許されざる禁断の恋愛を描いた映画おすすめ15選

身分差の恋、人ならざる者との恋、既婚者、血の繋がった者同士など禁断の愛といっても様々。そんな許されざる愛が描かれた作品を洋画邦画問わず厳選して15作品ご紹介します。

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アイキャッチ画像出典:eiga.com

様々な「禁断の恋」

身分違いの恋、人ならざるものとの恋、特別な性趣向を持っての恋、禁断の恋といってもそのカタチは様々であり、恋とは障害があることでより燃えるもの。毎年、多くの恋愛映画が製作されアカデミー賞をはじめ数々の賞レースを賑わせます。名作揃いの恋愛映画の中から洋邦問わずおすすめ15作品をみていきましょう。

1.オペラ座の怪人(2004年 143分)

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あらすじ・見どころ

1870年、リハーサルの真っ最中であるオペラ座では現オーナーが退職を発表し、新たなオーナーたちと新たな後援者ラウル・シャニュイ(パトリック・ウィルソン)を皆に紹介します。しかしその途中でセットが壊れ、看板歌手のカルロッタ・ジュディチェリ(ミニー・ドライヴァー)が下敷きになってしまいました。カルロッタの代わりに踊り子であるクリスティーヌ・ダーエ(エミー・ロッサム)が代役を務めることになりました。舞台は無事終了し、見事に歌い上げたクリスティーヌは一気に人気女優の仲間入り。終演後、友人のメグにいつの間にそんなに歌が上手くなったのかと聞かれ、クリスティーヌは顔も見たことのない歌の先生「音楽の天使」について話はじめます。

美しい少女に恋をした怪人の哀しき物語

もとはフランスの小説ですがこれまで幾度となく映像化され、今作はミュージカル作を忠実に再現して映画化されました。作中でも印象的なオペラ座には非常に大きなシャンデリアがあるのですがこれはスワロフスキー社によるものでなんと1億2,000万円の費用をかけて製作されています。日本では「劇団四季」のイメージが大きいかと思います。金曜ロードショーで今作が放送された際に吹き替えを劇団四季が担当し、その後2012年に発売されたBlu-rayディスクに劇団四季が担当した吹き替えが収録されているのでおすすめです。

2.モールス(2010年 116分)

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あらすじ・見どころ

雪深い田舎町に住むいじめられっこの少年オーウェン(コディ・スミット=マクフィー)は友達もおらず、ひとり寂しく過ごしていました。父親とふたりで近所に引っ越してきたアビー(クロエ・グレース・モレッツ)に親近感を覚えたオスカーは、友達になりたい一心で声を掛けます。ふたりは何度か会うようになり次第に仲良くなります。そして家族にばれないよう2人だけの合図をモールス信号で送るようになりました。その頃、街では不可解な失踪や殺人が相次ぎ街の人々は恐怖に怯え、人々は事件が起き始めたのはアビーの親子が越してきてからだと疑問を抱き始めます。そしてオーウェンもまたアビーの重大な秘密を知ってしまいます。

初恋の相手はいつも裸足のミステリアスな女の子

トーマス・アルフレッドソン監督によるスウェーデン映画「ぼくのエリ 200歳の少女」とその原作であるヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストによる小説「MORSE モールス」をもとに製作されました。「キック・アス」のヒット・ガールで一躍有名になったクロエ・モレッツが若干14歳にして今度はミステリアスな少女・アビーを演じました。ジャンルではホラー映画に分かれますがそれほど怖いシーンはなく、10代の淡い恋の切なさを感じます。

3.空気人形(2009年 125分)

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あらすじ・見どころ

秀雄(板尾創路)は自分の空気人形に名前を付け、散歩をして、仕事の愚痴を漏らして暮らす毎日。彼の空気人形のぞみ(ペ・ドゥナ)はある日ゆっくりと立ち上がり、声を発しました。そして持ち主の秀雄が仕事に出かけたのちに身支度を整え街を出歩くようになります。彼女はたまたま見つけたレンタルビデオ店で働く純一(ARATA)に恋をし、自分も同じ店でアルバイトを始めます。レンタルビデオ店の店長、元教師の老人、ある娘と父親、みんな心のどこかに空虚を持っています。

