もうすぐ20周年!世界中で愛される「ポケモン」のRPGシリーズ全作品を紹介します。
ポケットモンスター、縮めて「ポケモン」。今や世界中で愛され、数兆円規模の売上を叩き出すコンテンツビジネスの最高峰となっている作品です。本コラムでは、これまでに発売されたすべてのポケモンRPGシリーズを遊んだガチガチのポケモンオタクが、発売当時の思い出も含めて紹介いたします。
※なお、リメイク作品は割愛しています。
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(0)基本的なストーリー構成・世界観
ポケモンRPGシリーズのストーリー構成や世界観はおおよそ下記のようなパターンになっています。ご存知の方も多いことと思いますが、一応ご確認ください。
『ポケットモンスター』シリーズは、「ポケットモンスター(以下ポケモン)」という不思議な生き物が生息する現実(現代)に似た世界において、ポケモンを自らのパートナーとして「ポケモン同士のバトル」を行う「ポケモントレーナー(通称:トレーナー)」たちの冒険を描くロールプレイングゲーム(RPG)である。
出典:bit.ly
その地方のチャンピオンになることが目的
各シリーズのマップをつなげると日本地図になることは結構有名です。
主人公であるプレイヤーは、ポケモンとともに世界を旅します。その主目的は、自分の地方の各地にあるジムを制覇し、四天王を倒し、現チャンピオンに代わって新しいチャンピオンになることです。また、必ず現実世界の地域がゲーム世界のモデルとなっていて、地理や登場キャラクターの設定などがそのモデル地域と似ている場合が多いと言えます。
他にも、多くのポケモンを捕まえることでポケモン図鑑の完成を目指すなどといった目的もあります。
(1)ポケットモンスター 赤・緑(+青)
発売日:1996年2月27日
国内売上本数:1023万本
全世界売上本数:3137万本
登場ポケモン数:151匹
記念すべき初代ポケモンです。以降、基本的に各シリーズは2種類が同時に発売され、それぞれで登場するポケモンが若干異なるといったパターンになっています。また、赤・緑に対しての青といった第3のソフトが少々時間をおいて発売されるというのも定番の流れです。なお、こうした第3番目のソフトを「マイナーチェンジ版」などと言い表すこともあります。
本作は僕が小学校に入学するタイミングで発売されており、これを持たずんばクラスの話題のメインストリームには乗れずといったレベルで流行っていました。また、当時は友人と通信交換などを行う際には通信ケーブルを使用する必要があり、このケーブルを所持している生徒は英雄だったと言えます。
なお、通常のゲームボーイとゲームボーイポケットの両方でプレイが可能でしたが、通信ケーブルはゲームボーイ同士でしか使用できなかったため、ゲームボーイポケットで遊んでいた自分は若干の疎外感を覚えていました。また、白黒の画面で何時間もプレイしていたので、視力を大きく奪い去られた作品でもあります。PCのブルーライトやらスマホの画面が目に悪い云々といった議論がありますが、当時のゲームボーイに比べたらどれもかなり目に優しいと思っています。
本シリーズの御三家(最初に選べる3匹)であるヒトカゲ、ゼニガメ、フシギダネ(およびその進化形)です。ゼニガメを最初に選ぶと序盤の難易度は低く、逆にヒトカゲを選ぶと少し苦労すると言えます。
余談ですが、当時小学生の間で人気を二分していたコロコロコミックとコミックボンボンという2種類の漫画雑誌がありました(コロコロのみ現在も続刊)が、ポケモンとタイアップして告知や漫画作品掲載を行っていったコロコロの方がかなり優勢だったものと思います。
(1.5)ポケットモンスターピカチュウ(黄)
発売日:1998年9月12日
国内売上本数:316万本
全世界売上本数:1464万本
登場ポケモン数:151匹
本作は、ストーリーの基本や舞台は赤・緑と同じですが、最初にパートナーになるポケモンがピカチュウで固定となっています。アニメのポケモンと同様にピカチュウはモンスターボールには入らず、常にプレイヤーの後ろをついて回ります。
