Underworldが成し得た未知の音楽世界の構築
日本でも評価の高いテクノ、ハウス、エレクトロミュージックの立役者Underworldを多角的視点から迫ります。
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ダンスミュージックのパイオニア
クラブ・ダンスミュージックのパイオニアにして未だに若いアーティストたちに影響を与えている存在、Underworld。カール・ハイド、リック・スミスからなるこのダンスユニットは世界中のテクノ・ハウスファンを驚喜させてきました。ロンドン五輪の音楽監督として就任したのも記憶に新しいところです。その類いまれなる才能について分析していきましょう。
凡庸な初期
Underworldは、初期の体制と中期以降の活動形態が全く異なります。ロックバンドとして活動を始めたUnderworldは、当初は5人組でした。名前こそ同じものの、1992年以降の活動形態とは大きく異なります。DJのダレン・エマーソン加入以後はテクノユニットとしての活動へと大きくシフトチェンジを果たしていきます。
ムーブメントの中心へと
セカンド・サマー・オブ・ラブ、レイヴの世界的流行という時代の流れに上手く乗り、Underworldは急速に成長を果たしていきます。メンバー自身が「上手くいかなかった」と失敗を認めるロックバンド時代を経て、辿り着いた境地でした。中でも「Rez」という名曲はクラブアンセムとして現代でも頻繁に掛けられる時代を超えた作品となっています。
代表的作品Born Slippy
ダニー・ボイル監督の「トレイン・スポッティング」に「Born Slippy」が起用されると、いよいよメインミュージックシーンにおいてもその名を轟かせてきます。無軌道な若者の刺激的な日常と非日常を描くこの作品のサウンドトラックには、イギー・ポップ、プライマル・スクリーム、ニュー・オーダー、デーモン・アルバーンなど錚々たる面々が参加。その中でも一際「Born Slippy」は異彩を放っていました。
メンバー離脱の衝撃
Underworldからダレン・エマーソンが脱退するという衝撃的なニュースが流れる前後、DVD作品「EVERYTHING, EVERYTHING」がリリースされます。これは2000年というまだDVD作品リリースが珍しかった時期のもので、いち早くテクノロジーを取り入れるメンバーならではの目論見とも言えます。単なるライブ映像集ではなく、映像集団「トマト」の手がけた作品も別個で楽しめるという実験的かつ独創的な部分を持ち合わせていました。
ムーブメントから離れ孤高の存在に
Underworldはその後も「Two Months Off」などのヒット曲を飛ばし、日本でも「エレクトラグライド」などのイベントで活躍し続けてきました。近年ではカール・ハイドと、伝説的な音楽家プロデューサーとして知られるブライアン・イーノとの共演が話題になりました。芸術家として己の道を探求し続けるUnderworldは、カテゴライズできない独自の存在として有り続けているのです。
Underworld Born Slippy
iTunes Store で Underworld「1992 - 2012」の曲をプレビュー。 「1992 - 2012」をプレビューして ¥2,100 で購入。曲は ¥250 から。
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