香川照之出演映画おすすめ15選

俳優として映画やドラマに出演し、今年も既に池井戸潤原作の映画「七つの会議」で存在感を発揮している俳優、香川照之。社会派映画には欠かせない彼のおすすめ15作品をご紹介します。

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アイキャッチ画像出典:ignite.jp

黒塗りとスーツが似合う、社会派作品に欠かせない名脇役

出典:www.sankei.com

1965年東京都出身。父は歌舞伎役者、母は元・タカラジェンヌという家系に生まれ自身は東京大学文学部卒という華麗な経歴の持ち主。2013年、池井戸潤原作で大ヒットドラマ「半沢直樹」では、ライバルの大和田常務を演じて高い評価を受けました。

嫌な上司を演じさせれば日本一なのではと思われる俳優・香川照之。実は東京大学卒業という高学歴であり、林修先生とは同期にあたるそうなんです。それだけでなく、熱狂的なボクシングファンであり試合のゲスト解説を度々おこなったり、昆虫好きを活かしてEテレで昆虫についての科学系番組「香川照之の昆虫すごいぜ!」という冠番組を持ったりと様々な分野で活躍し、2011年からは歌舞伎界にも進出しています。
若い頃はやりたいこともなかったため、「親の七光り」を利用しない手はないとの消去法でこの道を選んだと言いますが、それでもこれほど多才な方は類を見ません。

本業である俳優としての才能が光る彼の出演しているおすすめ映画15作をご紹介します。

1.鍵泥棒のメソッド(2012年 128分)

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あらすじ・見どころ

35歳売れない俳優をやっている桜井(堺雅人)は人生に希望を見出せず自殺を図りますが失敗。荒んだ気持ちで近所の銭湯へ行きます。時を同じくして、綺麗なスーツに身を包み明らかに成功した恰幅の良い中年男性コンドウ(香川照之)も銭湯へ向かっています。同時刻に銭湯につき風呂へ入る2人。しかし、桜井の目の前でコンドウはひっくり返って頭を強打し意識を失ってしまいました。桜井は思わず自分とコンドウのロッカーの鍵をすり替えてしまいます。こだわりのあるインテリアに囲まれて大金を持つコンドウの部屋に着いた桜井は贅沢に明け暮れますが、ある電話からコンドウの稼業に疑問を覚えます。

他者になりきる男と記憶喪失の男の歪な関係

日本アカデミー賞において最優秀脚本賞を受賞し、芸術選奨文部科学大臣賞も受賞した本作は、人の入れ違いによって生まれる問題に笑い、サスペンス、ラブストーリーと色んな要素を詰め込み、俳優たちの絶妙な演技とタイミングよく入ってくる音楽に思わずクスリと笑ってしまいます。これだけ要素が多いと観ているほうも頭がこんがらがってしまいですが、素晴らしい脚本のため難しく考えなくても頭にすっと入ってきます。香川照之演じるのは銭湯でひっくり返って記憶を失ってしまう謎の男・コンドウ。彼の持つ威圧感をうまく活かしたキャラクターです。

2.カイジ 人生逆転ゲーム(2009年 129分)

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あらすじ・見どころ

ギャンブルが好きで自堕落な生活を送るフリーターの伊藤カイジ(藤原竜也)は、友人の借金の連帯保証人になったため多額の借金を抱えてしまいます。返すあてもなく途方にくれるカイジに金融会社の社長である遠藤(天海祐希)は、一夜で大金を手に入れることができる船へ乗ることを勧めます。お金のためなりふり構わず船に乗ったカイジですが、そこでは怪しげなゲームが行われており、勝者は勝ち進むことで大金を、敗者は誰も知らないどこかへ連れて行かれるという命がけのゲームが行われていました。

人気コミックの実写映画!裏社会で繰り広げられる頭脳戦!

