考えさせられる作品ばかり。1960年代のおすすめ映画15選

今回ご紹介したいのは、1960年代に公開された懐かしの洋画たち。オードリー・ヘップバーンやアラン・ドロンといった大スター達が銀幕を飾った60年代。色あせることのない名作達に、今こそ触れてみてはいかがですか?

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1960年代の映画とは?

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1960年代、世界に暗い影をおとしたのはベトナム戦争。この頃アメリカでは、反体制的な若者達を描いた“アメリカン・ニューシネマ”が流行します。この“アメリカン・ニューシネマ”の作品は若者達が体制に立ち向かおうとする、刹那的に生きようとするものの、最後は制圧されてしまうといった作風が特徴です。これはベトナム戦争、政府への不満といったアメリカの世相を投影していると言われています。
またフランスでは、今までの映画の定石を破る“ヌーヴェル・ヴァーグ”と呼ばれる映画運動が起こりました。
そんな激動ともいえる1960年代に公開された映画を、今回は15選ご紹介したいと思います。

1. アラモ (1960)

西部開拓史を轟かせた戦いがここに

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舞台は1836年、メキシコ領下のテキサス。テキサスの人々はメキシコの独裁者からの独立をめざしていました。そんな中指導者に選ばれたのはサム・ヒューストン将軍。軍の再編のために時間稼ぎを考えたヒューストン将軍は、サン・アントニオ郊外のアラモ砦に陣地を築くことを命じます。しかし、メキシコ軍の手はそこまでせまってきていて・・・

アメリカの西部開拓史に名を残す、“アラモの戦い”を描いた西部劇『アラモ』。劇中に登場する砦は映画のために制作されたセットで、なんと6つの井戸や下水道まで設置されているという本格ぶり。映画撮影終了後もこのセットは残されているそうです。命をかけた男達の戦いを、名優達の演技と壮大な映像とともにお楽しみください。

公開 : 1960年12月24日
監督 : ジョン・ウェイン
出演 : ジョン・ウェイン、 リチャード・ウィドマーク

2. アパートの鍵貸します (1960)

笑えて深い!都会派コメディ

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主人公は保険会社社員で、独身男のバド。彼は上司のゴキゲン取りに、逢引き用に自分のアパートを貸して出世を狙っています。ところがある日部長がつれてきたのは、エレベーターガールのフラン!実はフランは、バドの意中の相手だったのです・・・

『サンセット大通り』『七年目の浮気』など数々の傑作を手がけるビリー・ワイルダー監督による都会派ラブコメディであるこの作品。コメディでありながらそれぞれ繊細に描かれているキャラクター像や、思わず「そういうことだったのか!」とうなってしまう伏線には驚かされるばかり。ヒロインを演じる女優シャーリー・マクレーンの、透明感あふれる愛くるしさにも魅入ってしまいます。

公開 : 1960年10月8日
受賞 : 第33回アカデミー賞作品賞・監督賞含む5部門
監督 : ビリー・ワイルダー
出演 : ジャック・レモン、シャーリー・マクレーン、フレッド・マクマレイ

3. 真夜中のカーボーイ (1969)

孤独な男2人の運命は・・・

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主人公は故郷のテキサスからニューヨークへやってきた青年、ジョー。彼はジゴロで稼ごうと身一つで都会へやってきたのです。しかしジョーは稼げるどころか、反対に女性に金をふんだくられてしまいます。やがてジョーはラッツォと呼ばれる男と出会い、2人の間には友情が芽生えていくのですが・・・
社会に埋没していく、寂しい男たちの姿を描いた『真夜中のカーボーイ』。なんとこの映画には無名時代のアル・パチーノが出演しているのですが、カットされてしまったというトリビアが!人間の真価を問う名作、ぜひ耳に残る音楽とともにお楽しみください。

公開 : 1969年10月18日
受賞 : 第42回アカデミー賞作品賞・監督賞・脚色賞 など
監督 : ジョン・シュレシンジャー
出演 : ジョン・ヴォイト、ダスティン・ホフマン

