あの大スターも出演!1950年代のおすすめ名作映画20選

あの大スターも出演!1950年代のおすすめ名作映画20選

今回特集したい映画は、今から半世紀以上前に制作された1950年代の作品たち!誰でも1度は名前を聞いたことのある大作映画が、たくさん生み出された年代なんです。近年の映画だけではなく、往年の名作もじっくりと堪能してみませんか?

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      1. 目次
  1. 1950年代のハリウッドとは?
  2. 世界で活躍した日本人といえば・・・
  3. 1950年代を代表する俳優・女優は?
  4. 1. サンセット大通り (1950)
    1. こんな女性、目をつけられたくない!
  5. 2. ライムライト (1952)
    1. 喜劇王チャップリンが語る“人生哲学”
  6. 3. 真昼の決闘 (1952)
    1. 敵は4人、立ち向かうのは自分1人
  7. 4. 雨に唄えば (1953)
    1. ミュージカル映画の金字塔!
  8. 5. ローマの休日 (1953)
    1. “永遠の妖精”オードリー・ヘップバーン
  9. 6. 裏窓 (1954)
    1. 向かいの家で事件発生?
  10. 7. 海底二万哩 (1954)
    1. いざ、未知なる海底の世界へ!
  11. 8. 波止場 (1954)
    1. 若きマーロン・ブランド主演
  12. 9. グレン・ミラー物語 (1954)
    1. スウィング・ジャズの始祖
  13. 10. 喝采 (1955)
    1. これぞ “ハリウッドの大作”! 
  14. 11. 悪魔のような女 (1955)
    1. 浴槽の顔の怖さといったら・・・
  15. 12. エデンの東 (1955)
    1. ジェームズ・ディーンの出世作
  16. 13. ジャイアンツ (1956)
    1. テキサスの自然を舞台に描かれる大河ドラマ
  17. 14. 十戒 (1956)
    1. クライマックスの特撮に仰天!
  18. 15. 戦場にかける橋 (1957)
    1. 日本人も出演!衝撃のラストが待ち受ける戦争映画
  19. 16. OK牧場の決斗 (1957)
    1. 西部に名を残す、伝説の決闘がここに
  20. 17. 12人の怒れる男 (1957)
    1. 同じ部屋、同じ人だけなのに、こんなにも面白い
  21. 18. 手錠のままの脱獄 (1958)
    1. “偏見と憎しみ”の手錠は、果たして外れるのか?
  22. 19. バイキング (1958)
    1. 悪名高き海賊たちのスペクタクル・ドラマ
  23. 20. 北北西に進路をとれ (1959)
    1. スリルも恋もつまったヒッチコック作品
  24. 今こそ触れたい、往年の名作たち!
    1. 考えさせられる作品ばかり。1960年代のおすすめ映画15選
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1950年代のハリウッドとは?

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1950年代は、ソ連による“赤狩り”の影響がまだハリウッドに濃く残っている年代でした。赤狩りとはアメリカ国内の共産主義者を、激しく弾圧した事件です。よって関係者たちは映画業界を追われないために、政治的なメッセージを含んだ作品を作ることは避けたそうです。

しかしそんな1950年代は、アメリカの人々の生活水準が大きく上がった時代でもありました。一般家庭にも普及したテレビに対抗するために、映画界はスクリーンを大きくしたりカラー映画を定着させたりと、劇場に足を運んでもらえるように様々な変化を起こしました。また“豊かで近代的なアメリカ”のイメージを誇示するために、明るく華やかな作品が多く作られたことも特徴です。

世界で活躍した日本人といえば・・・

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ハリウッドもめまぐるしい出来事が次々と起こった1950年代。その時代に世界に名を轟かせた日本の映画人といえば、やはり黒澤明監督です。
三船敏郎が主演を務めた映画『羅生門』は国内よりも国外で高く評価され、1951年にはヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞、そしてアカデミー賞名誉賞を受賞しました。その後も志村喬主演の『生きる』『七人の侍』『蜘蛛巣城』など名作を次々と発表。ベルリン国際映画祭やロンドン国際映画祭など世界的な映画祭の常連となり、“世界のクロサワ”と呼ばれるようになりました。
1950年代は日本の映画の魅力が世界に知れわたった、国内映画界にとっても大きな意味のある年代だったと言えるでしょう・

1950年代を代表する俳優・女優は?

