京都生まれ京都育ちが選ぶ京都のおすすめ寺院・神社10選【上級者向け】

京都にはもう何回か行ったし、見て回るところなんてもうないよ……とお考えではありませんか?そんなあなたのために、京都で生まれ育った私がおすすめする、上級者向けの京都の寺院・神社をご紹介します!

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あなたの知らない京都へようこそ

出典:pixabay.com

京都は、国内外から多くの観光客が「京都らしさ」を求めて訪れる日本随一の観光都市です。テレビのCMやイメージ写真で美しい風景を見て、その雰囲気を味わおうと楽しみにしている方も多いでしょう。

なのに、混雑ぶりがひどくてゆっくりできない、という思いをされたことはないでしょうか?どちらを向いても人・人・人…。特に桜や紅葉の美しい時期はなおさらです。

今回は、比較的知られていない、あるいは観光客があまり多くないけれどもしっかりと京都らしさを楽しめる神社仏閣を10ヵ所紹介します。近隣の有名寺社やその神社仏閣に関連した観光スポットも併せて紹介しますので、ぜひ、次回の京都来訪の際、ご参考になさってくださいね。

1.泉涌寺(京都市東山区 東福寺駅)

出典:www.mitera.org

泉涌寺は、京都駅からほど近い場所にある、皇室の御香華院(菩提寺)として名高い寺です。「御寺」(みてら、と読みます)と言えば泉涌寺を指し、皇室より崇敬を受けています。至る所に菊の御紋が見えるのは皇室に所縁が深いためです。

泉涌寺の参道は下り参道になっていて、門からの眺めも一見の価値があります。境内に安置されている楊貴妃観音像は美しいことで有名ですので、ひと目見ておきたいものです。伽藍拝観料500円で楊貴妃観音像は拝観できます。特別拝観料300円をプラスすると、庭園や御座所などが拝観可能。交通の便も悪くないのですが、観光地化されていないためか人があまり多くなく、落ち着いて参拝できるおすすめの寺院です。

【スポット情報】
「泉涌寺」
住所:〒605-0977 京都府京都市東山区泉涌寺山内町27
TEL:075-561-1551
拝観時間:9:00~16:30 12/1~2/29の間は~16:00
拝観料:伽藍拝観500円 特別拝観300円
アクセス:JR/京阪電車 東福寺駅 徒歩15分
定休日:なし(毎月第4月曜日 『心照殿』(宝物館)は休館)
URL:http://www.mitera.org/

雲龍院で悟りの窓と迷いの窓を見学

出典:blog.livedoor.jp

出典:blog.livedoor.jp

泉涌寺の境内にある別院・雲龍院は、「走り大黒天」と美しい庭園で有名です。こちらも観光客が少なくてゆっくりと庭園を楽しめるほか、写経体験もできます。有名な「悟りの窓」「迷いの窓」もあり、院内のあちこちには季節ごとに美しく活けられた花があって何とも言えぬ落ち着きがあります。

泉涌寺では境内での写真撮影等は一切できませんが、雲龍院では庭園や院内の写真撮影OKですので、京都らしい1枚を撮りたい方にもおすすめです。ただし、「走り大黒天」は撮影禁止なのでお気をつけくださいネ。

【スポット情報】
「雲龍院」
住所:〒605-0977 京都府京都市東山区泉涌寺山内町36
TEL:075-541-3916
拝観時間:9:00〜16:30受付終了 17:00閉門 写経受付は15:30まで
拝観料:400円 お抹茶付き900円 写経(拝観料・お抹茶込)1500円
アクセス:JR/京阪電車 東福寺駅 徒歩15分
定休日:なし(毎月第4月曜日 『心照殿』(宝物館)は休館)
URL:http://www.unryuin.jp/

東福寺は紅葉の時期以外は穴場

出典:www.tofukuji.jp

泉涌寺のすぐそばには東福寺もあります。紅葉の季節は大変な混雑ぶりですが、紅葉の時期を外すとあの狂乱めいた混雑はありません。メジャーになる前はゆっくりとあの紅葉を楽しめていたのに今は人を観に行くようなものですからね。

