【大人のたしなみ】イタリア流エスプレッソの飲み方
小さなカップで出てくるエスプレッソ。ほろ苦いコーヒーをさらに濃くしたようなコーヒーはイタリアが発祥の地。本場イタリアならではの知られざるエスプレッソの飲み方を紹介します。
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イタリアではコーヒーといえばエスプレッソ
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エスプレッソができたのは1901年。濃厚なコーヒーを淹れるためコーヒーに圧力をかけて抽出する方法を開発したのが始まりです。サイホン式やドリップ式と違い圧力でコーヒーを抽出するので、コーヒー本来の味わいと香りを楽しむことができるのが特徴です。コーヒーはイタリア人の生活の一部。発祥の地だからこそのこだわりの飲み方を見てみましょう。
立ってバールで飲む
コーヒーというと喫茶店に入って座ってゆっくり飲むというのが日本での常識ですが、イタリアではバールと呼ばれるお店のカウンターで立って飲むのが主流です。街を歩けばすぐに見つかるバール。カウンターに立ってエスプレッソをオーダーするとすぐに出てきます。それに砂糖を入れて飲むのですが、注文してから飲み終わるまでが約2分。飲み終わったらスマートにお金を払って出て行きます。エスプレッソとは「速い」という意味があります。コーヒーができるのが速いだけでなく、飲むのもスピーディーなのを表しているのかもしれません。
カプチーノは朝の11時まで
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スターバックスなどシアトル系コーヒーで人気になったカプチーノもイタリアが発祥。エスプレッソに泡立てたミルクを入れて飲みやすく仕立ててあります。イタリアに旅行した時にはせっかく本場だからとカフェで飲みたいところですが、カプチーノはイタリアでは朝ごはんと一緒に飲むもの。朝ごはんの時間が終わるとカプチーノ用の機械を片付けるお店もあります。エスプレッソが強すぎると感じたら、お昼以降はカフェ・マキアートというものを頼みます。エスプレッソ用の小さなカップですが、カプチーノと同じく泡立てたミルクを少したらして出してくれます。
上級者のためのカフェ・コレット
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通常のドリップコーヒーよりカフェインが強いエスプレッソ。イタリア人はそれを1日に3〜5杯飲みます。カフェインは目を覚ます効果とともに体を温める効果があります。それを促進してくれるのがこのカフェ・コレット。「正しい」コーヒーというこの飲み物はエスプレッソに、グラッパと呼ばれるブドウの搾りかすを蒸溜させたお酒を数滴たらしたものをさします。寒い冬に向かうこれからの季節にぴったりの飲み物です。
食後には必ず一杯 消化促進としてのエスプレッソ
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食後のコーヒーは日本でも主流ですが、イタリアでも食事の後には必ずコーヒーを注文します。オリーブオイルがたっぷり入っているイタリア料理の消化を促進してくれるのがこのエスプレッソ。レストランにもしっかりカウンターがあり、エスプレッソマシーンが完備されています。席で座ったまま飲むのもよし、店員と話しながらカウンターで飲むのもよし。エスプレッソでイタリア料理を美味しく締めくくりましょう。
家で作るエスプレッソ モカエキスプレス
どんな小さな街でも必ずバールがあるイタリア。エスプレッソは主に外で飲みますが、家でコーヒーを飲む時ももちろん小さなカップに入れて飲みます。その時に使うのがこのモカエキスプレスです。下の部分に水を入れ、真ん中にある受け皿にコーヒー豆を入れて火にかけます。水が沸騰してコーヒーが上に入ったらそれを小さなカップに移して出来上がり。形もおしゃれで使いやすいので、キッチンに置いておきたい一台です。
苦味は大人の贅沢
通常のコーヒーよりさらに苦いエスプレッソ。これを美味しいと味わえるのは大人ならではの贅沢。イタリア人に倣って色々な飲み方を試して自分らしいエスプレッソの飲み方を見つけてください。
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この記事のライター
イタリア政府公認観光ガイド。本場イタリアからグルメ、ワイン、そしてイタリア男のカッコイイ生き様をお届けします。大手外資系企業で勤務中のある日「トスカーナの風に吹かれたい!」と思いつき、キャリアを捨ててイタリアに移住。フィレンツェ公認観光ガイドとして、大好きなルネサンス発祥の地フィレンツェで、現代にも通じる芸術、歴史、ライフスタイルを紹介しています。Twitterでほぼ毎日イタリアの「生」の情報を提供中。