4. 俺たちに明日はない (1967)

主人公は実在の銀行強盗カップル

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田舎町でウエイトレスをするボニーはある日、自分の母親の車のまわりをうろつく青年をとがめます。彼の名前はクライド。それがボニーとクライドの出会いでした・・・世界恐慌の1930年代、コンビを組んで銀行強盗を繰り返した伝説のカップル、ボニーとクライド。彼らの出会いから死までを描いた作品です。
まさにアメリカン・ニューシネマの先駆とも言えるこの作品。なんでも、“人が撃たれる瞬間”を映した映画はこの『俺たちに明日はない』が初めてなのだそうです。「明日はない」ことを知りながらも破滅に突き進むボニーとクライドの姿にはどこか胸をしめつけられるはず。そのラストシーンの衝撃はきっと心に焼きつくことでしょう。

公開 : 1968年2月17日
受賞 : 第40回アカデミー賞助演女優賞・撮影賞
監督 : アーサー・ペン
出演 : ウォーレン・ベイティ、フェイ・ダナウェイ

5. 2001年宇宙の旅 (1968)

生命や科学を問う壮大なSF映画

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はるか昔の地球、猿たちの前に「モノリス」という謎の黒い石板のような物体が出現。人類の夜明けから月面、そして木星への旅・・・壮観な映像とともに描かれる、スタンリー・キューブリック監督によるSF映画の金字塔です。

宇宙船ディスカバリー号の美しさやシンメトリーの構図、モノリスの美しさ、そして何十年も前に制作されたとは思えないほどの近未来的な世界観。テクノロジーとは、生命とはいったい何なのか?そんな永遠のテーマを私たちに投げかける、映像、音楽、ストーリーどこをとっても素晴らしい傑作です。

公開 : 1968年4月11日
監督 : スタンリー・キューブリック
出演 : キュア・ディリア、ウィリアム・シルベスター

6. 太陽がいっぱい (1960)

映画史に刻まれるあのラストシーン!

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ローマの街角にとある青年が2人。1人はアメリカからやってきた大富豪の息子、フィリップ。もう1人は貧しい青年、トム。トムはフィリップの父親に彼をアメリカに連れ戻すよう言われているのですが、フィリップは全く聞き入れようとしません。やがてトムはフィリップの自分や彼の恋人マルジュに対する傍若無人な態度に憤りを感じるようになり、フィリップをヨットの上で殺害します。それは完全犯罪と思われたのでしたが・・・
アラン・ドロンの出世作でもあり代表作でもある『太陽がいっぱい』。その衝撃のラストシーンは、知っていても鳥肌がたってしまうほどゾクッとさせられますよね。

公開 : 1960年6月11日
監督 : ルネ・クレマン
出演 : アラン・ドロン、モーリス・ロネ

7. サイコ (1960)

白黒だからこその禍々しさ・・・

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アリゾナ州に住むOLのマリオンはある日、会社の金を横領して恋人が住む街へ向かおうとします。車を進めるうちにとあるモーテルに立ち寄るマリオン。そこは青年ノーマンが一人で切り盛りする小さな宿でした。ノーマンによれば離れには彼の年老いた母が住んでおり、ノーマンは母親を介護しているといいます。その晩マリオンがシャワーを浴びていると何者かが突然侵入し、彼女を刺し殺してしまうのです・・・

テーマ曲とあまりにも鮮烈な浴室のシーンは、誰でも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。全てのサイコ・サスペンスのルーツともいえ、後の映画に多大な影響を及ぼしたヒッチコック監督による傑作『サイコ』。まだ観たことがない人は、ぜひご覧になってみてください!