東福寺周辺はあまり雪がありませんので、風情があるのは新緑の季節でしょうか。また、年中楽しめる方丈の庭園もありますので、あまり混んでいない東福寺で普段着の京都を楽しんでください。

【スポット情報】
「東福寺」
住所:〒605-0981 京都府京都市東山区本町15丁目778
TEL:075-561-0087
拝観時間:4月~10月末:9:00~16:00 ※16:30に閉門
     11月~12月初旬:8:30~16:00 ※16:30に閉門
     12月初旬~3月末: 9:00~15:30 ※16:00に閉門
拝観料:通天橋・開山堂400円 東福寺本坊庭園400円
アクセス:JR/京阪電車 東福寺駅 徒歩10分
定休日:なし
URL:http://www.tofukuji.jp/

2.赤山禅院(京都市左京区)

出典:www.sekizanzenin.com

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修学院離宮のすぐそばにある「赤山禅院」(せきざんぜんいん)は、京都御所の鬼門を守護する「皇城鬼門除」の役割を担った寺院として知られています。紅葉の名所としても知られているのですが、他の有名寺社と比べると知名度が低いのか、比較的ゆっくりと拝観できる点がおすすめです。

京都の鬼門を守護している寺院としては、比叡山延暦寺が有名で、京都御所には幸神社(さいのかみのやしろ)が皇城鬼門除として、京都御所の鬼門を守っています。鬼門の守り神として、「猿」が至る所にいるのが赤山禅院の特徴です。狛犬ならぬ猿の石像があちこちに配置されています。

なぜ、鬼門除けには猿なのでしょうか?それは、「申」の方角が鬼門と反対側の西南西と示しているので魔物を払う力があるとされているからだそうです。鬼門除けの猿は、その他にも京都御所の猿ヶ辻、京都御所のすぐ北東にある幸神社、狛猿がいる大豊神社が知られています。

【スポット情報】
「赤山禅院」
住所:〒606-8036 京都府京都市左京区修学院開根坊町18
TEL:075-701-5181
拝観時間:9:00~16:30
拝観料:無料
アクセス:叡山電車 修学院駅 徒歩20分
定休日:なし
URL:http://www.sekizanzenin.com/index.html

桜と紅葉が両方楽しめる?

赤山禅院は紅葉の名所である上に、冬に咲く珍しい「寒桜」もあり、時期がよければ紅葉と桜の両方が楽しめる点もおすすめ。寒桜はあまりたくさんは咲きませんが、しばらく咲き続けますので、鑑賞できるチャンスもそこそこありそうです。

セットでおすすめ 詩仙堂と圓光寺

出典:www.kyoto-shisendo.com

赤山禅院とセットで回るなら、おすすめしたいのは「詩仙堂」と「圓光寺」です。詩仙堂は、四季折々の花々が楽しめるようにと考えて作られた庭園が秀逸。庭園の中を歩いて巡ることもできます。

【スポット情報】
「詩仙堂」
住所:〒606-8154京都市左京区一乗寺門口町27番地
TEL:075-781-2954
拝観時間:9:00~17:00(受付終了16:45)
拝観料:500円
アクセス:叡山電鉄 一乗寺駅 徒歩10分
定休日:5月23日

出典:www.enkouji.jp

「圓光寺」も「十牛庭園」があり、四季折々の眺めが楽しめます。庭園内ももちろん素晴らしいのですが、庭園を上に登っていくと、徳川家康公の分祀された墓所があり、さらにもう少し登ると、洛北の街を見下ろせる場所に到着!

出典:www.enkouji.jp

庭園から頂上まで、あまり遠いわけでもないのですがあまり登る人はいないようで、ゆっくりと高台から洛北の街並みを見下ろせます。こちらもディープな京都を感じられておすすめです。

【スポット情報】
「圓光寺」
住所:〒606-8147 京都市左京区一乗寺小谷町13
TEL:075-781-8025
拝観時間:9:00~17:00
拝観料:500円
アクセス:叡山電鉄 一乗寺駅 徒歩15分
定休日:なし
URL:http://www.enkouji.jp/

3.六道珍皇寺(京都市東山区 清水五条駅)

