仕事とは?人生とは?ハッとさせられるブラックジャックの名言
無免許医師である間黒男(通称ブラックジャック)の人生を描いた大作。
名言ばかりの全242話の中で、印象的な場面を紹介します。
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手塚治虫の代表作
1973年から1978年まで連載された、『ブラック・ジャック』
1話だいたい20ページという少ないページ数の中で、
これだけ感動させられる漫画は他に見つからないと思うほどの名作です。
無免許医として人の命を救うブラックジャックの中には、名言が多くあります。
今回は、その中でも印象的な台詞をいくつかご紹介します。
それを聞きたかった
ある男性の母親の治療に三千万円を要求したブラックジャックに男性が「一生かかってもどんなことをしてでも払います!」と言ったことに対して言った台詞。
ブラックジャックが法外な治療費を要求するのはその人に対する覚悟を聞いているのだと分かる台詞です。
こっちはひとり助けるだけでせいいっぱいなんだ
病院内でテロリストによる犯行があり、ブラックジャックは停電した真っ暗闇の中で手術を行います。
その後テロリストは捕まりましたが、院内の患者が5人死亡したと聞いた後の台詞です。
彼がどれだけ命がけで仕事をしているか、
命を助けるという事に対して真剣に取り組んでいるかが分かる言葉です。
また、非道な行いで命を粗末にする人に対する怒りが静かに伝わってくるシーンですね。
じっさいは一等星よりももっと何十倍も大きな星かもしれないんだ
ある病院で何十年も地味に仕事をしていた医者が、突然の事故に対して的確な処置をし
その処置を見たブラックジャックは驚き声をかけます。
病院の他の職員たちはその医者に対して低い評価をしていましたが、
ある事件をきっかけに彼の評価が見直される…という話。
そんな目立たないけれど素晴らしい仕事をする人たちの事を表してブラックジャックが言った台詞です。
確かにどんな世界でも、目立って功績を挙げる人だけではなく、静かに地味に、
だけど常に正確に仕事をしている人というのは存在しますよね。
どちらが偉いということではなく、きちんと両者が正当に評価される世界であればと感じる作品です。
また、その後にピノコが言った言葉もとても印象的です。
孤独に生きるブラックジャックを唯一理解している相棒だからこそ言える、素敵な例え話です。
死ね
欲にまみれた悪人が、無人島で蛇に襲われているところに言った言葉。
こんなに直球に人を見殺しにするブラックジャックは多分この話くらいでしょう。
(話はここで終わっていますが、本当はこの後助けていたのかもしれませんが…)
ブラックジャックが手術で稼いだお金は、自然保護の為にあちこちの無人島を買い取ることに使っているということもあり、彼は自然をとても大切に思っています。
自然の大切さに気がつかず、自分の欲にしか目がいっていない人に対しては容赦がないところもまた魅力です。
作者自身が感じていたこと
作者の手塚治虫氏は、1953年に医師免許を取っています。
ブラックジャックの話に出てくる、医者という仕事に対する問いかけや生命の重みというのは作者自身が感じていたことでもあるのです。
一話一話に大きな問いかけと人生のヒントが詰め込まれている本作は、是非じっくりと時間のある際に読んでみて欲しい作品です。
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この記事のライター
1987年生まれ。