心を持った人形は、人間に恋をしてしまいました

「万引き家族」でカンヌ国際映画祭の最高賞にあたるパルム・ドール賞を獲得した是枝裕和監督による作品で、今作もカンヌ国際映画祭のある視点部門で上映されました。心を持った人形という難しい役どころを演じた韓国人女優であるペ・ドゥナは、日本映画プロフェッショナル大賞、東京スポーツ映画大賞、高崎映画祭、日本アカデミー賞にて主演女優賞に輝きました。性欲処理のために作られた人形ラブドールの話と聞いて躊躇する人もいるかもしれませんが、現代人の心の葛藤を描いた優しい映画なので是非見て欲しいです。

4.ローマの休日(1953年 118分)

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あらすじ・見どころ

ヨーロッパの中でも長い歴史と伝統を誇るある国の王女アン(オードリー・ヘプバーン)は親善旅行でヨーロッパ各国を訪問中です。ハードなスケジュールと長旅のストレスにより疲れてしまった彼女は最後の滞在国イタリアのローマでこっそりと宿泊先を抜け出して街へ飛び出してしまいます。アンは直前に飲んだ鎮静剤の影響で街のベンチで寝入ってしまい、次に目がさめるとアメリカ人新聞記者ジョー(グレゴリー・ペック)のアパートにいました。睡眠もとって元気になったアンはジョーを連れてローマの街を堪能します。

世の女性の憧れ!オードリー・ヘプバーン主演のラブロマンス

撮影当時無名であったヘプバーンはこの映画でアカデミー主演女優賞を獲得します。王女と新聞記者の出会ってから別れの24時間を描く今作ではローマの有名な観光地が登場し、真実の口でのシーンはジョー役グレゴリー・ペックのアドリブによって素で驚くキュートなヘプバーンがみられます。またスペイン階段でジェラートを食べるシーンは、真似をする人があまりにも多いためそこでジェラートを食べることが禁止になりました。この映画を観るとローマへ行きたくなります。

5.her/世界でひとつの彼女(2013年 120分)

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あらすじ・見どころ

近未来のロサンゼルスに住むセオドア・トゥオンブリー(ホアキン・フェニックス)は相手の代わりに想いを手紙に書く代筆ライターとして働いていました。妻・キャサリン(ルーニー・マーラ)と別れ、次の出会いにも消極的になり悲嘆にくれる日々でしたが、ある日人工知能型OSサマンサ(スカーレット・ヨハンソン)を手に入れます。最初は気晴らしにでもと思っていたセオドアでしたが、声だけで実態のないサマンサは生身の人間よりずっと人間らしく、彼女に惹かれていきます。

そう遠くない未来、人と機械が恋愛をする時代

「マルコヴィッチの穴」や数々のミュージックビデオを手がける鬼才スパイク・ジョーンズが監督と脚本を務めます。アメリカではスカーレット・ヨハンソンが声を演じる人口知能型OSサマンサですが、吹き替え版では「エヴァンゲリオン」の綾波レイ、「名探偵コナン」の灰原哀役などで有名な声優の林原めぐみが務めていますので、声フェチの人にはたまらないかも。近未来が舞台ですが、普段の暮らしは現代とほぼ同じなわけで、すぐそこにある世界にリアルな気持ちになります。

6.きみに読む物語(2004年 123分)

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あらすじ・見どころ

1940年アメリカ南部のシーブルックにノース・カロライナから良家の子女アリー(レイチェル・マクアダムス)とその家族ががバカンスにやってきました。地元の青年ノア(ライアン・ゴズリング)はアリーに一目惚れし強引にデートに誘います。戸惑いながらも強気なノアに惹かれデートを重ねる2人でしたが、夏が終わり離れ離れになってしまいました。2人は文通を続けますが戦争が始まりノアは徴兵され、2人の仲を良く思わないアリーの両親によって、アリーは裕福な他の男性と婚約することになります。

涙無くしては見られない感動作!身分違いの恋に燃える若きふたり

今作はアメリカにおいて興行収入81億円を記録し、後に「ラ・ラ・ランド」で主演を務めたライアン・ゴズリングと「シャーロック・ホームズ」シリーズに出演のレイチェル・マクアダムスを一気に有名俳優の仲間入りにしました。身分違いに苦しみながらも純愛を貫く若き2人の王道ストーリーを丁寧に描き、巧みな演出によって一層感動的に仕上がっています。美しいロケーションと音楽も加わり何度でも観たくなる人気作なので、ぜひ大切な人と観て欲しいです。