出典:www.rokudou.jp

「六道珍皇寺」(ろくどうちんのうじ)は、平安時代に墓所があり、葬送の地として知られていた鳥辺山にあり、京都の人々にとっては冥界への入口「六道の辻」と考えられていた場所に建つ寺院です。今でも、お盆前の8月7日から4日間、先祖の霊をお迎えするためにお参りする風習が残っていて、「六道まいり」と呼ばれています。

六道珍皇寺が冥界への入口だと思われていたもう一つの伝説は、小倉百人一首の歌人としても知られている小野篁にまつわるもの。小野篁は、実は冥府の役人だったという噂があり、本堂裏側にある「黄泉がえりの井戸」を降りて冥界へ夜ごと通っていた、とまことしやかに語られていたのだそうです。

近年、六道珍皇寺の旧境内の土地からこの井戸が発見されています。小野篁を偲びつつ、ミステリアスな伝説に思いを馳せてみるのも一興ではないでしょうか。

【スポット情報】
「六道珍皇寺」
住所:〒605-0811 京都府京都市東山区 大和大路通四条下る四丁目小松町595
TEL:075-561-4129
拝観料:無料
アクセス:京都市バス 清水道下車 徒歩5分
定休日:なし
URL:http://www.rokudou.jp

現世と冥界の接点 幽霊子育て飴をお土産に

出典:kosodateame.com

冥界の入口、六道の辻だからこその伝説がこの地には残っています。赤ちゃんを産んですぐに亡くなった母親が幽霊となって赤ちゃんのために夜な夜な飴を買い求めに来ていた、というものなのですが、この飴を「幽霊子育飴」として450年以上もの間販売し続けているのが「みなとや幽霊子育飴本舗」です。

麦芽糖とざらめのみという非常にシンプルな材料で作られた飴は、どこか素朴で懐かしい味わいです。包み紙も風情があり、ちょっとした話のタネにもなりそうな京都みやげにいかがでしょうか。

【店舗情報】
「みなとや幽霊子育飴本舗」
住所:〒605-0977 京都府京都市東山区泉涌寺山内町27
TEL:075-561-1551
営業時間:10:00~16:00
アクセス:京阪電車 清水五条駅 徒歩10分
定休日:月曜日(ただし、月曜日が休日の場合は翌平日)
URL:http://kosodateame.com/

平清盛つながりで六波羅蜜寺

出典:www.photo-ac.com

六道珍皇寺のすぐ近くには「六波羅蜜寺」があります。比較的有名な寺院なのですが、意外と観光客が多くありません。日本史の教科書で覚えている人も多い、口から小さな仏のフィギュアが出ている空也上人像や平清盛像は必見です。

六波羅蜜寺の境内には、「銭洗い弁財天」があり、小銭を洗って財布に入れておくと金運がアップすると言われています。また、本堂受付で受けられる「開運推命おみくじ」は、300円で1年間の運勢が事細かに書かれていて、よく当たると評判です。10年変わらない大運とその年の星回りによる一年の全体運だけでなく、仕事や学業、健康運などもきちんと書かれていますので、手元に置いておき1年の参考にしてみるのもいいのではないでしょうか。

【スポット情報】
「六波羅蜜寺」
住所:〒605-0933京都市東山区五条通大和大路上ル東
TEL:075-561-6980
拝観時間:8:00~17:00
拝観料:600円
アクセス:京阪電車 清水五条駅 徒歩7分
定休日:なし
URL:http://www.rokuhara.or.jp/

4.随心院(京都市山科区 小野駅)

出典:www.zuishinin.or.jp

京都市山科区にある随心院は、真言宗善通寺派大本山の門跡寺院で、格調高く落ち着いた佇まいの寺院です。小野小町に求婚するため「百夜通い」(ももよがよい)をしていた深草少将の逸話が残っている地として有名で、ゆかりの史跡もいくつか残っています。

深草少将から小野小町へ宛てて書いた手紙が千通も納められているという文塚を始め、化粧(けわい)の井戸、蓮弁祈願などはゆっくりと見ておきたいものです。梅や桜、紅葉など四季折々の景観が美しい庭園もありますが、ゆっくりと落ち着いて観光をするなら、これらの時期は「外して」お出かけになるといいでしょう。

