分かれます。
ただ、全体として日本の具体例豊富に理解しやすく、一読に値すると思います。
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この記事のライター
日本一即戦力な公認会計士、を目指しています。大手監査法人⇒米国留学⇒経営コンサル公認会計士&TOEIC900超に加え、最近は経営能力など、知の経験値稼ぎに絶賛邁進中。様々知識を身につけるべく、読書とグルメめぐり(一流レストランからB級まで幅広く)が大好物