知らなきゃ損!?メディアで人気のアートディレクター・グラフィックデザイナー10人を現役美大生がご紹介
CMからポスター、パッケージまで私達の身の回りで様々なデザインされたものを見かけるようになり、その制作を手がけたデザイナーにメディアも注目を寄せています。またそのセンスある作品は日本を超え、海外でも高く評価されています。今回はそのようなクリエイティビティ溢れるアートディレクター・デザイナーを現役美大生がご紹介します。
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私たちの生活と関わりの深いデザイナー
ポスターや雑誌、CMなど今や多くのデザイナーの方々による作品が私達の身の回りに溢れ、日々の生活をより楽しく心地よくしてくれています。今回はそのような店頭やメディアなどで見かける素敵な作品を制作したアートディレクター・グラフィックデザイナーを彼らの代表作品とともに現役美大生が10人ご紹介します。
吉田ユニ
東京都出身のグラフィックデザイナー、アートディレクターの彼女。女子美術大学付属中学校・高等学校を経て、女子美術大学芸術学部デザイン科造形計画専攻へ入学。卒業後、大貫デザイン、宇宙カントリーを経て独立。渋谷ヒカリエからラフォーレ原宿から木村カエラ、charaといった大御所とコラボをするなど、人気のある彼女。その人気の理由は彼女の独特な作品テイストにあります。
SOEN / 75 years of girls
出典:artium.jp
ファッション雑誌「装苑」の75周年を記念して制作されたこの作品。装苑のバックナンバー1300冊を使用し、その背表紙一つ一つにモデルの写真をパーツごとに分けて印刷し、貼り付けられています。このように普段見かけるものを違った視点で捉えたり、別の何かに置き換えたりと彼女の作品はどれも独自の世界感を感じます。何よりもCG使用せず全てアナログで制作しているのが驚きです。その制作スタイルが彼女のオリジナリティを生み出しているのかもしれません。
長嶋りかこ
出典:fabcafe.com
茨城県出身のグラフィックデザイナーの彼女。武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科を卒業後、博報堂を経て、2014年に自身のデザイン会社「village®」設立。坂本龍一や坂本龍一、ISSEY MIYAKEなど有名アーティストとコラボしている彼女。感覚的にストレートな作品を手がける彼女の作品は見るものを引き込みます。
Mercedes-Benz Fashion Week TOKYO 2014 S/S
「着飾ることは、描くこと。」というコンセプトのもと制作されたこちらの作品。ファッションとは今の自分を、まだ見ぬ自分を描くものであると想定し、色とりどり様々な幾何学模様でモデルを装飾したこちらのポスター作品。その配色、レイアウトから彼女の持つ美しい直感的センスを感じ取れますね。
池澤樹
神奈川県出身のアートディレクター。武蔵野美術大学デザイン情報学科卒業後、東急エージェンシーを経て、博報堂入社。サントリー、東京ミッドタウン、東急電鉄などとコラボして作品を手がけました。CM映像からパッケージなどの立体まで幅広く仕事を行なっています。
サントリー響「JAPANESE HARMONY」
カンヌ国際クリエイティビティフェスティバルデザイン部門にて銀賞を受賞したこちらの作品。日本人らしい繊細な美をコンセプトに、着物や屏風などに使われる模様「流水紋」を職人お手製の伝統和紙にレーザーで焼き込みを入れて表現しています。紙などに折り込みや切れ込みなどを入れて表現する彼の作品は日本人らしい細やかなクリエイティビティを感じます。
小杉幸一
神奈川県出身のグラフィックデザイナー、アートディレクター。武蔵野美術大学卒業後、博報堂に入社。PARCOや読売、KDDIなどコラボして作品を制作してます。博報堂JAGDA会員、東京TDC会員なども務めています。
パルコアラ
CMなどの広告でおなじみのパルコアラ。このキャラクターデザインを担当した彼。ブランディングを中心に活躍しており、デザインを通じた社会の意識改革、問題解決を目標に制作を行う彼の作品はどれも作品ごとにターゲートの的を正確に捉えています。
平野篤史
神奈川県出身のグラフィックデザイナー、アートディレクター。。多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン学科へ入学し、卒業後にMAQを経て、ドラフトへ入社。TDC賞、JAGDA新人賞受賞など多くの賞を受賞している彼の作品は、とてもポップで多くの人の心を惹きつけています。
