【スニーカー】不動の人気を誇るナイキ エアジョーダンおすすめ10選

バスケットの神様、マイケル・ジョーダン

マイケル・ジョーダンはNBA、シカゴ・ブルズでの実績からバスケットの神様とされる選手です。15年間の選手生活で得点王10回、平均得点は30点でNBA歴代1位、通算得点は32292点で歴代4位。90年代にブルズを6度の優勝に導き、5度のシーズンMVP、6度のNBAファイナルMVP受賞。また、ロサンゼルス五輪とバルセロナ五輪ではアメリカ代表として金メダルを2度獲得しています。バスケットにおける彼のカリスマ性は突出しており、未だ彼を超える選手はいないと言われています。他にも、高熱でありながら試合に出場し40点以上もスコアする鉄人ぶりを見せたり、オールスターゲームでは人気すぎて味方選手と揉めたり、一度引退したと思ったらMLBに挑戦するなど、まさに彼は生ける伝説なのです。

そんなマイケル・ジョーダンのシグネイチャーモデルがエア・ジョーダン

そんな彼をプロデュースすべくナイキから発売されたシグネイチャーモデルがエア・ジョーダンです。バスケットボール用のスニーカーとして1985年に発売されてから、マイケルの人気とその機能性、ファッション性からバスケットボールをしない人からも人気を得ており、現在に到るまで様々なモデルが発売されています。最近のストリートブームにもエア・ジョーダンが取り入れられているのをしばしば見かけますよね。この記事ではその中から10足を選び、詳しく解説していきます。

AIR JORDAN Ⅰ

ブルズの1984-85シーズンのルーキー、ジョーダンがその初年度からナイキから提供されたのがエアジョーダン１です。個人の名前を商標に取り入れたシューズがナイキから発売されたのは70年代に活躍した陸上選手、スティーブ・プリフォンテーン以来のことでマニアの期待は高まるばかり。カラーバリエーション豊富なラインナップの中で異端児扱いされたのが上のカラーです。当時のNBAでは白地のシューズを着用するのが当たり前でしたが、このモデルは破天荒にも黒地に赤トリム、まさにブルズカラーでした。これに対し、協会は規約違反としてブルズカラーを着用するたびに5000ドルの罰金を彼に課しましたが、ナイキがそれを肩代わりしていたエピソードは有名で、逆にそれを宣伝材料に使った程です。

PS(PLAYER'S SPECIAL)

こちらはプレイヤーズスペシャルです。どこが選手特別仕様になっているかを具体的に見ていきましょう。まず1つ、通常のエアジョーダン1と比べてベロが分厚い作りになっていること。これは試合中に足にかかる負担を軽減するためです。2つめは3/4カット構造になっていることで、通常のものと比べると1/4ほど低く作られています。これは足首の自由度を確保し、かつフィット感を損なわないためで、3/4という微妙な数字からはナイキの研究と試行錯誤が感じられます。

AIR JORDAN Ⅱ

エアジョーダンに新たな価値を見出したかったナイキは高級路線にシフトします。エアジョーダン2はシリーズで唯一のイタリア製で、アッパーには19世紀の女性用ブーツからインスパイアされたイグアナスキンを起用したり、タン裏にはアピール性の高い"MADE IN ITALY"の刺繍など、リッチな感覚を与えています。また、ラグジュアリーとして洗練されているだけでなく、バスケットシューズの性能としても優れています。マイケル・ジョーダンは2年目のシーズン、怪我の影響で試合出場数はわずか18試合でした。これを受けてエアジョーダン2はクッション性能とくるぶしのサポート性能を強化することに特化しています。しかし、クッション性能を高めるためにソールのポリウレタン含有量を高めたことで、加水分解が起こりやすいモデルとして認識されてしまいました。

AIR JORDAN Ⅲ

エアジョーダン3で、ジョーダンシリーズはターニングポイントを迎えます。エアマックスの生みの親であるティンカー・ハットフィールドがデザイナーとしてプロジェクトに参加したのです。当然のことながら、エアマックスに搭載されているビジブルエア構造が3にも組み込まれました。第1世代の3/4カット構造は引き継いだものの、今までのジョーダンシリーズから雰囲気はガラリと変わりました。エアバッグを搭載したことが功を奏し、クッション性能とジャンプ性能が格段にアップ。ティンカー・ハットフィールドのクリエイティビティに魅せられたジョーダンはナイキとの契約更新を決意したといいます。

