出身者が選ぶ!奄美大島の黒糖焼酎おすすめ7選
全国各地、それぞれ有名な焼酎の銘柄がありますが、有名なものはほとんどが米、芋、麦焼酎。芋焼酎で名を知られている鹿児島県ですが、鹿児島県の奄美大島では、黒糖焼酎が有名なのはご存知でしょうか?今回は、その黒糖焼酎の魅力、おすすめ銘柄、美味しい飲み方などについてご紹介します。
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アイキャッチ画像出典:info-amami.net
奄美群島でしか製造が許可されていない黒糖焼酎とは?
鹿児島県の奄美大島で有名な黒糖焼酎。
初めて耳にしたという方も多いかもしれません。それもそのはず、黒糖焼酎は焼酎全体の消費量のうちのわずか2%程度にすぎず、まだまだ広く知られていないのが現状なのです。
黒糖焼酎は、米麹とサトウキビを原料にして作られている蒸留酒で、ほんのりと黒糖の甘い香りがしながら、クセが少なく、スッキリと飲みやすいのが特徴です。
甘い香りとは裏腹に、糖質はゼロで、原料の黒糖はビタミンやミネラル豊富で健康にもいいと言われています。
この黒糖焼酎、実は奄美群島でしか製造が許可されていないのですが、それにはちょっとした背景があるのです。
奄美黒糖焼酎の歴史
奄美群島でしか製造が許可されていないとお伝えした黒糖焼酎ですが、その始まりは第二次世界大戦。
敗戦後、奄美大島を含む奄美群島は、沖縄と共に、日本領土からは切り離され、アメリカ軍政下に置かれました。そのことによって、日本本土との物流が制限され、奄美では米が不足し、黒糖が大量に余るという事態が発生しました。
島民の生活が貧困化する中で、余っている黒糖をどうにかして活用しようと、黒糖焼酎の製造が始められました。
終戦から8年後の1953年に奄美群島は、日本本土に復帰することとなったのですが、新たな問題が島民に襲いかかります。それは日本の当時の酒税法。当時、焼酎の原料として砂糖が許可されておらず、黒糖焼酎は、ラム酒と同じスピリッツとして焼酎より、3割も高い課税をかけられることとなったのです。
この課税は、再び島民の生活を苦しめることとなり、困り果てた島民が、国税庁と6年という長い話し合いを重ねた結果、本土復帰から6年後の1959年に奄美群島でのみ、米麹を原料に使うことを条件に、黒糖を使った焼酎の製造許可が出されたのです。
黒糖焼酎のおいしい飲み方 6選
初めて「黒糖焼酎」という言葉を耳にした人でもここまでくれば、おのずと飲んでみたいという気持ちが出てくるのではないでしょうか?
これから紹介する飲み方を試して、自分にとってお気に入りを見つけてくださいね。
ストレート
名の通り、氷や水で割らずにそのまま常温で味わう飲み方。黒糖焼酎の深い味わい、香りがダイレクトに伝わってくるので、焼酎本来の旨味が楽しめます。
ストレート(冷やし)
常温でそのままを味わうストレートに対し、こちらは瓶ごと冷やした黒糖焼酎を飲みます。使うグラスも冷蔵庫で冷やして置くとさらに美味しく味わえますよ。常温ストレートに比べて、スッキリした喉ごしで飲めます。
オンザロック
大きめの氷1,2個に焼酎を注ぐだけのシンプルな飲み方。スッキリと飲めるので、女性やお酒の初心者にもおすすめです。また香りや風味がそのまま味わえるので、通な方も好きな飲み方です。
お湯割り
黒糖焼酎独特の甘みや香りが一層引き立ち、まろやかになる一番スタンダードな飲み方です。先に70℃くらいのお湯を注ぎ、徐々に焼酎を加えていきます。割り方は、黒糖焼酎6:水4もしくは5:5がおすすめです。
水割り
お湯割り同様、黒糖焼酎の良さが引き立つスタンダードな飲み方です。お湯割りとは逆に、最初に黒糖焼酎を注ぎ、水を加えていきます。割り方は、黒糖焼酎6:水4もしくは5:5が一般的ですが、深い味わいを楽しむためにはやや濃いめがおすすめです。水で味が変わるため、軟水で割ってください。
カクテル