LUMINEのネット通販 アイルミネ
ルミネのネット通販におけるブランディングを担当した彼の。メディアで見かけたことがある人も多いと思われます。個性的なファッションに、背中にテレビを背負うなど可愛らしくもインパクトあるキャラクターはとても魅力を感じさせますね。
八木義博
京都出身のグラフィックデザイナー、アートディレクター。京都造形芸術大学情報デザイン学科へ入学、卒業後に電通入社。Panasonicやホンダ、JRを始めとし、国内外問わず幅広く活躍されています。東京ADC賞、佐治敬三賞、毎日広告デザイン賞 最高賞など数多くの受賞歴もあります。
JR東日本「行くぜ、東北。」
駅構内の壁や、電車内で見かけたことがあると感じた人も多いはずのこちらの作品。東北大震災からしばらく立ったあと、活気がなかった東北やそれに対するイメージアップをコンセプトに作られました。綺麗な配色は見る人に確かに明るいイメージを与えますね。
三澤 遥
群馬県出身のグラフィックデザイナー、アートディレクター。武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業し、nendo、日本デザインセンター原デザイン研究所に所属を経て、三澤デザイン研究室として現在活動開始しています。プロダクト、環境、空間などを中心に多岐にわたって仕事をしています。
waterscape
空中と水中での重力や浮力のエネルギーを意識的に構造化し、新しい空間構成を水槽を使用して表現したこちらの作品。独特なオブジェとそれを中心に展開される金魚などの生き物の動きや生態などの関連を探っている、視覚的にも興味をそそられる作品です。
玉置太一
群馬県出身のグラフィックデザイナー、アートディレクター。日本大学芸術学部卒業後、電通へ入社。Google、森永製菓、スカパーなどとコラボし、作品を制作しています。制作に関しては、無意識の中にある自分らしさを大切にしているそうです。
森永製菓 inゼリー「10秒チャージ、inゼリー」
嵐の櫻井翔を起用しているこちらの作品。ウイダーinゼリーの販促広告として、商品の魅力である、「10秒で食べられる」ことをアピールするために飲む姿を高速連写でシャッターを切って表現したそうです。ちなみに何千枚と撮影したため、写真のセレクトに苦労したそうです。
色部義昭
出典:faavo.jp
千葉県出身のグラフィックデザイナー、アートディレクター。東京芸術大学卒業後、同大学の大学院修士課程へ。修了後、日本デザインセンター、原デザイン研究所での勤務を経て、現在は東京芸大非常勤講師の傍ら個人で活躍しています。SDA賞、JAGDA賞、東京ADC賞、D&AD賞、One Show Design賞など多くのデザイン関連の賞を受賞しています。
リキテックスアートプライズ
絵の具メーカーであるリキテックスのアートプライズという公募展のヴィジュアルを担当した際の作品です。表現することの楽しさ、自由さをイメージして制作されました。彼は多くの作品でAXIS Fontを採用しているのが特徴。そのタイポグラフィをうまく取り入れたデザインはとても素敵です。
菊地敦己
千葉県出身のグラフィックデザイナー、アートディレクター。武蔵野美術大学彫刻科中退。在学中に立ち上げたネオ・スタンダードグラフィックスでグラフィックデザインの仕事を始め、のちにブルーマークを設立。ブルーマーク解散後、現在は株式会社菊地敦己事務所を設立し活躍。アートディレクターの傍ら、東北芸術工科大学客員教授も務めています。JAGDA新人賞とADC賞など賞も数多く受賞しています。
青森県立美術館
青森県立美術館のVIのデザインを担当した際の作品。「青い木が集まって森になる」をテーマにロゴやサインなどはもちろん、”あおもりフォント”というオリジナルフォントまでも制作し、美術館全体が彼の手によってスタイリッシュなデザインになっています。
時代を創造する、才あるデザイナーたち
いかがでしたでしょうか。最近メディアでもよくとりあげられているアートディレクター・デザイナーを代表作品とともにご紹介いたしました。大量消費社会となった現代社会で、今や消費者はモノに困ることはほとんどありません。その中で個性的なデザインがなされたものは、消費者に心地よさや感動といった新たな価値の提供をしています。彼らの素敵な作品たちに触れることで、日々の暮らしがより豊かになることかと思います。
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この記事のライター
自己の視野を広げるために、日々勉強中。webとかグラフィックとか色々制作。珍しいものが好きです。