累計1,100万部を売り上げた福本伸行原作の人気コミックの実写映画化しました。香川は裏社会で暗躍するエリート・利根川役として続編の「カイジ2 人生奪回ゲーム」でも主演の藤原竜也を食ってかかるほどの存在感を放っています。分かりやすいストーリーにまとめられつつも原作の名台詞も忠実に再現され、原作ファンの方も未読の方も楽しむことができます。香川照之はこういった歪みきった悪役、憎まれ役が似合うと改めて感じました。山本太郎、松尾スズキ、松山ケンイチ、光石研ら実力派が脇を固め見ごたえたっぷりですので、是非ともクズの世界を堪能してみましょう。

3.ゆれる(2006年 119分)

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あらすじ・見どころ

田舎の故郷を離れて東京でカメラマンとして活躍する猛(オダギリジョー)は母の一周忌に久々に帰省します。父(伊武雅刀)には歓迎されないものの、実家のガソリンスタンドを継ぐ兄・稔(香川照之)やそこで働く幼馴染の智恵子(真木よう子)らにあたたかく迎えられます。久々の再会を喜び、猛は兄の稔と智恵子と3人で近くの渓谷へドライブへ行くこととなりました。しかし、渓谷に架かるつり橋を渡ろうとして智恵子が転落してしまいます。その時近くにいたのは稔だけ。事故なのか事件なのか、裁判が進むにつれ猛も知らない稔の知らない一面が現れます。

田舎のガソリンスタンドを継ぐ兄と東京でカメラマンとして活躍する弟

「ディア・ドクター」「永い言い訳」などの西川美和監督が、友人が殺人を犯すという実際に見た悪夢から着想を得て製作しました。カンヌ国際映画祭に正式出品され、高崎映画祭やヨコハマ映画祭などで多くの賞を受賞しました。誰にでも人気があり自由人の弟をオダギリジョーが、家事も仕事もこなす優等生で大人しい兄を香川照之が演じます。空虚な雰囲気と漠然とした不安をうつし、人間のどろどろとした感情を描いて家族のきずなを描いたシリアスなヒューマンドラマです。

4.クリーピー 偽りの隣人(2016年 130分)

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あらすじ・見どころ

元刑事であり今は犯罪心理学者として教壇に立っている高倉(西島秀俊)は、以前の仕事仲間である刑事の野上(東出昌大)から6年前に起きた一家失踪事件の分析を頼まれます。事件で唯一無事だった長女の早紀(川口春奈)と接触し調べますが、なかなか真相にたどり着きません。一方、最近引越しをした高倉は、妻の康子(竹内結子)と近所へ挨拶回りへ行き、西野(香川照之)と出会います。西野は病弱な妻(最所美咲)と中学生の娘である澪(藤野涼子)の3人家族。お喋りな西野に圧倒され気味の高倉夫妻でしたが、ある日澪に「あの人、お父さんじゃありません。全然知らない人です。」と告げられます。

香川照之怪演、日常に迫るサスペンス

日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した前川裕の小説を原作に、「アカルイミライ」の黒川清が監督兼脚本を担当し映画化しました。現代日本において変人を演じさせたら右に出る者はいないのではないかと思う香川照之。一見お喋り好きで人が良さそうながらもキレどころが分からない隣人・西野を演じます。最初はちょっとした違和感だったものが徐々に引き込まれ、気付いた時には時すでに遅し。まるでホラーのような純度の高いサスペンスとなっています。

5.20世紀少年(2008年 142分)

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あらすじ・見どころ

翌年に大阪万博を控えた1969年の夏、小学生だったケンヂ(唐沢寿明)は同級生のオッチョ(豊川悦司)、ユキジ(常盤貴子)、ヨシツネ(香川照之)、マルオ(石塚英彦)、モンちゃん(宇梶剛士)、ケロヨン(宮迫博之)、コンチ(山寺宏一)らと共に秘密基地で遊んでいました。そして遊びの1つとして「よげんの書」といった世界征服や人類滅亡計画を阻止する正義の味方を描いては夢を膨らませていました。しかしただの遊びだったはずの「よげんの書」はトモダチを名乗る正体不明な人物によって実現されます。大人になった彼らは、トモダチの計画を阻止するべくケンヂのもとに立ち上がりました。

大人になった彼らが世界を救うために集結!