また、写仏や写経ができるのも魅力。特に写仏は珍しいのではないでしょうか。小野小町または何種類かの仏像を自由に選び、じっくりと筆を使って描き写していきます。書き終わった後は、そのまま持ち帰ってもよし、別途お守り袋を購入して中に入れることもできます。日頃、多忙な時間を過ごすことの多い方は、小野小町に想いを馳せつつ、心静かに写仏に集中する時間を持ってみてはいかがでしょうか。

【スポット情報】
「随心院」
住所:〒607-8257 京都府京都市山科区小野御霊町35
TEL:075-571-0025
拝観時間:9:00~16:30
拝観料:無料(本堂拝観400円)
アクセス:地下鉄東西線 小野駅 徒歩5分
定休日:なし
URL:http://www.zuishinin.or.jp/

近くには太閤秀吉も花見をした醍醐寺

出典:commons.wikimedia.org

醍醐寺は世界遺産にもなっている、広大な境内を持つ寺院です。五重塔は平安時代の創建で、応仁の乱などの戦乱にも何とか消失せずに残り、京都府最古の木造建造物として貴重な姿を残しています。

太閤秀吉が「醍醐の花見」を催したのもまさにこの醍醐寺。桜の時期は、数種類の桜が順番に咲き、3週間程度の花見が楽しめます。桜だけでなく、四季折々の姿を楽しめて素晴らしいですが、有名だけに花の季節は混雑する点だけお気をつけくださいね。

【スポット情報】
「醍醐寺」
住所:〒601-1325 京都市伏見区醍醐東大路町22
TEL:075-571-0002
拝観時間:3月1日~12月第1日曜日 9:00~17:00
12月第1日曜日~2月末日 9:00~16:30
拝観料:3か所共通券(三宝院・霊宝館・伽藍)
通常 800円
秋期/春期 1500円
アクセス:地下鉄東西線 醍醐駅 徒歩14分
定休日:なし
URL:https://www.daigoji.or.jp

深草少将ゆかりの欣浄寺

随身院から少し離れてしまいますが、伏見深草の地に、深草少将の居住地と伝えられる欣浄寺(ごんじょうじ)があります。GoogleMapで随心院から欣浄寺までのルートを見てみると約6km。距離だけ見るとまあ歩けない距離ではないと思われるかもしれませんが、この道は高低差があり一つの山を超えていくことになります。毎晩通うのはかなり大変だったのではないでしょうか。

欣浄寺は「墨染桜」が有名で、毎年桜の時期になると境内に入れますが、通常の時期は拝観時に予約が必要になります。

見どころは2点で、まずは「伏見の大仏」と呼ばれている御本尊の廬舎那仏像。そして、小野小町と深草少将の塚ですね。体力に自信がおありでしたらぜひ深草少将の大変さを身をもって体験するために歩いてみてはいかがでしょう。99夜まで毎日小野小町の元まで通えていたのに、最後の夜に吹雪で倒れたという深草少将の無念さが少しは理解できるかもしれません。

【スポット情報】
「欣浄寺」
住所:〒12-0083 京都府京都市伏見区西桝屋町 京都府京都市伏見区西桝屋町1038
TEL:075-642-2147
拝観時間:10:00~16:30
拝観料:志納金
アクセス:京阪電車 墨染下車 徒歩2分
定休日:なし

5.梨木神社(京都市上京区 神宮丸太町駅)

出典:commons.wikimedia.org

梨木神社は、明治維新で活躍した三条実美とその父である三条実萬が御祭神となっている神社です。尊王攘夷派の公家として有名なのは子の三条実美ですが、元々王政復古を唱えていたのは父の三条実萬だとか。三条実萬は菅原道真公と称えられるほど学問に秀でていたため「今天神様」とも呼ばれていたそうです。

境内には、日本最初のノーベル賞受賞者の湯川秀樹の歌碑があるほか、萩の美しい場所として知られています。明治の始めに建立された神社ですが、境内はゆったりしていてあまり混まず、気軽に京都らしさを楽しめる場所としておすすめです。

