アイビールック徹底解説！アイビールックの意味からおすすめ着こなしまで

アイビールックとは

1954年にアメリカのハーバード大学・イェール大学・プリンストン大学・コロンビア大学・ペンシルベニア大学・ブラウン大学・ダートマス大学・コーネル大学の8大学のフットボール連盟である「アイビーリーグ」が結成され、彼等が好んで着ていたファッションをアイビールックと国際衣服デザイナー名づけたのが始まりといわれています。
アイビーという言葉の語源は、校舎の壁に茂っている蔦(アイビー)が大学のシンボルであったことから名づけられました。
アメリカナイズされた粋なファッションスタイルは、時代を越えて長く愛されているスタイルです。

アイビーとプレッピーの違い

プレッピースタイルとは1980年代に、アイビーリーグに所属する大学進学を目指すプレパラトリースクール(予備校)に通う生徒たちの間で誕生し、流行したファッションです。
アイビーよりも子供っぽさがあり、カラフルなアイテムが多く、サイズ感もルーズであるため、遊び心あふれるスタイルになります。
その後、プレッピースタイルもアイビーリーガーに好んで着られていたため、両者の違いを明確に定義づけるのは難しいところもあります。
どちらもブリティッシュスポーツスタイルがルーツとされており、より機能的に発展させたものが合理性を好むアメリカの学生の間で流行り、2つのスタイルを確立したのです。

日本でのアイビールック

1960年代になると、銀座のみゆき通りに集まった若者たち(通称 みゆき族)にアイビールックは好まれ、彼らは独特の崩した着こなしをみせました。
ボタンダウンのシャツに3つボタンのブレザー、コットンパンツにスリッポンシューズを履くのが彼らの定番スタイルです。
JUNやJ.PRESSなど若者に人気のブランドが数多くありましたが、やはりVANはアイビールックの火付け役として、他のブランドよりも一歩リードしていたといえます。

アイビールックの定番アイテム

紺ブレザー

シンプルでクラシックなパッチポケットや、ナチュラルショルダーの仕様は古くから愛される普遍的デザインで、3つ釦段返りのデザインこそアイビールックの象徴といえるでしょう。
I型のボックスシルエットは普遍的なデザインであり、胸の部分にワッペンをつけて変化を楽しむのもアイビールックの魅力です。
ボタンダウンシャツやコットンパンツとの相性が良く、合わせてキレイめに着こなすのがポイントです。

紺ブレザーといえば大人の男性ならだれもが一着は持っている、定番のファッションアイテムの1つでしょう。だからこそ、シルエットやデザイン、そしてディテールやコーディネートで差をつけたいおしゃれメンズ必見、ビジネス・カジュアルどちらでも活躍する紺ブレザーのおすすめブランドとコーディネートを紹介します！

ボタンダウンシャツ (オックスフォード)

ブルックスブラザーズ社がボタンダウンシャツ誕生のブランドといわれており、英国でのポロ競技観戦中に選手のシャツの襟が邪魔にならない用に留められていることに気が付き、そこからヒントを得て1900年に初めてのボタンダウンシャツをつくりだしたとされています。
第1ボタンを開けて着ても、だらしなく見えずに、襟がきれいに内巻きの形を維持していることがいいボタンダウンシャツの特徴です。
オックスフォード生地という丈夫な生地で作られたものがアイビールックの象徴ともいえるシャツで、いまやカジュアルシャツの代名詞となり、世界中の人から愛されるシャツになりました。

ビジネスからカジュアルまで、春夏秋冬の幅広い着こなしが魅力的なオックスフォードシャツは、コスパの良い安いものからアメリカ製の本格派まで、様々なブランドが展開しています。おすすめブランドを紹介した後に、定番の白を中心に、ブルーやピンクのおすすめコーディネートを解説していきます。おしゃれメンズはぜひ参考にしてみてください。

ペニーローファー

ローファーは靴ひもを結ぶ必要がなく、楽に脱いだり履いたりできることから、のらくら物、怠け者という意味の英単語の≪loafer≫が語源になっているとされており、知的さと適度な脱力感を兼ね備えており、使い勝手のいい革靴であるのが最大の魅力です。
アイビーリーガーの足元を飾る定番の革靴で、アイビールックの定番シューズとして、今もなお愛され続けています。
甲部分のスリットに、1セントコインを挟むのが当時の定番スタイルであり、日本の若者もこぞって真似をしました。

コットンパンツ

表面だけできめる今のファッションとは違い、アイビールックは何より背中で粋を表現するスタイルでもあったため、尾錠付きコットンパンツが流行しました。
色はオフホワイトからベージュ、ネイビーまで様々な色が選ばれました。
チノパンはアイビールックに子供っぽさや遊び心を加えたプレッピースタイルによく用いられ、コットンパンツの方がきれいめな印象を与えます。
少し細身のパンツを選ぶのがきれいに着こなすコツで、織り目をつけるのも外せません。