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華やかで明るい映画を代表する女優といえば、今もなお女性たちの憧れの的となっているこの2人。オードリー・ヘップバーンとマリリン・モンローです!
オードリー・ヘップバーンが一躍スターダムに上がった作品『ローマの休日』が公開されたのは1953年のこと。その美貌とスレンダーなスタイルで“永遠の妖精”と称され、世界中の女性たちのアイコンとして輝き続けています。
そんなオードリーと対してカーヴィな女性らしいスタイルとセクシーな笑顔で人々を魅了し、セックス・シンボルといわれたマリリン・モンローが活躍したのも1950年代。『紳士は金髪がお好き』『七年目の浮気』『ナイアガラ』など彼女の代表作品をあげれば、キリがありません!

50年代を代表する俳優の1人といえばこの人、マーロン・ブランド。その端正なルックスはもちろん、今までの常識を覆す型破りな演技で“20世紀最高の俳優”と称されています。今では誰もが着ているTシャツも、もともとは下着の一種でした。しかしマーロン・ブランドが普段着として着用していたことから、当時の若者たちの間でTシャツが流行したのだそうです!彼は『ゴッドファーザー』や『
ブレイブ』など、1950,60年代以降も有名作品に出演し続けています。

映画史を語る上で欠かせない作品、そしてスターがたくさん活躍したこの時代。ではそんな1950年代を代表する映画を、さっそくみていきましょう!

1. サンセット大通り (1950)

こんな女性、目をつけられたくない!

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脚本家のジョーは自分の脚本を映画会社に採用してもらえず、貧乏な日々を送っていました。ある日ジョーが出会ったのはサイレント時代の大物女優、ノーマ。豪邸で隠居生活を送り、その存在は世間の人々に忘れさられていましたがノーマは今も自分がスター女優だと信じこんでいました。ジョーはそんなノーマに、彼女の代表作である『サロメ』の脚本の手直しを要求されます。次第に仕事だけではなく私生活もノーマに束縛されていくジョー。嫌気がさしたジョーの行動が、ある悲劇をよび・・・
ハリウッドの光と闇、サイレント時代からトーキー映画へ移り変わる時代を描いた『サンセット大通り』。美と名声への執念が凄まじいノーマの狂気は恐ろしいもの!「女性って怖い」と思わず漏らしてしまいそうなサスペンス作品です。どこか淡々とした、乾いたユーモア満載の語り口調も魅力的です。

公開 : 1951年10月28日
監督 : ビリー・ワイルダー
出演 : グロリア・スワンソン、ウィリアム・ホールデン

2. ライムライト (1952)

喜劇王チャップリンが語る“人生哲学”

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喜劇王チャールズ・チャップリンが長編映画で初めて素顔を出した作品であり、そして彼がアメリカで制作した最後の作品である『ライムライト』。この“ライムライト”とはかつての舞台照明のことであり、また“名声”という意味もこめられています。

舞台は第一次世界大戦前、ロンドン。主人公のカルベロはかつて大人気を誇った道化師でしたが、今では落ちぶれてしまっていました。そんなある日カルベロは美しい若い女性が自殺を図っているところを助けます。彼女の名前はテリー、バレエの踊り子でした。彼女は踊り子であるものの足が動かなくなり、人生に絶望してしまっていたのです。カルベロはそんなテリーを、なぜか見捨てることができなくて・・・
チャップリン演じるカルベロが語る“生きる意味”について。その優しさと重みに満ちた名言の数々は、深く心に突き刺さります。人生の悲哀を描きだした『ライムライト』、喜劇王チャップリンによる人生哲学の物語をぜひご覧ください。

公開 : 1953年2月12日
監督 : チャールズ・チャップリン
出演 : チャールズ・チャップリン、クレア・ブルーム

3. 真昼の決闘 (1952)