ここは少し変わり種。黒糖焼酎をベースに、奄美名産のフルーツ(プラムやパッションフルーツ、タンカン)の果汁を加えて、カクテルにして飲む方もいます。パッションフルーツは果汁だけでなく、実ごと入れてくださいね。
まずはこれを押さえておくべし!黒糖焼酎人気銘柄4選
れんと 25度 奄美大島開運酒造
奄美大島開運酒造の代表作である、れんとは黒糖焼酎の中で1番広く知られている銘柄の1つです。奄美の海をモチーフにブルーのパッケージになっており、あっさり飲みやすいのに、ほのかに甘い香りでまろやかさがあるのが特徴です。黒糖焼酎が初めての方にもとても飲みやすくなっています。
ロックもしくは濃いめの水割りがおすすめ。
紙パック1800mlで1936円というのも、比較的お手頃で毎日晩酌される方には嬉しいポイントです。
里の曙 25度 町田酒造
減圧蒸留により、製造された里の曙は、くせのない、爽快な口当たりと黒糖のほんのりとした甘さで、黒糖焼酎が初めてという方にも飲みやすいお酒になっています。
ロック、水割り、サワーなど色んな飲み方で、美味しく味わえます。
じょうご 25度 奄美大島酒造
地下120mから汲みあげた地下水と奄美産の黒糖しか使わない、という素材にこだわりをもった奄美大島酒造の代表作。ラベルから南国の雰囲気が感じられるように、爽やかな味わいとフルーティーな味わいで特に女性や黒糖焼酎初心者に人気です。
焼酎初心者から、飲み慣れた方までついついおかわりしたくなるお酒で、ロック、水割り、お湯割り何でも合います。
奄美 30度 奄美酒類
生産量が安定しており、メジャーな黒糖焼酎のうちのひとつ。アルコール度数30度でしっかりした味わいと裏腹に、スッキリとした口当たりが特徴です。また、米麹の割合を抑えて黒糖の比率をあげているため、黒糖の香りが広がります。
水割りがおすすめです。
探してでも飲みたい!通におすすめの黒糖焼酎銘柄3選
高倉 30度 奄美大島酒造
3年以上かけて熟成した原酒を、さらに樫樽で琥珀色になるまで熟成させた高倉は、芳醇な味わいと果実のような甘い香りが特徴的。
モンドセレクション金賞を何度も受賞しており、奄美大島産の黒糖に良質な水しか使わないなど、品質にこだわり抜いた銘柄です。
晩酌中、晩ご飯後にしっぽりとロックで飲むのがおすすめです。
長雲一番橋 30度 山田酒造
山田酒造は家族4人だけで、黒糖焼酎を造っているため、年間の製造量は1800Lとわずかで、その限られた生産量の中でも、より丹精込めて作られているのが長雲一番橋。
黒糖焼酎好きも思わずうなるような、香ばしい香りと口いっぱいに広がる黒糖の味わいが人気の理由です。
酒の肴とともに、お湯割りがおすすめです。
龍宮 30度 富田酒造場
富田酒造場は、奄美大島で最も小さな蔵元であり、製造できる焼酎の量にも限りがあるため、希少価値の高い黒糖焼酎になっています。
一次仕込み、二次仕込みとも、甕(かめ)で行なっているのが特徴で、黒糖の風味とコクがしっかりと味わえる銘柄です。甕仕込みの銘柄は、とても少なく、奄美大島に訪れた際には、ぜひとも飲んで帰りたいお酒の1つです。
黒糖を肴に、一杯飲むと香りが一層引き立つとの声もあり、ロックで飲むのがおすすめです。
米、芋、麦とは違う独特な味わいの黒糖焼酎
太陽をいっぱい受けて育ったサトウキビと、大自然の中で育まれた奄美の山水を原料に製造されている黒糖焼酎。口いっぱいに広がるほんのり甘い黒糖の香りは、ゆったりと空気が流れる南国を思い起こさせてくれます。芋のようなクセはほとんどないながらも、米や麦にはない深い味わいがある黒糖焼酎、ぜひ一度飲んでみてくださいね。
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この記事のライター
奄美大島育ちの島っ子。大学を機に上京し、現在は大学3年生。自然と美味しい食べ物がエネルギー源。オーストラリア留学がきっかけでサーフィン始めました。