アメリカの美しい大自然に驚嘆!命の洗濯ができるオススメのドライブコース10選
アメリカと言えば、車。アメリカと言えば、広大な土地。アメリカと言えば、大自然。その全てを一度に堪能できるのが、アメリカでのドライブです。今回ご紹介するのは、アメリカのドライバーたちに認められている、「走っていて素晴らしい景色が堪能できるドライブコース」10ヶ所。渡米予定のある方、ドライブに興味のある方は必読です!
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ドライブでアメリカの大きさと自然の多様さを実感!!
北はアラスカから、南はフロリダまで。はたまたハワイも含めると、あまりにも広大なアメリカの自然が見せる表情が豊かなのは、至極当然のこと。山あり、谷あり、砂漠あり、川あり、高原あり、海岸あり、と、自然の中に溶け込めるドライブコースが満載です。見渡す限りの渇いた大地や、圧倒的な規模の峡谷を見ながら走る快感は、日本ではなかなか味わえません。アメリカの面積は日本の25倍以上ですから、そのスケールの大きさには太刀打ちできません。
ここでは、アメリカのドライバーがオススメする“走って楽しい、目の保養になるドライブコース”を10ヶ所ピックアップしました。アメリカ人もドライブで景色を楽しみたい場所として人気のところばかりです。渡米した際は、ぜひ車で訪れて、その絶景をご自身の目で確かめてください。
Pacific Coast Highway(パシフィック・コースト・ハイウェイ)
太平洋の絶景を横目に車を駆る西海岸ダントツの人気コース
カリフォルニア州道1号線として知られるパシフィック・コースト・ハイウェイは、完成まで15年をかけ、1934年に開通しました。南はロサンゼルスからカリフォルニア州のほぼ北端まで、約900キロを1本の道路で結んでいます。太平洋の美しい景色を眺めながら起伏の激しい海岸線を走るのは、ドライバーにとっては目の保養にもなり、長時間運転していても飽きないため、アメリカ人が「一度は走ってみたい!」と憧れる人気のコースとなっており、新婚旅行で訪れるカップルもたくさんいるそうです。サンタモニカ、サンタバーバラ、ビッグ・サー、モントレー、サンフランシスコなど、各地で立ち寄れる見どころも満載!北から南に向かうルートが理想とされていますが、もちろん逆でも十分楽しめます。走破するのに少なくとも3日はかかりますが、できればもっと時間にゆとりをもってドライブと景色と観光スポットを楽しんでください。
カリフォルニア州道1号線の地図
パシフィック・コースト・ハイウェイの紹介動画。立ち寄るべきポイントも教えてくれます
Tail of the Dragon(テイル・オブ・ザ・ドラゴン)
アメリカ屈指の難所!「龍の尻尾」と呼ばれるカーブだらけの峠道
「龍の尻尾」を意味する“テイル・オブ・ザ・ドラゴン”は、アメリカ国道129号線のテネシー州とノースカロライナ州をつなぐ18キロ弱の峠道のこと。その名の通り、龍の尾のごとくクネクネと曲がった道で、険しいカーブが連続する難所中の難所です。カーブの数は、全部で318ヶ所!地図をご覧になれば、その道路の形に驚愕することでしょう。
となれば、自慢の運転テクを試そうというドライバーやモーターサイクリストたちがこぞって走りに来るのも当たり前。アメリカでも高い人気を誇るコースとなっています。美しい森のくねった道を駆け抜ける爽快感はここでしか味わえませんが、もちろん事故も多発しており、警察の取り締まりも厳しいので、お出かけの際はぜひとも安全運転で。
テイル・オブ・ザ・ドラゴンをバイクで疾走する様子を撮影したビデオ。きついカーブの連続に、見ているだけで酔いそうになる
Seven Mile Bridge(セブン・マイル・ブリッジ)
フロリダの青い海に囲まれる至福のドライブ体験
セブン・マイル・ブリッジは、フロリダ半島の南端からキーウェストを結ぶ国道US-1号線にある約7マイル(=11キロ弱)の橋です。片側1車線ずつの直線がひたすら続くので、決してドキドキハラハラのドライブが待っているわけではないのですが、果てしなく海が広がる眺めは最高で、とても言葉では表現し切れない絶景の中を走ることになります。マリンブルーの海に白い橋が伸びる光景は非常に印象的で、映画やCMにたびたび使われている名所となっているのもうなずけます。「楽園に続く橋」と呼ばれるのにふさわしいセブン・マイル・ブリッジ。アメリカ、特にフロリダに来て、この至福のドライブコースを体験しないのは実にもったいないことです。
1982年に開通したセブン・マイル・ブリッジ。見渡す限り青い海が広がっている
Blue Ridge Parkway(ブルー・リッジ・パークウェイ)
紅葉に彩られた山脈に心奪われる魅惑のドライブコース
ノースカロライナ州の中心部を貫く全長755キロのブルー・リッジ・パークウェイは、素晴らしい眺望と起伏の多い飽きのこない道路です。「アメリカ東海岸エリアで景色の良い道路は?」と聞けば、多くのアメリカ人がこのコースを挙げることでしょう。このパークウェイがシェナンドー国立公園とグレートスモーキー山脈国立公園を結ぶシーニック・バイウェイ(景勝間道)として建設が完成したのは、1983年。以来、大勢のビジターを魅了してきました。
青葉の頃も十分美しい風景を堪能できますが、一番のオススメは紅葉の秋です。カーブを曲がるたび、目の前に赤や黄色に染まった広大な森が出現する様は、本当に感動ものです。
紅葉の季節にブルー・リッジ・パークウェイをドライブすると、こんな感じ!実際に体験してみたいと思いませんか?
