知らないと恥ずかしい!?ゼウスの浮気からひも解くギリシャ神話の基礎知識
なんとなくなじみも薄く、とっつきにくい印象のあるギリシャ神話。
しかし、教養として知っておきたいものであると同時に、この知識の有無で絵画鑑賞の面白さは格段に変わってしまうように感じます。
そこで今回はゼウスの浮気、をテーマに人間味あふれるエピソードを多数保有するギリシャ神話のご紹介をいたします。
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いつもと違う切り口で絵画鑑賞を
宗教とあまりなじみがないためか、どうしても年代や作者、絵画手法に切り分けて絵画鑑賞を楽しむ方が多いかと思います。
そこで、今回は、ギリシャ神話の登場人物の関係から絵画のご紹介します。
これからの季節は旅行も増え、海外で美術館に立ち寄ることも多くなるかと思いますが、より一層楽しむためにぜひ参考にしてみてください。
ゼウス
ゼウス、といえば最高神として知られているかと思います。
しかし、このゼウスはさまざまな神や人間と関係を持ったというエピソードも。
そこで、”ゼウスの浮気”をテーマにご紹介いたします。
ギリシア神話に登場する男神は総じて女好きであり、ゼウスはその代表格である。
妻・ヘラ
浮気がテーマですが、まずは妻・ヘラ(ローマ名:ユノ)を押さえておく必要があります。
神々の女王であると同時に、ゼウスの姉であり、妻。
ですが、浮気がテーマで何人かご紹介ができるゼウスの妻であるため、たくさんの嫉妬による劇的なエピソードも有することでも有名。
聖鳥は孔雀、郭公、鶴で聖獣は牝牛。その象徴は百合、柘榴、林檎である。
出典:canalize.jp
こちらの絵は、ヘーラーの目印が孔雀となったきっかけとなるエピソードを描いたもの。
下で目を押さえいる人物は100の目を持つといわれるアルゴス。
ゼウスの浮気が原因とし、アルゴスの目をとり、鳥の羽につけたことから孔雀が生まれた、と言われています。
トロイア戦争の原因を生んだ・レーダー
ゼウスはレーダーを誘惑するために白鳥の姿に化けたといわれています。
しかし、白鳥に化けたために鷹に襲われかけ、レーダーの腕の中に逃げたとのこと。
そのときにできた卵から生まれたのがヘレネー。
このヘレネーは、トロイア戦争の原因となる美女としてとても有名ですよね。
このことから、レーダーを描くときには白鳥、もしくは卵とともに描かれることが多く、近代美術においてもその影響を強く受けたものもあります。
女性だけでなく少年も・・・
ゼウスの好色ぶりはとどまるところを知りません。
最後にご紹介するのは「ガニュメデス」
キリスト教において、少年愛・同性愛は悪とされますが、ギリシャ社会では少年愛は大丈夫だったようです。
トロイアの王子で美少年で、巨大な鷲に化けてガニュメデスをさらったとのこと。
この鷲はどの絵画でも巨大で、黒く大きな翼をはためかせて空に舞いあがるシーンが描かれています。
誘拐後はゼウスの従者として「お酌係」となったのですが、この役割は本来、妻・ヘラの娘がするはずだったもの。
ヘラといえば、前述したとおり嫉妬心がすさまじいことで有名。
このエピソードでもヘラの嫉妬によりガニュメデスの身が危なくなったため、星になったといいます。
この星こそが、今のてんびん座です。絵画だけでなく、星座の由来になっているため、やはり外せない人物のひとりです。
人間性ゆたかなギリシャ神話
いかがでしたか?
意外と、どのエピソードも神の話とは思えないほどに人間性に満ち溢れているかと思います。
今まで敬遠してきたギリシャ神話。
ぜひこれを機に知識を深めてみてはいかがでしょうか。
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この記事のライター
「ごきげんよう」でごあいさつ→幼稚舎→慶應大学最近はもっぱらダンスに打ち込む生活美味しいお酒とお食事が好きです