大人でも楽しめる!おすすめドラえもん映画10傑
日本の長寿アニメ作品であるドラえもん。現在でもアニメ放送は放映されており、「大長編ドラえもん」として映画も制作が続いています。その中には大人が見てもウルっとさせられるものがあり、おすすめしたい作品があります。今回は、ドラえもん映画の中でおすすめしたい10本をピックアックしました。
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アイキャッチ画像出典:undine-noah.com
大人も観賞できるドラえもん映画!
日本の漫画は「鉄腕アトム」からはじまったように、SFを題材にしたアニメや漫画作品のクオリティは高い傾向にあります。「ドラえもん」も未来からやってきたネコ型ロボットで、子供向けのアニメでありながらSF的要素が楽しめる作品です。「こんなこといいな、できたらいいな」という夢いっぱいのドラえもん映画を、ここからご紹介しましょう。
ドラえもん のび太の恐竜
スネ夫はある日、のび太やジャイアン、しずかちゃんにティラノサウルスの爪の化石を自慢します。くやしくなったのび太は、つい「恐竜の化石を一匹まるごと見つけてやる」と大ぼらをついてしまいます。必死になって恐竜の化石を探すのび太ですが、偶然にも恐竜の卵の化石を見つけてしまうのです。その化石をタイムふろしきを使って本物の卵にして、ついに羽化に成功します。生まれた恐竜を「ピー助」と名付け、のび太は懸命に世話を続けます。しかし、現代では育成が難しくなったので白亜紀の世界に返しますが、トラブルが起こってしまうのです。
大長編ドラえもんの記念すべき第一作となった作品。元々は短編作品でしたが、映画化にあたり加筆されたところから企画がスタートしました。ピー助は日本の恐竜でしたが、ドラえもんたちがタイムマシンを使って返した場所は別の大陸。ピー助の一大事を知ったのび太はもう一度白亜紀へ戻り、仲間のいる海へ戻してあげるため冒険に繰り出します。恐竜のために行動するのび太の純粋な姿に、誰もが感動できる作品です。
ドラえもん のび太の大魔境
春休みになったのび太。ジャイアンは未だに解明されていない秘境への冒険を望んでおり、のび太にその秘境を見つけるように命令します。ドラえもんに相談したところ、ほとんど見込みはないけれど衛星写真で探すことになります。その中でペコという犬を拾いますが、その犬が誰も見たことのない巨神像の写真を発見するのです。のび太たちは、巨神像があると思われる「ヘビースモーカーズフォレスト」への冒険をはじめます。
大長編ドラえもんの3作目に当たる作品です。ジャイアンは元々我の強い男の子ですが、本作品では輪を掛けてわがままな態度を取ります。挙句の果てには、わがままを言い過ぎて仲間から孤立してしまいますが、最後には男気を見せて仲間と和解するシーンは必見。また、巨神像の写真を見つけたペコは喋ることができて、二足歩行できることが終盤に判明するなど飽きない展開となっています。そんなペコがのび太たちを秘境に導いた理由も、子供向け映画ながらよくできている設定です。
ドラえもん のび太の海底鬼岩城
夏休みを迎えたドラえもん一行は、山と海のどちらに旅行に向かうのかで揉めてしまいます。そこで、ドラえもんは海底にある山を探検するプランを提案します。それでも山派のジャイアンとスネ夫は納得しませんでしたが、金塊を積んだ沈没船が見つかったニュースを見てから手の平返しで旅行に同行することに。海底を走れる上に喋れるバギーに乗って探検に出掛けた一行ですが、海底人のエルに出会うことで状況が変わっていくのです。
1983年に上映された大長編ドラえもんの第4作目。夏休みのちょっとした旅行で海底人と出会い、さらに核を搭載した自動報復装置「ポセイドン」の阻止に関わることになります。海底人が生まれた経緯には進化論やクジラの話など科学的根拠が組み込まれ、さらにムー大陸や日本海溝など自然科学の話がふんだんに盛り込まれているのが特徴です。子供向けのSF映画と思っていると、いつのまにか集中して観ているでしょう。ラストに見せるバギーの男気には、誰もが勇気をもらえますよ。
