自宅で楽しむ簡単ウィスキーカクテル5選
自宅で簡単に楽しめるウィスキーベースのカクテルをセレクトしました。”星の数”といわれるほど多彩なラインナップが揃うカクテルですが、比較的簡単に造って楽しめるカクテルがあります。今回は手軽に造ることができるウィスキーカクテルを厳選、ウィスキー好きの男性にもおすすめするカクテルをご紹介しましょう。
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アイキャッチ画像出典:www.asahibeer.co.jp
”酒”+”何か”で”カクテル”
ベースとなる”酒”に酒やその他の副材料である”何か”をプラスすることで、新たな味わいや香りを楽しむことができるカクテル。それは”夜空に煌く星”と評されるほどバラエティ豊かで、ウィスキーをベースにしたカクテルも多彩に揃っています。
カクテルの語源については諸説あり、カクテルブックの古典といわれる「サヴォイ・カクテルブック」では”メキシコ王の娘=コクテル”説が。「国際バーテンダー協会」ではスペイン語の”雄鶏の尻尾”の英訳で”テール・オブ・コック”説などがあります。
カクテルの歴史は古く、古代ローマ・古代ギリシャ・古代エジプトの時代から造られていたと考えられています。当初は常温で、その後温める”ホットドリンク”タイプが生まれ、現代ではメジャーな”コールドドリンク”タイプのカクテルが主流となったのは、製氷機が発明された後の1900年前後からのようです。
カクテルについて
◇カクテル用具と技法
カクテルを造るためには「シェイカー」や「メジャーカップ」をはじめ、「ミキシンググラス」や「バースプーン」といった専用の用具が用いられています。
技法は「シェイカー」に材料と氷を入れて振る「シェイク」をはじめ、氷を入れた「ミキシンググラス」に材料を入れて「バースプーン」で混ぜる「ステア」や、飲むためのグラスに直接材料を入れて造る「ビルド」などがあります。
◇カクテルのタイプとスタイル
カクテルのタイプは短時間で飲み干す「ショートドリンク」や、ゆっくりと味わう「ロングドリンク」があり、食前なら「アペリティフ」で、食後なら「ディジェスティフ」となります。
スタイルは例えば「蒸留酒+柑橘類+炭酸」が「クーラー」で、「酒+ミント+甘味料」が「ジュレップ」となり、他にも「スリング」「コリンズ」「フィズ」など様々なスタイルがあります。
◇カクテルに用いるリキュール
カクテルにはリキュールが用いられることもポイントで、例えばラム酒をベースにした苦味酒の「アロマティックビダーズ」や、スコッチウィスキーをベースにハチミツ・スパイス・ハーブなどを加えた「ドランブイ」など。造られるカクテルによって組み合わされるリキュールも様々です。
◇カクテルの飾り
カクテルにはカクテルデコレーションやカクテルガーニッシュとも呼ばれる様々な飾りが添えられるレシピがあります。例えばレモンやオレンジなどの柑橘類を輪切りにしたものや、砂糖漬けにした「マラスキーノチェリー」など。チェリーやオリーブなどは「カクテルピン」に刺して飾り付けるのが一般的です。飾りは味や香りを引き立てるのはもちろん、見た目を涼やかにしたり、華やかにしたりすることができます。
◇カクテルの容量用語
カクテルの容量用語でOunce:オンスを使う場合、アメリカオンスなら約28.4mlで、イギリスオンスな約29.5mlです。またリキュールを僅かに使用する場合は1dash:ダッシュと表記することがありますが、これは約1/27オンスとなります。そして1tsp:ティースプーンであればバースプーン1杯程度なので約5mlです。
おすすめする簡単ウィスキーカクテル
今回ご紹介するのは「ステア」や「ビルド」の技法で、比較的簡単に造ることができるウィスキーベースのカクテル。手軽だけど実は奥深い、ウィスキー好きな男性にもおすすめする1杯をご紹介しましょう。
1. オールド・ファッションド
1:ロックグラス(オールド・ファッションドグラス)に角砂糖1個を入れ、次いでアロマティックビターズを1dash振りかけて角砂糖に染み込ませます。
2:グラスに氷を入れたらバーボン45mlを注ぎ、スライスオレンジとスライスレモンを投入します。
3:スライスオレンジとスライスレモンが僅かにキズ付く程度に混ぜます。
4:マラスキーノチェリーを飾り、マドラーを添えて完成です。
