日本のエールビール決定版!この夏のホームパーティーや飲み会の新定番にエールビールを。
よなよなエールを代表とするエールビールが人気を博してきました。フルーティーな香りとコクのある味わいは女性から圧倒的な支持を得ている模様。エールビールはスーパードライなどラガービールのような喉越しより味わって飲むことを重視した作りをしているので、料理との相性も抜群。日本が誇るエールビールを復習しておきましょう。
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アイキャッチ画像出典:www.flickr.com
エールビールは喉に流し込まず、味わって飲みたい飲み物
エールビールとラガービールは発酵の方法で大別されます。
エールははもともとホップなしで飲まれていたもの。そもそもエールは「ホップを入れない醸造酒」のことで、お茶代わりに飲まれていたようです。エールの本場であるイングランドにホップが伝わったのは15世紀のこと。ホップは苦味をプラスするだけではなく保存料の役割もあるので、ホップ伝来とともに苦味のあるエールも人気となっていったようです。
エールの特徴は、麦芽からくる甘味と香ばしさ。また泡が少ない、ものによっては無いものもあるため、のど越しや爽快さではなく、旨みをじっくり味わいながら飲むのが醍醐味と言えるでしょう。
エールビールにも様々な種類がありますが、代表格はイギリスの「ペール・エール」でしょう。淡い麦わら色で、麦芽の甘味とホップの苦味がバランスよく滑らかで深い味わい。また、ぐっと苦味の利いた「インディア・ペール・エール」(IPA)や「ダブル・インディア・ペール・エール」も。そのほか、色が濃く香ばしい風味の「ブラウン・エール」、スタウトやポーターとも呼ばれる「ダーク・エール」。度数の高いイギリスの「オールド・エール」。まるでウイスキーのようなスコットランドの「スコッチ・エール」。また、小麦麦芽を原料にした白ビールであるドイツ、バイエルン地方の「ヴァイツェン」、ベルギーの「ビエールブランシュ」も有名です。
とは言っても、身近な日本の銘柄の方が親近感があって買いやすいのも事実。日本の誇るエールビールを紹介します。
ヤッホーブルーイングはよなよなエール以外も秀逸
名作「よなよなエール」を世に送り出したのがヤッホーブルーイング社。それ以外にも水曜日のネコ、インドの青鬼、東京ブラックなど個性溢れ魅力的すぎるエールビールを産み出しています。
よなよなエール
インターナショナル・ビア・コンペティションで日本では前人未到の8年連続金賞受賞した名作中の名作。
厳選したエールモルトを惜しみなくに使用し、優良なアメリカンホップのフルーティで豊かな香りとモルトのコクが特徴です。マイルドでコクと深みのある味わいながら、喉越しもキレが良く非常に完成度の高い仕上がりに。エールビールを初めて飲むという方にもオススメです。
よなよな、という名前には、毎晩ゆっくりと飲んでほしいという願いが込められているとのこと。
その名の通り、きめ細かい泡立ちとフルーティな香り、そしてクリーミィで心地よい苦味が楽しめるワンランク上のエールビールです。
水曜日のネコ
こちらは非常にフルーティでライトな一本。
グラスに注げば立ちのぼる、フレッシュな青リンゴのような香りとオレンジの皮の爽やかな香り。口に含めば、ほのかなハーブ感がフルーティで甘酸っぱい味わいを引き立てます。苦味はほとんどなく、すっきりした飲み口で、やさしく喉を潤してくれます。
フレッシュな香りと爽やかな味わいは、女性にもビールを楽しんでもらえるように配慮したメーカーのこだわりを感じます。「水曜日のネコ」は、気ままなネコのように心をゆるめてくれるホワイトエール。
心を軽くしたい時には最適のビールです。
インドの青鬼
こちらは苦みも度数もガツンとくる刺激的なビール。
高いアルコール度数とホップを惜しげも無く使った製法で知られるインディア・ペールエール(IPA)は、18世紀の英国で、長く過酷なインドへの航海のために、劣化しにくいビールとして造られたのが始まりとされています。
そんなルーツに倣った「インドの青鬼」は、驚愕の苦味と深いコク、7%の強い度数で飲む者を虜にします。これに慣れたらもう普通のビールには戻れないかもしれません。飲む者の覚悟を試されるビールです。
東京ブラック
