レクサス新型クーペ「LC500」「LC500h」の価格やスペックまで徹底解説
2017年3月にリリースが開始されたレクサスLC。レクサスのフラッグシップクーペであり、最上級セダンのLSと同格です。BMWの6シリーズやメルセデスのAMG GTなどをライバルとするハイエンドモデル。デビューしたばかりのLCの魅力をご紹介します。
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アイキャッチ画像出典:lexus.jp
レクサスの新時代を切り開く新型クーペLC
2012年にコンセプトモデルLF-LCを発表。2016年に開催されたジュネーブモーターショーでワールドプレミアが行われたLCは、レクサスの新型でありフラッグシップクーペとなります。名称は「Luxury Coupe」の頭文字ですが、「Lexus Challenge」の意味も込められているようです。
モデルは5.0L-V8エンジンを搭載するLC500と、世界初となるマルチステージハイブリッドを搭載したLC500hの2モデル。それぞれにL packageとS packageが用意されています。また既に欧州でLCFの名称が商標登録されていますので、近い将来追加される可能性もあるでしょう。
レクサスとしても初となる新技術を惜しみなく搭載したLC。BMWの6シリーズやメルセデスのAMG GTをライバルとするモデルで、世界に通用するハイエンドクーペです。リリースが開始されたばかりのレクサスLC、その魅力をご紹介します。
エクステリア
流麗にしてアグレッシブでマッシブ。FRスポーツモデルのお手本のようなスタイルで、何処か懐かしさを感じさせる秀逸なエクステリアを実現したのが新型レクサスLCです。FRスポーツの基本に忠実なスタイルで、オーバーハングを切り詰めた四肢と、流れるように気持ちを高揚させるボディライン。レクサスのフラッグシップクーペに相応しいエクステリアです。
レクサスのアイコンであるスピンドルグリルは、グリル上部に向かってメッシュの密度が濃くなるようグラデーションを付けています。このデザインでラジエターに必要な風量を確保しながらよりエレガントなフロントマスクに仕上がりました。
出典:lexus.jp
3眼LEDヘッドライト
出典:lexus.jp
フルLEDリヤコンビネーションランプ
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ポップアップハンドル
ヘッドライトは3眼のLEDで1眼が30mmの小型レンズを採用することで、フロントフェンダーを薄く造ることができました。そしてフロントオーバーハングの軽量化にも貢献、美しい造形と共に先進性をアピールしています。
リヤのコンビネーションランプはフルLEDで、ハーフミラー構造のインナーレンズ技術を応用することでL字モチーフの奥行き感ある光を演出。レクサスのフラッグシップクーペであることを後続車に印象付けます。
ドアハンドルはポップアップハンドルを採用、走行時はドアに格納されるため空気の流れを乱しません。
高剛性ボディ
出典:lexus.jp
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フロントサスペンションタワー
(アルミダイキャスト製)
世界でもトップクラスといわれる高剛性ボディを実現したLC。ステアリング操作に忠実に答える捻じれ特性を持ったボディで、4輪の接地感がスムーズに伝達されることでコントロール性が高まります。
メインの骨格には剛性の高いスチールを採用し、軽量化が可能なパーツにはアルミニウムやCFRPを使用。サスペンションタワーにはアルミダイキャストを採用しており、大幅な剛性アップと軽量化を実現しています。
出典:lexus.jp
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エアロダイナミクスを追求したボディは、空気の乱流が発生しやすいタイヤ周辺をポイントにスムーズに空気を後方に流します。またシャシー下面はフロントからリヤまで広範囲をフラット化。最適なダウンフォースを得てバンパー後方へスムーズに空気が排出されます。
サスペンション
出典:response.jp
フロントサスペンション
出典:response.jp
リヤサスペンション
リニアに応答するステアリングフィールを実現するために、前後ともマルチリンクサスペンションを装備しています。路面からの入力に的確にレスポンスするために、フロントにはアッパーマウントにダブルボールジョイントを採用したサスペンションを採用。そしてフリクションを低減し、スタビリティの高さと上質な乗り心地を両立したリヤサスペンションが組み合わされています。
ブレーキ
出典:lexus.jp
強力なストッピングパワーを生み出すブレーキ。フロントには対向6ポッドアルミモノブロックキャリパーを、リヤには対向4ポッドアルミモノブロックキャリパーをそれぞれ採用します。それぞれに高摩擦パッドを装備し、剛性感があって耐フェード性の高いブレーキシステム。コントロール性が高く、安定したドライビングを約束してくれるでしょう。
