通勤も遊びもこだわりを。原付ベスパの基礎知識
自動車の免許があれば、誰でもかんたんに公道を走ることのできる原付。昔のいかにも原付、というデザインではなく、最近のものはおしゃれなモデルが続々と登場しています。しかし、格別な存在となっているベスパ。ヴィンテージ感や独特のデザインは孤高の存在です。今回はそんなベスパについての基礎知識をつけておきましょう。
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知ってるようで知らない!実は「ベスパ」はメーカー名ではない
そうだったの? という声が聞こえればありがたいのですが、意外と多くベスパをメーカー名だと思っている方が多いようですが、ベスパはモデル名です。ちなみにメーカー名は「ピアジオ」というイタリアのバイクメーカーで、ベスパを始め「チャオ」という、自転車にエンジンが付いている(ペダルもあります)モペットという小型のバイクや「ジレラ」というスクーターなども有名となっています。
バイクに詳しい方でも、ピアジオもベスパも知っているけど、ベスパはピアジオのバイクであるということを知らない人もいるほどあまり浸透していないのも事実です。そんなベスパは80年代頃に、日本へ大量に輸入され、世界的に見ても日本はベスパ天国だったりします。
このことから中古バイクサイトなどで検索しようとしても、メーカー名に「ベスパ」という項目がないので注意してください。「ピアジオ(Piaggio)またはピアッジオ」と表記されているはずです。
原付免許で乗れるベスパのモデル名
原付免許では49cc未満であることが条件となりますが、ボディーサイズは同じでも、実は90ccだった、ということもあるので注意しましょう。モデル名としては「50S」「50Sビンテージ」「50SS」「50R」「PK50」が2サイクルエンジンのヴィンテージモデルです。実はベスパシリーズは、現在も販売されており、それらはちょっと現代的な改良ご施されているので、イメージと違うと感じる方も多いようなので、今回はあえて触れません。ちなみに「PK50」のみスクーターでそれ以外はハンドシフトのギア付きとなっています。PK50は松田優作さんが探偵物語で乗っていたタイプです(排気量は異なりますが)。
それ以外の50シリーズは、カフェなどに飾ってあるいかにもベスパなタイプで、モデル名は少し違いますが、見た目はほぼ同じとなっています。
ベスパのハンドシフトって?
ベスパのギア付きは、一般的な足でおこなうギアチェンジではなく、手で動作します。もちろんクラッチがついており、シフト操作は全て左手が担うかたちです。60年代頃のベスパは3速ギア、90年代頃に復刻されたベスパは通称「再生産モデル」といわれ、4速ギアとなっています。
シフトパターンは1速→N→2速→3速→4速となっており、一般的なバイクとパターンは同じです。しかしそれを手首を返して操作するので、クラッチ操作しながらのシフトチェンジに慣れないと、手首の筋肉をつってしまうことがあるほどくせ者です。
ちなみにブレーキは右手でフロントブレーキ、これは一般的なバイクや自転車と同じですね、リアブレーキは右足付近にあるペダルでおこない、スムーズに動作するにはコツが必要です。
これは知っておきたい!ベスパは給油が大変なのです
これも知らない方が多いと思います。PK50以外のベスパは、ガソリンを入れた分だけエンジンオイルをガソリンタンクに注入しなければいけません。何リッターガソリンを入れたのか、をしっかり覚えておいて、その2%の2サイクルエンジンオイルを計量カップで測って、注入します。この作業はベスパの醍醐味でもありますが、手が汚れたりするので嫌になる人も・・・。
なんだか面倒だなと思いましたか?
確かに面倒に感じるかもしれません。日本車ならいちいちエンジンオイルを混ぜる必要はありませんし、スクーターなら手首一つ返せばスピードは上がっていきます。ベスパのように左手が疲れることもないでしょう。しかし、その苦労が、大人のゆとりではないでしょうか?
車体価格もすでにプレミアがついており、20万円ほどと、一般的な中古車の2倍くらいの価格となっています。そしてちょっとパワーも不足気味に感じるでしょう。なにぶん基本設計が1960年代のままですから・・・。
とはいえベスパはベスパ。ただの足代わりの原付ではなく、ファションアイテムとしても見逃せません。この記事を参考に、ベスパに乗ってみませんか?
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この記事のライター
自動車、バイク、アパレル関係のお仕事に携わっておりました。その経験を生かしライター活動をさせていただいております。