これぞ大人の映画!風立ちぬの魅力を振り返る【金曜ロードショー】
やっとだ。やっと来たよ。2月20日の金曜ロードショーで「風立ちぬ」が地上波初放映。何度も見ました。この魅力が一気にお茶の間に広がると思うと興奮が収まりません。まだ見てない方のために予備知識や見どころを提供したいと思います。宮崎駿マンセー。
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アイキャッチ画像出典:si.wsj.net
風立ちぬのあらすじ
出典:www.wsj.com
かつて日本で戦争があった。大正から昭和へ、1920年代の日本は、不景気と貧乏、病気、そして大震災と、まことに生きるのが辛い時代だった。そして、日本は戦争へ突入していった。当時の若者たちは、そんな時代をどう生きたのか?イタリアのカプローニへの時空を超えた尊敬と友情、後に神話と化した零戦の誕生、幸薄の少女菜穂子との出会いと別れ。
この映画は実在の人物、堀越二郎の半生を描くー。
堀越二郎と堀辰雄に敬意を込めて。
生きねば。
風立ちぬの見どころ
主人公のモデルは複数いる
主人公ですが、実在するゼロ戦設計者、堀越二郎がモデルです。また同時代に生きた文学者の堀辰雄の人生も組み合わされているんです。なので実話ベースのフィクションとなっています。夢を追う二郎、愛に生きる辰雄まったく異なる人生の融合です。
これだけじゃないんです。なんと監督である宮崎駿の父の人生も織り込まれているんです。宮崎の父は、幼いころに関東大震災に遭い、その後前妻を結核で亡くしているんです。さすが世界の駿。3人の人生を1人の主人公に集約しているんですね。
主人公の声優はエヴァの監督、庵野秀明(あんのひであき)
宮崎アニメといえば、意外な声優キャスティングで有名です。たとえば「となりのトトロ」ではコピーライターの糸井重里や、「ハウルの動く城」ではアイドルのキムタクが起用されたりしてますね。今回のメイン声優を務めるのは庵野秀明(あんのひであき)。
「だれ?」
この方、当時若者の間でカルト的人気を誇った「エヴァンゲリオン」の監督です。そう、声優なんてまったく経験したことない方なんです。
当初、二郎役の声優を決めかねていた時に、
プロデューサーである鈴木敏夫が別件であったばっかりの庵野秀明を声優に起用してはどうか?
という苦し紛れの起用を宮崎駿に提案。
これに目からウロコが落ちた宮崎駿が、庵野秀明に即座にオファー。
「冗談だと思った」
という庵野秀明をよそに、宮崎駿はGOサインを出しました。
昭和の香りを強く感じる
映画の至るところで、当時の昭和の文化を感じることが出来ます。たとえば、タバコ。登場人物の皆さん、そこらへんで、大量にタバコを吸っています。今では考えられない光景です。禁煙推進団体が抗議するほどですから。また作中に出てくるお菓子の「シベリア」。この餡子をカステラで包んだシンプルなお菓子は、昭和初期に子供達が食べたいお菓子ナンバー1に選ばれるほど、とても人気があったものだそうです。
大人にこそ魅力が伝わる
この映画のキャッチコピーは、「生きねば」。夢も愛もすべてを失った主人公は、それでも生きることをやめません。生きなくてはいけないという主人公の強い意志が、このキャッチコピーには表れています。
たしかに生きることに理由を探す必要はないのかもしれません。美味しいワインがあればそれだけで十分生きていける気がします。
言葉だけではこの映画の魅力を語ることは到底できません。
皆さん、是非その目でこの映画を観てください。
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この記事のライター
新しい物好きなうざかわ系アラサー男子。男子校で男に囲まれてきた反動から、大学以降は女性にモテることのみを考えてます。でも基本シャイなんでうまくアプローチできません。外資系メーカー→MBA→国内インフラ企業と経験。英語も話せる真面目な人間。