普遍の法則「パレートの法則」を使いこなす ~『新版 人生を変える80対20の法則』リチャード・コッチ~
イタリアの経済学者ヴィルフレード・パレートの提唱した「パレートの法則」を、リチャード・コッチ『新版 人生を変える80対20の法則』よりご紹介します。
- 4,438views
- B!
因果関係の割合
「80対20の法則」は、提唱したイタリアの経済学者ヴィルフレード・パレートの名前をとって「パレートの法則」とも呼ばれています。
元々は経済学から生まれたもので、因果関係の割合が、80対20になるというものです。例を見てみましょう。
パレートの法則の代表的な内容
・ある銀行の預金高の80%は、その銀行の利用者の20%が占めている。
・ある国の富の80%は、20%の富裕層によって占められている。
・ある会社の業績の80%は、20%の営業社員が契約したものである。
・ある会社の売上の80%は、販売する商品全体の20%の商品の売上である。
アリの行動にもパレートの法則が
アリの行動の研究からも次のような結果が出ています。
・よく働くアリの割合は全体の20%で、残りの80%のアリは適当に働いている。
さらには、次のような研究結果もあります。
・残りの80%のアリのうち、20%はほとんど働いていない。
つまり、よく働くアリは20%に過ぎず、残りの60%は適当に働いている、さらに残りの20%は全く働いていない、というのです。
次に研究者がよく働くアリだけを集めて観察したところ、そのうちの20%は変わらずよく働くものの、60%のアリは適当になり、20%はほとんど働かなくなってしまった、という結果が出たと言います。
さらに、ほとんど働かない20%のアリだけを集めたところ、なんと20%はよく働くようになり、60%は適当で、20%が相変わらず働かないというのです。
周りを改めて見ると、よく働いている20%と、適当に仕事している60%の人、全然働いていない人が20%くらいいませんか。
パレートの法則に対する疑問
パレートの法則に疑問が持たれた時期もあります。
書籍通信販売最大手のアマゾンで、ベストセラーとなった書籍はブームが過ぎた後も細く長く売れ続けていました。従って、「売上の80%は、販売する商品全体の20%の商品の売上である」というパレートの法則はあてはまらないというものです。
この現象は、販売推移を表したグラフから恐竜の尻尾に例えられ、「ロングテール」と呼ばれ、ビジネス書も多く出版されました。
そこで、多少売れなくなった商品でも販売を続ける方が良いという風潮が生まれました。結果はというと、大量の在庫を抱えて逆に苦しむことになってしまったのです。
ロングテールの強みを発揮できるのは、アマゾンのように広大な倉庫を持ち、大量の在庫を抱えられる企業に限られます。
現在では、実際の店舗を構える「オフライン店舗」にはパレートの法則があてはまり、通信販売のような「オンライン店舗」ではロングテール効果が表れる、と考えられています。
個人も活用できる
20%の努力で80%の成果を得る。最小限の努力で最大限の利益を得るということです。
言葉だけを聞くと、楽をして得をするように感じますが、経済学や企業経営などでよく言われる「選択と集中」とほぼ同じ意味です。
パレートの法則が科学的、数値的根拠を持ち、個人レベルでもあてはまるのであれば、利用しない手はありません。是非一度参考にしてみてください。
iTunes Store で Richard Koch & 仁平和夫「新版 人生を変える80対20の法則」の無料サンプルを入手、もしくはブックを購入できます。このブックは iPhone、iPad、または iPod touch 上で iBooks を使って読むことができます。
この記事のキーワード
この記事のライター
もっとオシャレでカッコイイ毎日をすごしたい人のためのウェブメディア、VOKKA(ヴォッカ)の公式アカウントです。