「YAWARA!」など人気漫画を数々手がけコミックス売り上げは累計1億部突破の人気漫画家の浦沢直樹の同名コミックスを原作とし、「 TRICK」「SPEC」シリーズで知られる堤幸彦監督が、総制作費60億円と総勢300名のキャストを動員して作り上げた本格冒険科学映画です。同級生たちと共に戦う姪っ子・カンナ役の平愛梨は本作で日本アカデミー新人賞を受賞しました。香川はメインキャラクターのヨシツネ役としてひ弱で冴えないながらも人望の厚い中年男性を演じています。
主題歌のT・レックス「20th Century Boy」とともに一大ブームとなった本作は、全3部作で原作とは違う展開になっているので原作を読んだ方も未読の方も楽しめる作品です。

6.キサラギ(2007年 108分)

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あらすじ・見どころ

遅れてきた清純派グラビアアイドル如月ミキの自殺から1年、追悼会に集まった5人の男たち。家元(小栗旬)、オダ・ユージ(ユースケ・サンタマリア)、スネーク(小出恵介)、安男(塚地武雄)、いちご娘。(香川照之)らは如月ミキのファンサイトで知り合い、彼女の思い出話に花を咲かせるはずでした。しかし、「如月ミキは本当に自殺なのか、彼女は誰かに殺された」と言う、誰かから発せられた言葉を発端に和やかな会は一変、不穏な空気へと変わります。

エンディングにおける人気俳優たちのヲタ芸は必見です

「密室でおきた心理バトル」と聞くとまるでサスペンスのようですが、お腹の底から笑えるコメディ映画です。舞台、ドラマCD、落語にまでなった人気作。普段はアツい役柄やミステリアスな役を演じている小栗旬、ユースケ・サンタマリア、小出恵介、ドランクドラゴンの塚地武雅、香川照之の5人がオタクを演じているのがまた面白く、劇中歌「ラブレターはそのままで」に合わせてヲタ芸を踊る彼らを見るとなんだか元気を貰えます。香川の演じるいちご娘。はネット上では若い女性という設定であり、カチューシャをつけるその姿は他の作品とは違った不気味さがあります。ドラマCDでは違ったラストを迎えるらしく、気に入った方にはこちらもおススメです。

7.るろうに剣心(2012年 134分)

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あらすじ・見どころ

週刊少年ジャンプで連載されていた大人気コミック待望の実写化!今から約140年前、動乱の幕末、最強の暗殺者と恐れられ「人斬り抜刀斎」と呼ばれた男がいました。あれから10年、明治になってなお刀を持つ流浪人・緋村剣心(佐藤健)。彼は町道場の娘・神谷薫(武井咲)、士族の少年・明神弥彦(田中偉登)、赤報隊の生き残り・相楽左之助(青木崇高)、会津出身の医者・高荷恵(蒼井優)らと出会い大切な居場所を見つけました。しかし今なお混乱の続く日本。剣心は不殺の誓いを立て、大事な人々を守り平和な時代を作るために、新たな戦いが幕を開けます。

原作者のお墨付き!原作を超えるぶっとんだ悪役っぷり

「秀吉」や「龍馬伝」といった大河ドラマを手がけた大友啓史監督が、週刊少年ジャンプで連載されていた大人気コミックを原作に実写化した作品です。昨今の漫画原作実写映画の中でも評価が高く、原作にも登場する悪役・武田観柳を演じました。まず見た目からエクステと差し歯をつけ、15cmのシークレットブーツを履いての役作りをおこない、画面に映ると共演者が霞むほどの振り切った演技で表現したその見事なクズっぷりは清々しいですね。主演の佐藤健や江口洋介、吉川晃司など、どのキャスティングもハマり役と言われていますが、香川照之が実は一番ハマっているのではと思います。

8.ゴールデンスランバー(2010年 139分)

