ニックウースター(Nick Wooster)から学ぶメンズおしゃれファッションコーディネート
メンズファッション界のファッションリーダーとして、今なお流行の最前線を走り続けているニックウースター。メンズファッションを語る上で、欠かせない存在であるニックウースターの経歴からスタイル、コーディネートをまとめてみました。この記事を参考にして、あなたもおしゃれ上級者の仲間入り!
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ニックウースター (Nick Wooster)とは
経歴
1960年にアメリカのカンザス州で生まれ。カンザス大学でジャーナリズムと広告学を専攻し、卒業後はニューヨークに移り住み、その後Saatchi & Saatchiという広告代理店に就職しました。出版社やデパートのマネージャー職を経験し、アメリカの有名ブランド・バーニーズニューヨークのバイヤーを経て、ミューヨークの言わずと知れた有名高級デパート・バーグドルフグッドマンでバイヤーを勤めていました。世界中のデザイナーの憧れであるバーグドルフグッドマンでファッションセンスを磨いた後に、カルバンクラインの小売商品のディレクターとなり、ポロラルフローレンでデザインディレクターを勤めました。2001年に自らが代表を務める「ウースター・コンサルタンシー」を設立し、トム・ブラウンなど有名ブランドの経営方針のアドバイスをしました。米国の高級デパートであるニーマンマーカスでメンズファッションディレクターを勤め、米国大手小売チェーンのJCPenneyで上級副社長も勤めました。華麗な経歴を持つニックウースターの現在の職種はフリーエージェントです。
世界中の男性の憧れであるファッションアイコンは、実は親日家!?
ニックウースター自身は親日家で、日本に何度か訪れています。彼のインスタグラムには日本で撮影された写真がアップされており、東京で開催されるファッションショーにも毎年参加しています。
メンズファッションアイコンと言えば、ニックウースターと言っても過言ではない程有名な彼ですが、実は彼のファッションアイコンは2人の日本人でした。一人はユナイテッドアローズ常務取締役兼クリエイティブディレクターの栗野宏文氏です。もう一人はユナイテッドアローズ・クリエイティブディレクターの鴨志田康人氏で、彼らのスタイルが好きであるとある雑誌のインタビューで答えていました。
2014年に、ユナイテッドアローズとのコラボレーションレーベル「NICK WOOSTER+UNITED ARROWS (ニック ウースター プラス ユナイテッドアローズ)」を発表しました。
ユナイテッドアローズのスタッフと一緒にニックウースターはお決まりの腕組みポーズで。来日時に撮影された一枚です。
現代のファッションアイコンとして
なぜ注目されているのか
2010年1月にミラノで開催されたファッションショーでの彼のスタイルがスナップされ一躍脚光を浴びました。ニックウースターのファッションスナップを撮影したのはメンズストリートスタイルの写真家として有名なトミートン(Tommy Ton)とScott Schuman (スコット シューマン)の2人です。この2人のミラノでのストリートスナップが公開され、彼の人生は一夜にしてがらりと変わりました。
当時、49歳だった彼が着ていたのはJ.Crewの黒と白のヘリンボーンのハリスツィードのジャケットにカルペディエムブーツ、そしてRRLのジェッパーズパンツでした。これらのアイテムは現在も彼ににとって欠かせない定番品となっています。ニックウースターにしか作り出せない世界観は、ファッション業界で数多くのおしゃれコーディネートを見てきた業界人をも唸らせています。メンズファッション界の巨匠と言われる彼が提案するコーディネートは、単に流行品を身につけたりブランド品で全身を固めるのではなく、「自分が最高に輝ける」をキーワードに、自分に似合うアイテムを中心に取り入れています。ニックウースターの美学によってコーディネートされた服は見ていて楽しく、そしておしゃれ上級者として参考になるテクニックが満載です。
ファッションだけじゃない!流行を生み出すメンズファッション界のアイコン