エールビールの本場イギリスで人気の濃厚な黒ビールは、今では遠く日本にも輸出されています。ただ日本に輸入されるポーターの大半は、長い船旅の間に鮮度を落とし、本来の味を失ってしまっているのだとか。東京ブラックは新鮮で濃厚な黒ビールを日本でも楽しんでもらうために産み出されたエールビール。
苦いイメージが強い黒ビールですが、東京ブラックは、滑らかな口当たりとほのかに感じられるモルトの甘味のおかげで、飲んだ後の印象がとても穏やかなのが特徴です。
本場イギリスで飲むような、新鮮で濃厚な黒ビールを堪能したい時にはこれしかないでしょう。
エチゴビールからは珍しいレッドエールも
エチゴビールは新潟にあった上原酒造がビール醸造免許を取得して作った日本で最初の地ビールです。様々な種類のビールでモンドセレクション金賞も受賞しています。
アロマホップが効いているので、しっかりとしたビールの苦みが感じられます。後味はスッキリしているので、キレのある味が好みの人は買ってみるといいでしょう。
レッドエール
副原料を使わずに、スペシャリティモルト「メラノイジン」「カラーレッド」を使用した赤みのあるエール。
芳醇なしっかりとしたミディアムボディの味わいが特徴的です。
ホップには米国産の「アマリロ」という上質なホップを使用。柑橘系の上品な香り、しっかりとした苦味が楽しめます。
ホワイトエール
小麦麦芽と大麦麦芽でつくった南ドイツ伝統のにごりビール。
「白い色合&均質なにごり」とフルーティな香りを実現しています。
こちらはよりスタンダードなホワイトビール。飲み応えもあるので、ポテトなどの料理と合わせて飲むといいでしょう。
銀河高原ビールはヴァイツェンが逸品
銀河高原ビールは1996年、東日本ハウス株式会社を設立した中村功が岩手県沢内村の村興し事業として始めました。岩手県沢内村は豪雪地帯のため、清冽な天然水が豊富な環境であり、また気候もドイツのバイエルン地方に似ているため、醸造所を作るのに適した地であったことも要因のひとつです。
ヴァイツェン、ペールエールなどミネラル水仕込みの爽やかな味わいは幅広い年代に親しまれています。
ペールエール
スッキリしたホロ苦さと淡い銅色が特徴の美しいペールエール。原料・製法にはこだわりがあり、伝統的なロンドンエール酵母とドイツ産麦芽を100%使用しています。
わずかな苦味が特徴のイギリス原産ホップとシトラスの香りを感じさせるドイツ産ポップの融合により、銀河高原ビールのオリジナルエールが生まれました。
一口飲めばフルーティで華やかなアロマモルトの甘味とソフトな苦味が、口中でまろやかに広がっていきます。味わい深いエールです。
ヴァイツェン
銀河高原ビールの高級ラインがこちら。ヴァイツェンとはドイツ語で小麦を意味します。文字通り小麦麦芽を使用して造られたビールで、ヨーロッパでは「貴族のビール」と呼ばれる贅沢なビールです。
酵母由来のフルーティな香りと、ビール酵母入りによる濃厚な旨味が特長です。ヴァイツェンでは、厳選されたドイツ産の麦芽と高級アロマホップ(ハラタウ産)を使用しています。ビールの9割以上を占める大切な素材である水にもこだわり、標高1440mの和賀岳に眠る伏流水を100%使用しています。
初めて飲むと今まで飲んでいたビールの味とのギャップに驚きますが、杯を重ねるごとに個性的な味わいにはまってしまう、不思議な魅力があります。
エールビールを味わいながら過ごす団らんは、今までと違う時間の流れが
エールビールを使った団らんの一時は、今までとどこか違うゆったりとした時間の流れを感じることでしょう。一口一口をゆっくり味わいながら、エールビールの香りにあった料理を手に取り、マリアージュを感じる時間は大人の愉しみと言えるかもしれません。
この夏のホームパーティーや飲み会では、エールビールを使った大人の時間にしてみてはいかがでしょうか。
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この記事のライター
慶應大学卒業→大手証券会社→外資系コンサルティングファーム。表参道に在住し「日常をドラマに」することに腐心し人生の上質化を目指す日々。酒を飲むこと、酒を飲むように本を読むことが好き。目を離せばすぐに眠りこもうとする遊び心をジャズとビールで蹴飛ばしながら、今日も都心で生きてます。