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あらすじ・見どころ

宅配業者の青柳雅春(堺雅人)は以前、暴漢に襲われていたアイドル・凛香(貫地谷しほり)を仕事中に助けたことから地元・仙台ではちょっとした有名人となっていました。そんな仙台市では金田首相の凱旋パレードが盛大に行われています。青柳は大学の友人である森田森吾(吉岡秀隆)に呼び出され久々の再会を喜んでいました。しかし楽しい時間もつかの間、森田は青柳に逃げろと言います。何のことだがさっぱり分からない青柳でしたが、凱旋パレードで不審な爆発が起こり首相が殺されます。それと同時に、青柳のもとへ向かってくる警察官。一体何が起こったのか、身に覚えのない容疑からの逃走が始まります。

本屋大賞受賞!伊坂幸太郎と中村義洋による本格ミステリー

「アヒルと鴨のコインロッカー」「チーム・バチスタの栄光」などで知られる映画監督・中村義洋が、人気作家・伊坂幸太郎の同名小説を原作に映画化しました。竹内結子、濱田岳といった俳優陣のなかで、香川照之は堺雅人演じる主人公を追い詰めていく政府の役人を演じます。誰が味方で誰が敵か、常に緊張感が流れる演出についつい見入ってしまいます。主題歌には、伊坂幸太郎が退職して作家になろうとこの曲を聴いて決心したという斉藤和義のシングル「幸福な朝食 退屈な夕食」が起用されています。

9.トウキョウソナタ(2008年 119分)

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あらすじ・見どころ

ある沿線沿いの二階建て一軒家に暮らす佐々木一家。一家の主人である竜平(香川照之)は健康機器メーカーに勤めるサラリーマン。妻の恵は専業主婦であり、大学生の長男・貴(小柳友)と小学生の次男・健二(井之脇海)の4人家族はそれぞれ秘密を抱えていました。竜平は会社からリストラされたことを打ち明けられず、いつも通りスーツを着てハローワークへ通います。長男の貴は、今の世の中に疑問を感じアメリカ軍の国外志願軍に応募します。そして次男の健二もまた家族に内緒でピアノを習い始めました。そんな中、一家の中心でときにはその間に入り家族をまとめる妻の恵にもまた異変が起こります。

リストラを受けたことを打ち明けられない一家の大黒柱

本作は日本とオランダと香港による合作映画であり、カンヌ国際映画祭においてある視点部門審査員賞を受賞しています。東京に暮らす一般家庭の崩壊から再生の流れを描き、空虚な雰囲気や漠然とした不安をうつしとっていて2000年代前半の空気色濃く反映していると感じました。香川演じる竜平は安い賃金で働く中国人労働者に仕事を取られてリストラ。ハローワークに通うもなかなか再就職先が見つからず、同じくリストラされた旧友を一家心中で亡くすというショッキングな出来事が続きます。平成の日本が描かれていて、私にとってあたたかいものだと思っていたからそれをこんなに冷淡に描かれると悲しいと感じましたが、絶望だけでなく再生へのみちすじも描かれています。

10.ザ・マジックアワー(2008年 136分)

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あらすじ・見どころ

マフィア天塩商会のボス・天塩幸之助(西田敏行)の愛人である高千穂マリに手を出してしまった備後登(妻夫木聡)は、自分の命を見逃してもらうために伝説の殺し屋デラ冨樫を連れてくることを約束します。しかし期限の5日が迫っても手がかりさえ掴めず、備後は最終手段として売れない三流作者の村田大樹(佐藤浩市)に、映画を撮るから殺し屋の役をオファーするというかたちで雇います。まわりが本物のマフィアだと知らずにデラ冨樫を演じる者、三流役者を伝説の殺し屋と信じて身を構える者、そして双方に嘘がばれないか心配する者。三者三様の物語が始まります。

三谷幸喜監督、クスッと笑える上質なコメディ

日本のコメディ映画界を語るにおいて欠かすことのできない大物劇作家・三谷幸喜によるコメディ映画です。コメディ映画といっても様々な種類がありますが、彼が得意とするのは誰も傷つかない品のあるコメディ。香川が演じるのは主人公の備後が所属する天塩商会から暖簾分けしてその存在を脅かすまでになった江洞商会の会長を演じます。登場人物たちはそれぞれ意見や思惑が見事にすれ違い、それでいてまさかの展開が次々とテンポよく起きるさまはついつい笑ってしまいます。小道具やセットにもこだわられ、これぞまさに映画であり衣装や美術など目でも楽しむことができます。ただ笑うだけでなく人情モノとしても心にもグッとくる感動作です。

