名古屋で絶品天むすが味わえる名店おすすめ5選
海老天のおにぎりである天むすは名古屋名物として全国的に親しまれています。しかし元々は津で発祥した食べ物で、名古屋名物になるまでには長い道のりがありました。今回はそんな天むすの歴史を説明した後、本当に美味しい天むすが食べられる名店を5店厳選して紹介します。昼食、おやつ、お土産にぴったりな天むすをご堪能してみてください。
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アイキャッチ画像出典:www.hotpepper.jp
「天むす」とは
ミニサイズで食べやすい海老天のおにぎり
出典:twitter.com
「天むす」とは名古屋名物の1つで、海老の天ぷらを具にしたミニサイズのおにぎりのことをいいます。
天ぷらに使われる海老は赤車海老という比較的小さな海老で、食べやすいように尾を取った状態で揚げられます。お店によって具の天ぷらが中に入ってるタイプもしくは上部に天ぷらが見えているタイプ、また野菜と共にかきあげにされたものや大葉が添えられたものなど様々なバリエーションがあります。
そして今では当たり前のように名古屋名物として知られるようになった「天むす」ですが、実のところ発祥の地は三重県津市であって本来は津名物なのです。ではなぜ名古屋の名物として知られるようになったのでしょうか?
「天むす」の歴史
津で発祥し名古屋名物になるまでの道のり
「天むす」が生まれたのは1950年代とされていて、最初は三重県津市にある天ぷら定食屋「千寿」にて賄い料理として作られました。「千寿」の店主が、仕事の忙しさから夫の昼食を作ることができなかったときに、手早く作れるということで海老の天ぷらを入れたおにぎりを作ったところ、夫から非常に好評でした。店主はこの経験から発想を得て、その後味付けや見た目など試行錯誤を繰り返した後、裏メニューとして常連客に提供されるようなりました。「天むす」は常連客からの評判も良く正式メニュー、さらには看板メニューとなった結果、「千寿」は1959年に天むす専門店となりました。その後1965年に天むすは商標登録されました。
1980年に転機が訪れます。名古屋市の藤森時計店という時計店が廃業になり、仕事に困っていた時計店の店主は以前偶然「千寿」で食べた「天むす」の味が忘れられず、天むす専門店を開くことを決意します。「千寿」の店主と何度も交渉した後、天むすの作り方を伝授してもらい暖簾分けの許しを得て名古屋で新たに「千寿」が誕生しました。
開店はしたものの全国的には知名度のなかった天むすですが、1982年に中部地方のテレビ番組で特集されると名古屋地区で話題となり、さらに当時名古屋を1つの活動拠点としていた笑福亭鶴瓶が天むすを大変気に入って、東京へ戻る際には必ず手土産として天むすを持ち帰るようになり、東京のメディア関係者の間でも好評となった天むすは全国的に知られるようになっていきました。
つまり、津の「元祖千寿」から名古屋の「千寿」が運命的に生まれ、そこから全国に広がっていったため、天むすは名古屋名物として知られるようになったのです。
てんむすの名店5選
それぞれ個性のある天むすを販売する5店
天むすを販売している店は主に名古屋に集まっていますが、店ごとに特徴を持った天むすを販売しています。
今回はお気に入りの天むすが見つかるよう、厳選した5店を天むすの特徴の違いを説明しながら紹介していきます。また、全国的に多店舗展開をしている店もあり、お手軽に利用できるよう具体的な店舗や購入方法についても説明します。
ご飯、タレ、海老天の素材、製法、バランスそれぞれにこだわりを持った5店をご覧ください。
元祖「千寿」
「千寿」は天むす発祥の店で、原則的には津の本店が元祖の「千寿」となります。
その本店は、近鉄四日市駅から降りてすぐに近くにある近鉄百貨店の1階に位置しています。
