50代男性におすすめの高級時計ブランド10選
50代になりビジネスもプライベートも円熟期を迎える頃。セレクトする腕時計は、歴史と革新的な技術に裏打ちされたハイブランドの逸品をいかがでしょうか。50代の男性におすすめする高級時計ブランドをご紹介しましょう。
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アイキャッチ画像出典:alange-soehne.com
世界のハイブランドから選りすぐりの逸品を貴方の腕に
50代となりビジネスでの成功や、充実したプライベートなどライフスタイルが円熟期を迎える頃。スーツや靴をセレクトするのと同じく、腕時計もハイブランドから気品ある高品質な逸品を選んでみてはいかがでしょうか。
世界三大時計と呼ばれるオーデマ・ピゲ、パテック・フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタンをはじめとした時計のハイブランド。時計産業が発展したスイスを中心に、ドイツや日本にも複雑機構を持つ機械式時計を生み出すマニュファクチュールがあります。それぞれのブランドでは古くからの伝統を守りつつ、革新的な技術によって熟練の職人が造り出す時計をラインナップ。トゥールビヨンやミニッツリピーター、パーペチュアルカレンダーなどのコンプリケーションを搭載したタイムピースも魅力的です。
50代の男性におすすめする高級時計、世界のハイブランドから厳選した10ブランドをご紹介しましょう。
A.ランゲ&ゾーネ(A. Lange & Söhne)
リヒャルト・ランゲ
トゥールビヨン “プール・ル・メリット”
1845年にF・A・ランゲが、ドイツのグラスヒュッテに開いた工房に端を発する「A.ランゲ&ゾーネ」。15人の時計職人を育成しながら次々と革新的な技術を導入し、飛躍的に精度が向上した複雑時計を造り出します。1868年に長男のリヒャルトが経営に参加したことで名称を「A.ランゲ&ゾーネ」に。F・A・ランゲ没後は次男のエミールと共に兄弟で事業を引き継ぎました。
1900年のパリ万博で「百年紀記念トゥールビヨン」を発表し、レジョンドヌール騎士十字章を受賞。その後も複雑機構を搭載した時計を生み出し、1931年には現在でも多くの高級時計に使われているヒゲゼンマイ用合金を開発し特許を取得しました。しかし第二次大戦の混乱期に会社は国有化され、長い空白の時を迎えます。
1990年に4代目のウォルター・ランゲが会社を再興、「A.ランゲ&ゾーネ」の新たな歴史が始まりました。
ご紹介するタイムピースはリヒャルトの名を冠したコレクション「リヒャルト・ランゲ」から「トゥールビヨン “プール・ル・メリット”」。科学研究用のデッキウォッチ復活をコンセプトに造り出された時計で、時刻を3つのダイヤルで表示するデザインが特徴です。高精度なトゥールビヨンと、特許技術のストップセコンド機能を搭載。ドイツで高位な勲章である「プール・ル・メリット」の称号を冠した1本です。
【スペック】
タイプ:手巻き
ケース:φ41.9mm(素材:18Kピンクゴールド)
キャリバー:L072.1(部品数:351、石数:32)
パワーリザーブ:36時間
コンプリケーション:トゥールビヨン
オーデマ・ピゲ(Audemars Piguet)
ロイヤル オーク
トゥールビヨン・エクストラシン
パテック・フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタンと共に世界三大高級時計の一つである「オーデマ・ピゲ」。創業者はJ゠L・オーデマとE゠A・ピゲで、ブランド名は2人の名前から名付けられています。多くの時計ブランドが集まるスイスのル・ブラッシュで1875年に創業しており、現在まで創業家によって経営されている稀有なブランドです。1889年に発表された「ユニヴェルセル」には、パーペチュアルカレンダーやミニッツリピーターをはじめとした複雑機構を搭載。その技術力の高さが伺えます。
1970年代のクオーツショック後に、「オーデマ・ピゲ」を代表するコレクションの「ロイヤルオーク」を発表。その後も自動巻きのトゥールビヨンを開発するなど、複雑機構に挑戦し続けています。そして「パテック・フィリップ」と同じく、製造した全ての時計修理を保証するブランドです。
ご紹介するのは「ロイヤルオーク」コレクションから、「トゥールビヨン・エクストラシン」。アイコンである8角形のベゼルにはバゲットカットダイヤモンドをセット、プチ・タペストリー模様が施されたスモークグレーのダイヤルとのコントラストが印象的です。僅か4.46mmの極薄キャリバーには、高精度のトゥールビヨンを搭載。荘厳なオーラを身に纏った複雑機構のタイムピースです。