7.ロミオ+ジュリエット(1996年 120分)

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あらすじ・見どころ

抗争の絶えない2大マフィアのモンタギュー家とキャピュレット家。街全体に被害が及ぶほど緊張感が高まった睨み合いなどつゆ知らずモンタギュー家の一人息子ロミオ(レオナルド・ディカプリオ)はその繊細さゆえに悩み、キャピュレット家の一人娘ジュリエット(クレア・デインズ)は親が決めた相手との縁談を控えていました。ロミオは親友のマキューシオ(ハロルド・ペリノー)に誘われ敵対するキャピュレット家のパーティーへ仮装して訪れます。しかしそこで出会ったジュリエットに一目惚れしてしまいました。

シェイクスピアの世界的名作の現代版!ロミオ役はレオナルド・ディカプリオ

シェイクスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」を原作に台詞はそのまま時代設定を現代にして、それまでの難しくて退屈という古典作のイメージを一新させました。舞台はブラジルのヴェローナ・ビーチという架空の都市でアロハシャツを着たロミオを見ると、確かに気取らずリラックスして観て良いんだと分かります。今作でレオナルド・ディカプリオは第47回ベルリン国際映画祭・銀熊賞を受賞しました。天使の羽をつけたジュリエット役のクレア・デインズと甲冑を纏うロミオ役のレオナルド・ディカプリオはまさに美男美女のカップル、水槽越しに見つめる出会いのシーンも魅力的です。

8.夏の終り(2013年 114分)

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あらすじ・見どころ

知子(満島ひかり)は妻子ある年上の作家・慎吾(小林薫)と長年生活していますが、今の暮らしに満足していました。慎吾は妻と知子の間を行き来していましたが、妻と離婚して欲しいと思ったことはありません。しかしある日、かつて知子が夫と子供を捨てて駈け落ちをした相手・涼太(綾野剛)と偶然、再会します。慎吾を愛しつつも涼太と再び関係を持ってしまった知子の日常は少しずつ狂い始めていきます。ふたりの男の間で揺れる女の物語です。

愛に生きる女を満島ひかりが熱演

原作は作家・尼僧として活躍する瀬戸内寂聴が瀬戸内晴美時代に発表した自伝的小説です。主人公である愛に生きる女・知子役を満島ひかり、彼女と不倫関係の男を小林薫、そしてそんなふしだら女を軽蔑しつつも惹かれていく青年役を綾野剛が演じています。ちなみに慎吾の実在のモデルは小田仁二郎という作家です。昭和を感じさせる渋い色調の映像や美術など観ていて日本的な色気を感じます。全編通して静かな映画ですので落ち着いて映画を見たい時におすすめの作品です。

9.マイ・プライベート・アイダホ(1991年 102分)

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あらすじ・見どころ

ストリートキッズのマイク(リヴァー・フェニックス)は、ポートランドで金持ちの婦人に対して体を売って暮らしていました。マイクはナルコレプシーという自分の意思に反して眠ってしまう睡眠障害を患っており、親友のスコット(キアヌ・リーブス)に助けられながら生活しています。スコットは市長の息子でありながら家出をしストリートキッズたちと暮らしています。ある日マイクは自分を捨てた母を捜す決意をし、スコットと共に、兄リチャードが暮らす故郷アイダホへと向かいます。

リバー・フェニックス&キアヌ・リーブスのW主演!好きになった相手は同性の親友

スタンドバイミーで有名になり、若くして亡くなったリバー・フェニックスと、50歳を過ぎてなお主演映画が人気のキアヌ・リーブスが共演し、「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」「ミルク」で有名なガス・ヴァン・サントが監督を務めます。リヴァー・フェニックスはヴェネツィア国際映画祭、全米映画批評家協会賞、インディペンデント・スピリット賞において主演男優賞を受賞しました。売春、同性愛、ドラッグ、ナルコプシーといった特殊な題材を扱いながらも、美しい映像や音楽によって瑞々しく描かれています。同性愛が描かれていますが躊躇せずに見て欲しい名作です。

