トルストイをものすごく簡単に読む方法

ロシア文学は難しい。愛称だけで何種類あるの?挙げ句の果てには誰が誰なの?
となってしまいます。要点を押さえてもっと単純に読みましょう。

asami75Florame
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アンナ・カレーニナなら入りやすい

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青年将校ヴロンスキーと激しい恋に落ちた美貌の人妻アンナ。だが、夫カレーニンに二人の関係を正直に打ち明けてしまう。一方、地主貴族リョーヴィンのプロポーズを断った公爵令嬢キティは、ヴロンスキーに裏切られたことを知り、傷心のまま保養先のドイツに向かう……。激動する19世紀後半のロシア貴族社会の人間模様を描いたトルストイの代表作。真実の愛を求め、苦悩する人間たちが織りなす一大恋愛叙事詩。

出典:www.amazon.co.jp

とにかく長い、登場人物の名前が覚えられない。一人の人間に対しての呼び方が何種類もある。というイメージがあるロシア文学ですが、その壁を解決してくれるのが、光文社古典新訳文庫シリーズです。

大きい文字で、一人称を現代風に変え、登場人物の愛称は何種類まで。と念密に読みやすく考えられているシリーズになります。

光文社古典新訳文庫は、編集長が、古典はなぜこんなに読みにくいのか。と疑問を覚え「原文を忠実に翻訳し、読みやすさを無視している」という、何十年もの翻訳界の暗黙のルールを打ち破った出版社です。

生き方の教科書として読む

ものすごく簡単に説明すると、「ドラマティックな人生が幸せなのではないですよ。」
ということが書いてあります。

二つの恋人・夫婦の生き方の物語を読み、人生設計の参考にしてみてください。

不倫は不幸

簡単に言えば、
美しく若く身分高い既婚者アンナが、イケメン青年将校と激しい不倫の恋に落ちるお話です。

ですが、不倫なんてそうそう上手く行かないぞ。というお話なんです。

おじさんの旦那には子供を取られそうになり、アンナは苦しみます。
年下の恋人には不振を抱き嫉妬深いおばさん状態になります。

結局は悲しい結末を迎えます。

堅実な生活が結局幸せ

この小説は、二つの話が同時進行します。

地主のリョーヴィンの話は、アンナ達とは対照的。

イケメンではありませんし、真面目で一途です。ドラマティックな出会いなんてありません。
最初はふられてしまうのでかわいそうです。

リョーヴィンの妻もまた、結婚前アンナの恋人にふられ病気になり、田舎に静養に行き、最初は不幸に見えます。

ですが、結局この二人はアンナよりも幸せに生きていくのです。
堅実に、普通に愛し合い、普通に子供を作ります。

リョーヴィンは兄弟も大切にしていますので、兄弟愛も見所です。

決してロマンティックでもドラマティックでもないですが、ほっこりします。

なぜ不倫するの?

華やかに見える社交界ですが、おじさんと結婚しているアンナは窮屈で不幸です。
そんな状況ですから、簡単に青年将校に夢中になってしまいます。

この時代、おじさんは若い女性を嫁に迎え、性の手ほどきをします。
それとは逆に既婚女性は若い青年と不倫をし、性の手ほどきをするという形が一般的でした。

なぜかというと、若い女性は結婚前に手が付かないように、両親が隠し、守っていた為、表にはあまり出なかったからなのです。

その為、この頃の小説は既婚女性の不倫ものが一般的です。
それに、まだ若い女性でありながら、好きな男性と結婚できていないのですから、仕方ありません。
あまり「不潔!」と思わずに読んでみてください。


それではどこが楽しいの?

不幸な面があったりすると、重くて読みづらいですよね。

そういうときには、
アンナが運命的に将校と出会い、追い求められる・・

ダンスパーティーでロマンティックにダンスをする・・

美男美女の禁断の恋を妄想する・・

恋人の子供ができ、幸せの絶頂でピクニックに行く・・
束の間の幸せ・・

読み方一つでは、官能的な不倫小説にもなりえます。

ロマンティックなところだけ読めば少女漫画風に。

悲劇だけ読めば悲劇の舞台風に。

つまみ食い

そこで一つ提案なのですが、
気に入ったシーンだけ繰り返し読むというのも良いのではないのでしょうか?

長い長いロシア文学を読み終えるのは、興味がない方にとっては一苦労です。

運命的な出会いだけが読みたければ一巻だけで十分です。

ワイン片手に好きなシーンにだけひたすら酔いしれる。つまみ食いする。そんな読み方もお勧めします。

村上春樹の小説にも出てくる

村上春樹の『TVピープル』という短編集の中の『眠り』という話の中に、
まったく眠れなくなった女性が、「レミー・マルタン」と「チョコレート」を片手に、
『アンナ・カレーニナ』を夜な夜な読む。というシーンがあります。
かなり印象的な話なので、一緒に読むのも良いのではないかと思います。

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アロマとハーブ、漢方の資格を持つ。資格の知識を活かした体重管理と美容はストイック。アガサ・クリスティーを筆頭に、和洋ラノベ問わず面白いミステリーを探求中。

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都内在住。コーヒーとサンドイッチが大好きで1日1カフェ生活を送っている。夏の定番はレモネード、冬の定番はホットチョコレート。オシャレやヘルシーという言葉に敏感なミーハー系女子。

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斉藤情報事務

信州の曲者が集まるCLUB Autistaに所属する道楽者。車と酒と湯を愛し、ひと時を執筆に捧げる。

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