Scenic Byway 12(シーニック・バイウェイ12)
自然が作り出した驚異的な岩の芸術に感動するユタ州道12号線
全米には国立シーニック・バイウェイが98ルートあるのですが、その中でも、最も景色の素晴らしい道路と言われるのが、シーニック・バイウェイ12ことユタ州道12号線です。数あるアメリカの国立公園で最も訪問者が多い言われるザイオン国立公園、膨大な数の自然の石柱を抱くブライスキャニオン国立公園などを結ぶハイウェイは、途中の道でも言葉にできないほど雄大な自然美を堪能できます。長い時間をかけて作り出された地層がむき出し岩壁や岩のアーチといった、日本ではなかなか見ることができない絶景を心ゆくまで楽しんでください。全長約200キロのルートですが、国立公園に入るまでの交通量は極めて少なく、長距離を走っても全く他の車を見かけないこともしばしば。これぞアメリカ!と実感できるドライブコースであることは間違いありません。
シーニック・バイウェイ公式サイト(英語)
シーニック・バイウェイ12を紹介する動画。途中で立ち寄れる様々な名所も紹介している
Route 66(ルート66)
一度は横断してみたいと誰もが憧れる国道66号線
ディズニー映画『カーズ』でもお馴染みのルート66は、アメリカ中東部のイリノイ州シカゴと西部のカリフォルニア州サンタモニカを結んでいた全長3755キロにも及ぶ旧国道。「結んでいた」と過去形で書いたのは、州間高速道路が発達してお役御免となり、1985年に廃線になったからですが、イリノイ州、ミズーリ州、カンザス州、オクラホマ州、テキサス州、ニューメキシコ州、アリゾナ州、カリフォルニア州と8つの州にまたがるこの大陸横断道は、映画や小説、音楽などで幾度となく取り上げられており、アメリカ文化とは切っても切れない重要な道路として活躍してきました。廃線されたとはいえ、今でも多くの人々に愛されるルート66。ゴーストタウンや鉱山跡地、国立公園、博物館など、立ち寄れる場所はたくさんあり、観光がてらに走りに来る人たちは後を絶ちません。
ルート66を紹介する動画。各所で押さえておきたいスポットも教えてくれる
Alaska Route 1(アラスカ・ルート1)
アラスカ1号線でアメリカ随一のワイルドな大自然に触れる
アメリカ最北端の州、アラスカにはシーニック・バイウェイが3つありますが、そのうちのひとつが、ルート1(1号線)であるグレン・ハイウェイ。アラスカには全く手づかずの自然が広がっており、その荘厳さに触れるには、ドライブがもってこいです。頂に雪を抱く山並み、悠久の時の流れを感じさせる氷河、そこに生息するヘラジカや熊といった野生動物など、アラスカにいることを実感させる様々な景色を目にすることができます。アラスカ州には17の国立公園がありますし、氷河クルーズやバラエティに富んだツアーが存在しますので、ドライブだけでなく、いろいろなアクティビティを楽しんでみてください。
Alaska has scenic drives almost everywhere, but here are our picks for the absolute most beautiful views.
アラスカのドライブルートを紹介するHP(英語)
「雄大」という言葉がぴったりなアラスカの大自然。ルート1を紹介するこの動画を見れば、実際にドライブしてみたくなるはず
Hana Highway(ハナ・ハイウェイ)
マウイ島の海岸沿いを走る絶景だらけの約2時間
ハワイのマウイ島北東部の海外沿いを走るハナ・ハイウェイは、全長約85キロ。ドライブの所要時間は2時間半ほどですが、曲がりくねった道路はかなり走りがいがあると言えるでしょう。620ものカーブが随所に点在しますし、59ヶ所ある橋のうち49ヶ所は非常に道幅が狭く、車は1台しか通れません。海と山に挟まれたこのルートでは、美しいビーチや緑豊かな熱帯雨林や豪快な滝をはじめとするハワイの絶景が次から次へと現われますので、最初から最後まで飽きることなくドライブができます。
The road to Hana; a small village in Hawaiʻi, is a must do while on vacation in Maui. Our road to Hana map will show some of the Hana Highway stops too.
