現代人の荒んだ心に刺さる!星の王子さまからの教え
歴史に残る「絵本」であるサン=デグジュペリ『星の王子さま』から、現代人の心に突き刺さる名セリフを紹介します。
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大人のための絵本『星の王子さま』
大人のための絵本として有名なのが、サン=デグジュペリの『星の王子さま』です。
王子さまの口を借りて、世の中の「オトナ」に対する力強いメッセージがふんだんに盛り込まれたこの作品には根強いファンがいます。今回は、『星の王子さま』( (新潮文庫) 文庫 – 2006/3/1サン=テグジュペリ (著), Antoine de Saint‐Exup´ery (原著), 河野 万里子 (翻訳))から、現代のオトナの心に突き刺さる名セリフを紹介します。
「おじさんは、一度も花の香りをかいだことがなかった。星をみたこともなかった。誰も愛したことがなかった。〔中略〕『大事なことで忙しい!私は有能な人間だから!』そうしてふんぞり返ってた。でもそんなのは人間じゃない。キノコだ!」
忙しさにかまけて人間的な情緒を忘れてしまったオトナに対して「キノコだ!」という痛烈な批判を浴びせています。有能かどうかなどは、関係ないのです。VOKKA読者の皆様は仕事もバリバリこなしている多忙な方が多いと思われますが、人間として忘れてはいけないものは何なのか、自然を愛でる時間は足りているか、家族との時間は十分か、改めて考え直す必要があるかもしれません。
「ぼくはあのころ、なんにもわかっていなかった!ことばじゃなくて、してくれたことで、あの花を見るべきだった。あの花はぼくをいい香りで包んでくれたし、ぼくの星を明るくしてくれたんだ。ぼくは、逃げ出したりしちゃいけなかった!あれこれ言うかげには愛情があったことを、見ぬくべきだった。」
VOKKA読者の皆様の周りにも、期待どおりに動いてくれない方がいるかもしれません。何かと口うるさい方がいるかもしれません。それは彼女かもしれません、奥さんかもしれません、上司かもしれません、ご両親かもしれません。そういった方々がどういう想いを抱いているか、今一度思いを巡らせる時間が必要かもしれません。まずは「してくれたこと」に注目して、感謝をしてみましょう。
「なつかせたもの、絆を結んだものしか、ほんとうに知ることはできないよ。〔中略〕人間たちはもう時間がなくなりすぎて、ほんとうには、なにも知ることができないでいる。なにもかもできあがった品を、店で買う。でも友だちを売っている店なんでないから、人間たちにはもう友だちがいない。きみも友だちがほしいなら、ぼくをなつかせて!」
現代人は効率や合理性を追い求めた結果、自分自身もその歯車に巻き込んでしまいました。その結果、自分のペースというものを失い、時間も失ってしまいました。その結果、何でもかんでも「既製品」に頼らざるをえない無力な存在になってしまったのかもしれません。しかし、人間関係に「既製品」などありません。「絆」のある人間関係を手に入れるためにはどうすればいいのかについて、示唆に富むフレーズです。
「いちばんたいせつなことは、目に見えない」
こちらは「星の王子さま」の有名すぎるフレーズで、実際に読んだことのない人でも聞いたことがあるのではないかと思われます。奥深いこのフレーズの真意を読み取るには、作品全体を読み込む必要があると言われています。
「地球の人たちって〔中略〕ひとつの庭園に、五千もバラを植えてるよ〔中略〕それなのに、さがしているものを見つけられない〔中略〕だけどそれは、たった一輪のバラや、ほんの少しの水のなかにあるのかもしれないよね〔中略〕」
現代にはモノがあふれているが、本当に大切なモノは限られており、それは以外と身近なところにあるというメッセージなのでしょうか。テーマ自体は一般的ですが、作品全体から読み取れる透明感のあるキャラクターのせいでしょうか、星の王子さまに言われると心に突き刺さります。
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