【スポット情報】
「梨木神社」
住所:〒602-0844京都市上京区寺町通広小路上ル
TEL:075-211-0885
拝観時間:6:00~17:00
拝観料:無料
アクセス:京阪電車 神宮丸太町駅 徒歩15分
定休日:無休
URL:http://nashinoki.jp/

京都の名水事情

梨木神社は、かつて京都三大名水と言われたうちの一つ「染井」(そめのい)があり、今でも甘くおいしい、茶道にぴったりの名水が出ている神社として有名です。かつてあったもう2つの「県井」(あがたい)と「醒ヶ井」は枯れてしまったそうで、今でも残っている貴重な名水でもあります。

他に名水として有名なのは、本記事でも紹介している松尾大社の「亀の井」と御香宮神社の「御香水」です。余裕があるならこれらの神社も回って名水巡りをしてもいいかもしれませんね!

すぐ西側に京都御所 足を伸ばして下鴨神社にも

出典:pixabay.com

梨木神社のすぐ西側が京都御所です。三条実美を始めとして、この辺り一帯は公家屋敷が多かったのでしょう。少し歩けば、下鴨神社も刊行できる距離です。

下鴨神社はかなり規模の大きい有名な神社で、摂社もユニークなものが多く、摂社巡りも楽しいのが特徴。もし余裕があればぜひ足を伸ばしてみてください。

【スポット情報】
「下鴨神社」
住所:〒606-0807 京都府京都市左京区下鴨泉川町59
TEL:075-781-0010
拝観時間:6:30~17:00
拝観料:無料
アクセス:京阪電車 出町柳駅 徒歩12分
定休日:無休
URL:http://www.shimogamo-jinja.or.jp/

6.御香宮神社(京都市伏見区 桃山御陵前駅)

出典:commons.wikimedia.org

梨木神社でもちらりと名前が出た御香宮神社(ごこうのみやじんじゃ)は、地元では「ごこうぐう」と呼ばれ親しまれている伏見の総鎮守です。御祭神は神功皇后、古くからゆかりのある古社で、「御香宮」の名付け親は清和天皇なのだとか。

今でも境内にこんこんと湧き出ている「御香水」は環境庁名水百選にも選ばれており、今でも地元の人たちが汲みに来ているおいしい軟水です。良質の水が湧き出ていているからこそ、伏見の地には日本酒の名産地として酒蔵が集まっているのでしょう。

本殿は、美しい彩色が施されていて、眺めているだけでもとても楽しいです。また、毎年10月初旬には神幸祭(伏見祭とも言われる)という伏見随一の祭りがあり、花傘行列が華やかに練り歩くさまも堪能できます。

広大な境内というわけではありませんが、地元密着型の神社として伏見の人たちに愛され、普段の京都を感じられる神社の一つです。

【スポット情報】
「御香宮神社」
住所:〒612-8039 京都府京都市伏見区御香宮門前町174
TEL:075-611-0559
拝観料:無料
アクセス:京阪電車 伏見桃山駅 徒歩5分
定休日:無休
URL:http://www.kyoto-jinjacho.or.jp/shrine/09/040/

静かに散策を楽しめる伏見桃山陵と乃木神社

出典:commons.wikimedia.org

御香宮神社からの鳥居から緩やかに上る坂をしばらく歩くとJRの桃山駅が見えてきます。それをさらに超えてしばらく歩くと、伏見桃山陵と乃木神社に到着です。この辺りはもともと伏見城のあった場所。明治天皇はこの場所がお好きで、ここに埋葬するようにと遺言されました。

広大なこの土地は、ゆっくり散策する地元の人や、ジョギングする人たちがちらほらみられる程度でとても落ち着いた雰囲気です。300段近くある石段を登った一番上からの眺めはとてもよく、京都南部を一望できます。明治天皇もこの眺めを見て、ここを墓所にしたいと思われたのでしょうか。

明治天皇のお墓のそばに寄り添うようにして建立されているのは乃木神社。明治天皇の崩御の際に殉死した乃木希典大将が御祭神です。どちらも観光地化されておらず見かけるのは地元の人ばかりですが、散策にはとても気持ちがいいですよ!