敵は4人、立ち向かうのは自分1人

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舞台はとある小さな街。保安官のケインはその日、新妻のエミイと結婚式をあげて退職し、街を出て行くつもりでいました。しかし式を挙げる直前、ある4人の悪党たちがこの街へ向かっているとの情報を耳にします。彼らはかつてケインが捕まえた者たちで、報復のために戻ってきたのです。
皆の勧めでエミイとともに逃げようとするケインですが、考えを改めなおし悪党と対決することに。しかし街の人々に協力を頼んでも誰も応じてくれず、ケインはたった1人で悪党4人と戦うことになるのです・・・

この映画の上映時間は85分、そして映画内で流れる時間も約85分。キャラクターたちと同時進行で物語を楽しむことができる“リアルタイム劇”なんです。
主人公が葛藤しながら、たった1人でも街を守るために悪党と対時する姿を描いた『真昼の決闘』。派手派手しさはありませんが、洗練された西部劇の傑作の1つです。

公開 : 1952年9月17日
監督 : フレッド・ジンネマン
出演 : ゲイリー・クーパー、グレイス・ケリー

4. 雨に唄えば (1953)

ミュージカル映画の金字塔!

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アメリカで親しまれている歌、『Singin’ in the Rain(原題)』を主題歌に制作されたミュージカル映画が『雨に唄えば』です!
舞台はサイレント映画から徐々にトーキー映画へと移りつつあるハリウッド。映画スターのドンとリナはスクリーン上のカップルとして人気を集め、私生活でも結婚を噂されていますが実はドンはリナの態度に辟易していました。そんなある日、ドンは新人女優のキャシーと恋に落ちます。その頃ドンとリナを主演においたミュージカル映画の制作が進んでいたのですが、リナの歌声はひどいものでした。そこでドンは、キャシーの歌声を吹き替えることを思いついて・・・

2017年大ヒットした『ラ・ラ・ランド』の中でも、この『雨に唄えば』のとある名場面に似たシーンを観ることができます。『ラ・ラ・ランド』を観た人はぜひ、『雨に唄えば』のどこのシーンか探してみてくださいね!きっとこの映画を観れば梅雨の雨の日も、憂鬱に感じられなくなるはずです。

公開 : 1953年4月1日
監督 : ジーン・ケリー、スタンリー・ドーネン
出演 : ジーン・ケリー、デビー・レイノルズ、ドナルド・オコナー

5. ローマの休日 (1953)

“永遠の妖精”オードリー・ヘップバーン

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ヨーロッパのとある王国の王女であるアンは、公務のためにイタリアを訪れていました。しかし度重なる激務でアンは心身ともに疲弊。ある夜こっそり、ローマの街へと抜け出してしまいます。そこでアンと出会ったのは新聞記者のジョー。彼女の正体を見抜いたジョーは1大スクープになることを確信し彼女と行動を共にするのですが、やがて2人には恋が芽生えて・・・
“真実の口”でのシーンやジェラートをローマの街角で食べるシーンなど、ロマンチックな名場面が満載の『ローマの休日』。オードリー・ヘップバーンの可憐な美しさは本当のプリンセスのようです。女性から人気が高い今作ですが、男性が観ても楽しめるラブストーリーなこと間違いなし!ラストの気丈なアン王女の微笑みはきっと、心に深く印象づけられることでしょう。

公開 : 1954年4月19日
監督 : ウィリアム・ワイラー
出演 : オードリー・ヘップバーン、グレゴリー・ペック

6. 裏窓 (1954)

向かいの家で事件発生?

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『サイコ』や『鳥』など、名作ホラーやサスペンスを多く手がけるアルフレッド・ヒッチコック監督による作品がこの『裏窓』です。
主人公のカメラマンのジェフは、足を骨折してしまって自宅で療養中。暇を持て余したジェフは密かな楽しみとして、裏窓から向かいのアパートの住人たちの観察を始めます。そんなある日、あるセールスマンの夫と言い争いをしていた妻がぱたりと姿を見せなくなったことに気がつきます。夫が妻を殺したのではと疑うジェフは、恋人のリザの力を借りて独自の調査を始めるのですが・・・

画面に映るのは、ほぼジェフの部屋と向かい側のアパート、中庭だけ!それなのにテンポよく進んで行く事件の展開に目を離すことができません。スリリングでいてコミカルな要素もあり、またリザを演じるグレース・ケリーの美しさも堪能できる作品です。

公開 : 1955年1月14日
監督 : アルフレッド・ヒッチコック
出演 : ジェームズ・スチュワート、グレース・ケリー

7. 海底二万哩 (1954)

いざ、未知なる海底の世界へ!