10.カニバル(2013年 116分)

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あらすじ・見どころ

スペインのグラナダで仕立屋を営むカルロス(アントニオ・デ・ラ・トレ)は無口だが親切で優しい紳士。しかし彼には女性だけを狙って誘拐し、殺してはその死体を解体して食す連続殺人鬼でした。ある日、同じアパートにルーマニアからアレクサンドラ(オリンピア・メリンテ)という美人で騒がしい女性が越してきました。普段通り過ごすカルロスでしたが、アレクサンドラが突然行方不明になります。日の経たないうちにアレクサンドラを探しに双子の姉・ニーナ(オリンピア・メリンテ)がやってきました。アレクサンドラとは対照的に静かで儚げなニーナにカルロスは今までにない気持ちを感じます。

静かに愛を描いたスペイン映画

スペイン映画界において最も権威あるゴヤ賞で8部門にノミネートされた作品です。タイトルからは猟奇的な映画を想像しますが、グロテスクなシーンはほぼなくエログロを求める人には物足りないかもしれません。しかし心情の機微を丁寧に描き、登場人物を絞ることで、より集中してキャラクターの内面を考えながら観ることができ、恋愛映画としては大満足の作品です。遠くからの長回しを多用し、綺麗で美しい映像と少ない台詞で魅せる切ない恋愛映画です。

11.ロスト・イン・トランスレーション(2003年 102分)

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あらすじ・見どころ

ハリウッドスターのボブ・ハリス(ビル・マーレイ)はサントリーウイスキーのテレビCMの撮影のため日本にやってきます。ホテルに到着し、結婚25年になる妻から他愛もない連絡が入ります。同じホテルに写真家の夫の付き添いで日本を訪れているシャーロット(スッカーレット・ヨハンソン)は撮影に忙しい夫にかまってもらえず暇を持て余す毎日。友人に電話したり、ひとりで街に出るもつまらなく感じます。ある日、ホテルのバーでふたりは偶然出会います。

舞台は日本!異国の地で出会ったふたり

監督・脚本を務めるソフィア・コッポラは「マリー・アントワネット」など女性ならではの感性でガーリーな画づくりに同性ファンも多く、父親は「ゴッド・ファーザー」シリーズで有名な映画監督フランシス・フォード・コッポラという映画界のサレブレット。アカデミー脚本賞を受賞した今作は、全編日本でロケを行っているため、見覚えのある場所が多く出てきます。海外の人の視点を通して見る東京はなんだか新鮮で違った空気感がありますよ。

12.人のセックスを笑うな(2008年 137分)

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あらすじ・見どころ

みるめ(松山ケンイチ)は19歳の美術学校生で友達の堂本(忍成修吾)とえんちゃん(蒼井優)といつもつるんでいます。みるめは、たまたま出会った年上の女性ユリ(永作博美)に恋をしました。ある日、ユリに絵のモデルを頼まれたことをきっかけに急接近していき、ついには付き合うことになりました。浮かれっぱなしのみるめですが、なんとユリは20歳も年上で、しかも既婚者でした。この恋は一体どうなるのでしょう。

初めての彼女は年上でそのうえ既婚者だった

山崎ナオコーラ同名小説原作、過激なタイトルとは裏腹にピュアな恋愛を描いています。19歳の主人公が恋するユリ役を、童顔である永作博美が演じているので観ていてあまり年の差を感じません。しかし既婚でありながら笑顔を振りまき翻弄するその小悪魔っぷりはなかなかのもの。少しうらやましい気もしますね。蒼井優、忍成修吾、あがた森魚、温水洋一ら脇を固めるキャストも高い演技力と他にない個性派ぞろいでオススメです。

13.鑑定士と顔のない依頼人(2013年 124分)

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あらすじ・見どころ

美術鑑定士として不動の地位を築くヴァージル(ジェフリー・ラッシュ)。仕事に関しては有能ですが、人との関わりが苦手で恋人や家族もなくどこか人を寄せ付けない雰囲気を纏っています。彼は誕生日の日に電話で鑑定の依頼を受けました。電話の向こうの相手はクレア(シルヴィア・フークス)という若い女性のようですが、何か違和感があります。指定された屋敷に鑑定に行くもクレアは姿を見せません。ドタキャンはするし顔も見せない無礼に怒るヴァージルですが、実はクレアもまた人との関わりが苦手で何年も人と会わずに引きこもっている人間だったのです。