ドライブモード
出典:lexus.jp
ドライブモードセレクトスイッチ
スイッチ一つでドライブモードをセレクトすることが可能で、気分や走行シーンに合わせて6種類のモードから選べます。モードはサーキット走行も想定した「Sport S+」から、ワインディングに適した「Sport S」。通常の走行は「Normal」で、乗り心地を重視したモードが「Comfort」、燃費優先の「Eco」とカスタマイズが可能な「Custom」を用意します。
インテリア
内装色:ブリージーブルー
(オプションカラー)
ドライバーとパッセンジャーそれぞれにとって最上級の空間であることを求めて設計されたのがLCのインテリア。ドライバーは緩やかに包み込まれるように、パッセンジャーには開放的であるようにデザインされています。
車との一体感を感じられるように、ドライビングポジションを調節。スイッチ類をはじめとして各部のレイアウトにこだわり、操作感を追求し素材も厳選。インテリア各部がレクサスの匠によって仕上げられています。
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10.3インチワイドディスプレイ
搭載されるナビゲーションシステムはVICS WIDEに対応。気象データや渋滞回避ルートの設定などをリアルタイムで表示します。地図を自動更新するマップオンデマンドを搭載、LTE24通信に対応しWEB検索ができる機能を備えるなど多機能です。
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10.3インチワイドディスプレイのリモート操作を行うタッチパッド。地図の拡大・縮小をはじめ操作メニューを切り替えられるサブファンクションスイッチも備えます。
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ロックボタンのないシンプルなデザインのインサイドドアハンドル。ドアロック時はグリーンのランプが点灯します。
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L字パターンの装飾を施したアナログクロックをダッシュボードに装備。GPS時刻補正機能付です。
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車にドライバーの意思を伝えるステアリングは、匠ドライバーが走り込みを重ねることで最適なグリップ感やフィット感を実現。素早いシフトチェンジが可能なパドルシフトには、マグネシウム材を採用しています。
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(オプションカラー)
シフトにはレクサスのFRモデルとして初めて、エレクトロシフトマチックを採用しています。ショートストロークの小気味よい操作感が感じられるシフトレバー。フィット感や操作性まで匠がこだわって設計し、熟練の職人によって仕上げられています。
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本革やアルカンターラ®などの素材を表皮に使用し、アルミニウムなどの金属部分と見事に調和する設え。パーツ毎に最適なテンションで貼られており、こちらも熟練の職人が手作業で行っています。
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セミアリニン本革シート
(オプションカラー)
フロントシートには着座圧力を最適に分散することを考慮し、凹形状のシートクッションを採用。旋回Gに耐える剛性を持ち、ドライバーの姿勢を保持します。そして機能だけでなく美しさもLCのシートデザインではポイントです。
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上質な質感を追求した電子キー。新開発の素材と金属を組み合わせ、手に馴染む造形の仕上がりです。
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VDA方式で4容量約172Lの容量を確保したラゲッジルーム。画像はLC500hです。
オーディオシステム
出典:lexus.jp
レクサスLCプレミアムサウンドシステム
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ボディを音響空間として捉えることでスピーカーやアンプの配置などは、ボディ骨格の設計時点から組み合せが考えられています。各部の共振特性を考慮してオーディオシステムが配置されており、振動を抑制し密閉度を高めたドアパネルも開発。ダッシュボードに配置されたスピーカーは、ガラスなどへの反射も考慮することでより優れた間接音を再現するために角度や位置がミリ単位で調節されています。