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時は19世紀半ば、世界各地の海では謎の怪物による沈没事故が起こっていました。主人公、海洋生物学者のアロナクス教授はこの生物についての調査を引き受けることに。そんな教授や助手のコンセイユが乗っていた調査船の前に現れた怪物の正体・・・それはモネという人物が操縦する、ありえないほどに優れた万能潜水艦“ノーチラス号”だったのです。
原作はフランスの小説家で“SFの父”と呼ばれるジュール・ヴェルヌによる冒険大作『海底二万里』。大人から子供まで愛される古典SFを、ウォルト・ディズニーが映像化した作品です。冒険心をくすぐられる潜水艦やロマンあふれる幻想的な海底の世界、そして巨大イカとの格闘シーンは圧巻の迫力!色褪せない興奮と高揚感をぜひ、ご堪能ください。

公開 : 1955年12月23日
監督 : リチャード・フライシャー
出演 : カーク・ダグラス、ジェームズ・メイソン、ポール・ルーカス

8. 波止場 (1954)

若きマーロン・ブランド主演

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舞台は1950年代、ニューヨーク。港で働く労働者たちを取り仕切るマフィアのボスに、落ちぶれた元ボクサーの青年が立ち向かう姿を描いた作品がこの『波止場』です。
わずかな賃金で働く労働者たちから搾取している、悪どいマフィアのボスのジョニー。労働者たちは屈辱感を飲み込み、報復を恐れて我慢する毎日・・・しかし主人公テリーの友人が殺された時から、事態は大きく変わり始めます。
テリーを演じるのは若きマーロン・ブランド。野生っぽさの中にどこか繊細さも残るテリーというキャラクター、自分の中の正義と周囲との間で葛藤する姿を見事に演じきっています。モノクロ映画でありながら鮮烈な印象を焼き付ける『波止場』。アカデミー賞8部門を受賞した名作です。

公開 : 1954年6月22日
監督 : エリア・カザン
出演 : マーロン・ブランド、エヴァ・マリー・セイント、カール・マルデン

9. グレン・ミラー物語 (1954)

スウィング・ジャズの始祖

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スウィング・ジャズのカリスマ、トランボーン奏者として活躍したグレン・ミラーの半生を描いた電気映画『グレン・ミラー物語』。妻ヘレンとのラブロマンスや作曲家としての才能を発揮するまで、スウィング・ジャズの創始者として立ち上げた“グレン・ミラー楽団”との演奏旅行。そして飛行機事故で亡くなってしまうまでの、激動の人生が詰まった映画です。グレン・ミラーの音楽に対する愛情が伝わってくる、音楽映画としてはもちろん“永遠の愛とはなにか”についても考えさせられる作品でもあります。
劇中には代表曲ももりだくさん!『茶色の小瓶』や『真珠の首飾り』『セントルイスブルース』など・・・懐かしいジャズの名曲とともに、グレン・ミラーの人生にぜひ触れてみてください。

公開 : 1954年1月8日
監督 : アンソニー・マン
出演 : ジェームズ・スチュワート、ジェーン・アリソン、ルイ・アームストロング

10. 喝采 (1955)

これぞ “ハリウッドの大作”! 

