文章を書く、アイデアを出す秘訣満載 ~『原稿用紙10枚を書く力』齋藤孝~

企画書、報告書、プレゼン資料等々、文章を書く機会はたくさんあります。平凡すぎては書き直しと言われ、逆に個性を出しすぎてもダメだと言われたり。メディアでも引っ張りだこの斎藤孝氏のノウハウを借りて、きちんと型は押さえているけれど、個性的な文章やアイデアを出す手がかりを探ってみましょう。

vokkaVOKKA 編集部
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そもそもなぜ「原稿用紙10枚」なのか

まず、タイトルの意味から見てみましょう。
斎藤氏は文章を書くことをランニングに例えます。原稿用紙3、4枚ならばなんとか書くことができても10枚となると少し工夫が必要になります。これを10km走ることだというのです。10km走って大丈夫な走力・体力をつけておけば、20km、30kmも走れるようになります。そこまで行けば、マラソン完走すら夢ではありません。
原稿用紙10枚が書けるようになることは、さらに長い文章を書くための第一歩。
最低限の量をこなしていくことで、基本的な力をつける。文章に限らず、あらゆる分野でも言えることなのではないでしょうか。

文章力は構築力

斎藤氏によれば、構築力とは文章全体を構成するコンセプトやキーワード、キーフレーズを見つけ、組み立てていく力のことです。
それぞれ3つずつ考えることを提唱しています。つまり3つのコンセプト、3つのキーワード、3つのキーフレーズを考えて、文章を構築していくのです。
この3つというところが、考え方の肝になる部分です。

なぜ「3つ」が肝なのか

上記の3つ。どうして3つも考える必要があるのでしょう。

わかりやすい例として、読書感想文を取り上げています。
一冊の本を読んで、自分が感じた重要なコンセプトだと思うものを3つ、キーワードを3つ、キーフレーズを3つあげてみます。そして、それらがどのように絡み合い、効果的に書かれているのかを知ることが構築力を養う読書のやり方だと斎藤氏は言います。

おもしろいのは、それぞれ3つずつをあげると、別の人が同じものをあげる可能性は非常に低くなるということ。これが1つや2つだと誰かと重複するのですが、3つとなるとなかなか一致しません。
さらに、どうしてそれらを選んだかという理由、および選ばれたものの関連性まで考えると、それは選んだ人自身の好み、思考、考え方、価値観になってくるので、誰かと重複させること自体が難しくなってきます。

斎藤氏はそれがその人の個性であると言います。

その個性に基づいて書かれた文章であれば、必ず他の人が作ったものとは違う、その人自身が投影されているものとなるはずです。それが個性的な文章と内容になり、差別化を容易に起こすことができるという訳です。

読書から始まり、実際に文章を書いていく

本書には、こうした個性的な文章を書いたり、アイデアを出したりするための秘訣がたくさん紹介されています。
まずは、読書から、次に文章を書くことへ、さらに10枚書くことに進むための道しるべを論理的に提示してくれています。
まずは今回ご紹介した3つずつをあげていく手法から、良い文章を書くTipsを習得していってはいかがでしょうか。

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