【スペック】
タイプ:手巻き
ケース:φ41mm(素材:プラチナ950)
キャリバー:2924(部品数:216、石数:25)
パワーリザーブ:70時間
防水:50m
コンプリケーション:トゥールビヨン、エクストラシン
ブランパン(Blancpain)
ル・ブラッシュ
2322-3631-55B
1735年に創業し世界最古の時計メゾンといわれる「ブランパン」は、開発から製造まで一貫生産を行うマニュファクチュール。創業者J=J・ブランパンが、スイス・ヴィルレ村に工房を構えて数年で飛躍的な成功を収めています。1800年代の初頭には手工業からマニュファクチュールに発展、現在でも使われているアンクル脱進機に移行することで、時計産業界に大きな変革をもたらしました。
1953年にはダイバーズウォッチの先駆けといわれる「フィフティファゾムス」を開発、現在でも多くの海洋活動家を支援しています。1970年代に勃発したクオーツショックとオイルショックによって、ブランドは一時期休眠状態に。1983年にはル・ブラッシュに新しく製造拠点を構え、複雑機構を持つ機械式時計に特化したブランドとなりました。
ご紹介するのは「ル・ブラッシュ」コレクションから「2322-3631-55B」。18Kレッドゴールドのケースにホワイトのグランフーエナメル仕上げのダイヤルが映えるデザインで、精緻な彫刻が目を惹きます。姿勢差制御のために「ブランパン」が独自に改良・復活させたカルーセルを6時の位置にセット。さらに12時にはトゥールビヨンを搭載、高精度な複雑機構が融合したタイムピースです。
【スペック】
タイプ:手巻き
ケース:φ44.60mm(素材:18Kレッドゴールド)
キャリバー:2322(部品数:378、石数:70)
パワーリザーブ:168時間
防水:3.00bar
コンプリケーション:トゥールビヨン、カルーセル
ブレゲ(Breguet)
クラシック・コンプリケーション
トゥールビヨン エクストラ-プレート 5377
1775年に20代の若さでフランスのシテ島に時計工房を設立した「ブレゲ」創業者のA-L・ブレゲ。シテ島はノートルダム大聖堂があるパリの名所、フランス王室をはじめ多くの貴族を顧客に持ち事業を展開していきます。A-L・ブレゲはフランス革命によって一時期フランスを離れますが、1795年に戻って事業を再開。あのナポレオンも顧客であったと伝わっています。
A-L・ブレゲはギヨシェ文字盤やブレゲ針・数字など、現代でも受け継がれているデザインを考案。パーペチュアルカレンダーやトゥールビヨンも「ブレゲ」の発明といわれています。1970年にフランスの宝飾ブランド・ショーメが商標権を取得、その後スウォッチグループ傘下となりました。2000年代に入っても次々と発明を行い、2010年には1時間に72,000回(10Hz)の高振動数を実現します。
ご紹介するのは最高峰のコレクションである「クラシック・コンプリケーション」から「トゥールビヨン エクストラ-プレート 5377」。10時方向に僅かにオフセットされたダイヤルには4種の精緻なギヨシェ彫りが施されており、特徴的なブレゲ針を設えています。5時にチタン製キャリッジと、スモールセコンドを備えたトゥールビヨンをセット。ダイヤル左側には大きく80時間のパワーリザーブを表示、コンプリケーションの名に相応しいタイムピースです。
【スペック】
タイプ:自動巻き
ケース:φ42mm(素材:プラチナ)
キャリバー:581DR(部品数:262、石数:42)
パワーリザーブ:80時間
防水:30m
コンプリケーション:トゥールビヨン
ジラール・ベルゴ(Girard-Perregaux)
ブリッジ
ラ・エスメラルダ トゥールビヨン
1791年にJ=F・ボットが設立した時計工房を起源とする「ジラール・ベルゴ」。当時既にジュネーブ・パリ・フィレンツェにも店を構えており、デンマークやロシアをはじめ各国の王室や貴族を顧客に持っていました。一方で時計職人のC・ジラールは、M・ペルゴと結婚してジラール・ベルゴ社を設立。1859年にはペルゴの弟が横浜にスイス時計の輸入商社を設立しており、日本で最初に正規輸入されたのはジラール・ベルゴ社の時計といわれています。
1889年のパリ万国博覧会で、ブランドを代表するゴールドブリッジを備えた「ラ・エスメラルダ」が金賞を獲得。そして1906年にはJ=F・ボットの時計工房をジラール・ベルゴ社が吸収合併し、新たな「ジラール・ベルゴ」が誕生しました。現在では時計の帝都と呼ばれるスイスのラ・ショー=ド=フォンに社屋を構えています。