「千寿」の商品にはそれぞれ「めいふつ」というラベルが貼られています。「めいふつ」とは初代店主が天むすを絶対に「めいぶつ」として親しんでもらおうという決意のもと、あえて濁点をとり不完全な「めいふつ」と名付けました。今ではすっかり「めいぶつ」となった天むすですが、創業当初の気持ちを忘れないようにと今でも「めいふつ」として販売しています。
「千寿」の天むすの特徴は、まず海老天がおにぎりの中に完全に入っていて外からは見えなくなっていることです。贅沢に2升炊きガス釜で半分だけの1升炊きをしたふっくらとしたお米で小ぶりな天ぷらが包まれており、非常に食べやすいタイプの天むすとなっています。
天むすの付け合わせには国内最高級のふきを丁寧に味付けした伝統のきゃらぶきが添えられています。
「元祖めいふつ 天むす 千寿本店」へのアクセス
住所 三重県四日市市諏訪栄町7-34 近鉄百貨店1F
TEL 059-354-7079
営業時間・定休日 【月~日】10:00~20:00
天むす千寿
「天むす千寿」は、津の元祖「千寿」から暖簾分けの承諾を得て名古屋でオープンした天むす専門店で、天むすが全国的に広まるきっかけとなったお店です。天むすの歴史を説明する際にも書きましたが、笑福亭鶴瓶が東京へのお土産に必ず持ち帰るほど気に入ったのもこちらの天むすです。現在では名古屋市内に9店舗を営業しています。
こちらの天むすの製法は元祖「千寿」から受け継いでおり、基本的には同じなのですが決定的に違う部分は、海老の天ぷらが外に見えているところです。あえて海老の天ぷらを見えるような形で作ることで、こだわりのタレの風味をより深く味わうことができます。
さらに名古屋名物として有名になるにあたり、海老天が入っているとわかりやすいように商品化した工夫が全国的に普及するのに寄与したのかもしれません。
「天むす千寿」へのアクセス(※イートインあり)
住所 愛知県名古屋市中区大須4-10-82 「上前津駅」より徒歩5分
TEL 052-262-0466
営業時間・定休日 【月・木・金・土・日】8:30~18:00(テイクアウト) 12:00~14:00(イートイン)
火曜・水曜定休
「天むす 千寿 近鉄パッセ店」へのアクセス
住所 愛知県名古屋市中村区名駅1-2-2 近鉄パッセ B1F 【名古屋駅】から徒歩2分
TEL 052-561-7426
営業時間・定休日【月~日】10:00~20:30 不定休
「天むす千寿 セントレア店」へのアクセス
住所 愛知県常滑市セントレア1-1 中部国際空港 旅客ターミナルビル 4F 【中部国際空港駅】から徒歩3分
TEL 0569-38-7688
営業時間・定休日 【月~日】8:00~21:00
多香野
「多香野」は1977年に創業の天ぷら屋で、愛知県桜山に店を構えます。今回紹介している天むす店は名古屋を中心とした多店舗展開をしている店が多いですが、「多香野」は桜山の閑静な住宅街の中で地域に根差した営業をしています。
「多香野」は創業以来、天むすをはじめ、明石のくぎ煮や神戸の牛しぐれなど各地の名産品を使ったここでしか味わえないおにぎりを提供しています。店内で「天むす定食」やお好きなおにぎりを味わうのも良いですし、テイクアウトで総菜やおにぎりを持ち帰ることもできます。
全国の名産をタネにしたおにぎりが20種類以上ある中で、看板メニューとなった「多香野」の天むすの特徴は、注文されてから揚げるかき揚げスタイルの海老天です。油を毎日替え、海老とコーンをかき揚げにすることで他にはないカラッとした触感をもたらし、新鮮なサクサク感を味わえます。
「多香野」へのアクセス
住所 愛知県名古屋市瑞穂区駒場町3-8-4 【桜山駅】から徒歩4分
TEL 052-853-0808
営業時間・定休日 【月~日】10:30~15:00 不定休
地雷也
「地雷也」は東京にも店舗を持つ全国的に有名な天むす専門店です。現在は名古屋、東京、近畿地方のサービスエリアを中心に合計20店舗以上を展開し、天むす専門店では最大の規模を誇ります。
「地雷也」はバラエティに富んだ天むすを提供することで知られており、スタンダードな白米の天むす、栄養価の高い黒米の天むす、ピリ辛の高菜を混ぜ込んだ高菜ご飯の天むすと3種類の天むすを販売しています。