AIR JORDAN Ⅴ

「23」のロゴ、近未来的なデザインで爆発的な人気を博し、社会現象にまで発展したエアジョーダン5。これを巡って殺人事件が発生したほどです。デザイナーは引き続きティンカー・ハットフィールドで、第二次大戦時の戦闘機「P-51」からインスピレーションを受けたそうです。アウトソールのクリアラバー、アッパーのメッシュパネル、クリア樹脂のレースストッパーには未来的な意図が盛り込まれています。さらに、ミッドソールの模様は躍動感を表すサメの歯をイメージしています。クールなデザインな仕上がった5ですが、残念なことが1つ。クリアラバーパーツを用いて独特のビジュアルを演出することには成功しましたが、経年による黄変が明らかになるや否や、クレームの対象になってしまったようです。

AIR JORDAN Ⅵ

ブルズが悲願の初優勝を遂げたのは1990-91シーズン、その時ジョーダンが着用していたのが6です。漫画「スラムダンク」の主人公、桜木花道が作中で着用していたことでも知られています。ジョーダンに「裸足の感覚」を要望されたティンカー・ハットフィールドはつま先の補強を廃止、インナーブーツ構造を採用してシューズのクッショニングよりも履き心地を重視しました。同時期に発売されたハラチと似た構造をとっていることがわかります。また、サイドのパーツにはパンチング加工施し、通気性の確保に成功しています。

AIR JORDAN Ⅷ

90年代、NBA人気の高まりに伴い、ストリートバスケットのブームが起こりました。体育館での着用を想定したシューズよりも足のプロテクト性能を高めたシューズの必要性を感じたティンカー・ハットフィールドは「エアレイド」を発表。エアジョーダン8はその遺伝子を継いだモデルです。テーピングからインスパイアを受けたベルトが特徴的なデザインをしており、こちらもやはり足のプロテクトに特化しています。しかしながら、そちらの性能に重きを置いた為に重量が嵩み、「これはジョーダンではない、罪人だ(Punisher)だ」とマニアの間で呼ばれたそうです。それでも時代はエアジョーダンバブル。賛否両論ではあったものの売り上げは堅調でした。

AIR JORDAN Ⅸ

1993年7月23日、「バスケットボールでやり残したことはない」と引退を発表。さらにはMLB挑戦を宣言し世間を驚かせました。その翌年に発表されたエアジョーダン9はNBAのコートを踏むことなくお蔵入りになりました。しかしジョーダンは9を自身の野球用スパイクとして改造、着用。ある意味エポックメイキングなモデルと言えます。それに乗じて2002年にエアジョーダン9の野球用スパイクが発売されましたが売り上げはイマイチ。シューズのディテールはというと、ソールの刻印が特徴的で、「世界スポーツ」と刻まれています。当時は漢字ブームだったそうで、かのマイケルジョーダンのシグネイチャーモデルがそれを取り込んだとして注目を浴びました。

AIR JORDAN Ⅺ

MLBへの挑戦が終わりNBAに舞い戻ったジョーダン。1995年のプレーオフでお披露目になったのがこのエアジョーダン11です。それまでバスケットボールシューズはレザー生地が一般的だったのですが、11ではエナメルレザーとナイロンメッシュを使用し。革新的なモデルとして注目され、彼が主演した映画「スペース・ジャム」で着用されたカラーが中でも人気でした。ジョーダンがNBAに復帰したこともあり、シリーズの第2章の幕開け的位置付けとなっています。しかし2011年12月23日、このレトロモデルが発売される日に購入希望者が殺到、店舗破壊や発砲事件に発展しました。エアジョーダン5ほどではありませんでしたが、逮捕者が出る騒ぎになってしまいました。

AIR JORDAN Ⅻ

旭日旗がモチーフのエアジョーダン12は1997年発売。初めてズームエアのテクノロジーが採用されたモデルでもあり、洗練されたデザインとクッショニングに優れた機能が見事に融合したモデルとして根強い人気があります。1997年のNBAファイナル、ユタ・ジャズとの第5戦前日に食中毒にかかったジョーダンはなんとかコートに立ったもののコンディションは最悪でした。それでも意地を見せ38得点をもぎ取り勝利。この試合は"Flu Game"の愛称で語り継がれています。その後何度か復刻モデルが発売されており、2009年のものには"Ful Game"の西暦「97」と得点「38」がプリントされています。

どのエアジョーダンがお好き？

いかがでしたか？全10足を紹介しました。デザインも各々違っており、人によって好みは分かれるでしょう。単にデザインだけでなく当時のジョーダンの思いを馳せて選ぶのもよし、欲しいモデルを全て入手するもよし、です。ファッションに取り入れるのか、コレクトしたものを見て愛でるのか、自分流のジョーダンの嗜み方を見つけてください。