ご紹介するのはブランドを代表するコレクション「ブリッジ」の「ラ・エスメラルダ トゥールビヨン」で、パリ万博に出展されたラ・エスメラルダを受け継ぐタイムピース。ピンクゴールド製ケースに精緻なギヨシェ彫りを施したダイヤルが収められ、ゴールドブリッジがセットされます。6時にはスモールセコンドを備えたトゥールビヨンを搭載、「ジラール・ペルゴ」を象徴するマスターピースと呼ぶに相応しい1本です。
【スペック】
タイプ:自動巻き
ケース:φ43.70mm(素材:ピンクゴールド)
キャリバー:GP09400-0004(部品数:310、石数:37)
パワーリザーブ:60時間
防水:3ATM(約3bar)
コンプリケーション:トゥールビヨン
ジャガー・ルクルト(Jaeger-LeCoultre)
レベルソ
トリビュート・デュオ
表ダイヤル
裏ダイヤル
スイスのジュネーブ北側に位置し、多くの名門時計ブランドが集まるル・サンティエ。「ジャガー・ルクルト」の創業者であるA・ルクルトが、この地に工房を開いたのは1833年のことでした。1844年にはより高精度な時計を造り出すため、ミリオノメーターと呼ばれる正確な測定器を発明。1866年には本格的なマニュファクチュールを設立し、あのパテック・フィリップにもムーブメントを供給していました。
1900年代に入り、時計製造者のE・ジャガーに依頼された極薄キャリバーの製作に成功。厚さ1.38mmの懐中時計用キャリバーは、E・ジャガーを通じてカルティエに独占供給されました。その後協力関係が昇華し1937年に「ジャガー・ルクルト」を設立。名優チャップリンとも親交があり、100以上の発明、約400の特許取得、1,000以上のキャリバー開発に成功した高級時計ブランドです。
ご紹介するのはフランス語で「回転」を意味するコレクション「レベルソ」から「トリビュート・デュオ」。ポロ競技者からの依頼によって生み出されたスタイルで、ダイヤルを180°回転させることによって表ダイヤル面をコンシールすることができる時計です。
表ダイヤルはシルバーグレイン仕上げの文字盤に、ドーフィン針とスリムで立体的なインデックスをセットし、6時にスモールセコンドを装備します。そして表ダイヤルと対になる裏ダイヤルは、クルー・ド・パリ模様のギヨシェ彫りで仕上げられたアンスラサイトの文字盤が印象的。6時の位置には、デイ/ナイト表示をセットします。クラシカルでありながら、スポーティなシーンにも似合うタイムピースです。
【スペック】
タイプ:手巻き
ケース:42.9×25.5mm(素材:ピンクゴールド)
キャリバー:854A/2(部品数:160、石数:19)
パワーリザーブ:42時間
防水:3気圧
参考価格:2,349,000円(税込み)
オフィチーネ・パネライ(OFFICINE PANERAI)
ルミノール
マリーナ 8デイズ オロロッソ
1860年にイタリアのフィレンツェで、時計店兼時計工房兼時計学校を開設した「オフィチーネ・パネライ」の創業者G・パネライ。1916年には文字盤を発光させるラジオミールを開発して特許を出願、1949年にはラジオミールに代わる素材としてルミノールを造り出しました。
1950年代には現在でもデザインが受け継がれているブリッジ型のリューズプロテクターを備えたタイムピースが登場。その後も堅牢で頑丈、優れた防水性を持つ時計を開発します。転換期は1972年、社名を「オフィチーネ・パネライ」とし、軍用から民生品にシフト。1993年にはブランドで初めてのコレクションを発表、現在では一貫生産ができるマニュファクチュールとして高級時計を造り出しています。
ご紹介するのはコレクション「ルミノール」から「マリーナ 8デイズ オロロッソ」で、プラチナを含有する特殊合金の5Nptレッドゴールドをケースに採用しています。高い視認性を実現するため、2層ディスク構造のブラウン文字盤にアラビア数字とバトン型マーカーをセット。アイコンであるブリッジ型リューズプロテクターを備え、8日間のパワーリザーブを実現しています。アウトドアやマリンスポーツにも好適、スポーティかつ高品質なタイムピースです。
【スペック】
タイプ:手巻き
ケース:φ44mm(素材:5Nptレッドゴールド)
キャリバー:P.5000(部品数:127、石数:21)
パワーリザーブ:8日間
防水:300m
参考価格:2,451,600円(税込み)
パテック・フィリップ(Patek Philippe)
カラトラバ
5153G-010
1839年にスイスで創業した「パテック・フィリップ」。高級時計の販売からスタートし、1950年頃まではオーダーメイドの懐中時計を製造していました。1951年に創業者の一人A・パテックと時計技師J・Aフィリップの名前から「パテック・フィリップ」に社名を変更。1851年にはロンドン万博に出品、ヴィクトリア女王がペンダントウォッチを購入したと伝わっています。