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かつて一世を風靡したミュージカルスターのフランクは、今ではすっかり酒浸りの日々。見かねた演出家のバーニーは、周りの反対を押し切ってフランクに出演の依頼をもちかけます。最初は渋るフランクでしたが、妻ジョージーのすすめもあって出演を承諾。それでもなかなか稽古に身が入らない彼は、バーニーにその訳を打ち明けます。何でも数年前に息子を交通事故で失い、そのショックから妻が自殺未遂を起こし自分を困らせるというのです。フランクの言葉を信じるバーニーでしたが、実はそれは真っ赤な嘘。自殺未遂を起こしていたのはフランクの方だったのです・・・
ヴィンテージのファッション、小粋でおしゃれな台詞の数々、男と女の関係、そして人が再び生きる力を取り戻していく姿を描き上げた『喝采』。昔ならではの“ハリウッド大作映画”を観たいという時、ぜひご覧ください。

公開 : 1955年4月15日
監督 : ジョージ・シートン
出演 : グレイス・ケリー、ビング・クロスビー、ウィリアム・ホールデン

11. 悪魔のような女 (1955)

浴槽の顔の怖さといったら・・・

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舞台はパリ郊外に位置する小学校。校長のミシェルは妻クリスティーナがいながら、女教師のニコールと不倫関係にありました。乱暴なミシェルに我慢できなくなったクリスティーナとニコールは手を組んで、ミシェルの殺人計画を企てます。ついに彼を殺害し、遺体をプールの底に沈める2人。しかしその後プールの水を抜かなければいけなくなった時、あるはずのミシェルの遺体が無くなっていて・・・
フランス映画である『悪魔のような女』。サスペンス映画というよりはホラーに近い、モノクロならではの不気味で幻想的な映像も圧巻です。公開当時のキャッチコピーは「観賞後はストーリーをいっさい口外しないこと」だったのだとか。衝撃のラストが待ち受ける、ヒヤヒヤしたストーリー展開をぜひお楽しみください!

公開 : 1955年7月26日
監督 : アンリ=ジョルジュ・クルーゾー
出演 : シモーヌ・シニョレ、ヴェラ・クルーゾー

12. エデンの東 (1955)

ジェームズ・ディーンの出世作

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舞台は1917年、カリフォルニア。場主アダムには性格の異なる2人の息子がいました。兄のアーロンは温厚で真面目な青年、反対に弟のキャルいつも問題を起こしてばかり。アダムは当然アーロンをかわいがり、キャルのことは疎ましく思っていました。そんなある日キャルは、亡くなったと聞かされていた生みの母親ケートが実は生きており、酒場を開いているとの情報を耳にします。キャルは母親のふしだらな血が自分にだけ受け継がれたと、一人思い悩み・・・旧約聖書の“カインとアベルの物語”をモチーフにした人間ドラマです。
キャルを演じたのはアメリカの伝説的な俳優、ジェームズ・ディーン。彼はこの作品でスターの座を不動のものとしました。ジェームズ・ディーンの物悲しげな眼差しが心に残る“愛”や“許し”を説いた名作『エデンの東』。後世の様々な作品にも影響を及ぼした映画です。

公開 : 1955年10月4日
監督 : エリア・カザン
出演 : ジェームズ・ディーン、ジュリー・ハリス、レイモンド・ハッセイ

13. ジャイアンツ (1956)

テキサスの自然を舞台に描かれる大河ドラマ

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アメリカの女流作家、エドナ・ファーバーによる同名小説を映画化した『ジャイアンツ』。彼女はこの作品を書き終わるのに、なんと12年もの歳月を費やしたといいます。
テキサスに広大な土地をもつ牧場主のジョーダンのもとに嫁いできた東部の娘、レズリー。そんなレズリーを口説こうとする若者ジェット。アメリカ東部と西部の文化の違い、家族の問題や愛などを雄大な自然とともに綴った大河ドラマです。
レズリーを演じるのは、その演技力と抜群の美貌でハリウッド黄金期を代表する女優となったエリザベス・テイラー。ジェットを演じるのはジェームズ・ディーンです。この『ジャイアンツ』は人種差別や女性の自立など、現在にも通ずる問題を取り扱っている作品です。ある家族の30年にもわたる人間ドラマをぜひ目撃してみてください。

公開 : 1956年12月22日
監督 : ジョージ・スティーヴンス
出演 : ロック・ハドソン、エリザベス・テイラー、ジェームズ・ディーン

14. 十戒 (1956)

クライマックスの特撮に仰天!

