建築専門家がオススメするバウハウスを知る名建築10選
明治〜大正へと時代が移り変わった1910年代にドイツで機能主義や工業技術に美術・デザイン性を取り入れ建築的な教育を行った学校:Bauhaus。今回は歴史の流れによりわずかながら14年で幕を閉じたバウハウスの活動の中でも現代美術や近代建築に大きな影響を与えたオススメの名建築10選をご紹介します。
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近代建築や現代美術を知るための雲路 バウハウス”Bauhaus"
Bau:建築 + Haus:家 = Bauhaus:建築家の家
1919年にドイツのヴァイマルに設立された建築・デザイン学校バウハウス。初代学長には当時ベルリンを中心に活躍していた名建築家ヴィルター・グロピウスが勤めたことでも知られ、その功績は建築は使う目的に適する機能的なものである必要があるとの理念の元に機能性を重視しながらもデザイン教育にも力を入れ現在に通じる建築の道筋を築きました。
今回はそのバウハウスを知る上で大切な建築10選をご紹介します。名建築家達の足跡を辿って建築的な思考から仕事や生活に活かせるクリエイティブなヒントを見つかるのはいかがでしょうか?
近代建築の基礎を知るバウハウス資料館
まず初めに紹介するのは、バウハウス資料館です。近代建築の基礎を築いた名建築家たちがバウハウスで学んだ貴重な資料やデザインを見ることができます。
バウハウス創立時の1919年におけるドイツは第1次世界後により疲弊していたにもかかわらず、ヴィルター・グロピウスの主導の下でモダン建築への新たなアプローチを試みたイノベーティブな発想やデザインを垣間見る事ができます。次に紹介するデッザウのバウハウス本校舎と共に建築家のみらなずベルリンで見ておきたいスポットです。
営業時間 : 10:00〜17:00 火曜日を除く
定休日 : 火曜日
web : http://www.bauhaus.de/de/
料金目安:7.5ユーロ オーディオガイド 5ユーロ
場所 : Klingelhöferstraße 14, 10785 Berlin
Nollendorfplatz駅から徒歩15分程
バウハウスの真髄を知るデッザウの本校舎
1919年に開校されたバウハウスは当時保守的な町だったヴァイマールから移り、1925年〜1932年までデッサウに本校舎を構えました。大建築家グロピウスによってデザインされた本校舎には、画期的な開放感のある階段室や、デザインと機能性を融合した椅子や家具などにバウハウスデザインの吐息を今でも感じる事ができる貴重な場所です。
ベルリン中心部から電車で約2時間ほどのデッサウですがバウハウスを本質を知るために訪れたいおすすめのスポットです。また日本語のオーディオガイドがあるもの嬉しい
営業時間 : 10:00〜17:00
定休日 : webで事前確認が必要
web : http://www.bauhaus-dessau.de/de/index.html
料金目安:7.5ユーロ オーディオガイド 5ユーロ
場所 : Gropiusallee 38, 06846 Dessau
ベルリン中心部から電車で約2時間
バウハウスの主役 名建築家グロピウスが設計したマイターハウス
デッサウでバウハウス本校舎と共に訪れたいのが、名建築家グロピウスがマスターの宿泊用に設計を行ったマイスターハウスです。バウハウス本校舎同様に日本語のオーディオガイドもあるので、バウハウスの主要人物や歴史を深く理解する事ができます。
営業時間 : 10:00〜17:00
11月〜3月の期間は11:00〜
定休日 : webで事前確認が必要
web : http://www.bauhaus-dessau.de/de/index.html
場所 : Ebertallee 69-71, 06846
ベルリン中心部から電車で約2時間
バウハウスに泊まるバウハウス校舎学生寮
名建築家ヴィルター・グロピウスが設計を手掛けたデッサウの学寮寮だった一部が宿泊施設として利用できるようになっており、復刻されたバウハウスデザインの家具や内装をより身近に感じる事ができます。
化粧室やシャワーは共同ですが、宿泊料金は50ユーロからなのでデッサウでゆっくりと滞在した人や、バウハウスマニアにおすすめのスポットです。運が良ければオリジナルのベットで寝る事が出来るのも楽しみが広がります。
料金目安:50ユーロ〜
場所 : Gropiusallee 38, 06846 Dessau
ベルリン中心部から電車で約2時間
アメリカで初のバウハウスデザイン建築 グロピウスハウス
デッサウのバウハウス本校舎の設計で世界的にも有名になったヴィルター・グロピウスが、その後ドイツからアメリカに拠点を移し、1930年頃に設計を行ったのがモダニズム建築の代表作でもあるグロピウスハウスです。