1930年代に入り「カラトラバ」を発表、ブランドを代表するコレクションであり、高級時計の代名詞としても知られています。その後も「エリプス」、「ノーチラス」など次々とコレクションを発表。ヴァシュロン・コンスタンタン、オーデマ・ピゲと共に、世界三大高級時計を構成するブランドです。
ご紹介するのはブランドを象徴するエレガントでピュアな造形美を誇る「カラトラバ」から「5153G-010」。ホワイトゴールド製のラウンド型ケースには、精緻なギヨシェ彫りを施したシルバーオパーリン仕上げのダイヤルがセットされます。ローターにはコレクションを象徴する騎士団の紋章を刻印、高精度で気品あるタイムピースです。
【スペック】
タイプ:自動巻き
ケース:φ38mm(素材:ホワイトゴールド)
キャリバー:324 S C(部品数:213、石数:29)
パワーリザーブ:45時間
防水:3気圧
参考価格:30,500CHF
ヴァシュロン・コンスタンタン(Vacheron Constantin)
マルタ
82230/000G-9962
1755年に弱冠24歳のJ・M・ヴァシュロンがスイス・ジュネーブで創業した「ヴァシュロン・コンスタンタン」。1700年代の後半には複雑機構を持つ時計を製作、1819年にF・コンスタンタンを共同経営者として迎え社名を変更しました。1839年にはムーブメント製作に革命をもたらしたパンタグラフを発明。その後ブランドのシンボルであるマルタ十字が商標として登録されました。
1900年代に入りジュネーブで最初のブティックをオープン。ブランドを象徴するトノー型ケースが登場し、次々と複雑機構のタイプピースを生み出していきます。1970年に現在の社名である「ヴァシュロン・コンスタンタン」に。世界三大高級時計の一つであり、現在でも創業家による経営が行われているブランドです。
ご紹介するのはブランドを象徴するコレクション「マルタ」から「82230/000G-9962」。ケースはメゾンのシンボルであるアーチを描くトノー型、18Kホワイトゴールド仕様です。ダイヤルはシンプルでエレガントなスタイル、ローマ数字と特徴的な形状のバーインデックスがセットされます。伝統と革新を融合したキャリバーを搭載、世代を越えて愛されるタイムピースです。
【スペック】
タイプ:手巻き
ケース:36.70×47.61mm(素材:18Kホワイトゴールド)
キャリバー:4400 AS(部品数:127、石数:21)
パワーリザーブ:65時間
防水:3気圧
グランドセイコー(Grand Seiko)
SBGD201
1881年に創業した服部時計店をルーツとする「セイコー」。1892年に精工舎を設立し国産時計の生産を開始、1913年には国産で初の腕時計「ローレル」を発売します。1960年に、世界に挑戦する国産最高級の時計造りを目指して初代グランドセイコーが誕生。その後カレンダー機能の搭載や防水性の向上などが図られ、より高精度なタイムピースが造り出されます。
1960年代の後半には月差±1分以内の機械式時計を開発、その後はしばらくクオーツ時計に注力しますが、1998年には約20年のブランクを経て機械式時計を復活させます。そして1999年には機械式とクオーツの技術を融合させた高精度ムーブメント・スプリングドライブの開発に成功。2004年にスプリングドライブ機構を搭載したタイムピースが世に送り出されました。
ご紹介するのは「グランドセイコー」の「SBGD201」で、複雑時計専門のマイクロアーティスト工房が手掛けるタイムピースです。超高精度を実現したスプリングドライブを採用しており、平均月差は僅か±10秒を実現。搭載されるキャリバーは、8日間のパワーリザーブを可能にしています。端正な美しさを湛えるプラチナ製ケースに、ダイヤモンドダストを思わせる純白のダイヤルをセット。日本的な美しさと造形に超高精度が融合した1本です。
【スペック】
タイプ:スプリングドライブ
ケース:51.8×43.0mm(素材:プラチナ950)
キャリバー:9R01(石数:56)
パワーリザーブ:8日間
防水:10気圧
参考価格:6,200,000円(税別)
※ セイコープレミアムブティック、セイコープレミアムウオッチサロン限定
その歴史と複雑機構と高精度を貴方の腕に
長い歴史を持つマニュファクチュールや、超高精度や宝飾品の美しさを表現するハイブランド。貴方の腕で、機械式時計がその内に秘める宇宙を感じてみてはいかがでしょう。
※ 掲載内容は執筆時点、スペック・価格等は参考で変更になる場合があります。
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この記事のライター
信州の曲者が集まるCLUB Autistaに所属する道楽者。車と酒と湯を愛し、ひと時を執筆に捧げる。