美術品しか愛せなかった男が運命の女と出会ってしまった

監督・脚本は「ニュー・シネマ・パラダイス」「海の上のピアニスト」で有名なイタリアの巨匠ジュゼッペ・トルナトーレ。主人公ヴァージルを演じるのは「英国王のスピーチ」にて助演男優賞を受賞したジェフリー・ラッシュです。ハッピーエンドかバッドエンドか様々な考察がされ、意見の分かれる作品となっています。ラストの彼の表情はどういった心情が表れているのか、禁断の愛として取り上げましたがミステリー映画としても非常に高い完成度を誇っている作品です。

14.仕立て屋の恋(1989年 80分)

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あらすじ・見どころ

仕立屋として働くイール(ミシェル・ブラン)は、近くで起きた殺人事件の容疑者として疑われています。人嫌いで前科持ち、町の人にも嫌われている彼の唯一の楽しみは好きな音楽をかけながら向かいの部屋に住むアリス(サンドリーヌ・ボネール)の部屋を覗くことでした。イールはアリスに恋人がいることを知っていましたが、それでもアリスに対する想いは変わりません。普段は電気もつけず覗いていましたが、ある嵐の晩、雷で照らされたイールが見え、アリスは自分が覗かれていたことを知ります。

覗いているだけでよかった

今作はカンヌ映画祭にも出品され、セザール賞では8部門にノミネートされました。原作はジョルジュ・シムノンが1933年に執筆した同名原作であり、同作品を原作に製作された1946年の映画「パニック」のリメイクにあたります。覗くという行為から変態性の高い作品に感じますが、お洒落で官能的に描かれ上品さもあり、いやらしさのない作品です。ヨハネス・ブラームスの「ピアノ四重奏曲第1番ト短調」が象徴的に使われているので上品さはそこからくるのかもしれません。

15.ロリータ(1962年 152分)

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あらすじ・見どころ

パリからやってきたハンバート教授(ジェームズ・メイソン)は、アメリカの田舎町で下宿先の女主人シャーロット(シェリー・ウィンタース)とその娘ロリータことドロレス(スー・リオン)と出会いました。未亡人であるシャーロットはハンバート教授に惹かれ結婚を迫ります。ハンバートは結婚に合意しますが、それは夫人に対する愛ではなく、その娘ロリータと一緒にいたいという想いからでした。結婚してしばらくしたのち、そのことに気づいた夫人はショックを受け家を飛び出してしまいます。不運にも夫人は事故によって帰らぬ人となり、ジェームズは念願叶ってロリータとふたりでの生活が始まりました。

ロリコンの語源ともいえる作品、少女に対する異常な独占欲

ロシア出身の作家ウラジーミル・ナボコフの1995年に刊行された同名小説を原作に、「2001年宇宙の旅」「時計じかけのオレンジ」で知られる鬼才スタンリー・キューブリックを監督に製作されました。少し古い映画ということで、今回紹介する中で唯一のモノクロ映画になります。ロリータ役の当時15歳であったスー・リオンは数千人の候補者の中から選ばれ、映画が公開されると同時にそのあどけなさと妖艶さの入り混じる小悪魔的魅力に世界中が虜になりました。ヒロインの愛称である「ロリータ」は、その後も魅惑的な少女に対する言葉として広まり、様々な分野に影響を与えています。

最後に

今回ご紹介した恋愛映画はハッピーエンドで終わるだけでなく、死や別れといった最悪の展開で幕を閉じる作品もあります。しかし物語の中の彼らにとってそれは不幸ではなく幸せなのかもしれません。時代や社会に翻弄されながらも力強く生きて行くキャラクターたちが魅力的な映画ばかりです。
是非、自分にとってお気に入りの作品を見つけてみてください。

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都内在住。コーヒーとサンドイッチが大好きで1日1カフェ生活を送っている。夏の定番はレモネード、冬の定番はホットチョコレート。オシャレやヘルシーという言葉に敏感なミーハー系女子。

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