「世界最高のベーシスト」は誰か?
「世界最高の」シリーズ第2弾、今回はベーシスト編です。
ベーシスト目線で見た筆者の独断と偏見によるチョイスですが、ベーシストとしてはもちろん、プロデューサーとしてのスキルもすこぶる高いので、ぜひ未経験の方はその完成度の高い音楽に触れてみては?
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「世界最高のベーシスト」とは何か?
これも「世界最高のギタリスト」編と同様ではありますが、ベースにはウッドベースやエレキベースなどがあり、また音楽ジャンルも様々なので一概に並べることはできないのですが、「存命の」、「エレキベース中心の」…という条件で選ぶとすると、この人かなと。
マーカス・ミラー。アメリカNY、1956年生まれ。
ジャズレジェンド、マイルス・デイヴィスのベーシストとして抜擢されたことで一気に脚光を集めスターダムへ。
その後多くの有名ミュージシャンともセッションを重ねますが、ベーシストとしてはもちろん、幅広いプロデュース業でも定評あり。また、ステージでは管楽器の演奏をすることもあります。
マーカス・ミラーの魅力
マーカス・ミラーの自身の曲やベーシストとしてのプレイの観点からは、何と言ってもそのメロディアスで手数の多いベースラインが特徴。
機材としては77年製のフェンダージャズベースを使うことが多く、アンプやエフェクターは近年ではEBSを使うことが多いようです。
テクニック的にはスラップと呼ばれる奏法を駆使し、弦を叩いて音を出すことで、通常の弾き方よりもアタックの強い、パーカッシブな演奏を得意とします。
ベーシストであれば、ソロやアクセントなどでスラップを使うことは決して珍しいことではないのですが、マーカスの場合は、プレイのほぼ全編にわたってスラップを使うところが大きな違い。
また、スラップにはダウンとアップがあり、ダウンをピンポイントで使うことは多いのですが、ダウンとアップを併用して音を詰め込むスタイルはマーカス独特で。
ベーシスト的には、「マーカス以前」、「マーカス以後」と言われるくらい、大きな影響を与えた奏法で、信奉者も多いです。
弾き方もそうですが、音使いも面白く、いわゆるベースらしいラインではなく、主旋律を奏でる楽器として機能していることも多い。
初めて聴く人には、「これベースなの!?」という反応も多いです。
リズムも音使いも、いわゆるベースの固定観念を覆すもの。それがマーカスの最大の魅力です。
おすすめアルバム・楽曲
マーカスの作品はベーシストとして、プロデューサーとして、多く世に出ていますが、ここでは初めてマーカスを聴く方に特におすすめのものをいくつかピックアップしてみます。
M2
まずはM2(エム・スクエアド)。2001年発売のアルバム。
マーカスのレベルの高いベースプレイが堪能できる1枚。
おすすめは、まず1曲目のPower。
題名の通り、音楽の、ベースの力を感じる名曲。
この1曲を聴いただけでも、マーカスがいかに他のベーシストと異なるかが、たとえベースに詳しくない人であってもはっきりと感じられるはず。
また、娘さんのかわいい声で始まる4曲目のNikki's Grooveもグルーヴのある珠玉の出来。
そして、このアルバムではベーシストだけではなく、プロデューサーとしてのマーカスの魅力も感じることができ、14曲目のYour Amazing Graceは必聴。
チャカ・カーンのパワフルなボーカルに管楽器が美しく絡まる長編の1曲。
なお、この曲の中ではベースはさりげなく全体を支える役割に徹しており、曲にあわせた的確なプレイをするマーカスの職人的な働きも堪能できます。
Another Side of Me
続いては、Another Side of Me、2006年発売のアルバム。
これはタイトルの通り、マーカスのベーシストとしての顔だけではなく、プロデューサーとしての顔も堪能できる1枚。
M2のPowerやYour Amazing Graceも収録されていますが、このアルバムでのおすすめは1曲目のBrazilian Rhyme。
思わず小躍りしたくなるような軽快な楽曲に仕上がっており、プライベートではありがたいことに結婚式や2次会の音楽選曲をお願いされることも多いですが、この曲は歓談タイムなどにもおすすめ+好評ですよ。
なお、マーカスのアルバムはなぜか1曲目がよいものが多い気がします(笑)
Afrodeezia
最後は最新作のAfrodeezia、2015年発売のアルバム。
アフリカをモチーフとしたアルバムですが、いわゆるアフリカン・ミュージックとは一線を画す、現代的で洗練されたフレーバーが入っているのがマーカスらしい1枚。
おすすめはやはり(笑)1曲目のHYLIFE。
マーカスらしいスラップのアタック感あるフレージングが心地よい1曲。
ほかにもマーカスにしては重めの曲などもあり、アフリカン・ミュージックをモチーフに様々なニュアンスの曲が楽しめる1枚になっています。
機会があればぜひライブを観てみては?
マーカス・ミラー、実は来日も結構よくしています。
最新作はブルーノートレコードのものですが、ライブ会場としてもブルーノートが選ばれることが多く。
小さな箱のため間近でそのベースプレイを堪能できることもあり、ライブもおすすめです!
なんでも一流のものを知っておくことは人生上質化の大切なポイントですが、ベーシストの一流どころとして、マーカス・ミラーを体験してみてはいかがでしょう?
ベースという楽器の素晴らしさ、可能性をきっと再発見できるはず。
「世界最高の」シリーズ、ギタリスト編はこちら。
ブルーノートにお出かけする際にはぜひこちらのポイントをご参考に。
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この記事のライター
東京在住の起業家・経営コンサルタント。元某外資系世界最年少プリンシパル(当時25才)、元グローバルコンサルティングファーム某領域の新市場開発Japan Lead等を経て独立。MBA、US CPA、投資家、起業家、テキーラソムリエ、愛猫家…等の様々な顔を持つ。他保有資格はTOEIC 965、色彩検定1級、FP等。好奇心の塊、幅広い経験やセンスを生かし、皆様の人生上質化®に向けたヒントを提供できれば幸いです。記事が気にいった方やもっと情報が欲しい方は、フォロワー5千人超のインスタグラムや、Facebookの「人生上質化®」ページに遊びに来てもらえたら嬉しいです、なお、人生上質化®をテーマにしたブログは、人気ブログランキング及び日本ブログ村ランキングのMBAジャンルを始め、US CPA、経営学、社会貢献、ソムリエ、アフリカ旅行、ライブ・コンサート、お洒落な暮らしジャンルなどで最高1位。人生上質化®は特許庁に商標登録済み。「ねむりんさんの人生上質化計画」という日英併記の猫ブログもあり、猫好きな方はぜひチェックを(※ブログはリニューアル準備で更新ストップ中です…)