公開 : 1960年9月4日
受賞 : 第18回ゴールデングローブ賞 助演女優賞
監督 : アルフレッド・ヒッチコック
出演 : アンソニー・パーキンス、ジャネット・リー

8. アラビアのロレンス (1962)

その映像は圧巻!歴史スペクタクル

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実在のイギリス軍将校、エドワード・ロレンス。彼がアラブ民族を率いてトルコとの死闘を繰り広げる姿を描いた歴史スペクタクルがこの『アラビアのロレンス』です。
どこまでも広がる砂漠の景色や、地平線の彼方に浮かぶ蜃気楼、砂漠に悠然とのぼる太陽・・・この映画の上映時間はなんと227分。その壮大な映像は思わず息をのんでしまうほど美しく、芸術的です。
人間のエゴ、正義について、そしてどうすることもできない現実のあり方について。その重厚なストーリーは、きっとあなたの心にいつまでも焼きつくはずです。

公開 : 1963年2月14日
監督 : デヴィッド・リーン
出演 : ピーター・オトゥール、アレック・ギネス

9. 大脱走 (1963)

ハラハラがとまらない、収容所からの脱走劇

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舞台は第二次世界大戦下、脱出不可能と言われるドイツのとある収容所。英米空軍の男たちは森にむけて三本の穴を掘り、捕虜全員でこの収容所からの脱出を試みます。様々なアクシデントが起こるもののついに迎えた脱走当日。捕虜たちは様々な方法で逃げ出していくのですが・・・
大胆な計画をすすめていく前半と、ハラハラがとまらない逃走劇が見どころ満点のこの作品。ポール・ブリックヒルという小説家が、自ら収容所で経験した脱出計画を基に執筆した本を原作としているそうです。主人公が国境線をバイクで疾走するシーンの爽快さはたまりません!

公開 : 1963年8月10日
監督 : ジョン・スタージェス
出演 : スティーブ・マックイーン、ジェームズ・ガーナー

10. 鳥 (1963)

ある日人間を襲いだしたのは、鳥達だった

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ある日何の理由もなしに人間たちを攻撃してきたのは、鳥の大群だった・・・そんな衝撃のシチュエーション・スリラー、『鳥』。いきなり何かが理不尽に私たちを襲ってきたとしたら、いったいどうしますか?この『鳥』は襲われる理由がわからないからこそ、本当にとてつもない気味悪さを私たちに植え付けます。
空を一面に覆う鳥、飛び散る羽、人々がパニックになる様子。その演出もじわじわと余韻が残る不気味なものです。鳥と人間の戦いはいったいどうなってしまうのか?パニック映画の金字塔、ぜひ1度ご覧ください。

公開 : 1963年7月20日
監督 : アルフレッド・ヒッチコック
出演 : ティッピ・ヘドレン、ロッド・テイラー

11. 猿の惑星 (1968)

この惑星の正体とは?

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衝撃のラストシーン、そして人気SF映画シリーズといえばこちらの作品も忘れてはいけません。高い知能を持った猿と人間との交流、戦いを描いた『猿の惑星』です。現在も『猿の惑星 : 創世記』などのリブート作品が制作されているこのシリーズの第1作目が公開されたのは、今から半世紀前の1968年のことでした。
人間の宇宙飛行士達がトラブルにより着陸したのは、とある惑星。そこには言語を話す猿達が住んでいて・・・CGがまだ発達していなかった当時、この猿達は特殊メイクを施された人間が演じています。そのメイク技術は高く評価され、担当したメイクアップアーティストはアカデミー名誉賞を受賞しました。

公開 : 1968年4月13日
監督 : フランクリン・J・シャフナー
出演 : チャールトン・ヘストン、ロディ・マクドオール

12. コレクター (1965)

スリラー映画?それとも恋愛映画?

