【悪用厳禁】弁護士が教える、離婚で不利になる男性の5つの特徴
事情は各夫婦によって様々ですが、例えば男側が不倫をしてしまい、夫婦関係が破綻してしまう例は少なくありません。そうなってしまった場合に、どういう事情に着目すればいいのでしょうか。
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幸せな家庭生活が・・・
出典:lmedia.jp
結婚当初の幸せな家庭生活も、永遠のものとはならない場合もあります。もちろん、事情は各夫婦によって様々ですが、例えば夫側が不倫をしてしまい、関係が破綻してしまうのは代表的なケースの一つです。今回は、「夫側が悪い」ことを前提に、離婚のときに夫側に不利に働きやすい事情を紹介します。あくまでも「そういう傾向がある」という話にすぎませんので、事情によって結論は大きく異なりますのでご留意ください。
もちろん、これらの事情を頭にインプットして慎重に行動することをおすすめしているのではありません。あくまでも参考にするにとどめて、「悪さ」をしないように肝に銘じることが大切です。
次の女性が控えている
離婚を希望している男に次の女性が控えている場合、その男は新しい女性を「待たせている」ことになります。当然、「早くしてよ」というプレッシャーも強いものになります。つまり、男性は「スピード解決」を求めることになります。
しかし、求めたいものがあるということは、相手側からすれば「交渉のカードがある」ということを意味します。「そんなに早く解決したいのなら、こちらの条件を飲みなさい」という主張を押し通しやすくなります。このような理由から、次の女性が控えている場合、男性は離婚の条件を譲歩せざるを得なくなってしまうケースがあります。
婚姻期間が長い
これまで数々の離婚に関する裁判例が積み重ねられてきているわけですが、その裁判の傾向の研究結果によれば、離婚慰謝料の算定要素として婚姻期間がかなり大きな比重を占めると言われています。
とある研究によれば、婚姻期間30年以上の場合の慰謝料は、300万円に及ぶケースが多いのに対し、婚姻期間5年未満の場合の慰謝料は、100万円台に落ち着くことが多いとのことです。これは、長年の婚姻生活の破綻によって積み重ねてきた日々が水泡に帰す精神的・経済的損害の大きさに比例していると考えられています。
このように、夫婦の結婚生活が長いと、離婚に伴う慰謝料が高額化する傾向にあります。したがって、なんとか慰謝料を低額に抑えて離婚したいと考えている「悪さ」をした男性からすれば、婚姻期間が長いことは、自分に不利に働く事情であるといえるのです。かといって、婚姻期間が短ければ何をしてもいいというわけではないのは、言うまでもありません。
収入が多い
収入がいくらあっても、元奥さんに対して多くのお金を払うことを「不利な条件」と捉えている方も少なくありません。
そして、裁判の傾向の研究結果によれば、離婚慰謝料の算定要素としては収入もかなり重要な要素となっています。
また、慰謝料とは別に財産分与も問題となります。財産分与をする場合にも、夫婦が共同で生活していた間に築いた財産が分与の対象となりますので、大きな財をなした成功者は、そのかなりの部分を持って行かれてしまうケースも少なくありません。
「夫婦仲が悪いままで、精神的にも経済的にも支えてもらった記憶もない。なのになんでそんなに渡さなければいけないんだ」と憤慨する高額所得男性も少なくありません。だからといって収入を低く抑えるというのも難しいので、最終的には覚悟の問題に落ち着くことが多いといえます。
直前まで同居していた
仮に男性側が浮気をしてしまった場合であって、しかも男性側から離婚を希望するとき、離婚は原則として認められないとするのが裁判所の立場です。「自分で悪さをしておいて自分から別れたいだなんて、そんな虫のいい話は通らない!」というのがお上の判断です。
しかし、このルールには例外もあります。
夫婦の別居が長くて、子どもが成長していて、相手方が離婚により社会的、経済的に極めて苛酷な状況におかれる等の事情がないという3拍子が揃った場合、悪さをした男性側からの離婚請求が認められる場合があるのです。
逆にいうと、夫婦の別居期間が長くない場合には、この例外ルールが認められず、やはり悪さをした男性側からの離婚請求は認められないのが原則になってしまうのです。
完全に夫婦仲が悪くなってしばらく別居しているのに、離婚を切り出さない男性は、この別居期間を引き延ばしているからかもしれません。
未成年の子どもがいる
出典:oba-chie.com
未成年の子がいる場合、男性側は慰謝料だけじゃなく、養育費も支払わなければならないケースがほとんどです。養育費の算定には、使い回されている一定の算式があり、基本的には夫側の収入と子供が成人するまでの期間との組み合わせで決まります。ですので、先ほど紹介した「収入が多い」に加えて、子どもがどれだけ幼いかも重要なポイントになってきます。
また、仮に男性側が浮気をしてしまった場合であって、しかも男性側から離婚を希望するときについては先ほど紹介したとおりですが、ここでも「子どもが成熟しているかどうか」がポイントになっています。
このように、幼い子どもがいる場合には夫側の負担が増える傾向にあります。そもそも経済的・社会的責任を負っていることの裏返しでもありますので、しっかりと立場を自覚する必要があるものといえます。
責任はきちんと取る
何かの拍子で「悪さ」をしてしまい、離婚の話にまで発展してしまった場合、償いたいという考えや何とか損せずにやり過ごしたいという考えが交錯するかと思われます。そんなときに、自分の状況を客観的に把握して、きちんと責任をとる覚悟を決めることが大事なのではないでしょうか。
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この記事のライター
都内法律事務所勤務のアラサー弁護士。ファッションに対しては、それなりにこだわりがあり、周囲のビジネスマンやクライアントさんのファッションを日々観察する。