さらに商品としての種類も豊富で、オーソドックスな天むす5個入、大勢でおやつとして楽しむのにぴったりの天むす33個入、天むすとこだわりの総菜が入った各種お弁当などがあります。
「地雷也」の天むすの特徴は、ボリュームのある茶色い衣の海老天です。海老を唐揚げにし、濃口の醤油ダレをたっぷりつけた独特な海老天はまさに名古屋グルメらしくボリューミーで濃い味わいを楽しめます。
さらに地雷也は名古屋近郊と東京のエリアで天むす弁当各種の配達を行っています。
※配達・ご予約のご案内
名古屋市内においては合計ご注文金額 10,800円(税込)以上、名古屋市近郊においてはご注文合計金額 32,400円(税込)以上で配達のご注文が可能になります。
東京23区においてはご注文合計金額 12,960円(税込)以上、東京23区以外においてはご注文合計金額 32,400円(税込)以上で配達のご注文が可能になります。
名古屋、東京ともお電話でのご予約は0120-41-1064にて9:00~17:00の間に承っています。
配達に関するより詳しい情報に関してはこちらから
【名古屋本店】へのアクセス
住所 愛知県名古屋市東区徳川1-739 地下鉄【車道駅】1番出口より徒歩15分
TEL 052-934-1064
営業時間・定休日 【月~日】9:00~15:00 不定休
【三越銀座店】へのアクセス
住所 東京都中央区銀座4-6-16 【銀座駅より徒歩2分】
TEL 03-3562-1111
営業時間・定休日【月~日】10:30~20:00
その他の詳しい店舗情報についてはこちらから
すえひろ
「すえひろ」は1986年に創業した天むす専門店です。現在、大阪と東京に1店舗ずつ直営店を持ち、さらに京阪神と関東のデパ地下や駅構内に20店舗以上の取り扱い店を展開しています。
「すえひろ」は個人や企業、団体の様々なニーズに対応できるよう、季節に合わせた商品やパーティ用のセットなど多種多様な天むす商品を開発しています。また、電話やFAXはもちろん、web上でも予約や配達の注文を受け付けており、気軽にお取り寄せできることも魅力です。
「すえひろ」の天むすの特徴は、ぷりぷりの天然海老です。あえてその触感を活かすために綿実油でさらっと揚げ、味付けも薄味にし天然海老そのものの旨味を存分に味わえるような天ぷらとなっています。お米にもこだわりを持ち5つ星お米マイスターが選んだ特選銘柄米を使用しており、出来立てでなくても美味しさが持続するような工夫がなされています。
※配達・ご予約のご案内
すえひろは税込10000円以上のご注文から京阪神、関東エリアへの配達を承っています。
お電話、FAX、そしてインターネットからご注文ができますので、詳しい情報は公式サイトをご覧ください。
出典:ten-musu.net
「天むす・すえひろ 本店」へのアクセス
住所 大阪市福島区福島1-2-23 【新福島駅】から徒歩5分
TEL 06-6454-1808
営業時間・定休日【月~日】6:30~15:00
「天むす・すえひろ 東京キッチン」へのアクセス
住所 東京都江東区亀戸2-7-8 錦糸町駅から徒歩5分
TEL 03-3636-0008
営業時間・定休日【月~日】6:30~12:00
その他の詳しい店舗情報はこちらから
個性のある5種の天むす
元祖千寿は、歴史ある、海老天が隠れた天むす。
千住は、タレの香りが広がる天むす。
多香野は、海老とコーンのかき揚げ天むす。
自来也は、名古屋グルメらしい濃い味付けの唐揚げ天むす。
すえひろは、ぷりぷりの食感をした天然海老の天むす。
以上のように5店それぞれ個性を持った天むすを販売しています。
記事を見てお気に入りの天むすが見つかりましたらぜひお試しください。
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この記事のライター
都内大学に通う大学1年生。サッカーと食べることが好き。