今更聞けないREDWINGのアイリッシュセッターの見分け方
REDWINGと言えばアイリッシュセッターシリーズがありますが、種類が多く分類や違いがややこしいアイリッシュセッターシリーズをわかりやすく紹介していきます。これからの秋冬のファッションに取り入れる際の参考になればと思います。
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アイキャッチ画像出典:redwingheritage.jp
そもそもアイリッシュセッターとは
アイリッシュセッターはREDWINGが1950年に設立されたのちに人気のでたクラシックワークブーツをシリーズ化する際に名付けられたシリーズの名前です。当時のアイリッシュセッターは毛並みが同名の猟犬の毛並みにレザーの色が似ていた為この名前がつきました。
アイリッシュセッターは曖昧な定義が多いですがこの記事は主にREDWINGがアイリッシュセッターシリーズとして販売していたものやアイリッシュセッターのタグが付いているものをアイリッシュセッターとします。
またアイリッシュセッターのそれぞれの違いは革のなめし方や染色の違いなど革の加工が違うのでここでは革の違いとして紹介していきますが基本的には色の違いとして認識していただければと思います。
誕生初期のアイリッシュセッター
そもそも当初のアイリッシュセッターはオロラセットレザーと呼ばれるセコイアの樹皮を使いなめしたオレンジが強い赤茶のレザーでした。
現在も残っている1950年代の初期クラシックワークモックトゥ”アイリッシュセッター”オロラセット875
現在はほぼ入手は難しくなっています。
アイリッシュセッターの変遷
2種類のアイリッシュセッター
1996年頃、突然今までのオロラセットポーテージレザーが赤みの強い赤茶色のレザーに変更になり、これはオロラセットレザーではない、との声が多くなり元の色に近いレザーを製作し販売したのがオロイジナルレザーです。
いままでの色のレザーがオロイジナルに変更になり、赤みの強い新たなレザーがオロラセットポーテージの名前になりました。
おすすめのお手入れ方法としてはREDWINGから販売されているオールナチュラルレザーコンディショナーをレザーが乾いてきたら薄く指で塗り込んでいただくと深いエイジングが楽しめます。
クラシックワークモックトゥ”アイリッシュセッター”オロラセットポーテージ8875
クラシックワークモックトゥ”アイリッシュセッター”オロイジナル875
オロイジナルからオロレガシーへ
その後オロイジナルレザーの色味が更に薄く変わってきてしまい、また元の色に戻すために製作されたレザーが現在のラインナップにもあるオロレガシーレザーです。またオロイジナルとオロレガシーではシューレースを通す所のハトメと呼ばれる部品の色も違い、オロイジナルレザーのハトメはブラックでオロレガシーレザーのハトメはシルバーです。
クラシックワークモックトゥ”アイリッシュセッター”オロレガシー875
黒色のアイリッシュセッター
1980年頃、カラーバリエーションを求める声が多くなり、いくつかのレザーを製作しました。その中にブラッククロームと呼ばれる黒色のレザーが誕生しました。
ブラッククロームはクロムでなめし青みがかった革にした後に芯まで黒色の染料で染めていました。
おすすめのお手入れ方法としてはこちらもREDWINGから出ているオールナチュラルレザーコンディショナーを指で塗り込んでブラッシングをしていただくと、艶が出て良い仕上がりになります。
クラシックワークブーツモックトゥブラッククロームレザー8179
クラシックワークブーツラウンドトゥブラッククロームレザー8165
現行のアイリッシュセッター
ここからは現在アイリッシュセッターとして販売されているモデルを紹介していきます。
茶芯の誕生
ブラッククロームレザーが生産された後手間や在庫リスクの為、クロムでなめさずに茶色のレザーのまま表面を黒色で染色したレザーが誕生しました。後に現在でも販売されるクロンダイク”茶芯”と呼ばれるものになります。
かつてのクロンダイクレザーはクロムでなめさず茶色の革のまま表面だけ黒色に染色しているので、使い込むと表面の染色が擦れて薄くなり、下地の茶色が出てくるレザーでした。
現在のクロンダイクは環境保護基準などにより、一度クロムなめしをした後、茶色に染色し、その後黒色の染色剤を吹きかけているので、当時は手間や材料費を削減し比較的リーズナブルに入手できたようですが、現在復刻されているものは手間がかかるため、他のラインナップより値段が高い形での復刻となりました。
おすすめのお手入れ方法としてはこちらもオールナチュラルレザーコンディショナーを薄く指で塗り込んでブラッシングしてください。
クラシックワークブーツモックトゥ”アイリッシュセッター”ブラッククローンダイク9874
クラシックワークブーツラウンドトゥ”アイリッシュセッター”ブラッククローンダイク9870
他にもアイリッシュセッターではないですがクローンダイクレザーのブーツでロガーブーツやエンジニアブーツなどがあります。
1950年代の復刻アイリッシュセッター
2011年に当時のアイリッシュセッターを呼び戻す活動が高まり、今の環境保護基準に適したなめしを模索し、1950年代のディテールを再現したゴールドラセット”セコイア”が現代に復刻されました。
こちらのレザーは色がとても変わりやすく手入れの際にクリームやオイルを入れすぎると、すぐに色が濃くなってしまいやすいので、デリケートなレザーですがそのぶん経年変化がとてもわかりやすいレザーです。
おすすめのお手入れ方法としては去年にREDWINGからこのレザーのために販売されているレザークリーム”ニーツフットオイルブレンド”というクリームを指で薄く塗り込んでブラッシングを三ヶ月に一回してもらえるとあまり色を変えずに経年変化を楽しめます。
クラシックワークブーツモックトゥ”アイリッシュセッター”ゴールドラセットセコイア9875
クラシックワークブーツラウンドトゥ”アイリッシュセッター"ゴールドラセットセコイア9871
クラシックワークブーツ8インチモックトゥ"アイリッシュセッター"ゴールドラセットセコイア9877
ペコスブーツ
ペコスブーツとはもともと農作業や牧場、製油工場用の作業靴でシューレースがないモデルです。農作業、牧場が集まった町の名前からペコスと名付けられました。
アイリッシュセッター以外のラインではオロラセットやブラッククローム、スエードなどがあります。
"アイリッシュセッター"9インチゴールドラセットセコイアペコスブーツ9866
カヌーモックトゥブーツ
一見クラシックワークモックトゥと似ているように見えますが、ウェルトと呼ばれるアッパーとソールの間に、水などが入らないようにパイピングが施されており、シューレースの通す所が一番上までハトメではなく上から3つがファーストフックと呼ばれる引っかけるだけで締められる脱ぎ履きしやすい形になっています。
またアッパーのステッチもソールと平行に入っておりカヌーの様に見えることからカヌーモックの名前がつきました。
唯一オロラセットポーテージレザーが現行でアイリッシュセッターに使用されているモデルです。
この秋冬にアイリッシュセッターを
いかがでしたでしょうか。少々ややこしいアイリッシュセッターシリーズの歴史や見分け方を紹介させていただきました。これからの秋冬に備えてこの記事を参考にREDWINGのアイリッシュセッターシリーズを検討してみてはいかがでしょうか。