【スポット情報】
「乃木神社」
住所:〒612-8028 京都府京都市伏見区桃山町板倉周防32
TEL:075-601-5472
拝観時間:9:00~17:00
拝観料:宝物館100円 内苑100円   
アクセス:JR奈良線 桃山駅 徒歩10分
定休日:無休
URL:http://nogi-jinja.jp/web/

「伏見桃山陵」
住所:〒612-0831 京都府京都市伏見区桃山町古城山
TEL:075-601-1863
拝観料:無料
アクセス:JR奈良線 桃山駅 徒歩20分
定休日:無休
URL:http://www.kunaicho.go.jp/ryobo/guide/122/index.html

7.車折神社(京都市西京区 車折神社駅)

出典:www.flickr.com

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「車折神社」(くるまざきじんじゃ)は、嵐山にほど近い、金運・開運の御利益が有名な神社です。境内社の「芸能神社」が芸能の神様ということでかなり脚光を浴びているため、車折神社=芸能の神様、という印象を持たれている方も多いのかもしれませんね。

ここで注意したいのは参拝の順番。実は、芸能神社は車折神社の摂社なので、参拝の順番を間違えないように気を付けましょう。まずは、「清めの社」で穢れを落としてから車折神社の本殿へ参拝し、その後芸能神社に参拝する、というのが正しい順番なのです。

車折神社本来の御利益である金運・開運については、冬至から立春の間にだけ授与される一陽来復のお札&お守りの効果で実感します陰の気を遠ざけて陽の気を迎えることで開運を、一粒万倍の御利益でお金に不自由しないという素晴らしいご利益が…!この時期以外の場合は、祈念神石で願い事を叶えるのもいいでしょう。

芸能神社は、玉垣に書かれた芸能人の名前がそうそうたるものですので眺めているだけでも楽しいですよ。あまり広くはない神社ですが、少し目立ちにくい場所にあるせいか、観光客もそこまで押しかけている雰囲気ではありません。

【スポット情報】
「車折神社」
住所:〒616-8343 京都市右京区嵯峨朝日町23
TEL:075-861-0039
社務所受付時間:9:00~17:00(正月期間は異なる)
拝観料:無料
アクセス:京福電車 車折神社駅 徒歩5分
定休日:無休
URL:http://www.kurumazakijinja.or.jp

近くに松尾大社と華厳寺(鈴虫寺)

出典:www.matsunoo.or.jp

車折神社から少し足を伸ばせば有名な「松尾大社」に到着です。松尾大社はお酒を始めとした「醸造」の神様で、いくつもの酒樽が奉納されているのが分かります。

少し離れた場所には「鈴虫寺」の愛称で親しまれている「妙徳山 華厳寺」もあります。秋になると鈴虫の音色が心地良く響き渡るためこのように呼ばれるようになったのだそう。定期的に開かれる「鈴虫説法」も楽しみの一つです。

【スポット情報】
「松尾大社」
住所:〒616-0024 京都府京都市西京区嵐山宮町3
TEL:075-871-5016
拝観時間:平日/土曜 9:00~16:00
日曜/祝日 9:00~16:30
拝観料:庭園/神像館共通 500円
アクセス:阪急電車 松尾大社駅 徒歩3分
定休日:無休
URL:http://www.matsunoo.or.jp

「華厳寺」
住所:〒615-8294 京都府京都市西京区松室地家町31
TEL:075-381-3830
拝観時間:9:00~17:00まで(入門は16:30まで)
拝観料:500円
アクセス:阪急電車 松尾大社駅 徒歩15分
定休日:無休
URL:http://www.suzutera.or.jp

8.千本釈迦堂(京都市上京区 京都駅からバス)

出典:www.daihoonji.com

千本釈迦堂で知られる大報恩寺は、花街の一つとして知られる上七軒のそばに位置しています。千本釈迦堂を建てた大工の棟梁の奥様「阿亀(おかめ)」の伝説が残っていて、「おかめ」発祥の地として知られています。

その逸話とは、本堂建築時に夫はポイントとなる柱を短く切り過ぎてしまいどうしたらいいかと悩んでいた夫に、おかめが解決法を提案して夫の窮地を救ったという話。この助言の後、本堂が完成する直前におかめは夫を守るため自殺してしまいます。