アイビールックの髪型

七三に分けたショートヘアで、前髪を上げて固めるのが、当時アイビーリーガーの間で流行した髪型です。
全体的に清潔感があり、スポーティーな印象になるので、すっきりしベーシックな男らしい髪型として現在でも根強い人気を残しています。
分け目をしっかり、もみあげは短め、カチッとしたセットで仕上げるのがアイビーカットです。

アイビールックのコーディネート

≪春夏≫

右の男性は、ロングスリーブのボタンダウンシャツにコットンショーツを合わせ、足元には素足にローファーという定番の夏のキレイめアイビースタイルです。
アイビーのスピリットが質実剛健であることから、パジャマ感覚ではけるショーツが学生の間で人気でした。
最近では、当時よりも丈が短くタイト目なショーツが多く、きれいさを残しながらも現代的にアイビールックが発展してきているといえるでしょう。

アイビールックの基本は、トップスは重めで、下半身は軽めに見せるところにあります。
トップスにジャケットで重さを出しつつも、足元を素足にローファーですっきりと合わせることで、アイビー風のコーディネートに仕上がります。
シャツやショーツの色味や風合いを工夫することで、ジャケットを羽織っても暑苦しくなりすぎない夏の爽やかコーディネートが完成します。

パステルピンクのショーツと合わせたタイドアップスタイルです。
白のメッシュベルトと、同じ色のスリッポンで爽やかさが増すコーディネートに仕上がっています。
シャツやネクタイもパステルカラーで統一しているからこそ、ネイビーのジャケットが際立つというおしゃれテクニックを実践しています。

アイビールックにはトラッドとスポーティーが印象的なチルデンニットもよく合います。
襟と裾に太いラインが入っているのが特徴で、アメリカのテニス選手のウィリアム=チルデンの名に基づいて命名されたといわれています。
ジャケットと合わせてスマートに着こなすことで子供っぽさをなくすことができます。

紺ブレザーに、ホワイトデニムを合わせて爽やかさを出すのもアイビーリーガーに好まれたファッションの1つです。
ボタンダウンシャツにネクタイを締めれば、夏のジャケパンスタイルとしてオンビジネスでも真似できるコーディネートになることでしょう。
1950年代に流行したサドルシューズと合わせることで、よりアメリカントラディショナルスタイルに仕上がります。

≪秋冬≫

秋冬にぴったりのアイビールックは、大人の男性が真似すると好印象です。
カーデガンにあしらわれたワッペンや、あたたかみのあるエルボーパッチはこだわりのあるディテールで人とは違うおしゃれを楽しめます。
寒い季節にはコットンパンツではなくコーデュロイのパンツを合わせることで、季節感を出すこともできます。

コットンのスイングトップもアイビーリーガーに好まれたアイテムの1つです。
全体的に野暮ったい印象ではなくキレイめな雰囲気にコーディネートが仕上がるのもアイビールックの魅力といえるでしょう。
ロールアップされたパンツから覗く白色のソックスは、フレッシュさをアピールしています。

明るいイエローのパンツは、カラフルなアイテムを好むフレッピーのテイストも加わっているコーディネートです。
シンプルなボタンダウンシャツにニットというきちんとしたアイテムに、フレッシュなイエローのパンツを合わせることで、印象をガラッと変えることができ、遊び心が見られるコーディネートに仕上がっています。

オックスフォードシャツの上からラグビーシャツを重ね、チノパンを合わせてまとめたカレッジスタイルです。
オーバーサイズではなく、ぴったりめのサイズ感でキレイに着こなすのがラグビーシャツを着ても野暮ったくならないためのポイントです。
大人の男性が真似しても、知的な印象になるため、ぜひ参考にしてみてください。

アイビールックは、秋冬ビジネスのジャケパンスタイルにも応用することができます。
3つ釦段返りのデザインは、ネイビーでなくとも、アイビーのトラッドさと暖かさを兼ね備えたブラウンのウールジャケットでもぴったりマッチします。
ボタンダウンシャツはカジュアルな印象になるので、スーツスタイルよりもジャケパンスタイルによく合うアイテムです。

アメリカントラッドスタイル

いかがでしたか？
トラッドスタイルは知的さに加え、好印象を与えるのに最適なコーディネートに仕上がること間違いなしです。
アイビールックのスピリットは現在のファッション文化にも受け継がれているので、自分自身でアレンジを加えてアイビールックを楽しんでください！！