ドラえもん のび太の魔界大冒険
ある日、魔法を使える世界に住みたいと思い始めたのび太。そこで、のび太はひみつ道具の「もしもボックス」を使い、魔法が使えるパラレルワールドを作り出してしまいます。魔法を使えるようになった世界に喜ぶのび太でしたが、その世界では大魔王デマオンによる地球支配の計画が進んでいたのです。
1984年に公開された5周年記念作品であり、ドラえもん映画の5作目に当たります。魔法を気軽に使えると思ったのび太ですが、やはり努力やセンスが必要である部分など、現実感のある設定になっていることでリアリティを感じられます。本作品の舞台にもなってくるパラレルワールドの設定も上手く使いながら、窮地を脱出するのも見どころの1つです。
また、本作品に出てくるゲストキャラクターの美夜子は、魔法のせいでネコの姿になってしまいますが、とにかく「かわいい」の一言。のび太たちと一緒に魔界を冒険することになりますが、1人になっても魔王軍と闘おうとする姿にキュンとさせられます。
ドラえもん のび太と鉄人兵団
スネ夫にラジコンのロボットを自慢されたのび太は、高性能なロボットを手に入れたいとドラえもんに駄々をこねます。のび太の態度に愛想を尽かしたドラえもんは、どこでもドアで寒い場所に向かいます。のび太は帰ってこないドラえもんが気になりどこでもドアを通りますが、そこで不思議な青いボールを見つけます。妙な音を立てるボールでしたが、その音と共に大きなロボットのパーツが空から落ちてきたのです。そのパーツをドラえもんの道具で作った「鏡の世界」で組み上げ、しずかちゃんと一緒に遊びます。しかし、ロボットには危険な兵器が付いていることが判明したため、3人はその存在を隠すことにしました。ですが、謎の少女リルルによって状況が一変していくのです。
1986に公開された大長編シリーズの7作目になります。ドラえもんも知らない大きなロボットを組み上げ、それを操縦するという男の子ならば誰もが夢見るシチュエーションを再現しています。ですが、本作の敵は大長編ドラえもんの中でも最強と言われる、惑星メガトピアの機械兵団たち。
実は、のび太が拾ったロボットもメガトピア製でしたが、自分たちが乗れるように改造して機械兵団たちを迎え討ちます。また、リルルもメガトピア側のスパイでしたが、しずかちゃんと交流することで人間らしい感情を手に入れていきます。彼女がラストに選んだ選択により、すべてが終局に向かう流れは切なさでいっぱいです。
ドラえもん のび太のパラレル西遊記
学芸会で西遊記をすることになったのび太。しかし、主役の孫悟空ができないのが不服で「孫悟空に似ている人が孫悟空役をするべきだ」と言ってしまいます。ジャイアンやスネ夫に冷やかされたのび太は、現実にはいない孫悟空を探すためにタイムマシンに乗り込みます。タイムマシンで付いた先で、のび太はいるはずのない孫悟空の姿を見かけます。さらに、道中で声を掛けられたリンレイは、のび太を「悟空様」と呼ぶのです。
1988年に上映された9作目の作品。全体的におどろおどろしい雰囲気が漂う映画で、他のSF色が強い映画とは一線を画する作品となっています。今回は、ひみつ道具の「ヒーローマシン」から飛び出した西遊記の妖怪が敵として立ちはだかり、のび太たちもヒーローマシンの力を借りて孫悟空、猪八戒、沙悟浄、三蔵法師となって挑みます。ひみつ道具から出てきた妖怪により、妖怪が世界を支配するパラレルワールドができるという設定にはゾクッと感じるものがあり、全体的に演出が光る作品です。
ドラえもん のび太とアニマル惑星(プラネット)
ある夜、のび太はピンクのもやの中を歩いていました。いつものように寝ぼけていただけだと思っていましたが、そこでのび太は人間と同じ背格好の犬や猫と出会います。とても現実とは思えないと感じていましたが、部屋の中にはホタルを入れて持ち運べる花が落ちていました。のび太は自分の体験は夢でないと確信していると、ピンクのもやが自分の部屋の近くに現れます。ドラえもんと共にそのもやをくぐり抜けると、そこは人間の姿をした動物たちが暮らす惑星だったのです。
