実は世界トップレベル。おいしいコーヒーが飲める香港の個性派カフェ10選
少し前まで本格的なコーヒーを飲める場所はほぼなかった香港ですが、ここ5〜6年で状況が一変。豆の産地や飲み方にこだわる店がどんどん増え、今やコーヒー天国に! アイスクリーム・コーンにラテを入れるなど、個性的なメニューも楽しめちゃうんです。
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コーヒー文化は無いに等しかった香港。今や世界トップレベルに
ひと昔前まで香港で本格的なコーヒーを飲むことは難しく、ローカルな喫茶店でコーヒーを頼めば、自動的に砂糖が入って出てくるような状況でした。ただ、もともと欧米人が多く、良質なコーヒーが受け入れられやすい土壌があったことも確かです。スターバックスやパシフィックコーヒーなどのチェーン店が各地に進出し、この5年ほどで状況が一変。淹れ方や産地にこだわるお店が徐々に現れはじめました。中にはバリスタ選手権などの世界大会で上位に入賞するような、コーヒー通が開いたお店も。
味にうるさい欧米人がそれぞれのカフェで飲み比べをしたり、香港でもバリスタ大会やさまざまなワークショップが開催されるなど、香港のコーヒー文化は一気に花開いたといっても過言ではないでしょう。今では上環、SOHOといった欧米人が多く住む場所を中心に、各地に個性的なカフェが点在するようになりました。今回は、旅先でも美味しいコーヒーを飲みたいあなたに、そんな香港のおすすめカフェをご紹介します。
1.バリスタ選手権で世界2位。cupping room
バリスタ選手権で世界2位、香港では1位に輝いたバリスタが淹れるコーヒーはいかが? ボードに書かれた中から豆を選んでフィルターコーヒーを頼むと、写真のようなビーカーと陶器がお盆に乗って登場します。ビーカーから陶器の器に移したあとのアロマの変化を楽しめるのだそう。まるで実験か中国茶の作法のようですね。
暑い香港ゆえ、いろいろなフレーバーを楽しめるアイスコーヒーも人気です。いつ行っても欧米人で賑わっている大人気のカフェです。
【cupping room】
Shop LG, 287-299 Queen's Road Central, Central
月〜金/8:00〜17:00、土・日/9:00〜18:00
2.ワークショップも充実、THE COFFEE ACADEMICS
香港のスペシャリティーコーヒーの草分け的存在であるカフェがこちら。基本的なメニューはもちろん、オリジナルの創作メニューも豊富です。黒胡椒を表面に挽き、バーナーであぶったAgaveというラテに挑戦してみました。メキシコ産のアガペシロップの甘みと、黒胡椒が口の中でぶつかり合い、今までにない味わいを楽しめました。なんとアイスクリーム・コーンの中にコーヒーを入れたメニューも名物です。
アカデミックという名にふさわしく、ワークショップも豊富。コーズウェイベイ、湾仔、セントラルなど各地に支店もあるので、旅行者でも行きやすいですね。シンガポールと上海にも支店があります。
【The Coffee Academics Causeway Bay Flagship store】
38 Yiu Wa Street, Causeway Bay
月〜木/9:00〜21:00、金・土/9:00〜翌2:00、日・祝/10:00〜21:00
3.Accro Coffeeでサイフォン世界チャンピオンのコーヒーを
こちらは元朗といって少し郊外にある隠れ家的な場所。カフェというよりも喫茶店という言葉のほうがしっくりくるような、落ち着いた雰囲気のお店です。が、サイフォン世界チャンピオンや、香港バリスタ選手権でいくつも入賞経験がある人々がオープンした、コーヒー好きの間では知られたお店なんです。
シングルオリジンコーヒー(ブレンドされていない、産地や農場が限定されたコーヒー)を選ぶと、ハンドドリップかサイフォンで淹れるかを聞かれます。丁寧に淹れられたコーヒーは、フルーティーだったりナッティだったり、豆の個性をストレートに感じられる味。気さくなスタッフたちが、コーヒーの質問をすると丁寧に答えてくれますよ。
【Accro Coffee】
shop 8, G/F, Fook Cheong Building, 21-27 Ma Wang Road, Yuen Long
月〜日/12:00〜24:00
4.日本人バリスタとぬくもりある空間 brew bross coffee
店主の小野さんは、メルボルンでコーヒーの修行をしたあと、香港でこのカフェを開きました。オーストラリアのコーヒーシーンを再現するために、週に1度の頻度ででメルボルンから豆を取り寄せているそう。
店内はけして広くはないですが、どこか日本を思わせる温かみのあるインテリア。フルーティーかつ酸味が感じられるコーヒーが特徴です。ハイクオリティなフードも好評で、カフェがひしめく上環にありながら、お客が途切れない人気店です。香港大学駅の近くに2店舗目もオープン。
【Brew Bros Coffee】
33 Hillier St, Sheung Wan
月〜日/8:00〜18:00
5.コーヒー用品店とカフェがひとつになったHazel & Hershey Coffee Roasters
ミッドレベルエスカレーターの近く、坂の途中にひっそりと佇むこちらのお店。中に入ると壁一面にコーヒー関連の本や、おいしく淹れるためのグッズがずらりと並んでいます。シングルオリジンコーヒーをエアロプレスで淹れてもらいました。目の前で豆を挽き、淹れてくれます。豆を購入することもでき、コーヒーに関するワークショップも充実。まさにコーヒー好きのためのすべてが揃うお店です。
【Hazel & Hershey Coffee Roasters】
Shop 3, 69 Peel Street, Central