食後などゆったりとした時間に味わうのが好適なカクテルで、ベースにはライウィスキーを用いてもOK。19世紀の中頃には誕生していたと伝わっており、ケンタッキーダービーが開催された際にバーテンダーが造ったという説と、英国首相ウィンストン・チャーチルの母が造ったという説があります。
【基本情報】
タイプ :ロング
グラス :ロックグラス
技法 :ビルド
ウィスキー:バーボン
リキュール:アロマティックビターズ
飾り :スライスオレンジ、スライスレモン、マラスキーノチェリー
度数 :強
テイスト :甘辛口
2. ラスティー・ネイル
1:ロックグラスに氷を入れたら、スコッチウィスキー45mlとドランブイ25mlを注ぎます。
2:軽くかき混ぜて完成です。
食後などの一時を彩るに相応しいカクテルで、その色合いから”錆びた釘”という説と”古めかしい物”という説があるようです。1950年代にニューヨークのクラブで誕生したと伝わっており、ドランブイのハチミツ・ハーブ・スパイスが香る1杯。ミキシンググラスで造ってからカクテルグラスに注ぐ方法もあります。
【基本情報】
タイプ :ロング
グラス :ロックグラス
技法 :ビルド
ウィスキー:スコッチ
リキュール:ドランブイ
度数 :強
テイスト :甘口
3. ミントジュレップ
1:コリンズグラスにミントの葉を数枚・シュガーシロップを1tsp・ソーダを20ml注ぎ、かき混ぜてミントの葉をつぶすことによって香りを立たせます。
2:1をクラッシュド・アイスで満たしてからバーボンを60ml注ぎ、グラスに霜が付くまでしっかりとステアします。
3:グラスにミントの葉を飾り、ストローを添えたら完成です。
ロングカクテルに分類されますが、スッキリとした味わいは食中酒などにも好適なオールタイプの1杯。ミントはペパーミントがおすすめで、予めグラスを冷やしておくこともポイントです。1800年代半ばには登場したと伝わるコールドドリンクとしては古いカクテルで、ケンタッキーダービーのオフィシャルドリンクとしても知られています。
【基本情報】
タイプ :ロング、オール
グラス :コリンズグラス
技法 :ビルド
ウィスキー:バーボン
飾り :ミント
度数 :中
テイスト :甘辛口
4. ゴッド・ファーザー
1:スコッチウィスキー45mlとアマレット15mlを、氷を入れたグラスに注ぎます。
2:軽くかき混ぜたら完成です。
名前の通り映画「ゴッド・ファーザー」をイメージして生み出されたカクテルで、禁酒法時代にマフィアが密輸していたといわれるスコッチウィスキーをベースにしています。そしてリキュールはアーモンドのような風味で、ほろ苦さと甘さが調和したイタリア産のアマレットを使用。ベースをウォッカに替えたカクテルは「ゴッド・マザー」で、ブランデーに替えると「フレンチ・コネクション」になります。
【基本情報】
タイプ :ロング
グラス :ロックグラス
技法 :ビルド
ウィスキー:スコッチ
リキュール:アマレット
度数 :強
テイスト :甘辛口
5. マンハッタン
1:ライウィスキー50ml、スイートベルモット20ml、アロマティックビダーズ1dashを氷とともにミキシンググラスに入れステアします。
2:ミキシンググラスからカクテルグラスに注ぎ、マラスキーノチェリーを飾って完成です。
”カクテルの女王”と呼ばれる様々なレシピやバリエーションが存在するショートカクテルで、1850~1880年代に誕生したと伝わっています。ちょっと珍しいライウィスキーがベースですが、バーボンやカナディアンウィスキーを用いてもOK。女王の名に相応しい華やかで落ち着いた琥珀色の1杯です。
【基本情報】
タイプ :ショート
グラス :カクテルグラス
技法 :ステア
ウィスキー:ライウイスキー
リキュール:スイートベルモット、アロマティックビダーズ
飾り :マラスキーノチェリー
度数 :強
テイスト :甘辛口
それは”夜空に瞬く星の数”ほど
数えきれないほどのレシピが考案され、それぞれに物語や逸話があるカクテル。今宵貴方が手にするグラスはどんなカクテルで満たされるでしょう。
※ 掲載内容は執筆時点、基本情報等は参考で変更になる場合があります。
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この記事のライター
信州の曲者が集まるCLUB Autistaに所属する道楽者。車と酒と湯を愛し、ひと時を執筆に捧げる。