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旧約聖書の“出エジプト記”を原作に制作された歴史スペクタクル大作が『十戒』です。
昔、ヘブライ人がエジプトの奴隷であった時代。1人のヘブライ人の男の子、モーセが生まれます。ヘブライの救世主の誕生を恐れたエジプト王ファラオは「ヘブライ人の幼児を全て殺せ」とのお触れを出していたため、モーセの母親はナイル川にモーセが入ったカゴを流します。
エジプトの王女に拾われ、王女の息子として育ったモーセはすくすくと成長。しかし出生の秘密が暴かれた彼はすぐに追放され、そこで神から「ヘブライ人をエジプトから救い出せ」との啓示を聞きます。モーセは奴隷であるヘブライ人を連れて、約束の地カナンへと目指すのです・・・

この映画の見どころはやはり海が真っ二つに割れるクライマックス。特撮を駆使して撮られたその映像は、今観ても驚きの迫力です!220分とたいへん長い作品ですが、一見の価値ありです。

公開 : 1958年3月5日
監督 ; セシル・B・デミル
出演 : チャールトン・へストン、ユル・ブリンナー

15. 戦場にかける橋 (1957)

日本人も出演!衝撃のラストが待ち受ける戦争映画

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舞台は第二次世界大戦真っ只中。タイとビルマの国境近くにある日本軍の捕虜収容所では、国境を流れるクワイ河にかける橋の建設準備が進められていました。しかし日本軍の捕虜であるイギリスの兵士たちを動員させようとする斎藤大佐と、イギリス軍のニコルソン大佐の間では意見が衝突。しかし「捕虜に生きがいを」と大佐は条件を承諾し、さっそく工事にとりかかることに。しかしそのころ、アメリカ軍の手引きによって橋の爆破作戦が始まろうとしていて・・・

人間の尊厳や戦争の悲惨さを描いた今作。斎藤大佐を演じるのは21歳で単身渡米し、ハリウッドで活躍した日本人俳優早川雪洲です。日本人が出演しているとあって、国内でも大きな話題となりました。
虚しさが胸をしめつける衝撃のラストシーンは、きっと1度観たら誰もが忘れられないはずです。

公開 : 1957年12月22日
監督 : デヴィッド・リーン
出演 : ウィリアム・ホールデン、アレック・ギネス、早川雪洲

16. OK牧場の決斗 (1957)

西部に名を残す、伝説の決闘がここに

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牛泥棒のクラントン一家を追ってフォート・グリフィンにやってきたワイアット・アープ。彼はそこで街の人々からリンチされそうになっていた賭博師、ドク・ホリディを救い出します。そこで奇妙な友情関係が生まれるワイアットとドク。その後悪名高きクラントン一家の横暴っぷりはさらに増し、ワイアットとドクは彼らと真っ向から立ち向かうためにトゥームストンへ向かうのです。
クライマックスである“OK牧場の決闘”は1881年、アープ兄弟とクラントン一家によって実際に起こった決闘なのです。彼らの戦いを描いた映画はこの作品の他に西部劇『荒野の決闘』などがあります。
ワイアットとドクの友情物語を軸に、痛快なアクションや魅力的なサウンドトラックで彩られた娯楽活劇『OK牧場の決斗』。あまり西部劇に触れたことがないという人でも、観やすい作品となっています。

公開 : 1957年7月3日
監督 : ジョン・スタージェス
出演 : バート・ランカスター、カーク・ダグラス

17. 12人の怒れる男 (1957)

同じ部屋、同じ人だけなのに、こんなにも面白い

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物語は、17歳の少年が父親殺しの罪に問われるところから始まります。その裁判の陪審員として集められた12人の男たち。どう見ても有罪と思われたこの事件でしたが、ある1人の陪審員だけ少年の無罪を主張します。そこから他の陪審員の心にも、徐々に変化が現れて・・・
少年の事件の判決について、男たちが一室で討論する様を描いた『12人の怒れる男』。同じ部屋、そして同じ人物たちしか出てこないのに全く飽きることがなく、面白いんです!隙や無駄がいっさいない、洗練されたサスペンスドラマです。
いわゆる“法廷もの”“密室もの”の代名詞である傑作『12人の怒れる男』。観たら必ず誰かにおすすめしたくなってしまうはず。

公開 : 1959年8月4日
監督: シドニー・ルメット
出演 : マーティン・バルサム、ジョン・フィードラー

18. 手錠のままの脱獄 (1958)

“偏見と憎しみ”の手錠は、果たして外れるのか?