11.花よりもなほ (2006年 127分)

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あらすじ・見どころ

時は元禄15年、江戸中期のまだ仇討ちに藩が賞金を出していた時代です。主人公の青木宗左衛門、通称・宗左(岡田准一)は父の仇討ちのために信州松本から江戸の長屋へやってきた武士です。宗左が暮らす長屋は江戸でも一際貧乏で個性豊かな住人たちが暮らしています。人に奢らせるのが得意な貞四郎(古田新太)、ホラ吹き者の平野次郎左衛門(香川照之)、元気で明るいおのぶ(田畑智子)、どこか冷めた態度のそで吉(加瀬亮)、そして向かいに住む美人のおさえ(宮沢りえ)ら憎めない人ばかり。人情溢れる長屋で暮らすうちに「仇討ちしない人生」もあることを知ってしまった宗左は悩み始めます。

人と人の絆を描いた江戸でおこる人情ドラマ

カンヌ国際映画祭の最高賞であるパルム・ドール賞を受賞した「万引き家族」などで知られる是枝監督が、V6の岡田准一を主演に、宮沢りえや古田新太からお笑い芸人の上島竜兵や木村祐一など幅広い豪華キャストによる人情映画を製作しました。香川が演じるのは主人公と同じ長屋に住む侍であり、ホラ吹きで卑怯者で春になると切腹したくなるという面倒臭い男。侍の存在価値についてだけど、それぞれの生き方があることを考えてしまう深い物語です。間接的に主人公以外の物語も描いておりコミカルで賑やかな長屋の仲間たちの織りなすそれぞれの人生に、鑑賞後は温かい気持ちになります。

12.沈まぬ太陽(2009年 202分)

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あらすじ・見どころ

日本の大手空港会社である国民航空。その国民航空の労働組合委員長・恩地(渡辺謙)は人事差別など職場環境の改善に奔走したものの、その結果として海外勤務を命じられます。通常ではあり得ない10年にも及ぶ長い海外転勤に、家族もバラバラになり掛けながら耐えた恩地はやっとの思いで本社復帰を果たしますが、ジャンボ機墜落事故が起きます。救援隊として御巣鷹山へ向かった彼はこの世とは思えない悲劇をいくつも目の当たりにします。その後、事故の遺族係として働き、新たに会社のトップとして就任した国見新会長(石坂浩二)に見出され、再び会社を立て直すため翻弄します。

700万部を売り上げた山崎豊子の名作を映像化!事実を元に脚色された社会派大作

3時間22分という長時間であり、途中に10分の休憩が入る異例作です。本作は日本アカデミー賞において最優秀作品賞を受賞しましたが、3時間越えの作品が受賞するのは史上初めてのことでした。香川照之の演じる八木和夫は、渡辺謙演じる主人公とともに労働組合員として会社経営陣と戦った結果、会社の隅に追いやられてしまいます。三浦友和や松雪泰子ら多くの実力派俳優がキャスティングされ壮大なスケールで描かれた骨太な大作ですので、忙しくてもどうにか時間を作って観て欲しい作品です。

13.剣岳 点の記(2009年 139分)

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あらすじ・見どころ

1906年(明治39年)、参謀本部陸地測量部の測量官・柴崎芳太郎(浅野忠信)に未踏峰とされてきた立山連峰の剱岳へ登頂と測量の命令が下されました。日本地図最後の空白となった剱岳は登頂不可能とされ、地元民からは信仰の対象となっている山であり、その登頂と測量は容易ではありません。それでも政府が遊びで山を登っている日本山岳会の小島烏水(仲村トオル)らに先を越されるわけには行かず、測夫の生田信(松田龍平)、山の案内人として地元の宇治長次郎(香川照之)ら7名で編成されたの測量隊は前人未到の剱岳へ挑みます。