映画シリーズとしては11作目に当たる本作。今までの作品よりも自然環境にフォーカスした作品となっており、のび太のお母さんが山の自然破壊活動の反対運動をするなどメッセージ性が強いものとなっています。また、今回の敵になる「ニムゲ」という存在は、環境を無視して惑星1つをダメにした人類。子供だけでなく、大人になった今でも考えさせられる内容です。
ドラえもん のび太のドラビアンナイト
のび太はドラえもんの出したひみつ道具「絵本入りこみぐつ」を使い、シンドバッドの絵本の世界に入り込んでいた。絵本の世界にしずかちゃんも誘ったのだが、トラブルが発生してしずかちゃんだけ絵本から出られなくなってしまう。彼女の生命の危機を知ったドラえもんたちは、空想世界のシンドバッドとリンクしている可能性がある時代にタイムスリップし、しずかちゃん救出に向かう。
ドラえもんの映画作品12本目に当たる作品。空想世界と現実世界のアラビアン世界がリンクしていく過程が秀逸で、実際に活躍したアルシンド王の考察などは大人でも頷いてしまう部分があります。また、アラビアンらしさを感じられるひみつ道具も数々登場し、派手な演出にのめり込んでしまうでしょう。
ドラえもん のび太のブリキの迷宮(ラビリンス)
春休み、どこにも遊びに行けないことを嘆いていたのび太。どうせどこにも行けないと諦めていましたが、パパが「ブリキンホテル」という場所に遊びに行くと言います。飛んで喜んだのび太でしたが、そこはどこにあるのかわからず、予約もテレビ越しにしただけだとパパが言い出します。結局ぬか喜びだったと悲しむのび太でしたが、ある日玄関に「野比さま」と書かれたタグの付いたトランクを見つけます。そのトランクを開くと扉が出現し、そこを抜けると「ブリキンホテル」がある砂浜につながっていたのです。
1993年に公開された14作目の大長編ドラえもんの映画です。謎の「ブリキンホテル」は、ロボットの支配人であるブリキンと、ウサギ型ロボットのタップが運営している不思議な場所。のび太とドラえもん以外は誰も宿泊していませんでしたが、その道中でのび太とドラえもんは離れ離れになってしまうのです。
実は、ブリキンホテルの本当の支配人は、ロボットに支配されたチャモチャ星から逃げてきたサピオ・ガリオン。ドラえもんをさらったのもサピオの敵と同じであると説明されたのび太で、ジャイアンとスネ夫、しずかちゃんと共にチャモチャ星に乗り込むことになります。ドラえもん抜けで物語の大半が進むという特殊な構図と、SF映画独自の「機械によって支配された世界」を救うというテーマを楽しめる1作です。
ドラえもん のび太の創世日記
夏休みの自由研究のテーマに悩むのび太。そんなのび太にドラえもんは、きちんと観察と世話をすることを条件に「創世キット」を手渡します。これはキット内にて地球を育てることができ、のび太は創造主となって地球の歴史を編んでいくことになるのです。
1995年に公開された映画シリーズ16番目の作品。ドラえもんの映画シリーズの中では異色で、悪役と闘うことがありません。さらに、生命の起源と進化、宗教問題など難解な要素をふんだんに盛り込んでいます。その上、のび太やドラえもんの影響によって昆虫人間ができるなど、SF要素もきちんと含まれているのが特徴です。この昆虫人間は増えすぎた人類へのアンチテーゼとして存在し、人類と対話を試みながら敵となる可能性がある生命として描かれています。宗教問題や進化論など、子供よりもむしろ大人向けのようにも感じる1本です。
ドラえもん映画で元気と勇気をもらいながら楽しもう!
今回はドラえもん映画の中でもおすすめできる10本についてご紹介しました。大人になってから見てみると、思った以上にSF的考察が含まれていたり、耳が痛くなるようなセリフ回しが存在しています。ドラえもんが大山のぶ代さん時代のものを中心にピックアップしましたので、見直して懐かしさと共に隠れた面白さを堪能しましょう。