また、鳴き声も通常の電子音とは異なり、「ピカチュー!」とアニメでピカチュウの声優を務める大谷育江さんが声を当てています。そのため、ゲームボーイのスピーカーが故障すると若干ホラーチックになります。
余談ですが、ピカチュウの技では1つ目のジムリーダーのタケシが使用する岩・地面タイプのポケモンにダメージを与えられませんが、その救済策(?)として序盤で手に入るニドラン♂がLv.12で岩タイプに有効な格闘タイプの技を覚えます。
この作品は、後述するポケットモンスター金・銀シリーズの発売延期のお茶濁しだと公式も認めているようです。しかしながらポケモングラフィックやポケモン図鑑説明文の一新など、楽しめる要素は随所にありました。それでも結局のところ、早く金・銀が発売されて欲しいと誰もが願っていたことと思います。(その意味で、1.5番目の作品として紹介しました)
(2)ポケットモンスター金・銀(+クリスタル)
出典:i.ytimg.com
発売日:1999年11月21日
国内売上本数:917万本
全世界売上本数:2310万本
登場ポケモン数:251匹
金・銀は初代ポケモンのメガヒットにより発売されたシリーズであり、周囲の期待値も相当なものでしたが、それに見合うくらいの作品だったと感じています。今でも「一番好きなシリーズは金銀」という人も結構多くいるようです。
本作の主な舞台は京都など関西地方をモデルにした”ジョウト地方”ですが、クリア後には前作の”カントー地方”にも行けて、パワーアップした初代のジムリーダー達と戦えるというのがポイントでしょう。容量の関係か、カントー地方の作りはやや簡素なものになっていましたが、それでも嬉しい仕様だったと思います。
本シリーズの御三家であるヒノアラシ、ワニノコ、チコリータ(およびその進化形)です。金・銀においてはチコリータを最初に選ぶと序盤がやや大変です。
本作から完全にカラー作品となり、グラフィックも大いに進化していました。舞妓などのキャラクターも登場し、世界観もより深化したと言えます。
また、ポケモン対戦も金・銀から盛んになってきたと言えます。詳しくは書きませんが、タイプ相性の整備や持ち物の導入など対戦環境が整ってきたことに起因しているものと思います。
なお、発売から15年以上が経過した今でも金・銀の対戦環境考察を続けている個人ブログもあり、驚愕しました。
(3)ポケットモンスタールビー・サファイア(+エメラルド)
発売日:2002年11月21日
国内売上本数:544万本
全世界売上本数:1622万本
登場ポケモン数:386匹
本作からゲームボーイアドバンス(GBA)に使用ハードが移行しました。
ハード変更に伴いポケモンの鳴き声のエフェクトも変わり、バリエーション豊かになった印象を受けます。
また、赤・緑および金・銀との通信交換は不可能となっています。後にそれらのリメイク作品が発売されたことで、過去作品の登場ポケモンも入手できるようになっています。
本シリーズ御三家のキモリ、アチャモ、ミズゴロウ(およびその進化形)です。最終進化形態のルックス格差が大きく、ミズゴロウを選んだ人は悲しい思いをしたかもしれません。いや、強いことは強いんですよ?
本作では対戦についてもさらに洗練されましたが、一方でストーリー的な面白さも見逃せないと思っています。砂漠や海底など冒険できる場所も増え、マップの中を行き来しているだけでもかなり楽しめました。
また、ルビー・サファイアのマイナーチェンジ版であるエメラルドは、追加要素である「バトルフロンティア」が素晴らしく、廃人養成所などと呼ばれることがあります。僕はバトルフロンティアだけで500時間くらいは遊びました。本当にありがとうございました。
(4)ポケットモンスターダイヤモンド・パール(+プラチナ)
発売日:2006年9月28日
国内売上本数:587万本
全世界売上本数:1681万本
登場ポケモン数:493匹
本作から任天堂の大ヒットハードであるニンテンドーDSに移行しています。
なんと!通信にケーブルが!不要に!なっているわけです。また、WiFiを使用して世界中のユーザーと交換や対戦ができるようになった記念すべき作品です。かがくのちからってすげー!