CGなし!「撮影ではなく『行』である」自然の荘厳さを描いた力作

監督を務める木村大作は東宝撮影部にカメラ助手として入社し黒澤明監督の組に配属され多くの映画を撮影してきました。本作ではじめてメガホンを取り、日本アカデミー賞において最優秀監督賞、最優秀助演男優賞、最優秀音楽賞、最優秀撮影賞、最優秀照明賞、最優秀録音賞を受賞しました。香川は山の案内人として非常に厳しい雪山でのロケを中心に参加しており、最初は色白だった松田龍平もすっかり雪焼けして、いかに撮影が大変だったのが伝わってきます。本物の大自然を撮影することにこだわり、危険を冒しながら圧巻の雪山シーンも多く挑戦されました。かつての日本人に通ずる精神が描かれ、そこには実話だからこその感動があります。

14.北の零年(2005年 168分)

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あらすじ・見どころ

1891年(明治4年)、庚午事変に絡む処分によって、明治政府より徳島藩・淡路島から北海道静内へ移住を命じられた稲田家一族。家臣の小松原英明(渡辺謙)は先遣隊として先に向かいます。夫である英明を頼って静内に降り立った妻の志乃(吉永小百合)らは静内の地を開墾すれば稲田家の領地となるという政府の言葉を信じ慣れない農作業に励みますが、北の大地の寒さに苦しみます。このままでは一族皆死んでしまうと感じ小松原はみなの希望を託されてひとり札幌へ旅立ちます。

動乱の時代に翻弄されつつも誇り高く生きた人々の物語

「世界の中心で、愛をさけぶ」「春の雪」など数々のヒット作を世に送り出してきた行定勲監督が、本作で映画出演111本目となる吉永小百合を主演に渡辺謙、豊川悦司、柳葉敏郎、石原さとみら豪華俳優陣で製作した作品です。香川照之は金で態度を変える卑しい役を演じていますが、誰もが苦しい生活を送ることを余儀なくされ致し方なかったのだろうと考えさせられます。嫌味な役が似合いますが、ただ嫌なだけでなくその役の背景に何があるのかまで直接的に描くシーンがなくても感じさせてしまうのはさすがだと感じました。

15.OUT(2002年 119分)

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あらすじ・見どころ

東京郊外の弁当工場で深夜パートとして働く4人の女たち。香取雅子(原田美枝子)42歳、吾妻ヨシエ(倍賞美津子)51歳、城之内邦子(室井滋)40歳、山本弥生(西田尚美)30歳。主人のリストラや義母の介護、多重債務、夫からの暴力と4人はそれぞれ悩みを抱えていました。ある日、弥生はギャンブル好きの夫・健司(大森南朋)からの暴力に耐えかねて殺してしまいます。妊娠8ヶ月の弥生は過失致死であったとしても今捕まるわけにはいかないと雅子に泣いて助けを求めます。仕方なく弥生を助けるため死体の処理をすることとなりますが、ひとりで処理することができず信頼しているヨシエに協力を持ちかけると、いつの間にか邦子も参加していました。

女性の生き方が詰まった特殊な映画

紫綬褒章作家である桐野夏生の同名小説を原作に、原作とは違った展開で描いた作品です。米国アカデミー賞の最優秀外国語映画賞に日本代表作品として出品されました。香川照之は十文字彬という爽やかな青年を演じて、日刊スポーツ映画大賞において助演男優賞を受賞し、この頃から徐々に俳優として認知されるようになりました。主人公となる4人の女性のそれぞれの生き方、考え方の違いが面白く興味深いものがあります。怖いはずなのに淡々と流れていく死体解体作業がさらにおそろしいですね。

最後に

いかがでしたでしょうか。原作が小説の社会派ドラマはもちろん、漫画原作の実写化にも実は多く出ていて「あしたのジョー」や「ひみつのアッコちゃん」などにも出演しています。
映画やドラマだけでなくバラエティやSNSなどいくつもの顔を見せる香川照之から目が離せません。

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イラストも文章も手掛けるフリーのイラストレーター。

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