「ヒップスターマスタッシュ (hipster moustache)」
ファッション以外に有名にしたものがあります。それは「ヒップスターマスタッシュ (hipster moustache)」と呼ばれる口髭のスタイルをモダンにおしゃれに提案したのがニックウースターと言われています。
日本ではあまり見かけませんが、海外では写真のような口髭スタイルがファッションの一部として流行っています。ヒップスター (hipster) とは「流行の最先端をいく人」や「流行に敏感な人」の事を表し、流行に敏感な男性たちは髭の両端を少し跳ね上がらせたスタイルを取り入れています。ハンドルバーマスタッシュと呼ばれる所以は、口髭のフォルムが自転車のハンドルのように両端が跳ね上がっている事から由来しています。
「ポンパドールクイッフ (pompadour quiff)」
「ポンパドールクイッフ (pompadour quiff)」と呼ばれる、リーゼント風前髪を現代風にアレンジしたスタイルもニックウースターが火付け役であると言われています。
このようなヘアスタイルをしている海外セレブをよく見かけます。前髪をすべて上げて、整髪料できっちりとまとめられたヘアスタイルはイギリスを中心に流行しています。サイドの刈り具合が決め手ですので、数あるポンパドールクイッフスタイルから自分好みのスタイルを選んでください。普段自分でやるセットが難しそうと思っている方は、まずセットの仕方をYouTubeなどでチェックしてみてください。
トップをがちがちに整髪料でまとめずラフな感じにしてもセクシーですね。髭とのバランスを考えると顎のラインがすっきり見えて男らしさがアップします。
「タトゥースリーブ (tattoo sleeves)」
「タトゥースリーブ (tattoo sleeves)」と呼ばれる、腕全体を大きなタトゥーで埋め尽くした渋いスタイルです。ジャスティンビーバーやデヴィッドベッカムなどのセクシーなセレブ達もタトゥースリーブをしており、日本では敬遠されているタトゥーは、海外ではファッションアイテムの一つとして浸透しています。
ポンパドールクイッフとタトゥースリーブで大人の男の色気を演出したデヴィッドベッカム。右か左のどちらか片腕の全体にタトゥーを入れている人を見かける事が多いですが、デヴィッドベッカムは両腕にがっつりタトゥーを彫っています。しっかりと鍛えられた腕が男らしさを一層プラスしています。
ファッションの特徴
ニックウースターはメンズストリートファッションのスナップ常連で、雑誌の海外スナップ特集などで見かけた事がある方も多いかと思います。彼のファッションの特徴として「遊び心溢れるスーツスタイル」が挙げられますが、ディテールや素材にこだわったコーディネートは参考にすべきポイントがたくさんあります。ショートパンツににジャケットを合わせたり、スーツジャケットの上からダウンベストやダウンジャケットをレイヤーするスタイルなど通年参考になるコーディネートを提案しています。
参考にしたい!おしゃれファッションコーディネート
スーツスタイルに革命を起こした「ショートパンツにジャケットスタイル」
正装であるタキシードスタイルもボトムスをショートパンツにするとおしゃれ度がアップします。ショートパンツにも様々な丈がありますが、ニックウースターは膝上をチョイスしています。黒いセットアップのジャケットとボトムスにシンプルな白いシャツと白い革靴を合わせて統一感あるスタイルです。
ディテールにこだわった「パッチワークジャケット」
柄と色の違う布をはぎ合わせたパッチワークジャケットをメインにワイルドな印象のカーゴショートパンツを合わせたスタイルは、夏のコーディネートにおすすめです。パッチワークジャケットの下にはタイトめな白いシャツを合わせ、爽やかな印象です。膝下までのカーゴパンツの丈が絶妙ですね。足元にブラウンを持ってくることによって黒の革靴より、全体が明るい印象になります。パッチワークジャケットは通年使えるアイテムなので、まだ持っていない方は購入をおすすめします。
モードもおてのもの「オールブラックコーデ」