こちらが本作の御三家であるナエトル、ヒコザル、ポッチャマ(およびその進化形)です。対戦では猿>ペンギン>亀の順で使われていました。
ダイヤモンド・パールのマイナーチェンジ版であるプラチナにも追加要素の「バトルフロンティア」は登場し、やはり長期間遊べるものでしたが、僕自身はWiFiをつかった対戦にシフトしたためあまり遊びませんでした。
この頃になると、当時の小学生がどのようなスタンスで遊んでいたのかは流石にわからないのですが、徐々に対戦環境の整備・拡充により対象年齢が上に広がっていくのを感じました。
(5)ポケットモンスターブラック・ホワイト(ブラック2・ホワイト2)
▼ブラック・ホワイト
発売日:2010年9月18日
国内売上本数:540万本
全世界売上本数:1471万本
登場ポケモン数:649匹
▼ブラック2・ホワイト2
発売日:2012年6月23日
国内売上本数:304万本
全世界売上本数:781万本
登場ポケモン数:649匹
本作は「ポケモンの人間からの解放」を説く敵組織との戦いなどを通して、ポケモンと人間の在り方を問うといったやや重めのストーリーとなっています。その分プレイしていた大きめのお友達からの評判は上々で、作中に登場する重要人物の”N(エヌ)”という青年はピクシブなどでめちゃくちゃ絵にされるなど人気のようでした。
本作の御三家であるツタージャ、ポカブ、ミジュマル(およびその進化形)がこちら。発売当初は「ネタが尽きた」などとデザインを叩く声もありましたが、時間が経てば慣れるものです。
出典:i.ytimg.com
ブラック・ホワイトの重要人物であるN(エヌ)がこちら。歴代の登場キャラクターの中でもトップクラスにかっこいいデザインだと感じます。
(6)ポケットモンスターX・Y
出典:pk-mn.com
発売日:2013年10月12日
国内売上本数:423万本
全世界売上本数:1385万本
登場ポケモン数:718匹
こちらがリメイク作品を除けば最新のものです。
ゲーム内言語を日本語以外にも英語・スペイン語などから選択できたり、主人公の髪や皮膚・瞳の色も自由に選べるなど、ポケモンの世界にもいよいよグローバリゼーションの波が押し寄せてきたなと感じました。
また、戦闘中にのみ一時的にポケモンが進化して新たな力を発揮する「メガシンカ」というシステムの導入により、戦略の幅も広がりました。
本作の御三家であるハリマロン、フォッコ、ケロマツ(およびその進化形)です。現在対戦の第一線で活躍しているのは主にカエルです。
X・Yからハードがニンテンドー3DSに移行し、DSまでしか持っていない人は追加購入を強いられました。僕も仕方なくポケモンXY限定デザインの3DSを購入しました。仕方なくですが、かっこよかったので満足しています。
もうすぐ20周年!
2016年2月27日で初代ポケモンの発売日から20年となり、赤・緑をリアルタイムでプレイした中には、親になる人も出てきていることと思います。ポケモンもドラゴンボールやドラゴンクエストなどと同様に、世代を超えて愛されるコンテンツになるのは間違いないと言えます。
自分にも子どもが産まれたら一緒にポケモンを楽しみたいと思いますし、対戦でボコボコにしたいと思っています。親を超えるというのは並大抵のことではないのです。
ポケモンはRPGに限らず他ジャンルのゲーム作品にも当然なっていますし、アニメや映画などもありますので、これまで機会のなかったという方も是非、ポケモンに触れていただければ幸いです。
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この記事のライター
慶應→金融→Web89年世代。幼少期からアニメと漫画に触れながら育ち、高校時代は2年半ほどネットゲームを毎日6時間以上という生活を送っていました。読みやすく納得感のあるものを書いていきたいと思っています。