【ボブ・ディラン】はどうしてノーベル賞を受賞したのか?聴いておくべき曲も紹介!

2016年のノーベル文学賞に選ばれたのは、驚いたことに作家ではなく音楽家である『ボブ・ディラン』でした。元々ここ数年、何度もノーベル文学賞の受賞候補に挙がっていたボブ・ディラン。なぜ今回受賞に至ったのか?その詩の内容を紹介します。

yuutanyuutan@フリーライター
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現代音楽の詩の影響力が認められた

さすがに、ノーベル文学賞をミュージシャンが受賞してしまうと「文学」自体の定義が曖昧なものになってしまいます。「あれは詩になっている」と評する詩人もいれば、「ノスタルジー優先の良くない表彰だ」と批判する小説家もいるように、賛否両論の声が出るのも当然です。本人は今回の受賞に関して、一切のコメントを公表しておりませんので(2016年10月現在)、捉え方は”人それぞれ”になります。

どちらにしても、現代音楽の歌詞が「世の中に与える影響力」が認められたのは間違いないでしょう。まさに音楽界の「開拓者」となったボブ・ディランの歌詞を聴いておかないわけにはいきません。

アメリカのミュージシャンなので、歌詞は当然英語です。効果的な部分で韻を踏んでいるという部分も重要なポイントですが、今回はその詩の内容にのみフォーカスし和訳で紹介してみたいと思います。

Blowin' In The Wind(風に吹かれて)

人はどれくらいの道を歩めば、人として認められるのだろうか

人は沢山の苦しい思いをして、救われる。人として認められるということでしょう。
確かに人は生きていく中で、思いがけない落とし穴に落ちたり、厳しい現実に打ちのめされたりするのを繰り返して大人になっていくんですよね。

戦争についても「どれだけ弾が打たれれば誰も傷つかなくなるのか」「死が無益だと分かるまで、どれほど多くの人が死ななければならないのか」と歌っています。

答えは風に吹かれて、誰にもわからない

普遍的な時間の流れを歌っている、ノスタルジックな曲の定番とも言えるでしょう。
人生の中でも考えても答えが出ないような、最も難しいこと。

生物や自然との「出会いと別れ」を繰り返し、地球は回っていることを感じさせる歌詞です。

The Times They Are A-Changin’(時代は変わる)

時間が貴重だと思ったら泳ぎだしたほうがいい

さもなくば石のように沈んでしまう。
時間は動き出しているんだから。

人生は永遠ではなく、限りあるもの。やりたくないことをやっている時間なんてないと思うのです。

今の敗者は、次の勝者

ルーレットの玉が次にどこに止まるかなんて誰がわかるんですか?

未来はわからない。
今夢に破れて、人に貶められたり、楽しい生活ではなかったとしても、

未来はどうなるかわからない。
好きなことをしていれば、次に勝者となる時もくるかもしないですよね。

わからないことは批評しなさんな

作家や批評家、
国会議員、

そして親。

先のわからないことを批判して、新しいものが進むのを邪魔するんじゃないと。
昔のやり方は急速に通用しなくなってきつつある。

特に今の時代はブームと衰退のサイクルは非常に短いものです。
今、先頭を走っているランナーも、後にはビリになっていることもあるでしょう。

Like A Rolling Stone

転がり落ちる石?

この曲は自由主義経済社会の富裕層へ向けた、痛烈な風刺のストーリーになっています。

ミスロンリーといういわゆる”お嬢様”のような女性が、人生の転落を味わうことを、

「どんな気分だい?家もないようなのは」

「どんな気分だい?あなた自身だっていうのは」

「転がる石みたいだっていうのは」

と歌い、痛烈に批判しています。

ミス・ロンリー

”ミスロンンリー”とは富裕層を総じて比喩していると思われます。

当時アメリカはベトナム戦争の終盤だったことを考えると、
この戦争が行われたことで、私腹を肥やした富裕層への批判と捉えることが出来ます。

この曲は特に、Mr.Childrenの桜井和寿さんや、サザンオールスターズの桑田佳祐さんの歌詞がボブディランから大きく影響を受けていると感じさせます。

Knockin' on Heaven's Door(天国への扉)

まるで天国の扉を叩いてる気分だよ

ママ、このバッジを外してよ。
僕にはもう意味のないものだから。

目の前は真っ暗で、何も見えやしない。
まるで天国への扉を叩いてる気分だよ。

と歌うこの曲は西部劇映画『ビリー・ザ・キッド/21才の生涯』の提供曲として有名で、たくさんのアーティストにカバーされています。

「NO MORE WAR」のメッセージ

1番の歌詞「バッジ」や2番の歌詞「銃」は権力、力の象徴としての比喩だと思われます。

そんな威圧的な世の中は嫌だというメッセージと捉えられ、
他の作品と同じようにボブ・ディランの社会風刺の効いた詩になっています。

ボブディランの歌詞はシブすぎる

戦争への批判や、人生の中でも難しい答えのないようなテーマを常に歌っているボブディランは、正直シブすぎです。今までちゃんと聴いたことのない、日本人には中々とっつきづらいかもしれません。

でも彼の音楽が、今の世界中のアーティストに大きな影響を与えているのは確かで、もちろん日本のロックやポップス、フォークにもその流れは組まれています。

現代音楽の歌詞が、世界に与える影響を認められたと言えるボブ・ディランのノーベル文学賞の受賞。音楽と共に入ってくる歌詞は、文字だけで伝える文学よりも、さらに心に響くものになるのは間違いないでしょう。

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ドラッグストア店長から畑違いの制作業界へ、転職をしたばかりだったのに強引にその制作会社を辞めてフリーに。なんだかんだ言ったって「どーせ人生はギャンブルだ」と思うようにしました。スポーツも音楽もプレイすることが好きなアウトドア派。”あたかも”ではなく、一次情報を発信していきたい。

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都内在住。コーヒーとサンドイッチが大好きで1日1カフェ生活を送っている。夏の定番はレモネード、冬の定番はホットチョコレート。オシャレやヘルシーという言葉に敏感なミーハー系女子。

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