ハナ・ハイウェイの楽しみ方をガイドしてくれるHP(英語)
ハナ・ハイウェイを実際にドライブする動画。平和的な絶景とは対照的に、道路はカーブだらけで道幅も狭く、険しいルートとなっている
Pikes Peak Highway(パイクス・ピーク・ハイウェイ)
富士山より高い標高4300メートルの山頂を目指す天空のハイウェイ
コロラド州に位置するパイクス・ピークは、ロッキー山脈の山のひとつで、標高は約4300メートル。富士山よりも高い山となっています。1915年に完成したパイクス・ピーク・ハイウェイは、その山頂を目指す道路で、急勾配な上、曲がりくねった難易度の高いドライブコースです。毎年「パイクス・ピーク・インターナショナル・ヒルクライム」と呼ばれる自動車と二輪車のレースがここで開催されていますが、2016年には、なんと100周年を迎えました。ドライバー、モーターサイクリストには知られた存在で、パイクス・ピークの数々の難しいポイントを参加者が猛スピードで駆け抜けるレースの様子は圧巻です。
もちろん、絶景を楽しみながらのんびりドライブすることも可能。途中で降車してハイキングやボート遊びを満喫し、山頂で作られる有名なパイクス・ピーク・サミットハウス特製ドーナツに舌鼓を打つのが、オススメの楽しみ方です。
遠目にも非常に壮大なパイクス・ピーク。この山頂まで車で行けるとあって、ドライバー、バイカーに大人気のスポット(ちなみに登山鉄道も利用可)
パイクス・ピークの山頂を目指すドライブの様子。景色の美しさに言葉を失う
“モンスター田嶋”の愛称で知られる田嶋伸博氏が走るパイクス・ピークでのレース動画。ガードレールもほとんどなく、片側は断崖の道でこの疾走感!
Woodward Avenue(ウッドワード・アベニュー)
4万台超の車が集結するカーマニアのための夏イベントは必見
最後に紹介するのは、これまでのシーニックなドライブコースとは全く異なる趣となります。「ウッドワード・アベニュー」の名で知られるミシガン州のM-1は、デトロイトからポンティアックまでを結ぶ幹線道路。街中を貫くごく普通の道路で、各所で歴史的な建物などが見られる他は、急カーブがあるわけでもないし、息を呑むほどの美麗な風景が待っているわけでもありません。しかしながら、全米、いえ、世界中のカーマニアが一目置く道路である理由は、毎年夏に開催される車の祭典〈ウッドワード・ドリーム・クルーズ〉にあります。
毎年、4万台を超える車、150万人の人々が集まるこのカーイベントでは、マイカー自慢が自分たちのクラシックカー、カスタマイズカー、高級スポーツカーをここぞと走らせ、はたまた発売前のニューモデルが登場して、沿道の車好きを歓喜させます。その圧倒的な雰囲気は、まさに非日常的でエキサイティング!日本ではなかなかこれだけの規模のカーイベントはありませんので、車が大好きなあなたなら、足を運んでみたくなるはずです。
ウッドワード・ドリーム・クルーズを紹介する日本人の方の個人ブログ
普段のウッドワード・アベニューはこんな感じ。いたって普通の都会の道路
ひとたびドリーム・クルーズが開催されると、地味だったウッドワード・アベニューの雰囲気が一変!
車が不可欠な存在のアメリカだからこそドライブコースも充実
とにかくだだっ広いアメリカは、通勤だけでなく、スーパーや郵便局、銀行、病院といった「ちょっとそこまで」の用足しにも車が必要です。まさに「自分の足」であり、生活にはなくてはならない車は、アメリカ人にとっては、もはや家族の一員、自分の体の一部といっても過言ではないでしょう。常に車を使い、車と暮らす彼らは、通勤用とは別に遊びのためのセカンドカーを持つことも普通ですし、日本でいえば本州縦断レベルの長距離を、飛行機を選ばずに車で数日かけて移動するのを好む人もたくさんいます。そんな車社会の国で、広大な土地と素晴らしい自然を有する地理的条件が揃っていれば、風光明媚な上に、運転するのも楽しいドライブコースがあちこちに整備されたのは当然の成り行きと言えるかもしれません。
日本では味わえない「広さ」と「地形」「文化」、そして「アメリカンカー」を同時に体験できるとあって、渡米後、レンタカーで各地をドライブする日本人観光客の方も少なくありません。日本とは逆で車が右側通行ですし、交通ルールも異なります(州によっても多少違っています)。さらに場所によっては、日本ではなかなか見かけないほどのかなりマナーの悪いアメリカのドライバーもいますし、警察の取り締まりもあちこちで頻繁に行われていますので、どうか安全運転を心がけ、素晴らしい旅の思い出を作ってください。
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この記事のライター
数々のミステリー、アクション小説、伝記本、映画雑誌のインタビュー記事、人気ゲーム関連の邦訳を手がけるキャリア20年の翻訳家。小学2年で読書の悦びに目覚めた本の虫で、読書と翻訳作業で培った知識は、映画、海外ドラマのショウビズ関係はもとより、生物学、医学から欧米の文化、政治、歴史、犯罪、銃器、ミリタリーなど広範囲に及ぶ。日々の生活で「一日一善、一日一爆笑、一日一感動」を心がけ、読者を笑顔にし、読み手の胸に染み入る文章を目指す。米国フロリダ州オーランド在住で、映画、海外ドラマ、アメリカンカルチャーなどの旬な情報も随時発信。