ミッドレンジスピーカーの再生帯域を広げることで、ツイーターやウーファーの再生エリアもカバー。目の前でアーティストが演奏しているような臨場感を再現しています。更にオプションでハイエンドオーディオの代表格ともいえる、マークレビンソン製のリファレンスサラウンドサウンドシステムも用意。LCが珠玉のオーディオスペースになるでしょう。
セーフティ
出典:lexus.jp
プリクラッシュセーフティシステム
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レーンキーピングアシスト
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レーダークルーズコントロール
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SRSエアバッグシステム
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4点式ポップアップフード
充実したセーフティテクノロジーを搭載するLC。歩行者を検知し衝突回避を支援するプリクラッシュセーフティシステムをはじめ、車線のキープをアシストするレーンキーピングアシストを搭載します。
高速走行に便利なレーダークルーズコントロールは先行車を追従するシステム。渋滞時などドライバーの疲労を大幅に軽減します。オートマチックハイビームも装備されており、ヘッドライトのロー/ハイ切り替えも自動です。
万が一の衝突に際しては6つのエアバッグが乗員を保護。ボンネットは4点式ポップアップフードとなっていますので、衝突被害の軽減も考慮されています。
パッケージ
L package
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ルーフ:ガラスパノラマルーフ
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ホイール:20インチ鍛造
(ポリッシュ仕上げ)
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メーターフード:合成皮革
(オプションカラー)
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シート:セミアニリン本革シート
(オプションカラー)
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スカッフプレート:ステンレス
(オプションカラー)
べ-スグレードと同じ価格設定のL packageは、コンフォートなイメージのパッケージです。ボディカラーをホワイトノーヴァガラスフレークなどの指定色にすることで、インテリアにブリージーブルーをセレクトできます。これはL package専用のオプションで、鮮烈なイメージを与えるカラーリングです。
シートは運転席・助手席ともセミアニリン本革で仕立てられた、10Way調整式のパワーシートを装備。ヘッドレストも上下電動調整式です。専用の20incホイールを装備し、よりコンフォートな乗り心地を提供します。
S package
出典:lexus.jp
リヤウィング:アクティブリヤウィング
(格納式)
出典:lexus.jp
ルーフ:CFRPルーフ
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ホイール:21インチ鍛造
(ポリッシュ仕上げ+ブラック塗装)
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メーターフード:アルカンターラ®
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シート:アルカンターラ® / 本革スポーツシート
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スカッフプレート:CFRP
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LDH
(レクサス・ダイナミック・ ハンドリングシステム)
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アクティブステアリング
L packageにプラス100万円の価格設定がされているのがS packageです。よりスポーティなパッケージで、専用の21incホイールやアルカンターラ®のスポーツシートを装備。エクステリアには約80kmの速度で自動的にアップするアクティブリヤウィングを備えています。
S packageには車両を統合制御するVDIMコンセプトに基づいたLDHを搭載。このLDHと呼ばれるシステムはレクサス・ダイナミック・ハンドリングシステムの略称、ギヤ比可変ステアリングや電動パワーステアリングをはじめ、後輪の切れ角も制御します。このLDHによって高速走行時の安定性と、ワインディングなどでのレスポンスの良さを発揮。トルセン®LSDも装備していますので、コーナーからの立ち上がりなどダイレクトで鋭い加速が得られます。