月〜金/8:30〜17:30
土・日/10:00〜19:00
Specialty Coffee Roasters, mahlkoenig, VST, IMS, RW, Hario, Kalita, Coffee, Coffee Beans, Hong Kong, Soho, Probat, SCAE, coffee classes, coffee training, WBC
6.自家焙煎やブレンドにこだわるFILTERS LANE
ミッドレベルという高級住宅街に位置するこちらのカフェ。外側から見える巨大な焙煎機が目を引きます。実はこのお店、焙煎の仕事をしていた日本人女性と香港人が共同で開いたお店。そのため、香港のカフェでは珍しく豆を生の状態で仕入れ、自家焙煎しています。そのため、焙煎した豆はもちろん、焙煎する前の豆を買うことも可能なのです。
フィルターコーヒーでシングルオリジンコーヒーを頼んでみました。バリスタが時間をかけ、真剣にお湯を少量ずつ注いでいる様子を見るのも至福の時間。暖かみのあるどっしりとした味で、コーヒー豆の個性を存分に感じることができました。
【FILTERS LANE】
111 Caine Rd, mid-levels
月〜日/8:00〜18:30
7.下町でコーヒー文化を伝えるKNOCKBOX COFFEE
喧騒の下町、モンコックにありながらも落ち着けて、本格的なコーヒーが飲める貴重なカフェを発見。コーヒーメニューを頼むと、ナッティーかフルーティー、2種類のオリジナルブレンドから好みを選ぶことができます。
冷たいミルクにエスプレッソを垂らした"dirty"をオーダーしてみましたが、ミルクとエスプレッソが溶け合う様子が美しく、目でも楽しめました。コーヒー初心者にもわかりやすいチャートで、好みのメニューを選ぶことができます。
【KNOCKBOX COFFEE】
21 Hak Po Street, Mong Kok, Kowloon
月〜木/11:00〜19:00、金〜日/11:00〜22:00
8. 不思議と落ち着けるカオスな空間、Urban Coffee Roaster
バックパッカー向けのホステルの一部という、とても面白い場所にあります。カウンター部分ではドリッパー、豆などのコーヒー用品も販売。奥の部屋はアンティークな看板やオブジェが飾られた不思議空間。無造作に置かれた卓球台をテーブル代わりにコーヒーを飲むのも一興です。もちろんコーヒーは本格派。
尖沙咀にも支店がありますが、この不思議空間はこのタイコクツイの店舗ならでは。駅としては太子駅が最寄りなので、フラワーマーケットやバードガーデンを楽しんだ後に一休みしてはいかがでしょうか。
【Urban Coffee Roaster】
Hong Mei Building, 135 Lai Chi Kok Rd, Tai Kok Tsui
月〜金/11:00〜18:00、土・日/9:00〜18:00
9.工業地帯にふと現れるおしゃれ空間、3/3rds
このカフェ、最近電車が開通した「黃竹坑(ウォンチュクハン)」というエリアにあります。一見何の変哲もない工業ビルのエレベーターを「本当にこんなところにカフェがあるの?」と疑いながら上がると、広々としたおしゃれな空間に迎えられます。22階なので眺めも抜群。
どうやら香港最大のブランドセレクトショップのオフィスが近くにあるらしく、おしゃれピーポーの姿がちらほら。本格的なコーヒーはもちろん、ざくろを散らしたサラダや、パリパリの自家製ピザなど、見た目と食感にこだわった食べ物もおすすめです。
【3/3rds】
Yally Industrial Building, 22/D, 6 Heung Yip Rd, Wong Chuk Hang
月〜金/8:30〜18:00、土・日/11:00〜18:00
10.西貢のオアシス、little cove espresso
ヘルシーなメニューが特徴のこちらのカフェは、海鮮の街、西貢にあります。チアシードやオーガニックのコーラといったいわゆるスーパーフードを取り入れたメニューや、ビーガンやベジタリアンに対応したメニューがあり、香港の芸能人にも人気が高いのだとか。もちろんコーヒーの美味しさにも定評があります。
前から気になっていた、ビュレットプルーフコーヒーを頼んでみました。このビュレットプルーフ、草で育てた牛のバターと、ココナッツオイルを入れたコーヒーで、朝食の代わりに飲むとダイエットにもなり、仕事の効率も上がるというもの。写真を見ていただくとわかると思いますが、表面に油がたくさん浮いています。飲んでみると、そこまで油っぽさは感じませんでしたが、ココナッツの香りがぷーん。小腹が空いたときに飲んだら、空腹感はごまかせそうだと思いました。
【little cove espresso】
34 See Cheung St, Sai Kung
月〜日/7:30〜18:00
どんどん進化していく香港のコーヒー事情
香港の人たちは真面目で勉強が好きなんだなと思います。取材してみて驚いたのですが、いくつものカフェがコーヒーを学ぶワークショップを開催していました。おそらくコーヒー文化が香港ではまだまだ目新しいこともあり、興味を持ったらきちんと勉強しようという人が多いのでしょう。
今や少し郊外の駅に行っても、スターバックスがあるのは珍しくない光景。個人経営の小さなカフェもあちこちにあり、美味しいコーヒーを飲むことへのハードルはどんどん低くなっています。これからも進化し続けるであろう香港のコーヒーシーン、旅行で来た際にはぜひのぞいていってくださいね。
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この記事のライター
旅好き、カメラ好き、二児の母です。現在香港在住。