おかめは、「夫が素人の自分が提案した方法で工事を進めていたと他の人に知られては、夫の面目をつぶしていしまう」と考えたのだそうです。夫は本堂完成後におかめを偲び、扇におかめのお面をかけたところ、大報恩寺は応仁の乱など物騒な事態も無事だったことから、おかめの面と幸運や開運招福がつながるようになったのでした。

そんな夫想いのおかめの働きで完成した千本釈迦堂。夫の棟梁が創建した当時のままでその威風堂々とした佇いを今に伝えています。

【スポット情報】
「千本釈迦堂」
住所:〒602-8319 京都市上京区七本松通今出川上ル
TEL:075-461-5973
拝観時間:9:00~17:00
拝観料:600円
アクセス:市バス 上七軒下車 徒歩3分
定休日:無休
URL:http://www.daihoonji.com

釘抜地蔵で苦を抜いてもらう

出典:www.flickr.com

by Patrick Vierthaler, on Flickr

千本釈迦堂とは目と鼻の先に、厄を落としてくれるので有名な釘抜き地蔵もあります。開祖は空海上人だということなので、こちらも歴史のある寺院ですね。児童像の御本尊は空海作と伝えられています。

境内にズラリと並ぶ釘抜のお札は圧巻ですので、お近くに立ち寄られた際はぜひとも一度は見てほしい風景ですね。

【スポット情報】
「釘抜地蔵石像寺」
住所:〒602-8305 京都府京都市上京区千本通上立売上る花車町503
TEL:075-414-2233
拝観時間:8:30~16:30
拝観料:無料
アクセス:京都市バス 千本上立売 徒歩3分
定休日:無休

少し足を伸ばせば上七軒、北野天満宮、平野神社

出典:www.kitanotenmangu.or.jp

千本釈迦堂のある上七軒は、祇園に比べるとしっとりと落ち着いた風情があります。今でも多くのお茶屋がありますので、この辺りを散策するのも京都らしさが感じられるでしょう。

そのまま西に進めば、学問の神様としてあまりにも名高い北野天満宮や桜で有名な平野神社もありますので、掛け持ちで回りたいという方も満足できるのではないでしょうか。

【スポット情報】
「北野天満宮」
住所:〒602-8386 京都府京都市上京区馬喰町
TEL:075-461-0005
拝観時間:楼門の開閉時間 4月~9月 5:00~18:00 10月~3月 5:30~17:30
      *毎月25日のライトアップ 日没~21:00
      *秋のライトアップ 日没~20:00
     社務所/授与所 受付時間 9:00~17:00
      *もみじ苑ライトアップ期間中は、9:00~20:00
拝観料:拝観無料(宝物殿 300円)
アクセス:京福電車 白梅町駅 徒歩5分
定休日:無休
URL:http://www.kitanotenmangu.or.jp

「平野神社」
住所:〒603-8322 京都府京都市北区平野宮本町1
TEL:075-461-4450
拝観料:無料
アクセス:市バス 衣笠校前 徒歩3分
定休日:無休
URL:http://www.hiranojinja.com

9.実光院(京都市左京区 八瀬比叡山口駅よりバス)

出典:www.jikkoin.com

出典:www.jikkoin.com

実行院は、京都の奥座敷、大原の里にひっそりと佇む寺院です。大原は紅葉も素晴らしいですが、雪の頃もわびさびを感じさせる風情があります。苔むした緑の絨毯が白く染まり、寒さが大変厳しくなりますが、一人で考え事をしたい時にはうってつけの静寂さが訪れる者を包み込むでしょう。京都は、比較的2月に観光客が少なくなります。どうぞ暖かくしてお出かけください。

実行院内の旧理覚院では、庭園の中央に不断桜が植えられています。秋から春にかけて咲く桜で、こちらでも紅葉と桜の競演が見られるのもいいですね。時期が合えばぜひどうぞ。

【スポット情報】
「実光院」
住所:〒601-1241 京都府京都市左京区大原勝林院町187
TEL:075-744-2537
拝観時間:09:00~16:30
拝観料:700円
アクセス:京都バス 大原バス停 徒歩10分
定休日:1月1日
URL:http://www.jikkoin.com/index.php?data=./data/l10/