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蝶の採集が趣味の内気な青年フレディは、ある日サッカーのくじに当選し大金を手にします。その金で人里離れた屋敷を購入するフレディ。そこで彼は前から恋をしていた美術大学に通う女性ミランダを誘拐し、屋敷の地下に監禁してしまうのです。
身代金を要求するでもなく、ただミランダに紳士的に接して自分のことを理解してもらおうと努めるフレディ。ある男性の倒錯した愛情を描いた作品です。

フレディを演じるのは『スーパーマン』『ゲット スマート』などに出演、現在も活躍している俳優テレンス・スタンプ。監督は『ローマの休日』を手がけたウィリアム・ワイラーです。異色の恋愛映画『コレクター』、ゾクッとしたい夏の夜にどうぞ。

公開 : 1965年8月14日
受賞 : ゴールデングローブ賞主演女優賞
監督 : ウィリアム・ワイラー
出演 : テレンス・スタンプ、サマンサ・エッガー

13. 天使の入江 (1963)

“ギャンブル”に繋がれたカップルの逃避行

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主人公はパリの銀行に勤めるハンサムな青年、ジャン。ある日彼は友人に連れられて行ったカジノで大勝ちし、大金を得ます。味をしめたジャンはパリを出て、“天使の入江”と呼ばれる海辺に建つカジノに通うことに。そこでジャンが出会ったのは、ギャンブルにのめり込むジャッキーという女。2人はコンビを組んでカジノを周り、ジャンはジャッキーに奇妙な愛情を抱くようになっていくのですが・・・

手がけるのは『シェルブールの雨傘』『ロシュフォールの恋人たち』などを監督したヌーヴェルバーグを代表するジャック・ドゥミ。本作で見事なファム・ファタールっぷりを披露しているのは2017年夏に亡くなったフランスの大女優、ジャンヌ・モローです。曖昧さに隠された、男女2人の不思議な逃避行をぜひご覧ください。

公開 : 1963年3月1日(フランス)
監督 : ジャック・ドゥミ
出演 : ジャンヌ・モロー、クロード・マン

14. 荒野の七人 (1960)

クロサワ映画が西部劇に!

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舞台はメキシコのとある田舎町。町の人々は荒くれた無法者たちの被害に日々嘆いていました。そこで用心棒を雇うことに。集められたのはクリスを中心とした7人のガンマンたち。彼らはたった7人で、盗賊たちに立ち向かうことを決めるのですが・・・

黒澤明監督の代表作『七人の侍』をメキシコに舞台を変え、西部劇としてリメイクしたこの『荒野の七人』。全編が見せ場と言われているほど、そのアクションシーンはどの場面も脳裏に焼きつきます。2016年には『マグニフィセント・セブン』も制作されるなど、何十年経っても世界中で語り継がれる男たちの戦いの物語。ぜひ西部劇を観たことがない若い世代にも、観ていただきたい作品です。

公開 : 1961年5月3日
監督 : ジョン・スタージェス
出演 : ユル・ブリンナー、スティーブ・マックイーン

15. 卒業 (1967)

ラストシーン、あなたは何を思う?

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主人公は将来を期待されている青年、ベンジャミン。彼は大学卒業を機に帰郷します。親戚が集められたパーティーでベンジャミンはロビンソン夫人という中年の女性に出会い逢瀬を重ねるのですが、両親の勧めで夫人の娘エレンとデートをすることに。最初は渋々だったものの、ベンジャミンは心優しきエレンに本当に惹かれるようになっていきます。しかし、若い2人の関係に嫉妬したロビンソン夫人は・・・

主演は『真夜中のカーボーイ』にも出演するダスティン・ホフマン。本作では前途洋々でありながら、自分の心と葛藤する青年を見事に演じきっています。この有名なラストシーンを観て、あなたはどう感じますか?観終わったあとはぜひ、いろんな人と語り合ってみてくださいね。

公開 : 1968年6月8日
受賞 : アカデミー賞監督賞
監督 : マイク・ニコルズ
出演 : ダスティン・ホフマン、アン・バンクロフト

この夏は往年の名作に触れて!

いかがでしたでしょうか。当時人々が抱えていた不満や漠然とした不安、社会情勢などが色濃く描き出された1960年代の映画たち。ストーリーや映像美などももちろんのこと、終わったあとに深く考えさせられる作品が多いように感じられますね。まだ未見の作品がある方は、この夏にぜひ触れてみてはいかがですか?

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