地形・自然・歴史を活かした建築がたくさん!有名建築巡りの旅【新潟編】
都道府県別、面積の広さランキングでは第5位に入る広さを有する新潟県。綺麗な水と気候を活かしたお米の産地としても有名ですが、自然を活かした建築もたくさん!
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広大な自然と建築のコラボレーション
新潟本土を巡る前に、佐渡へ行きましょう。船舶を使ってのみしか佐渡へ行く手段がないというのも、これからご紹介する千石船と船大工の里に行くにはピッタリ。
上記の写真は、新潟県で唯一国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている宿根木(しゅくねぎ)です。集落としては決して広い範囲ではありませんが、約100軒の建物が軒を連ねる見ごたえのある地区。たらい舟をテーブルがわりにした茶房や、狭小住宅の最先端である三角住宅・石畳の小路など、新潟の有名建築巡りには外すことのできない場所です。
佐渡金山が栄えた17世紀を経て、北前船の寄港地として発展した小木海岸の入り江の集落。迷路のような路地に今も100棟を超える板壁の民家が密集しています。船大工の技術が結集した宿根木の町並は、国の重要伝統的建造物群保存地区「宿根木」。
自然に溶け込む文化活動の場 長岡リリックホール
この建物で伊東豊雄氏が目指したのは“地形のような建築”。新潟の美しい自然風景のなかに、伊東氏らしい滑らかな曲線屋根がよく映えますね。自然光に照らされる日中と、内部の光が外部へと漏れ出す夜間では、大きく表情を変える建物です。
コンサートホールの平面図や断面図のPDFを、HPから無料でダウンロードできるようになっているのも嬉しいところ!図面を見ながら建物を巡ると、新しい発見があるかも?ぜひ旅の出発前に入手しておきましょう。
建物 長岡リリックホール
設計 伊東豊雄建築設計事務所
住所 新潟県長岡市千秋3丁目1356-6
長岡市芸術文化振興財団
まるで宇宙船のよう! ほくほく線くびき駅
周囲に田園風景が広がる中にポッと現れ、「宇宙船!?」と思わず驚いてしまいそうな建物がほくほく線くびき駅(裏側)。駅舎の表側は、朱色の壁と大きな開口で構成され、また違った雰囲気を醸し出しています。宇宙船や卵のような形状が珍しい建物。
裏側には出入り口がないため、どうしても表側を見て終わりにしてしまいがちですが、訪れた際には是非裏側も見に行ってくださいね。駅前ロータリーには無料駐車場もあるので、駐車場探しに困ることはありません。
建物 ほくほく線くびき駅
設計 毛綱毅曠建築事務所
住所 新潟県上越市頸城区手島1021-2
南魚沼市の六日町駅と上越市の犀潟駅を結ぶ「ほくほく線」を運航。本社は、南魚沼市。
広大な日本海と空 新潟市内の夜景をみるならココ!
展示室・13の会議室・ホテルなどが含まれた、新潟市のランドマーク的存在の新潟コンベンションセンター・朱鷺メッセ。万代島ビルと新潟コンベンションセンターの2つの建物から構成されています。展望室は地上約125mの高さにあり、日本海側で1番の高さを誇っています。新潟市街地や日本海だけでなく、天気の良い日には佐渡島・五頭連峰も見ることが可能です!
含まれているホテルは、ホテル日航新潟です。こちらを旅の拠点(宿泊施設)として選べば、交通の便も良く、より豊かな旅にすることができそうですね。新潟市街地の夜景を展望室から見るのも楽しみです。
建物 新潟コンベンションセンター・朱鷺メッセ
設計 槇総合計画事務所 槇文彦
住所 新潟市中央区万代島6-1
総重量約2000トンの鉄の塊!
「森の学校」という名前ですが、こちらの建物は森のなかの自然に関して、さまざまなことを勉強・体験することのできる科学館 兼 研究施設です。体験イベントは、子どもだけでなく大人も楽しむことのできるものが多く、男だけの旅で寄っても盛り上がりそうです!
縦にも横にも細長い建物で、総重量約2000トンの鉄の塊・アクリルの窓で構成されています。こんなに頑丈なつくりなのは、毎年の降雪に耐えるため。ちなみに施設名の一部のキョロロとは、カワセミの鳴き声が「キョロロロロ...」と聞こえるところから由来しているそうですよ。
建物 越後松之山「森の学校」キョロロ
設計 手塚貴晴+手塚由比/手塚建築研究所
住所 新潟県十日町市松之山松口1712-2
十日町市立里山科学館 越後松之山「森の学校」キョロロwebページ
地域住民から愛される歴史を含んだ駅前アート
出典:pixabay.com
JR飯山線下条駅(げじょうえき)前にある下条茅葺きの塔は、2012年に開催された越後妻有アートトリエンナーレに合わせて作られました。ここに建てられたのは、かつて下条地区には多くの茅職人が住んでいたから。町にピッタリの素材で作られた塔は、地域のランドマーク的な存在として親しまれています。
こういった塔は、外観のみしか見ることができないことが多いですが、下条茅葺きの塔の内部には地域の住民が持ち寄った民具が飾られているので、しっかりと内部も楽しむことができます。高さは約11mもあるので、待ち合わせ場所としても最適。
建物 下条茅葺きの塔
設計 みかんぐみ+神奈川大学曽我部研究室
住所 新潟県十日町市下条4(JR飯山線下条駅住所)
越後妻有(新潟県十日町市・津南町)で3年ごとに開催。概要、イベント情報、参加作家、作品の紹介。
四季ごとに表情を変える自然と共に建築を楽しんで
はじめにお伝えしたように、日本のなかでもトップ5に入るほど新潟県はとても広い県です。是非宿泊予定をたててゆっくりと巡ってくださいね。今回ご紹介したなかでは、フェリーで渡る佐渡市内と新潟コンベンションセンター・朱鷺メッセを宿泊場所に選ぶのがオススメ。
地形や光・海など自然を活かした建築が多く、四季ごとに表情を変える様子が楽しいですが、豪雪時期のご旅行はどうぞお気をつけて。
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この記事のライター
モットー「建築を、もっと身近に。」福祉・プロダクト・建築デザインを学ぶ大学を卒業し、企業で住宅建築設計・デザインに携わった後、現在フリーで活動しております。2016年10月には、WEBライティング実務士の資格を取得いたしました。最近の趣味は、ちょっと良いケア商品を買うこと。