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真夜中、ある囚人護送車が事故にあい転落。その中から、手錠で繋がれた2人の囚人が脱走しました。1人はジャクソン、白人。もう1人は黒人の青年のカレン。お互いに持っている偏見から憎悪しあい、反発する2人ですが生き残るためには協力しなければなりません。逃亡を続けるうちに友情を深めていく2人の囚人の姿を描いた、サスペンス・アクションです。
手錠に繋がれたまま囚人が脱走する・・・といったストーリーはよくクライム映画でもありますが、この『手錠のままの脱獄』の2人は白人と黒人。しかも映画が製作された1958年は公民権運動の真っ最中!そんな時代の中で作られたこの映画は、かなり重く強いメッセージがこめられているといっていいでしょう。
ジャクソンとカレンは無事に逃げ切ることができるのか?感動のラストまで目を離さずにご覧ください!

公開 ; 1958年10月14日
監督 : スタンリー・クレイマー
出演 : トニー・カーティス、シドニー・ポワチエ

19. バイキング (1958)

悪名高き海賊たちのスペクタクル・ドラマ

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舞台は9世紀頃。ヨーロッパの海岸は北欧の海賊“バイキング”によって荒らされていました。そんなヴァイキングの中で最も悪名高いラグナーと、異母兄弟でありイングランド王家の血をひくエリックの血肉を争う物語です。

全編を通して雄大なロケーションを楽しむことのできる『バイキング』。弓矢が飛び交う戦闘シーンは、もちろんCGなし!この時代ならではの鬼気迫る迫力に驚かされてしまいます。
今ではビュッフェスタイルの食事のことを“バイキング”と呼びますよね。実はその名前は、この映画が元の由来なんです!当時の帝国ホテルの料理人が、日比谷の劇場で観賞したあとに“バイキング料理”と命名し、それが広まったのだとか。荘厳なクライマックスにむけて大スケールで展開される『バイキング』、今までに観たことがないような歴史スペクタクルです。

公開 : 1958年9月20日
監督 : リチャード・フライシャー
出演 : カーク・ダグラス、アーネスト・ボーグナイン

20. 北北西に進路をとれ (1959)

スリルも恋もつまったヒッチコック作品

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主人公は広告マンのロジャー。彼はある日キャプラという男と間違われて誘拐され、タウンゼントと名乗る人物から「どこまで情報を掴んでいるのか教えろ」と尋問されるはめになります。そして人違いとわかると彼の手下たちに危うく殺されそうに。なんとか助かったロジャーはタウンゼントが 働いていたという国連の本部へ向かいますが、そこにいたタウンゼントは全くの別人で・・・ある男と間違われたことから、国際的な陰謀に巻き込まれてしまったロジャーの奮闘を描いたサスペンス・スリラーです!

監督は巨匠、アルフレッド・ヒッチコック。不運の連鎖続きの男が巻き込まれた事件の真相とは、そして謎の美女、イヴの正体とは?スリルも恋もアクションも詰まった『北北西に進路をとれ』。緊張感とユーモラスな雰囲気の絶妙なバランスが癖になってしまいます。

公開 : 1959年9月26日
監督 : アルフレッド・ヒッチコック
出演 : ケーリー・グラント、エヴァ・マリー・セイント、ジェームズ・メイソン

今こそ触れたい、往年の名作たち!

60年以上前に制作された、今回ご紹介した映画たち。半世紀以上経っても今なお愛される名作映画は、どの時代に観ても人々の心を惹きつける魅力を持っています。ヴィンテージなファッションを楽しむもよし、優れた特撮映像のアクションを楽しむもよし、男のロマンが満載のギャング映画を観るもよし。ぜひ映画で古き良き時代の人間ドラマを、じっくり堪能してみませんか?

考えさせられる作品ばかり。1960年代のおすすめ映画15選

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Moeka Kotaki

フリーライター。主に映画のことについて執筆中。

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