モデル
LC500
出典:lexus.jp
5.0L-V8エンジン
5.0L-V8の自然吸気エンジンを搭載するモデルのLC500。2UR-GSE型エンジン内部はチタン製の吸排気バルブや鍛造クランクシャフト等によって軽量化が図られており、伸びやかなパワー感と安定したトルクを発生します。このエンジンのサウンドはLFA譲りで「天使の咆哮」と呼ばれる官能的なサウンド。エキゾーストシステムが排気の音色と排気圧をコントロールすることで、3種類の高周波音ハーモニーが奏でられます。
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Direct Shift-10AT
右足に即応するレスポンスを持ち、スムーズな加速とダイレクトなシフト感を両立させた「Direct Shift-10AT」を新たに開発。低速域から高速域まで、ほぼ全域でロックアップを作動させることで、マニュアルトランスミッションのようなダイレクト感を実現しています。10速化によって実現したクロスステップは世界最速レベル。パドルシフトのマニュアルモードを備えますが、Dレンジのままでも意のままのドライビングが可能です。
出典:lexus.jp
エンジン油温表示付メーター
主要諸元
車両型式:DBA-URZ100-ACUBH
ボディサイズ:全長4770×全幅1920×全高1345(mm)
重量:1940~2190(kg)
エンジン:2UR-GSE型 V型8気筒
排気量:4968cc
最高出力:477PS
最大トルク:55.1kgf/m
JC08燃費:7.8km
トランスミッション:Direct Shift-10AT
(電子制御10速オートマチック)
駆動方式:後輪駆動
メーカー希望小売価格
グレード:L package
13,000,000円~
グレード:S package
14,000,000円~
LC500h
出典:lexus.jp
3.5L-V6エンジン
世界初のマルチステージハイブリッドモデルであるLC500h。ハイパワーと低燃費を両立させた8GR-FXS型エンジンを搭載しています。ピストンや動弁系パーツの軽量化をはじめ、吸・排気バルブの開閉タイミングを自動的に制御するDual VVT-iを装備。高い燃焼効率を実現したインジェクターのD-4Sを採用するなどして、全域でトルクアップを図っています。
組み合わされる2基のモーターは2NM型の交流同期電動機で、これだけで180PSを発生。変速機構を直列に配置したマルチステージハイブリッドシステムで、力強い加速力を持ち、高速走行時は低燃費と静粛性を両立させたシステムです。
出典:lexus.jp
マルチステージハイブリッドトランスミッション
ワイドレンジで使用できるシステムに合わせたトランスミッションを搭載。こちらは無段変速トランスミッションを10段変速制御することで、LC500用の10速ATと同等の優れたシフトフィールを実現しています。
出典:lexus.jp
DMI制御
先進のマルチステージハイブリッドシステムには更にDMI制御を組合せ。ドライバーの意思を汲み取り、ワインディング走行やブレーキング時は積極的にシフトダウンを行います。そしてスポーツ走行時はバッテリーが出力をアシスト。トルク感のあるアグレッシブな走りが期待できます。
出典:lexus.jp
モーターパワー表示付メーター
主要諸元
車両型式:DAA-GWZ100-ACVBB
ボディサイズ:全長4770×全幅1920×全高1345(mm)
重量:2000~2250(kg)
エンジン:8GR-FXS型 V型6気筒
排気量:3456cc
最高出力:299PS
最大トルク:36.3kgf/m
モーター:2NM型 交流同期電動機
最高出力:180PS
最大トルク:30.6kgf/m
JC08燃費:15.8km
トランスミッション:マルチステージハイブリッドトランスミッション
(電気式無段変速機)
駆動方式:後輪駆動
メーカー希望小売価格
グレード:L package
13,500,000円~
グレード:S package
14,500,000円~
レクサスの新たなチャレンジの先駆けとなるLC
既に次期モデルが予告されているフラッグシップモデルのLS。このLSに先駆けてデビューしたLCはレクサスの新たな時代を切り開くモデルとして注目を集めています。セダン・SUV・クーペとラインナップを充実させてきたレクサス。新型クーペのLCが新世代のレクサスを牽引するモデルとなるでしょう。
※ 掲載内容は2017年5月現在、スペック・価格などは参考です。
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この記事のライター
信州の曲者が集まるCLUB Autistaに所属する道楽者。車と酒と湯を愛し、ひと時を執筆に捧げる。