外装は洗練されたシンプルさを演出し、内装には生活に配慮した機能的なデザインと当時の最新設備の融合からバウハウスデザインのオリジナティーを垣間観る事ができます。
1937年 アメリカマサチューセッツ州 グロピウスハウス
畔に立つミース・ファン・デル・ローエ・ハウス:別名レムケ邸
バウハウスの中心人物であるミース・ファン・デル・ローエがナチスの台頭で移動を余儀なくされ、その亡命前に建設したのがこの湖畔のそばに立つミース・ファン・デル・ローエ・ハウス:別名レムケ邸です。
2000年から2002年の間に改修工事が行われ今ではモダンアートのエキシビションホールとして利用されています。そのデザインは室内天井高に合わせた高さのある庭につながるガラス窓が特徴的です。
営業時間 : 11:00〜17:00
定休日 : webで事前確認が必要
web : http://www.miesvanderrohehaus.de
場所 : Oberseestraße 60, 13053 Berlin
バウハウス最後の立役者ミース・ファン・デル・ローエが手掛けたベルリン国立美術館
1919年に設立されてバウハウスはわずかながら14年という歴史で幕を閉じた。その最後のバウハウス校長を務めたのがル・コルビュジエやフランク・ロイド・ライトさらにヴァルター・グロピウスを加えて近代建築の4大マイスターの一人がバウハウス最後の立役者ミース・ファン・デル・ローエです。
残念ながら現在は建て替え中のため見る事はできませんが、1968年にミース・ファン・デル・ローエの設計によって建築されたのがベルリン国立美術館です。ローエ晩年の作品であるそのパネルガラスを使った箱型のシャープさデザインには現在でも古さを感じさせず近代建築の代表作の一つとされています。改修工事完了が待ち待ち通しいです。
2017年4月現在改修工事の為中を見ることはできません。
場所 : Potsdamer Str. 50, 10785 Berlin,
ドイツ公式パビリオンの為に設計したバルセロナにあるミース・ファン・デル・ローエ記念館
別名バルセロナ・パビリオンと言われた、直線に重きをおきデザインされたその建物はバウハウスの思想を彷彿とさせる合理性を重視したモダニズム建築の代表作で、バルセロナに復元されたそのパビリオンは現在ではミースの記念日となっています。
見所は大理石とガラスを基調とした構成建築で、独特な威圧感さえ感じさせるデザインです。またミース・ファン・デル・ローエがスペイン国王夫妻のためにデザインしたバルセロナ・チェアを見る事ができます。
営業時間 : 10:00〜20:00
定休日 : webで事前確認が必要
web : http://miesbcn.com
場所 : Av. Francesc Ferrer i Guardia 7 Parc de Montjuic / 08038 Barcelona
日本でも見れるブルーノ・タウトが設計した熱海の旧日向別邸
バウハウスの主要建築家であるヴァルター・グロピウスやミース・ファン・デル・ローエらと共に実験的な設計を行ったブルーノ・タウトが設計した建物が、日本でも見る事ができます。
直接的にバウハウスのは関わりのないものの熱海の相模湾を望む高台に設計された旧日向別邸の地下室では当時のモダリズム建築の流れを感じる事ができます。
営業時間 : 土曜・日曜日 9:30〜16:30
事前の予約が必要です。
場所 : 〒413-0005 静岡県熱海市春日町8-37
熱海駅から徒歩30分程
電話番号 : 0557-81-2747
ミース・ファン・デル・ローエらと並ぶ4大建築家ル・コルビュジエが設計した上野の国立西洋美術館
ミース・ファン・デル・ローエらと並ぶ4大建築家ル・コルビュジエはバウハウスとは直接関わりのないものの、同世代を過ごし現代建築に必要な様々な要素を確立した名建築です。ル・コルビュジエ建築デザインの特徴は、ピロティーや屋上庭園があります。この西洋美術館には展示ホールにスロープで昇っていく貝巻き形の動線に特徴が見られます。
当時のモダリズム建築の力強さと洗練されながらも革新的なアイディアを所に見る事ができます。
開室時間 : 常設展 9:30~17:30
金曜・土曜日 9:30~20:00
web:https://www.nmwa.go.jp/jp/visit/index.html
場所 : 〒110-0007 東京都台東区上野公園7番7号
近代建築や現代美術を知るための雲路 バウハウスのまとめ
Bau:建築 + Haus:家 = Bauhaus:建築家の家 + α
いかかでしたでしょうか?ここで紹介した名建築10選や20世紀の歴史を間近に感じられる建築物を訪ね+αを見つけて仕事や生活に役立つ自分だけの建築思考的な答えを見つける旅に出かけるのはいかがでしょうか?
※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の下さい。
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