ニックウースターが全身単色でコーディネートをするのは珍しく、オールブラックでモードにまとめたコーディネートも大人のかっこよさがありおしゃれですね。ノーカラーのブラックシャツにロングのブラックジャケット、細めのアンクルパンツのバランスが完璧です。ニックウースターのトレードマークでもある、ソール部分がホワイトのブラックスリッポンシューズがアクセントになっています。
重めの「ツイードジャケット」にはすっきり革靴で
ニックウースターはよくツイード生地のアイテムを取り入れたコーディネートをしています。ツイード生地は秋冬向けで、重厚感があり落ち着いた印象で、暖かくおしゃれに決まります。写真では白いシャツにグレーの薄手のカーディガンを羽織り、カーキ色のジョッパーズパンツをアンクル丈でロールアップしながら膝下のロングコートとのバランスを取っています。ローカットの革靴を素足で履くことによって、足首を見せ重厚感のあるツイードのロングコートの印象をボリュームダウンさせているのがポイントです。
ジャケットの上からダウンベストを着る「レイヤードスタイル」
今まではインナーとして使われていたダウンベストをニックウースターはジャケットの上から羽織りました。ポイントはサイズ感です。ダウンベストが大きすぎるとだらしない印象になってしまい、ジャケットやシャツが大きすぎてもダウンベストがフィットしません。タイトめのアイテムを選ぶとことによって最終的なコーディネートにまとまりが出て着膨れも防げます。
誰も思いつかなかった!「襟元を大きめのピンで留めたスタイル」
ニックウースターのスナップ写真を見てみると首元をわざと開けて大きめピンで留めてるスタイルをよく見かけます。クールビズで出勤することが多くなる夏に開襟シャツをピンで留めるとおしゃれに涼しく過ごせると思います。七分袖のMA-1アウターは日本の着物のようなデザインでとてもおしゃれです。ニックウースターはアンクルパンツを上手に他のアイテムをコーディネートしています。サイズ感と丈感にこだわって自分の脚のが一番綺麗に見えるものを探してみてはいかがでしょうか。
いつものスーツをスタイルを「ジョッパーズパンツ」で個性的に
ジョッパーズパンツを取り入れたコーディネートが得意です。個性的過ぎて取り入れるのはハードルが高いと思ってる方もいらっしゃると思いますが、オールブラックでまとめると落ち着いた印象となりジョッパーズパンツに挑戦しやすいかと思います。履きやすく動きやすいのでどんなシーンにもぴったりです。おでこ靴として知られるラウンドトゥの革靴は柔らかい印象になりますが、写真のシューズはかかと部分にスタッズがついていてクールに合わせることも可能です。
引き算が鍵である「素足にスリッポンシューズ」
紺ブレにブルーのオックスフォードシャツ、ホワイトパンツにゴールドのスリッポンシューズを合わせたコーディネートは夏のデートにいかがでしょうか?爽やかな印象ながらゴールドのスリッポンシューズがアクセントとなりとてもおしゃれです。真似しやすく女性受けも良いコーディネートなので是非参考にしていただきたいです。
ニックウースターのコーディネートを参考にしてあなたもおしゃれ上級者に
いかがでしたでしょうか。誰が見ても分かるおしゃれの達人、それがニックウースターです。しかし、かっこいいのはファッションだけではありません。あるインタビューで「あなたにとってスタイルとは?」と質問された際に、ニックウースターはこう答えました。「僕が、他人と違う自分であることを実感できるもの。」であると。かっこいいですね。コーディネートも生き様も参考にしたくなる男、ニックウースターをご紹介いたしました。最後にもう一つニックウースターのかっこいい回答をご紹介して終わります。
人生におけるあなたのルール2つは?
僕はルールというものが嫌いだ。でも強いてあげるとしたら二つある。
奇跡が起きるまで、あきらめないこと。今の仕事、状況、そして人間関係が人生に何をもたらすかわからない。物事がうまくスムーズに動かなくて落ち込んだり気が滅入ったりした時、きっと何かもっと大きなことやより重要なことがやってくると思うことにしてる。皆、すべての物は何か理由があって私たちの人生に振りかかってくるんだ。だからすぐに諦めちゃダメだ。
人の中身を外見で判断しちゃいけない。表から見えるものだけが、その人の内面のすべてではないんだ。
出典:gqjapan.jp