三千院・宝泉院・寂光院も風情あり

出典:www.flickr.com

by Bahamut Chao on Flickr

大原には、有名どころの三千院や寂光院、そして少しマイナーですが額縁庭園が美しい宝泉院もあります。いずれもトップシーズンは紅葉の季節ですが、新緑の季節などは観光客も少なく、純粋に京都の風情が楽しめます。いつもは人が多くてとてもではないけど撮影できない、と思っていた風景も、時期をずらしていけばゆっくりと撮影も楽しめるでしょう。

【スポット情報】
「三千院」
住所:〒601-1242 京都市左京区大原来迎院町540
TEL:075-744-2531
拝観時間:3月~12月7日 8:30~17:00 (閉門17:30)
     12月8日~2月 9:00~16:30 (閉門17:00) 
拝観料:700円
アクセス:京都バス 大原バス停 徒歩10分
定休日:無休
URL:http://www.sanzenin.or.jp

「寂光院」
住所:〒601-1248 京都市左京区大原草生町676
TEL:075-744-3341
拝観時間:3月1日~11月30日 9:00~17:00
     12月1日~12月31日 9:00~16:30
     1月1日~1月 3日 10:00~16:00
     1月4日~2月28日 9:00~16:30
拝観料:600円
アクセス:京都バス 大原 徒歩15分
定休日:無休
URL:http://www.jakkoin.jp

「宝泉院」
住所:〒601-1241 京都府京都市左京区大原勝林院町 左京区大原勝林院町187番地
TEL:075-744-2409
拝観時間:9:00~17:00(受付終了は16:30)
拝観料:800円(茶菓子付き)
アクセス:京都バス 大原バス停 徒歩12分
定休日:無休
URL:http://www.hosenin.net

10.妙心寺(京都市右京区 花園駅)

出典:www.myoshinji.or.jp

最後にご紹介する寺院は「妙心寺」。妙心寺は、日本で一番大きな禅寺です。その境内は大変広く、10万坪もの敷地内には生活道路も通っていますので、普通に行き交う人も多いため最初は驚くかもしれませんね。

この広大な敷地に、46もの塔頭がひしめいていて、それぞれが独立した寺院となっていて、おのおの個性があります。妙心寺でもっとも有名な見どころは、法堂・天井の雲龍図で、こちらは国宝の梵鐘、浴室とともに20分間隔で案内付の見学が可能です。

妙心寺は基本的に禅寺ですので庭園もあまりたくさん花を植えず、四季を問わず楽しめる庭園が多いのですが、塔頭の一つ、「退蔵院」は歴代住職がじっくりと庭園を育て、今では四季折々の花が楽しめる状態に。特に見事な枝垂桜は2013年の「そうだ、京都行こう。」のCMにも取り上げらえるほどの素晴らしさです。

また、東林院(075-463-1334)、大心院(075-461-5714)は宿坊の設備があり、電話をした後、往復はがきで申し込むことで宿泊可能です。食事付の場合は精進料理が頂けます。禅寺特有のキリリとした空気に包まれて静かにしていると、かなりディープな京都が感じられるのではないでしょうか。

【スポット情報】
「妙心寺」
住所:〒616-8035 京都府京都市右京区花園妙心寺町64
TEL:075-463-3121(代)
拝観時間:基本自由
     法堂・天井の雲龍図、国宝の梵鐘、浴室(明智風呂)については別途
     9:10~11:50 および 13:00~15:40 20分間隔で案内
     12:30 1回のみ
     
拝観料:500円
アクセス:JR花園駅 徒歩10分
定休日:無休
URL:http://www.myoshinji.or.jp/index.html

落ち着いて京都の情緒を味わおう

あなたの知らない京都は見つかりましたか?いかにも観光地らしい京都もまた楽しいものですが、今回ご紹介した寺社は少し通好みになっているかと思います。いつもとは違う京都の一面に触れて頂けたら嬉しいです。

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植田正治のように、本当に好きなものしか紹介しない、そんなライターに私はなりたい。目下の興味は、旅、写真、おいしいものとにゃんず。

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